「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ミヨー バレエ音楽「屋根の上の牛」
Milhaud
: Le Boeuf sur le Toit


バーンスタイン フランス国立管弦楽団 1977年
Leonard Bernstein
Orchestre national de France

録音状態は、まずまず。演奏は、あまり精緻とは言えず、ホントにバラバラになっているような気がする。
ブリリアント(Brilliant Classics)レーベル盤2枚組 (EMI原盤) 
カップリングは下記のとおり。EMI盤も購入可能である。

CD1 バーンスタイン フランス国立管弦楽団 1977年
1    世界の創造
2〜5 「ブラジルの郷愁」より コルコバード、スマレー、ディジューカ、ラランジェイラス 
6    屋根の上の牛

CD2 ジョルジュ・プレートル モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
(1〜11 1971年 12〜36 1983年)

1〜3 スカラムーシュ
4〜5 マルティニック島の舞踏会
6〜11 パリ 4台のピアノのための6つの小品
     ピアノ:ノエル・リー、クリスティアン・イヴァルディ、ミシェル・ベロフ 、ジャン=フィリップ・コラール
12〜23 エクスの謝肉祭
24〜28 フランス組曲
29〜36 プロヴァンス組曲 ピアノ:ミシェル・ベロフ

バーンスタイン盤は、録音状態はイマイチなので、ちょっと音がくぐもって聞こえる。
生暖かい風の吹く夏の夜、煙草の煙が充満している居酒屋のなかで、ウスぼんやり〜と、ぼけ〜っと聴いているような気分だ。
「どぉ〜どみそっそ しれ どっそぉ〜 ど しっし〜そっそぉ らぁ〜」 
なんだか小馬鹿にされたような曲だが、曲芸師のように、ピエロのような悲しさが充満している。
理屈抜きに底抜けに楽しいってワケではないし、バーンスタイン盤は、なーんかメチャメチャ気怠くなってしまう。
これ、ホントに、縦線があってない感じで〜
精緻さを、厳密に求める気はないのだが、ホントにバラバラなんじゃーないかしらん。
シンコペーションのリズムは、まずまず活気があるのだが、間に挟まっているフレーズが整理されていないような感じで、う〜ん。かなり、だらけた、ばらけた感覚だ。 ハッキリ言っちゃって、メチャあってないし、下手って感じ。
これが、砕けた風に演奏してますって言われたら、えっ そうじゃないでしょ。違うと思うと反論したい感じだ。
旋律の整理なんだろうか。ゴチャゴチャした感じが、そのまま出ちゃっているようで、この曲に関して言えば、ワタシ的には、Y・P・トルトゥリエ 盤の方が、すっきりしてて好きである。
まあ、オチャラケで演奏しているとも思えないけど、いい加減さが〜 垣間見られて、アハハ〜
どこか、ヤスモノの場末の劇団みたいな感じになっている。
(↑ 国立の管弦楽団の演奏に対し、偉そうに言ってごめんなさい。)

ヤン=パスカル・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 1991年
Yan Pascal Tortelier
Ulster Orchestra



録音状態は極めて良い。楽曲のオチャメさ感が、充分に味わえると思う。
カップリング:プランク「牝鹿」、イベール「ディヴェルティメント」、ミヨー「屋根の上の牛」「世界の創造」

ミヨーが作曲した「屋根の上の牛」という、とっても、かわったタイトルの楽曲がある。
屋根の上っていうと・・・ 熱いトタン屋根の猫、屋根の上のヴァイオリン弾き。ぐらいしか単語が出てこないのだが。屋根の上に「牛」なんですよねえ。あれま。

で、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、
・・・超現実主義バレエ。ブラジルの大衆音楽や舞曲に強く影響されており(たとえば「屋根の上の牛」という題名は、ブラジルの古いタンゴに由来する)。
作品中には、30ものブラジルの旋律が引用されている。
1922年に開店したパリの同名の居酒屋は、このバレエ音楽に由来する。ルフランは 15回にわたって登場するが、そのつど12の別の調性に移調されている。
本来は、チャーリー・チャップリンの無声映画のために作曲され、「ヴァイオリンとピアノのためのシネマ幻想曲 "Cinéma-fantaisie" pour violon et piano」 という名称であった。
ジャン・コクトーの台本とラウル・デュフィの舞台装飾、ギィ=ピエール・フォコネの衣裳によるバレエが発想されるにあたって、ミヨーは「シネマ幻想曲」をバレエ音楽に編曲した。 ・・・とある。

なんとなーく、解ったような、解らないような解説だが。
チャップリンのコミカルな映画を彷彿することができるが、まっ とりあえず、聴いてみるのがイチバンかもしれない。ハチャメチャ オチャラケ風だが、とっつきやすい。
まず、冒頭から、遊園地のような、おもちゃ箱をひっくり返したような旋律だ。
「どぉ〜れ みふぁ そっそ しれ どっそ〜 ど しっし〜そっ らぁ〜」 
「そっそ しれっ どっそ そふぁ〜 みれどぉ〜」

B級と言えばB級だが、これを楽しめない手はないでしょ。街頭の音楽というか、アコーディオンで弾かれているような即興音楽、道化師を伴って笑いを誘うような軽妙で、ちょっぴり悲しいような楽曲である。
解説にあったように、繰り返しのなかで、調性が12も変わるということだが、これは、う〜ん。
ワタシは、耳が悪いので聴き取れない。(泣)

使用されている楽器の多様さと、滑稽さのなかにブラックユーモア的なフレーズや、ノリノリ感と泣き節が織り込まれているようで、飽きさせないどころか、不思議な魅力に取り憑かれる。
それに、複雑にフレーズが重なっているし、なかなか一聴しただけでは、つかみきれないような難しい曲でもあるが〜 理屈抜きに楽しめないとオモシロクナイ。
トルトゥリエ盤は、録音が新しいのが魅力だ。管の音質も良いし、テンポも良いし、聞きやすい。
ノリノリ感も充分にあるし、オチャメ。
特に、生命線であるリズム感については、ワタシ的には良いと思うが〜 
なにせ日本人なモノで〜タンゴの世界で生きている人が聴いたらどうなのかは、わからないです。(笑)

ケント・ナガノ リヨン歌劇場管弦楽団 1992年
Kent Nagano
Lyon National Opera Orchestra

録音状態は、まずまず。少し線の細めの痩せているって感じの繊細さがあり、醒めた感覚がする。もう少し、 お洒落に、色気を出して演奏して欲しい気もするが、なんか自然派って感じで、素朴な感じがする。

← 上のCDは、ミヨーの代表的な楽曲を集めた2枚組CD
カップリングは、下記のとおり。



← 下のCDは、ダブリ買いしちゃったもの。
2枚組BOXにも収録されているエクスの謝肉祭やピアノ協奏曲が収められた、ジャケット1の1枚モノのCDである。
このインパクトのあるCDジャケットのイラストに吸い付けられて、ついついダブリ買いをしてしまいました。
上のCDは、エラートから出ているミヨーの管弦楽・協奏曲作品集2枚組BOXである。
カップリングは下記のとおり、珍しい楽曲が収められている。

1 エクスの謝肉祭
2 ピアノ協奏曲第1番
3 5つの練習曲 
4 ピアノ協奏曲第4番
5 バラード 
  ピアノ:クロード・エルフェ(Claude Helffer)
  デヴィッド・ロバートソン(David Robertson) フランス国立管弦楽団

1 屋根の上の牛
2 世界の創造
3 ハープ協奏曲
  ハープ:フレデリク・カンブルラン Frederique Cambreling

ここでは、「屋根の上の牛」をご紹介するが、このナガノさんの演奏は、軽快であるが、ちょっと線が細いというか、気怠さも持ちつつ、ふわっとした風合いも持っているものの、どことなく、サッパリしている。
いろんなフレーズが合わさっている楽曲だが、肌触りというか、風合いは、妙に、ゴツゴツしている。
整理されないまま、提示されているような気もするし、内声部に埋もれがちな個々フレーズが浮かび上がっているので、面白い感じがする。

最初に聴くには、ちょっとアタマの中で、とっちらかった感がして、困るかもしれないけれど、馴れてきたら、ペコペコ パパパっ パーっと、吹き散らされた感じの管の風合いも、面白いかもしれない。
まあ、それにしても、一斉に、それぞれが、口々に叫んでますねえ。
なんとも言えない不協和音があるが、使用されている楽器が、それぞれ、別の方向に向かって喋っているような、いっけん、勝手に吹かれているような感じもする。
思わず、一瞬、眉をしかめてしまいそうになるが、まあ、そんな楽曲なんだろう。

ナガノ盤は、さほど色彩的に豊かってワケでもないし、艶っぽさとか、押しの強さも、あんまり感じない。
なんか、もっと芯の部分もあれば良いのだろうが、素朴って言えば素朴。
もちろん、楽曲のなかで統一された楽しいフレーズが登場するのだが、その楽しいフレーズが沈んでいくと、他の輩が叫んでしまう。感じなのだ。
主体となる旋律が何度も登場するのに、それをことさらに強調するわけでもなく、さらっと流している。
だから、口々に叫ぶフレーズが浮かぶって言えば浮かんでくるのだが、この素材そのものを提供しています。だから、ちょっと不統一感があります〜というアプローチが特徴と言えるだろうか。
自然派と言えば聞こえが良いが、オチャメではないし、可愛くもない。
う〜ん。素朴で、素のママって感じだ。
もっと、居酒屋のオカミさん風、カフェバーのマスター、どっかの飲み屋のおばちゃんのように、仕切ってくれても良いのだが、そんな仕切り方は無用という感じだ。
素人集団が集まっているサロンって感じで、仕切る、仕切られた舞台を見ている痛快さは少ない。
まっ サワサワ、ザワザワ、ピーチクパーチク、口々に喋っている、とっちらかった雰囲気がする。
まっ 嫌みは無いんですけど〜 最初聴くには、ちょっとどうかなあ。
ユーモアが少ないし、にやっと笑える要素が少なく、ちょっと楽しめないかもしれません。

1977年 バーンスタイン フランス国立管弦楽団 Brilliant Classics ★★
1991年 Y・P・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 Chandos ★★★★★
1992年 ケント・ナガノ リヨン歌劇場管弦楽団 ★★★
所有盤を整理中です。

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