「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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ミヨー バレエ音楽「世界の創造」
Milhaud
: La Creation du Monde


ミヨーの世界の創造(作品81a)は、1923年に作曲された1幕もののバレエ音楽です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
ミヨーは、1922年にアメリカ訪問中、ハーレムの道端で本場のジャズを初めて耳にし、大きな衝撃を受け、パリで活動していたバレエ団、バレエ・スエドワから、バレエ音楽の新作を依嘱されて、この曲を作曲したのだそうです。
アフリカ人から見た天地創造を主題としており、台本は、サンドラールが担当し、23年にパリのシャンゼリゼ劇場で初演されています。サクソフォーン独奏を含む17人の小オーケストラによって演奏され、 後に、ピアノ五重奏版も作曲されています。現在では、バレエとして上演されることは稀で、管弦楽曲として演奏されます。

1 序曲 サクソフォーンがソロで奏でられるもの。
2 創造の前の混沌 真っ暗な混沌の中に、ナーメ、メベール、ヌウア(ヌザメ、メデール、ンクワ)の3神が現れます。
  コントラバス・トロンボーン・サクソフォーン・トランペットが、ジャズ主題によるフーガを奏でていくもの。
3 動植物の創造 神は植物、ついで象、亀、蟹、猿たちを創造します。
  冒頭の主題に戻り、フルートがその旋律を奏で、チェロによる第2部を経てオーボエによるブルース演奏となるもの。
4 男女の誕生 創造された動物たちは神の周りを回り、神のあたらしい呪文によって男女の人間が創造される。
  2つのヴァイオリンが、ファゴットの伴奏に乗ってケークウォークを演奏するもの。
5 男女の色恋 欲望にかられた男女の踊りは、テンポを速め熱狂的になっていく。動物たちも人間とともに踊るもの。
  前半は、ピアノ・弦楽器・打楽器のリズミカルな伴奏に乗ってクラリネットのソロが活躍した後、序曲の旋律に戻る。
  やがてリズム楽器による伴奏が熱狂的に勢いを増していくもの。
6 春または充足感〜コーダ:男女の口づけ
  野蛮な踊りが静まって動物たちは去り、舞台には恍惚の境地の男女が残されます。終曲は三部形式です。
  第1部と第2部の旋律は、フラッタータンギング奏法によってフルートが演奏され、穏やかなブルースで閉じられるもの。

6つの楽曲が、連続して演奏され、約15〜20分の楽曲です。

  ミンシュ ボストン交響楽団 1961年
Charles Munch  Boston Symphony Orchestra

録音状態は60年代初頭なので、それなり。重めで、がっしりとした演奏で、軽妙さには欠けているかもしれない。
カップリング:
1    ミヨー 世界の創造(1961年)
2〜9 ミヨー プロヴァンス組曲(1960年)
10    プーランク オルガン、弦とティンパニーのための協奏曲(1960年)
11〜13 ストラヴィンスキー カルタ遊び(1960年)
録音は61年と古いけれど、時代に応じて媒体を変えて販売され続けている有名な盤である。
で、演奏も、ぶっとくて〜 主張の強い、ちょっぴりアクの強めの、時代がかかっている演奏だと思う。 洒脱さというか、さらりとした感覚の、さっぱりとした軽妙なスマートな演奏とは違う。 どず〜っん。どよよ〜ん。とした雰囲気があって、どす黒いグロテスクな匂いがする。

サクソフォンのけだる〜いフレーズが流れるなか、どんより感が漂ってきてくる。
「し〜み〜れ〜ど〜 ふぁ〜みれ〜ど しらし〜」
まっ サクソフォンのフレーズだけが前面に出てくるのではなく、トロンボーンやティンパニーが、わりと強めに関わっており、フレーズが混濁しちゃうような感じがする。
で、サクソフォンの音色が暗めで、色気を感じないのだ。もう少し、たれ〜っとしながらも、女性的なところがあれば嬉しいんだけど。他の楽器も、頑張ってて音量が大きめ。
で、しばらくすると小太鼓が威勢良く叩かれてくる。
はあ。もう少し弱く、シャカッと叩いてもらっても良いんですけど、あのぉ。マーチングバンド風だ。
もう少し、ふんわり〜っとした空気感があれば良いのだが、乾いてて、フレーズの重量としては、ちょっと重い感じがする。

歯切れが良すぎて、強い金管のフレーズが目立ってくるし、う〜ん。
巧く、重層的に鳴っていないというか、アチコチで、勝手におもちゃ箱をひっくり返しているような感じがする。全容が同じ色彩というか、方向性が統一されていないというか、楽器が、それぞれバラバラの主張をしているようで、う〜ん。 短めで歯切れの良いフレーズが、次々に飛び出してくるのは良いのだが、これが軽妙かと言われると、う〜ん。ちょっと違うような気がする。
もっと、私的には、まったり感が欲しい。間合いがなあ。ないんだよなあ。
茫洋としてないで、ハイ、次、そこ、鳴って〜と、キビキビ、熱くて、健全すぎるというか。ハキハキしすぎてシッパイしたって感じ。余裕がないっていうか、はあ〜 ジャズっぽくはないし、ちょいと疲れてしまう。

なんか、感覚的なことばかりで、理知的に説明するのが難しいし、巧く言えないだけど〜
やっぱ、アチコチの楽器が、それぞれ主張してて、喧嘩ごしで演奏しているっていうか、押したり引いたり、凸凹した、ボケとつっこみ的な、掛け合いが感じられないこと。
楽器の音色を楽しんだり、各楽器の掛け合いと間合いを楽しむという、そんな楽しみ方ではなく、口々に、強く叫んで騒いでいるような雰囲気かなあ。落ち着かないんだと思う。
まっ もっともワタシ的な、ひとりよがりな感覚なんですけどね・・・。今聴くには、ちょっと。という感じだが、昔からの定番という感じで聞かれていたように思う。

バーンスタイン フランス国立管弦楽団 1977年
Leonard Bernstein
Orchestre national de France

録音状態は、くぐもってしまって明瞭ではないのだが、演奏は、ちょっぴり、だれ〜っとしているが、そういう楽曲なので〜(笑)
ブリリアント(Brilliant Classics)レーベル盤2枚組 (EMI原盤) 
カップリングは下記のとおり。EMI盤も購入可能である。

CD1 バーンスタイン フランス国立管弦楽団 1977年
1    世界の創造
2〜5 「ブラジルの郷愁」より コルコバード、スマレー、ディジューカ、ラランジェイラス 
6    屋根の上の牛

CD2 ジョルジュ・プレートル モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
(1〜11 1971年 12〜36 1983年)

1〜3 スカラムーシュ
4〜5 マルティニック島の舞踏会
6〜11 パリ 4台のピアノのための6つの小品
     ピアノ:ノエル・リー、クリスティアン・イヴァルディ、ミシェル・ベロフ 、ジャン=フィリップ・コラール
12〜23 エクスの謝肉祭
24〜28 フランス組曲
29〜36 プロヴァンス組曲 ピアノ:ミシェル・ベロフ
世界の創造ってタイトルが、なんともご大層で、オラトリオ風の宗教曲かな。と思ったのだが、これが大違い。ジャズの要素満載の、とーっても楽しい音楽である。
まるで、ごった煮のような音楽なのだが、これが聴いてみると、フランスのヴィラ=ロボスみたいなもの。
そうだなあ。この楽曲は、まるで、ブラジル風バッハやショーロスを聴いている雰囲気でもある。
特にショーロスのような雰囲気が、好きな方は、一度おためしあれ。
日頃、硬いガチガチの楽曲が好きな方、あまりにも律儀で几帳面な方、メトロノームが刻む音が大好きな方は、なんじゃーこれっ。と、言って絶句したあげく、気絶するかも。
かったるいところと、ジャズの気だるさが満載なので、肌にあわないかもしれない。

ミヨーのこの楽曲は、ちょっと、かったるくて、リズムがあるようなないような不可思議な楽曲である。
調が、どうなっているのか、よくワカラナイ状態だし、ホントに混沌としてて一筋縄ではいかないところが、なにやら面白くて、何度も聴いてしまった。
まず、序奏部分 サクソフォンで、「し〜み〜れ〜ど〜 ふぁ〜みれ〜ど しらし〜」
「そらし〜らし〜 そらし〜らし〜」
「ら〜そふぁそられどしら そふぁそら〜」 「そら〜そら〜 れみふぁ〜みふぁ〜」
「ふぁれみ〜 れどし〜 らそふぁ〜 し〜らそ〜ど〜しら (どふぁ そし〜どしら〜)」
まあ。このサクソフォンの息のながいこと。息継ぎしてるのか、心配しちゃうほど長い。
録音状態が暖かめで、クリアーとは言い難いのが玉に瑕である。レーグナー盤の方が、やっぱり録音状態は良く、余韻が綺麗である。パーカッション部分がイマイチよく響かず、ちょっともったいない。
茫洋としている楽曲に、茫洋とした録音状態だ。

序奏後は、短い楽曲があわさっている。ジャズの雰囲気はまずまずだが、総体的には暗い。
お気楽な感じはするが、じめっとした感覚で、おしゃれ感覚は、ちょっと少なめ。
バラバラした感じが否めず、まとまり感が少ない。なんと言えばよいのか、抑揚が少ないというか、シャキシャキしたところが、少なく、だれ〜っとした感じがするのだが。
もちろん茫洋とした楽曲なのだが、それにしても、全体が丸すぎるかも。
これは、好みに大いに左右される要素かもしれないんだけど・・・。

一般的にはバーンスタイン盤が流通しているようだが、構成感としては、レーグナー盤の方が、私的には好みである。
これからミヨーを聴こうかな。と思っている方には、恐らく手に入りやすいのは、バーンスタイン盤と、プレートル盤が合体したブリリアント盤だし、いちばんお得感がある のだが、これがミヨーの代表的な盤かと言われたら、う〜ん。どうでしょ。その点、難しいです。

レーグナー ベルリン放送交響楽団 1977年
Heinz Rögner
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)



録音状態は良い。奥行きがあり柔らかな余韻がある。
カップリング:デュカ「魔法使いの弟子」、エネスコ「ルーマニア狂詩曲第1番」、サン=サーンス「死の舞踏」、ファリャ「火祭りの踊り」

世界の創造は、序奏と5つの部分にわかれた15分ちょっとの小品である。
まず、サクソフォンで、「し〜み〜れ〜ど〜 ふぁ〜みれ〜ど しらし〜」
「そらし〜らし〜 そらし〜らし〜」
「ら〜そふぁそられどしら そふぁそら〜」 「そら〜そら〜 れみふぁ〜みふぁ〜」
「ふぁれみ〜 れどし〜 らそふぁ〜 し〜らそ〜ど〜しら (どふぁ そし〜どしら〜)」
超かったるい茫洋としたなかを、トランペットが、「そらし〜らし〜」と吹いて、「れ〜しぃ」と合いの手を入れてるのだが、これが、また超かったるい。

途中で、シャンとシンバルが入ったりしているのだが、なんともしまりのない、揺りかご的な音楽である。
金管が「ふぁ〜そ〜ら〜 れそどそ れそどそ れ〜 どれみ れそどそ れそどそ」と、吹かれているのだが、これがケッタイなマーチ風で、そっから、また眠りに入ってしまう。
どうやら、これが、世界創造の前の混沌らしいのだが、はあ?
その後、「ふぁらど れ〜ど」と、ジャズ風な演奏に変わる。
こっれが、どうやら動植物の創造らしいのだが、なんとも。ハハハ〜 小太鼓が鳴ったりシンバルが入ったり、ンジャカ ンジャカ ブルース的に鳴っている。
ヴァイオリンが鳴り出すと、どうやらアダムとイヴが誕生したことになるらしい。
で、ピアノが鳴って、「じゃんじゃか じゃ〜ん」と、派手なパーカッションが鳴り出すと、男女の色恋である。
フルートが、ジャジャジャ ジャ〜ンのフレーズのうえに、おとなしめに、小鳥風のフレーズを吹き出すと、終曲だそうな。

レーグナー盤は、年代は古いが録音状態が良いことと、見通しが良いことが特徴だろうか。
打楽器類が控えめだが、茫洋とした金管の鳴り方は好ましく、ジャズ的要素もまずまず入っている。
録音時期は77年だから、ベルリンの壁はまだ崩壊もしておらず、壁は頑丈だった筈。
東ドイツ時代なのに、それにしては、へえ〜 ちゃんとジャズになってるやん。巧いな〜と思う。よくまあ、こんな楽曲にチャレンジしたものだ。画期的じゃーないのか。
イチバン気に入ったのは、冒頭の序曲で、なんともたまらん気だるさを持っている。レーグナー盤に限らず、どの盤を聴いても、ハマル要素が詰まった序奏部分なのだ。
バックの弦のピチカートだと思うだが、この響きが、ガムラン音楽のように聞こえるし、金管の音のたれさがる余韻が、なんとも言えない。
小太鼓の刻む響きでさえ、茫洋とした響きのなかに、とろけて聞こえるほど。

レーグナーさんの演奏は、シャキシャキした歯切れの良さはイマイチだが、遊び要素は、まずまずだと思う。クリアーなので、しっかり内声部まで見通しが良い。もう少し派手な音量で、バカスカ鳴っても良いのだが、ちょっと控えめ。
コミカルさとか、アイロニー面では少ないかもしれないが、楽しめる要素は多いに詰まっている。
線がわりとはっきりとしていることと、パーカッション部分の鳴り方にクリアーさがある。
ジャズ要素があるものの、多少律儀にすぎるかもしれないが、間合いとしては良いし、目が詰まった感じがする。まだジャズの雰囲気に馴染めてない時は、良いと感じるかもしれない。
もう少し、こなれてきたら、違う盤が良いと思うんだろうな〜と思う。

茫洋とした感覚は、バーンスタイン盤の方が出ているかもしれないが、楽曲の構成が整理されているような気がするのは、レーグナー盤の方だ。
レーグナー盤の方が、録音状態が良いから、そう聞こえるのかもしれないし、まだ、ジャズに馴れてないからかも。
だって〜 普段、ジャズは聴かないから。
プレヴィンさんが振ってくれたら、ばっちり〜かなと思うのだが、プレヴィン盤は管弦楽バージョンではなく、少人数の室内楽編である。その点、ちょと残念である。

ラトル ロンドン・シンフォニエッタ 1986年
Simon Rattle
London Sinfonietta

 

録音状態はまずまず。オケの人数が少ないためか、各楽器が明瞭に聞こえる。
その点、他盤とは異にしているのが幸いしているのかもしれない。リズム感が抜群に良く、序奏と5つのパーツに分かれているという構成がよくわかる。 カップリングは下記のとおり。
サイモン・ラトル ジャズ・アルバム 

1 ミヨー 「世界の創造」
2 ガーシュウィン 「ラプソディー・イン・ブルー」オリジナル版
3 クリーマー&レイトン 「君去りし後」
4 カーン&アードマン、マイヤーズ&ショーベル 「ノーバディズ・スウィートハート」
5 ストラヴィンスキー 「エボニー・コンチェルト」
6 ハリス&ヤング 「スウィート・スー」
7 バーナード&ブラック 「ダーダネラ」
8 ドナルドソン&カーン 「メイキン・フーピー」
9 ドナルドソン&ホワイティング 「私の青空」
10 マクフェイル&マイケルズ 「サン」
11 バーンスタイン 「前奏曲、フーガとリフ」

ラトルとロンドン・シンフォニエッタが演奏している、とっても楽しい「ジャズ・アルバム」である。
ラトルさんが、ベルリン・フィルのシェフになる前のCDで、へえ〜 こんなCDを出していたんだ〜っと、驚きつつ購入したもの。ジャズに影響を受けたクラシック音楽を集めて、1枚のCDに収録されたもの。

まあ、ここでは、ミヨーの「世界の創造」をご紹介するわけだが、いやいや〜 他の盤とは、ちょっと違っていて、リアルというか、随分と違った曲に聞こえる。
というか、全く編曲が違っているんじゃーないかと思うほど。
これは、室内楽オケって編成だから、分厚いオケの音質とは違っててアタリマエなのかもしれない。
それに、ジャズ特有のスィング調の演奏なのである。ジャズっぽいというより、ジャズじゃん。と思うんですけどね。(って、クラシックもジャズも、専門家の意見を聞かないと、なんとも言えないんだけど〜)

冒頭のサックスの音色は、気怠さも持っているが、その音色が明瞭に聴き取れる。
「しぃ〜〜み みれ〜どぉ〜〜ふぁ〜 ふぁみれぇ〜ど しらし〜(そらし〜らし〜 そらし〜らし〜)」
「らぁ〜そふぁそられどしらそふぁそらぁ〜(みふぁそ〜そら〜みふぁそ〜そら〜れみふぁ〜みふぁ〜そぉ〜)」
「し〜そぉ〜ふぁれみ〜〜 れどしぃ〜 らそふぁ〜〜 しし〜らそ〜どどぉ〜しら」
なーんとも、メチャメチャ気怠い。ホント気怠いのだ。
明瞭感はあるのに、猛烈に気怠く、ズブズブと行ってしまいそうなサックスだ。
殴られた後、拉致されて〜 しばらく、手を縛られ室内に、転がされて救助を待ってます。って感じなのである。ボコボコにやられた後みたいだ。

でも、金管の「どぉ〜れぇ〜みぃ〜 れそらそ れそらそ〜」と、歯切れのよいパーツがはさまり、また、小太鼓が入ってくると、シャキっとしたリズムに変わる。そして、またまた、ずーっと底辺を歩いているアウトサイダーのように、 どんよりとした空気感に包まれてしまうという、変調ぶりなのである。
そういう意味では、なーんとも言えない、もやもや〜とした煙た立ちこめた、薄暗い室内に閉じこめられた感じと、一気に視野が広がる場面が展開してて〜
立ち上がれボコボコ感と、えへへ〜 ちょっと、やんちゃなリズムが生まれてくるという変化が面白い。

機関車のようなリズムが立ち上がり、トランペットが入ってくると、シャキシャキっとしたスウィング調に変わるし、変わった途端、ハチャメチャ風に、いろんな楽器が楽しく、「しどしっ らそふぁっ しどし らそふぁっ」
踊り出しているのが感じられて〜この変身ぶりに驚かされる。

冒頭のフレーズが、再来すると、またまた、ボコボコにやられた後のように、くたびれ果てて〜 曲が尽きてしまう。ハチャメチャなフレーズも再来するし、おおっ なるほど。これが序奏と5つのパーツで構成されているという〜ことか。と改めて感じた次第。
ホント、この「世界の創造」という構成が、大きく分かれていることに、とっても驚かされちゃいます。
他盤だと、なーんか総体的に混沌としたものに包まれている感じなんだけど、ラトル盤は完全に分離されている感じがする。そして、スケールの大きさ、深さ、そして、ゆっくりと耳を傾かせる、なーんか引きずり込まれる感じで 、特に、リズムの持つ変化ぶりを感じさせる演奏です。
世界の創造は、序奏と5つのパーツに分かれているというのが、ラトル盤では、よく解る。
その変化が、めちゃ大きく変容していくので、ホント、ご機嫌なライブって感じで面白い。

2010年には、EMI専属30周年を迎えて、HQCDとして発売されているが、残念ながら、ワタシの持っているCDは、それ以前のもの。
で、録音状態は、まずまずです。
アルト・サクソフォン奏者は、ジョン・ハール(John Harle)さんである。その筋では、とっても有名な方らしい。ちょっと、このサックスが、別録音って感じがしちゃうんですけど、各楽器にマイクがセッティングされているって感じが、 ちょっとまるわかり〜っぽいのですが、これはオケじゃーないので、こんなモノかもしれません。

ヤン=パスカル・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 1991年
Yan Pascal Tortelier
Ulster Orchestra



録音状態は極めて良い。
ちょっと硬いかなぁ〜という気もするが、なにせ録音の良い盤が少ないので、ワタシにとっては貴重な1枚。
カップリング:プーランク「牝鹿」、イベール「ディヴェルティメント」、ミヨー「屋根の上の牛」「世界の創造」

サクソフォンで、なが〜い けだる〜いフレーズが吹かれていく。
「し〜み〜れ〜ど〜 ふぁ〜みれ〜ど しらし〜」
「ら〜そふぁそられどしら そふぁそら〜」 「そら〜そら〜 れみふぁ〜みふぁ〜」
「ふぁれみ〜 れどし〜 らそふぁ〜 し〜らそ〜ど〜しら (どふぁ そし〜どしら〜)」

トルトゥリエ盤は、レーベルがシャンドスで91年の録音なので、他の盤より、ずーっと録音状態が良い。
バーンスタイン盤などでは、曖昧模糊としていた調子っぱずれの雰囲気が、いろんな楽器で演奏されていたことがわかる。
サクソフォンの音色も良いが、ちょっぴり暗め。めちゃ息長いフレーズである。
で、そのフレーズのなかで、ボンボンという打楽器が、なんとも言えない「みふぁ〜みふぁ〜」と、調子の悪さで入ってくる。この打楽器やめて〜と言いたくなるほど、よく聞こえる。(笑)
トロンボーンのたれさがったフレーズ。変に高揚するピアノ。
う〜ん ごった煮状態なので、初めは、うへっ なんじゃ〜これっ。と思うのだが、癖になる味で、繰り返して聴けば、「れっそどそ〜 れそどっそ れ〜」と、小太鼓の刻む音と合わせて、口ずさんでしまう始末。

バーンスタイン盤、レーグナー盤を聴いてみたが、まず音色の違いがある。
ちょっと渋くて暗め。硬めで、石っぽい。
色彩感覚の明るい〜 ノー天気風な、おフランス的な響きと言う感じはしない。
バーンスタイン盤は、私的には、粘りけが感じられ、常にだれ〜っとしたアンニュイな雰囲気を感じてしま う。で、トルトゥリエ盤は、てっきりフランスだと思い込んでいたのだが、これが違う。
んじゃー どこのオケだろうと調べてみたら、ありゃりゃ〜 
アルスター管弦楽団っていうのは、北アイルランドのオケらしい。(う〜ん。)

パラパラパラ・・・と、テンポ速めに奏でられており、都会的なセンスを感じる。
「らそふぁみ〜 しそふぁみ〜」 「んたら〜ら らら〜」
でも、ジャズ的な要素が、たっぷりあるのか。と問われたら、う〜ん。それが、あまりワカラナイのだ。
あまりジャズを聴かないために、明確に答えられない。でも、このトルトゥリエ盤は、シャキシャキしてて、リズムを聴いていると、縦糸線重視って感じがするのだが、ふわ〜っとした柔らかさも持っており、 音色が、しっくりしている。特に、クラリネットって、良いなあ〜っと思ってしまった。

ちょっぴり、総体的には暗めだが、ちょっぴりシャイな感じを受ける。
照明を落としたカフェ・バーのカウンターで、ほろ酔い気分で聴くのが、似合っているかな。
今まで聴いたなかでは、バッチリだと思う。私的には好きな演奏だ。
ただ、いろんな盤を冷静に比較対照するというより、気分に応じて聴きたくなる楽曲で〜 
より多くの盤を聞き込まないと、雰囲気で聴く楽曲だし、恐らく好みは分かれると思う。ワタシも、これからは、いろんな盤を、気分に応じてチョイスしながら聴いていきたいなぁ〜と思う。

ケント・ナガノ リヨン歌劇場管弦楽団 1992年
Kent Nagano
Lyon National Opera Orchestra

録音状態は、まずまず。少し線の細めの痩せているって感じの繊細さがあり、醒めた感覚がする。もう少し、センスアップして欲しいかなあ。 って感じがするのだが、オクニモノだし〜 ふむ、ワタシの聴き方が悪いのかもしれないが、やっぱオシャレな感じはしないんだけど。 あー どう聴けば良いんだろ。(迷う)
ミヨーの代表的な楽曲を集めた2枚組CD カップリングは、下記のとおり。

エラートから出ているミヨーの管弦楽・協奏曲作品集2枚組BOXである。
カップリングは下記のとおり。
1 エクスの謝肉祭
2 ピアノ協奏曲第1番
3 5つの練習曲 
4 ピアノ協奏曲第4番
5 バラード 
  ピアノ:クロード・エルフェ(Claude Helffer)
  デヴィッド・ロバートソン(David Robertson) フランス国立管弦楽団
1 屋根の上の牛
2 世界の創造
3 ハープ協奏曲
  ハープ:フレデリク・カンブルラン Frederique Cambreling

分厚い演奏のバーンスタイン盤やミンシュ盤を聴いていると、ちょっとモノ足らない感じがするかもしれないけれど、パーツを組み合わせるうえで、いろんな音が聞こえてくるという意味では 、とっても面白い。
楽曲のインデックスは、6つに区分されている。

冒頭のサクソフォンのフレーズと、弦の絡みが良く聞こえる。
「し〜み〜れ〜ど〜 ふぁ〜みれ〜ど しらし〜」
「ら〜そふぁそられどしら そふぁそら〜」 「そら〜そら〜 れみふぁ〜みふぁ〜」
「ふぁれみ〜 れどし〜 らそふぁ〜 し〜らそ〜ど〜しら (どふぁ そし〜どしら〜)」
サックスが前面に出てくる盤もあるが、このナガノさんの盤では、均等に取り扱われている。
で、結構、不協和音的なまま、演奏されているようだ。

フレーズの凸凹を整理せず、いや意識して凸凹のまま、演奏している感じがするので、初めて聴くには、ちょっと違和感があるかもしれない。なぜって、やっぱ初めて聴く時には、主となるフレーズと従となるフレーズを整理して、 どちらかが主となっている方が聞きやすい。これあたりまえだと思う。
お釈迦様じゃーなんだから、一度に、いろんな音が鳴って、口々に違うことを言われるとパニックになるでしょ。違う言葉でバラバラに言われても〜 困るじゃん。それと同じ。
音楽だと、あまり聴きなれない和音だと、えっ〜 聞きづらい。ってことで終わっちゃうかもしれない。
まっ ナガノさんの演奏は、それに近い箇所が多い。

ただ、何度か聞き込んでくると、あ〜こっちの旋律、こっちの楽器の音のフレーズが、こうやって絡んでるんだな〜と、へぇ〜と面白い発見をするのだ。副旋律が浮かび上がってくる演奏のようだ。
それが、未整理のままなのか、意識されたものなのか、ちょっとわかりづらいところもあるんだけど・・・。
う〜ん。どうだろう。テンポアップされた2曲目は、パラパラっと聞こえてきて、凸凹のまま演奏されているのは楽しいんだけど。
ただ、他盤を聴いていると、じわ〜っと熱い演奏が多いし、まったりした管のフレーズや、摩訶不思議感覚に快感っ。となる楽曲のような気がして〜 その点は、どうも面白くないような気がする んだが、これがオシャレなのかもしれない。(よくワカランっ)
まっ 多様な楽曲なので、耳が悪いと、どーもなあ。

テンポも遅めで、活気が無いのだが、これはこの楽曲の特徴だとは思う。
でも、アンニュイな感じがして、とろり〜と、粘着性で、とろり〜とさせてくれるわけでも、都会的なセンスがあって、クールに決まっているという風でもないし、 ちょっと難しいなあ。ナガノさんの演奏を聴けば聴くほど、深みにはまって抜けない感じが出てきて、雰囲気に飲まれる。
ナガノさんの演奏は、深夜に聴くと、アクビが出ちゃうほど、眠いよぉ〜 って感じだろうか。

まっ この「世界の創造」よりは、ワタシ的には「屋根の上の牛」の方が、楽しく聴けたんだけど。
お国ものの筈なので、フランスの香りが漂ってくるのかな。と期待したんだけど。う〜ん。ちょっと田舎臭いかも。客観的なアプローチであるのは良いが、もっとシャープに演奏してもらいたかったかなあ。
と言いつつ、ワタシの方が田舎モノなのかもしれない。
(これがオクニモノの特徴だっ!と一喝されたら、どうしょう。きっとそうに違いないっ 汗)

兎に角、参考になるかな〜っと、「世界の創造」をウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、下記のとおりだった。
ちょっと抜粋し、編集しています。
ミヨーは、1922年に、米国訪問中にハーレムの道端で本場のジャズを初めて耳にした。
翌1923年、いくつかの楽章にジャズを取り入れて「世界の創造」を作曲し、これを6つの連続した場面からなる全1幕のバレエとして上演させた。
アフリカ人から見た天地創造を主題としており、次の6つの楽曲が連続して、あたかも1つの楽章であるかのように演奏される。

1 序曲・・・ サクソフォーン独奏のレガート奏法

2 創造の前の混沌・・・ 真っ暗な混沌の中に、ナーメ、メベール、ヌウア(ヌザメ、メデール、ンクワ)の3神が現れる。コントラバス・トロンボーン・サクソフォーン・トランペットが、ジャズ主題によるフーガを奏でていく。

3 動植物の創造・・・ 神は植物、ついで象、亀、蟹、猿たちを創造する。新しい生き物が創造されるたびに舞台は明るくなっていく。再び、冒頭のレガート主題に戻るが、今度はフルートがその旋律を奏でる。チェロによる第2部を経て、オーボエによるブルース演奏。

4 男女の誕生・・・ 創造された動物たちは神の周りを回り、神のあたらしい呪文によって男女の人間が創造される。2つのヴァイオリンが、ファゴットの伴奏に乗ってケークウォークを演奏する。

5 男女の色恋・・・ 欲望にかられた男女の踊りは次第にテンポを速め、熱狂的になっていく。動物たちも人間とともに踊る。
前半でピアノ・弦楽器・打楽器のリズミカルな伴奏に乗ってクラリネットのソロが活躍した後、序曲の旋律に戻るが、やがてリズム楽器による伴奏が熱狂的に勢いを増していく。

6 春または充足感〜コーダ:男女の口づけ・・・ 野蛮な踊りが静まって動物たちは去り、舞台には恍惚の境地の男女が残される。終曲は三部形式であり、第1部と第2部の旋律は、フラッタータンギング奏法によってフルートが演奏する。 結びは穏やかなブルースによって閉じられる。

以上です。ハイ、皆さまが、お聞きになるご参考になったでしょうか。
はぁ〜 ワタシ的には、わかったようなワカランような〜 でも、言葉が足されると、なんとなーく、解った感じになりますね。
で、空想の世界で遊ぶっていう楽しさはありますが、う〜ん。自分自身のアタマんなかの空想の世界では遊べるけど、他人のアタマの中までは、ちょっとついていけないかも・・・。っていうのが、正直なところ。
ミヨーさんのアタマのなかの想像の世界、これがイコール、世界の創造なのかぁ。ワタシ、凡人なんで・・・ ちょっと〜(笑)って感じです。

1436

ピアノ:アンドレ・プレヴィン André Previn
ヴァイオリン:ジュリー・ローゼンフェルドJulie Rosenfeld
アニ・カヴァフィアン Ani Kavafian
ヴィオラ:トビー・ホフマン Tobu Hoffman
チェロ:カーター・ブレイ Carter Brey  1993年
  


録音状態は良い。リマスタリング盤
管弦楽版とは違った、ジャズ演奏を聴いているかのような雰囲気と、気怠さと軽妙さが楽しいご機嫌な演奏である。
カップリング:プーランク ピアノと管楽器のための六重奏曲
ミヨー 組曲「世界の創造」(室内楽版)
サン=サーンス 七重奏曲変ホ長調
このCDは、ミヨーの「世界の創造」の室内楽版である。プレヴィンさんがピアノを弾いているという、ご機嫌な演奏なのだ。
だから、ジャズっぽいというか、生ジャズ演奏を聴いているような感じで、すこぶる楽しい。

CDには、演奏会用組曲「世界の創造」室内楽版となっている。
ピアノとヴァイオリン2挺、ヴィオラにチェロという構成なのだ。
だから、旋律の見通しは良いし、呼吸感が伝わってくる。 のびのびと自由に演奏されており、即興性の高いというか(もちろんきっちり弾いておられるんだけど)、楽しさが、聞き手にダイレクトに伝わってくる感じだ。
もちろん、「世界の創造」のアンニュイな気怠さは、 冒頭や、主題が出てくるごとに感じられるけれど、管弦楽版をポップな感じにアレンジしているというか〜 やっぱ、ライブを聴いているような気分になっている。

ホントは、サックスとか、クラリネットが入ってくると、なんて色っぽいのぉ〜という感じが出るのだが、その点、ちょっと心配しちゃったけれど、まあ心配ご無用って感じです。
普通に言えば、ピアノと弦楽四重奏だけの演奏になるので、めちゃくちゃ、モノ足らない感じになると思うのだ。
だって、トロンボーンとか、トランペットとかが入っている楽曲なのだから・・・。
それを〜 弦楽四重奏曲みたいにしちゃって、たった5人で演奏しちゃうのである。
う〜ん。屋台骨が崩れ落ちちゃうっていうか、魅力半減、いや、半減以下になっちゃうと思うのだ。
でも、結果は違ってましたね。
ピアノも、いいですよね。 弦だけのフレーズでも、結構多彩なのね〜と、驚かされた次第。チェロやピアノの声が、端的に表現されていて、1つ1つの音が綺麗に端的に聞こえてくる。超満足っ。
あまり、ここが、こんな風に編曲されている〜とは、言えないんですけど、 えー これじゃ、管弦楽版でなくても、このCDのように、室内楽版で十分な感じもします。(笑)

カップリングの方も、プーランクにサン=サーンスと、あまり聞かない楽曲なのだが、お家でバーボンでも飲みながら聞くには、最適。超ご機嫌な楽曲が続く。ワタシのお気に入りの1枚。
管弦楽版のミュンシュ盤は、超重くてグロテスクだし、 バーンスタイン盤は、ちょっと録音に難点ありかな〜と思うし、重くて嫌な曲だ〜と思ってしまった方には、お口直しに室内楽版もどうですか〜と、お薦めしちゃうCDである。
1961年 ミュンシュ ボストン交響楽団 ★★★
1977年 バーンスタイン フランス国立管弦楽団 Brilliant Classics ★★★
1977年 レーグナー ベルリン放送管弦楽団 Berlin Classics ★★★
1986年 ラトル ロンドン・シンフォニエッタ EMI ★★★★★
1991年 Y・P・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 Chandos ★★★★★
1992年 ケント・ナガノ リヨン歌劇場管弦楽団 ★★★
1993年 プレヴィン (室内楽版) ★★★★
所有盤を整理中です。

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