「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ミヨー フランス組曲、スカラムーシュ、エクスの謝肉祭
Milhaud
: Suite Francaise, Scaramouche, Le Carnaval D'Aix



ジョルジュ・プレートル モンテカルロ・フィル 1983年、1971年
Georges Prêtre Orchestre Philharmonique de Monte-Carlo

← 上のCDは、ミヨー作品集として発売されているもの。下のブリリアント盤のCD2と、同じである。

← 下のCDは、ブリリアント(Brilliant Classics)レーベル盤で、2枚組である。 
カップリングは
CD1 バーンスタイン フランス国立管弦楽団 1977年
1   世界の創造
2〜5「ブラジルの郷愁」より コルコバード、スマレー、ディジューカ、ラランジェイラス 
6   屋根の上の牛

CD2 ジョルジュ・プレートル モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団

1〜3 スカラムーシュ ピアノ:ノエル・リー、クリスティアン・イヴァルディ
4〜5 マルティニック島の舞踏会ピアノ:ノエル・リー、クリスティアン・イヴァルディ
6〜11 パリ 4台のピアノのための6つの小品 ピアノ:ノエル・リー、クリスティアン・イヴァルディ、ミシェル・ベロフ 、ジャン=フィリップ・コラール
12〜23 エクスの謝肉祭
24〜28 フランス組曲
29〜36 プロヴァンス組曲 ピアノ:ミシェル・ベロフ
(1〜11 1971年 12〜36 1983年)

フランス組曲 Suite Francaise

ここでご紹介するのは、ジョルジュ・プレートル モンテカルロ・フィルのフランス組曲と、ピアノの連弾スカラムーシュです。
フランス組曲と言えば、一般的にバッハの方が有名なんですけど〜 暖かい小春日和の午前に聴くには、バッハはちょっと手が伸びないってことで、確かミヨーの楽曲があったよなあ。と、取り出したのが、このCDです。

ミヨーのフランス組曲は、まず吹奏楽曲として作曲したもので、後に、管弦楽曲に編曲したもの。
「っそ どどどれ どしらそ どれみど れぇ〜 どどどれ どしらそ どれみど れぇ〜」
「どぉ〜れら しらそ どぉ〜れら しらそっ」という冒頭から始まります。
で、みなさんも、きっと、聴いたことあるぞっ!という曲なんですよねえ。小太鼓も入ってきて、軽快なマーチングバンドの曲です。
とっても短くて、全部で約15分程度の曲なのですが、5つの小品で構成されています。
1曲目は、ノルマンディー
2曲目は、ブルターニュ
3曲目は、イル・ド・フランス
4曲目は、アルザス・ロレーヌ
5曲目は、プロヴァンス

といったように、フランスの各地方の民謡を題材にしたものです。
ブルターニュは、ゆったりとしたノスタルジックな曲でヴァイオリンが良い味を出している曲。
イル・ド・フランスは、ティンパニーが叩かれたあと、滑り落ちるようなフレーズが続きます。まるで、ハチャトゥリアンかいっという出だしで、「れれしし れれしし しそし れ〜そっ れみれし そし れ〜そっ・・・ ららそそふぁみれれどどしい・・・」っと、 ちょっぴり慌ただしい楽曲ですが、収穫祭の舞曲みたいに聞こえます。

アルザス・ロレーヌは、上品な香りのする弦の優しい小品で、フランス映画のBGMみたいですが、
ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら・・・
ミヨーは、「若いアメリカの人々に、連合軍とフランス軍が開放したそれぞれの地方で歌われているメロディーを聴いてもらいたい。」とし、それぞれの曲に、かつてドイツ軍が占領していたフランスの地方とその民謡を題材にした曲を作った。・・・とあったので、 どこか足元の重い歩くようなフレーズが続き、葬送の曲のような雰囲気があるので、この楽曲のことを指しているのかもしれません。しかし、明るい未来を予見するかのような雰囲気がありますね。

プロヴァンスは、付点のリズムがついた、「らしどら しっみ みれどしらっ どぉ〜ふぁ みっどっ し〜ら」と始まる、軽快なマーチで、ピッコロ、フルートが、横笛的に吹かれ、プロヴァンス太鼓が使われてて、ますます軽妙さが出てきます。
金管のファンファーレも綺麗だし〜 ラテン系の小市民的な舞曲という感じですが、心温まる楽曲で、庶民的だけど、なんだか、ほっこり〜 微笑ましいチャーミングな楽曲です。


スカラムーシュ Scaramouche

「スカラムーシュ」は、フランスの17世紀の劇作家モリエールの「空飛ぶお医者さん」の付随音楽から、連弾ピアノ用に改編したものだそうで、メチャクチャ楽しい楽曲です。
「れれしし みみらら れれしし みみらら・・・」と、メチャ快速で弾き飛ばしていく楽曲ですが、ジャズっぽい要素もあるですが、なんといっても、このコミカルさ。きっと一度聴いたら。 あっ!聴いたことがあるような気がする。って感じ。

で、あまりに面白くって〜 スカムラージュって、どういう意味なんだろう〜ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
スカラムーシュ(Scaramouche)って、17世紀、フランスの喜劇役者さんで本名は、チベリオ・フィオレッリさん。
パリにおけるパトロンは、ルイ14世に、そのママであるアンヌ・ドートリッシュと宰相ジュール・マザランさん。
このマザラン宰相の政敵といえば宰相リシュリューです。
って、ここまで言ったら、これら登場人物の名前で、ピンっとくる人も多いはず。
そう、アレクサンドル・デュマの「三銃士」の世界なんですねえ。映画や子供向けの本で、読まれた方も多いはず。
その当時の喜劇役者なんですよ。いっきに、親しみが湧きましたか?

・・・「スカラムーシュ」とはチベリオ・フィオレッリが演じ、得意とした役名である。この役は元々イタリアにおいて「隊長スカラムッチァ」として生まれたものを、フィオレッリが下僕役として進化させてフランスに持ち込み、多大な影響を与えたのである。
彼が演じた「下僕スカラムーシュ」の特徴は、「女と酒好き」ということである。
好きと言っても生半可なものではなく「女であれば誰でもいいし、酒であるなら何でも大歓迎」という考えを持つ。本来下僕役だが、プライドは高く、旧家出身であることを自慢し、素寒貧のくせに無限の富を持っているかのような態度をとる。 狡猾なところもあり、主人の金をくすねようとしてばれたりもするが、抜け目がないので痛い目を見ることはそれほど多くない。捕まえても、するっと逃げ出してしまう。
以上がフィオレッリの考え出したスカラムーシュの特徴だが、外見的な特徴としては黒ずくめの衣装に、大きな頭巾のような帽子、仮面は付けずに顔は白塗りであった。・・・とありました。
まっ こんな具合に、イメージが膨らむので、楽しんでください。


クロード・エルフェール デヴィッド・ロバートソン フランス国立管弦楽団 
1991年

ピアノ:Claude Helffer
David Robertson
Orchestre National De France

録音状態は良い。エラートから出ているミヨーの管弦楽・協奏曲作品集2枚組BOXがあるが、その1枚である。
カップリング:
1〜12 エクスの謝肉祭(作品83b)
13〜15 ピアノ協奏曲第1番
16〜20 5つの練習曲 
21〜23 ピアノ協奏曲第4番
24 バラード
エクスの謝肉祭 Le Carnaval D'Aix

ミヨーのエクスの謝肉祭は、バレエ音楽「サラダ」から抜粋された12曲で構成されています。
えっ サラダ? 
サラダと言っても、マカロニ・サラダでも、アボガド入りのサラダでもなく、2幕もののバレエ音楽の名前〜なんだそうです。
1924年に初演されてて、1926年に、アメリカへの演奏旅行の時に、オケと一緒のピアノ曲を演奏することになったのですが、そのために、バレエ音楽「サラダ」から抜粋、編曲して、オケとピアノのための〜という作品に仕上げたそうです。

バレエと言えば、セルゲイ・ディアギレフという興行師、いやプロデューサーが有名ですが、彼から独立した振り付け師、レオニード・マシーン (Léonide Massine)さんが、ディアギレフの向こうをはって、競い合ってたそうな。
で、両者から依頼を受けたミヨーは、ディアギレフには、「青列車」という作品を、マシーンには「サラダ」という作品を書いたそうです。
この台本は、コメディア・デラルテの古典的な題材に基づいて書かれてあり、タルタリア、イザベラ、プルチネラ、ロゼッタ、コヴィエルロなどが現れ、編曲したエクスの謝肉祭にも、同じ人物を登場させているとのこと。

はは〜ん。エクスの謝肉祭は、インデックスが、1〜12に区分されているが、これが、それぞれ、人物の名前なのだ。
音楽自体は、マシーンが、ミヨーのところに持ち込んだイタリアの歌などを、元にしたらしいのだが、ちょっと、詳細にはわからない。コメディア・デラルテとは、仮面を使用する即興演劇の一形態であるとのこと。
以上、これは、CDのブックレットからの一部抜粋を含んでいます。

で、肝心の音楽の方は〜
ジャン らみふぁみ しっら らみふぁみ しっら・・・
らっみそ らっみそ らっしし そふぁみ〜 らっみそ らっみそ らっそふぁみ〜 って感じで、オケとピアノが行進曲風に奏でるのだが、そのうち、調子が外れてしまって。
綺麗な和音が、崩れちゃうような雰囲気がする。
まあ、ここがオチャメというか、お酒が入って調子の良い、おじちゃんたちが歩いているような光景が見えてくる。
ちょっとした舞曲や、街角でのお喋りなんかが、聞こえてくるような雰囲気なのだ。

で、短い曲が、次々と雰囲気を変えて出てくる。
気怠いものや、夜の雰囲気のする楽曲など、はてさて、どんなバレエだったのやら〜 結構、ハチャメチャ風で、ニンマリと笑えちゃうところもあるには、あるけれど〜 やっぱり、はあ?
ハテナマークが、頭のうえを、いっぱい飛び交っており、なにやら、アヤシイ芝居小屋に入ってしまったような気分だ。
場末の〜とは言わないけれど、ちょっと格調の高い楽曲とは、う〜ん。言えないかも。(笑)

しかし、仮面演劇を知っている方なら、プルチネラ(プルチネルラ)、タルタリア等という登場人物の名前を聞いただけで、ピンと来る方も多いのではないだろうか。
タルタリア(Tartaglia)は、ウィキによると、公証人の老人。半ば盲目でどもり者という キャラクターが書かれてあった。
アンニュイな感じもするが、底辺には陽気さが漂う。

ダリウス・ミヨー(Darius Milhaud)は、1892年に南フランス、プロヴァンス地方のエクス=アン=プロヴァンスに生まれている。このエクス・・・という地名は、ラテン語のアクア(水)から転訛したものらしく、マルセイユの30kmほど北にある。
サント=ヴィクトワール山が、西にそびえており、ポール・セザンヌの出身地でもある。
このエクスの謝肉祭は、ミヨーの生まれた町のカーニバルを描いたのか、子供の頃に見たような〜謝肉祭イメージなのかもしれないな〜と思う。
そうそう、セザンヌの絵画にも、セント・ヴィクトワール山の有名な絵画の他に、アルルカン(道化師)やカードゲームに興じる人物画があったりするし〜 何となく、イメージの連鎖となって、オチャメな楽曲を聴いた。
舞台の楽曲というより、野外で聴いた方が雰囲気が出るかも〜 お昼のホーム・パーティのBGMにはうってつけかもしれない。楽しいよん。

1983年 プレートル モンテカルロ・フィル EMI ★★★★
1991年 デヴィッド・ロバートソン フランス国立管弦楽団 ★★★★
所有盤を整理中です。

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