「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

プロコフィエフ バレエ音楽「ロメオとジュリエット」
Prokofiev:Romeo and Juliet


プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」は、1935年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

シェイクスピアの悲劇「ロミオとジュリエット」に基づき、1935年に、52曲からなる全曲が完成していますが、そのときの筋立ては、終幕で、ロメオが1分早く駆けつけ、ジュリエットが生きていることに気付きハッピーエンドという内容になっていたそうです。ハッピーエンドにした理由は、バレエの振付のため、生きている人は踊ることができるが、死者は踊れないという理由であったことを、プロコフィエフは自伝の中で述べているそうです。
しかし、その後、振付家たちと相談し、悲劇的な結末を踊りで表現できることがわかり、原作どおりの結末にして終曲を書き改めたとのこと。
バレエは当初、レニングラード・バレエ学校創立200年祭で上演される予定だったが、酷評されて契約を撤回されたため、プロコフィエフは組曲を2つ作り、組曲を先行させて発表して成功し、バレエもチェコでの成功があったため、無事にキーロフ劇場で初演できたそうです。

バレエの全曲は約2時間半、管弦楽の演奏会用組曲では、組曲1番、2番、3番とあるようです。
しかし、プロコフィエフが編んだ組曲がそのまま演奏されることは少なく、主に組曲第1番、第2番から、数曲を抜粋して演奏することが多いとのこと。
この曲のなかでも、イチバン有名なのは、第1幕第2場第13曲「騎士たちの踊り」(モンタギュー家とキャピュレット家)でしょうか。CMなどでも流れているので、ハイ、みなさんご存知だと思います。

ちなみに、ロミオとジュリエット、略してロメジュリは、このプロコフィエフ、カバレフスキーがバレエ用に作曲しています。
また、ベルリオーズは、劇的交響曲「ロメオとジュリエット」として声楽入りの大規模な管弦楽曲を、チャイコフスキーは、シンプルだけど、とても甘い旋律を織り込んだものを作曲しています。作曲家の作風も聞き比べてみてください。

アバド ロンドン交響楽団 1966年
Claudio Abbado
London Symphony Orchestra



録音状態は良い。リマスタリング盤 躍動感のある、スピード感あふれる曲を選曲して抜粋盤として構成しているようだ。この挑戦的な感じは、好ましい。
カップリング:プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」(69年)、バレエ音楽「ロメオとジュリエット」〜抜粋〜、バレエ音楽「道化師」〜抜粋〜(66年)
ベルリン・フィルとは、96年の抜粋盤の録音がある。
この盤は、アバドさんの若い頃、デビュー間もない頃のロンドン響との演奏である。
全曲版でも組曲版でもない、9曲の抜粋版である。

プロコのロメジュリ抜粋版は、選ばれている曲が統一されておらず、劇の進行とは異なる順番であったり、曲目が固定されているわけでもなく、まあ、演奏者で、好きな曲を選びましょう〜という感じになっている。
ってわけで、アバド、ロンドン響は、次のようになっている。

1 モンタギュー家とキャピュレット家 Montagues And Capulets
2 朝の踊り Morning Dance
3 諍い The Quarrel
4 斬り合い The Fight
5 マンドリンの踊り Dance With Mandolins 
6 踊り The Folk Dance Again
7 オーバード(朝のセレナード) Morning Serenade (Aubade) 
8 百合の花を持った少女たちの踊り Dance ofthe Girls with Lilies
9 タイボルトの死 Death of Tybalt

演奏自体は、この当時だと、粋な演奏って評されたのかもしれないが、さすがに21世紀・・・。
今、聴くには、ちょっと・・・ もっさりしている感じは否めない。
低音の響きが重厚で、よく言えば厚みがあってよろしい〜となるのかもしれないが、今風とは、やっぱりちょっと違う。
切れはあるが、多少、演奏のきっちりさ、綿密さに欠けている感は見られる。
まあ、でも、この当時、スピード感のある勢いの良い曲を、これだけずらり〜と並べて、パタパタパタっ チャンチャン バラバラ、と演奏していくのから、凄いと思う。
さすがに今は21世紀、超ハイテク 超快速、超きっちりの時代だから、あまり驚きはしないけれど〜
この当時は、凄いっ!っと、この挑戦的で、挑発的、アグレッシブさは、好感度で受け入れられたのではないだろうか。

木管も金管も、半鐘のような鐘も、しっかり、収録されているし、重厚さもあり。
えっ? この半鐘のような鐘のような音は、いったい 何なの? う〜 わかんないなあ。
こんなパーカッションあったっけ?

まあ。ともかく、劇的な効果もたっぷりあり、勢いばっかり押した後は、マンドリンの音で癒やされていただく〜というサービス精神も見えている。
それにしても〜マンドリンと金管の組み合わせも絶妙で、コミカルな木管のフレーズも、最高に面白い。
プロコフィエフの遊びが見えて、とって楽しい曲で、これを取り上げてくれたアバドさんにも感謝〜である。
しかし、なんで〜 タイボルトの死で終わるわけ? どーして?レコードの収録時間の限界だったの?
ここで時間切れのようで、ぷっつり終わってしまう。あのぉ〜 このタイトル ロメジュリなんですけど。

選曲といい、この順番といい、あまり納得はしてないんだけど、まあ、ともかく、躍動感というか、挑戦的な感じが、好ましいかなあ。
コミカルさも十分に発揮しているし、 この頃のプロコさまの曲って、斬新だったのだと思うし〜
不協和音も、ばっちり、軋んで演奏させているし、それに、なんたって、やっぱスピード感でしょう。
スポーツカーの流線型というか、曲線美をアピールして、そのくせ、弾んでノリ感の良さを強調するところがニクイですよね。
やっぱり、アバドさんの若い頃が、なんとなく髣髴とさせられて〜 ある意味、懐かしく嬉しい。


ショルティ シカゴ交響楽団 1982年
Georg Solti
Chicago Symphony Orchestra

録音状態は、クリアーとは ちょっぴり言い難いが、ダイナミックな演奏で、雄渾な感じでキビキビしている感じ。
 抜粋版 17曲 収録されている曲は下記のとおり。
カップリング:プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」、ロメオとジュリエット(抜粋盤)

ショルティ盤は、抜粋版で、下記のとおり、17曲が収められている。
バレエ全曲盤だと2枚分のCDになってしまうので、普段聴くのであれば、この程度の長さの方が良いかもしれない。

第1幕
1  第1曲 前奏曲
2  第2曲 ロメオ
3  第3曲 街の目覚め
4  第4曲 朝の踊り
5  第10曲 少女ジュリエット
6  第13曲 騎士たちの踊り
7  第14曲 ジュリエットのヴァリアシオン
8  第19曲 バルコニーの情景〜 第20曲 ロメオのヴァリアシオン〜 第21曲 愛の踊り
第2幕
9  第33曲 タイボルトとマーキュシオの決闘〜 第34曲 マーキュシオの死
10 第35曲 ロメオ、マーキュシオの死の報復を誓う〜 第36曲 第2幕終曲
第3幕
11 第37曲 前奏曲
12 第38曲 ロメオとジュリエット(ジュリエットの部屋)
13 第52曲 ジュリエットの死

前奏曲の冒頭は、美しく、とろける〜っという風ではないが、たっぷり気味には演奏されている。
「しどれ〜みふぁれ〜 らしど みふぁ〜」
「どれみ みふぁれ〜 しどれ みふぁれ らしど みふぁ〜」
録音状態は、イマイチなのだが、ダイナミックに劇的に盛り上げてくる。
ちょっと音が割れそうになってるのが残念だ。
シカゴ響なので、ちょっと弦がイマイチ美しい音色とは言いがたい。 ベートーヴェンの交響曲のように、弦に、多少ゴリゴリ感があった方が良いなあ〜という時には、シカゴ響の弦は好ましいが〜
このロメオとジュリエットではねえ〜 
勇壮な部分は、劇的に映えるが、うってかわって〜 ロマンティックで、ムードたっぷりにお願いしますよぉ〜という場面は、ちょっと、無骨すぎて・・・。雰囲気に、ちょっぴり欠けるし・・・。
こんなぁ〜ゴリゴリに演奏しちゃって〜 場違いじゃーないの?! 何考えてるのよぉ〜って、ちょっとお怒りなのだ。

金管が下支えをしてドラマティックに歌う場面では、低音の木管の響きも良いし、厚みがあって安定感があるのだが、多少、弦が、硬めなのだ。
まっ キビキビした感じなので、すかっとするのはするが、う〜ん。バランスは難しいですねえ。
「しれ そっそふぁみ しれ そっそふぁ〜 そふぁみ〜」
「みみ そっそそ ど そふぁ そっそそ ど そふぁ みそどし ら ふぁふぁ・・・」

テンポはさほど速くないけれど、ノリは良い。
パーカッションといい、金管の馬力は、さっすが〜シカゴ響 バンバン いけいけ〜って感じ。
プロコフィエフのロメオとジュリエットは、チャイコフスキーのロメオさまとは、ちょっと違う。
コミカルさもあるし、ショルティ盤だと、いけいけドンドン的 な主人公になっている。
しかし、内声部の細かい弦の動きなど、キミが悪いほどの小気味良さ、コケティッシュさを感じちゃう。

でも〜 ワタシ自身が、劇のストーリーと場面転換とか、雰囲気の全容をつかめきれていないので、この抜粋版だと、う〜ん。ちょっとわかりづらいかも。
どの場面で、この曲が使われているのか、直結して感じられない のだ。
ストラヴィンスキーのバレエ音楽なども、場面をビジュアルで観ていないため、イマイチつかめてないのだが、楽曲のみでも耳タコができる。プロコフィエフの ロメジュリは、場面が変わると、がらり〜と曲想が変わっちゃうので、まあ、この方が解りやすかもしれない。

ソフトバンクのCMや、のだめカンタービレで使われてた有名なフレーズ 騎士の踊りは、さすがに、ここは、ダイナミックかつ勇壮だ。 この有名なフレーズは、バレエ全曲盤だと「騎士たちの踊り」というタイトルだし、組曲盤だと「モンタギュー家とキャピュレット家」というタイトルで呼ばれている が、ソフトバンクのCMで使われた〜と言えば、わかるようである。(笑)
全曲版や組曲版で、超有名場面のタイトルが変わるっていうのも珍しい。

総体的に、ショルティ盤は、ごつい骨太な演奏である。
重厚さや迫力に不足はないし、重々しくダイナミックに聴ける。 いかにも、ショルティらしいというか。
シカゴ響のブラスの響きは、さすがに決まっている。低音の金管は、ぶっと〜い雄渾に描かれて、重量が安定しており、甘い音色のサックスが入ってくると、少しテンポが速くなっているが〜
全体的に、旋律が柔らかく描かれていたりする。
意外と、プロコフィエフの楽曲には聞こえてこない。

同じロメジュリ(ロメオとジュリエット)でも、チャイコフスキーの作品の方が、ずーっとロマンティックに描かれていることは確かだ。プロコのロメジュリは、ギクシャクしたフレーズや 和音、完全なる打楽器とは違い、無機質でもなく、不協和音たっぷりでもなく、わりと保守的。
まっ ある意味中途半端とも言えるが、ショルティ盤で聞くと、結構解りやすいと思う。ショルティ盤としては、甘いフレーズ は甘めに、勇壮な場面は勇壮に〜と、メリハリのついた演奏である。


ヨエル・レヴィ クリーヴランド管弦楽団 1983年
Yoel Levi
The Cleveland Orchestra

ふむふむ。


録音状態は良い。残響が少し多く、まろやかな響きのする演奏だが、少し平明すぎるかもしれない。
抜粋版
 
冒頭から、すさまじい音が飛びだしてくる。不協和音のドスンっという音は、とっても迫力がある。
で、いったん静まるが、またまた、不協和音が膨らみ、ドスンっという大太鼓の音が入った音が鳴り響く。
聴き慣れた「モンタギューとキャプレット家」のシーンになると、シャン小太鼓も鋭く、鳴り物も伴って、ちょっぴり速めの速度で行くので、音響的にはインパクトがある。
この頃のテラーク盤の音響は、残響は少し多めかもしれないが、迫力があったな〜っと思う。
レヴィ盤は、明るくて、スピーディで、開放的でおおらかな演奏だ。クラリネットの音質の軽さ、軽妙さが弾むリズム感をいっそう際立たせているようだ。

まあ、音の粒立ちが、鋭く立ち上がってくるのではないので、角がとれた丸みを感じるので、もっと鋭角的に、カシッ、ガツンという感じがして欲しいような気もする。3曲目のフォーク・ダンスを聴いていると、うふっ、ちょっと、平明な感じになっている。さっぱりしてて、あまりにも明るくて、屈託なく、スイスイっと流れて行くので、あらまっ。
なんだか、吹奏楽を聴いているかのようなノリ感だと思ってしまった。
4曲めの仮面や5曲目の僧ローレンスは、穏やかな曲だし、7曲目のロメオとジュリエットも、緩やかな楽曲なので、ちょっぴり、聴き手のワタシが緩んでしまった。

結構、プロコのロメジュリは、選曲によって、印象がかなり変わるような気がする。8曲目のタイボルトの死は、弦のフレーズが速いし、ダンダンダンダン・・・という打楽器の鳴り物が入ってくるので、雰囲気が変わる。
このレヴィ盤で聴くと、金管の音はまろやかに響き、激しい、チャンチャンバラバラの斬り合いシーンでも、よく響いて、クリアーに聞こえるが、総じて柔らかい。
聴きやすいっと言えば、聴きやすいが、なんていうか、総体的には、劇的でもなく、なにか、引き寄せられてしまうかのような吸引力がないというか。
クリアーなのだが、鮮烈な感じや、どす黒さや、悲劇感がないというか。なんとも表現が難しいのですが〜
よどみ感のないインパクトの少ない、聴きようによっては軽音楽というか吹奏楽のような、さらっとした演奏という印象です。

1  モンタギュー家とキャピュレット家 Montagues And Capulets
2  少女ジュリエット The Child Juliet
3  フォーク・ダンス Folk Dance
4  仮面 Mask
5  僧ローレンス Friar Lawrence
6  踊り Dance
7  ロメオとジュリエット Romeo & Juliet
8  タイボルトの死 Death Of Tybalt
9  別れの前のロメオとジュリエット Romeo At Juliet's Before Parting
10 アンティル諸島から来た娘たちの踊り  Dance Of The Antilles' Girls
11 ジュリエットの墓の前のロメオ Romeo At The Grave Of Juliet

小沢征爾 ボストン交響楽団 1986年
Seiji Ozawa
Boston Symphony Orchestra



録音状態は良い。いい意味でのノーマルな感じがする。
カップリングは次のとおり。2枚組の全曲盤もある。

小澤さんのロメジュリは、全曲盤もハイライト盤もあるのだが、ワタシが所有しているのは、抜粋盤である。
で、次のとおり全部で22曲が収められている。
もちろん、 バレエ全曲盤だと、相当に長いので2枚分のCDになってしまうので、普段聴くのであれば、この程度の長さの方が良いかもしれない。

1  第1幕第3曲  街の目覚め
2  第1幕第4曲  朝の踊り
3  第1幕第6曲  決闘
4  第1幕第7曲  大公の宣言
5  第1幕第10曲 少女ジュリエット
6  第1幕第12曲 仮面
7  第1幕第13曲 騎士たちの踊り
8  第1幕第15曲 マーキュシオ
9  第1幕第18曲 ガヴォット(客人たちの退場)
10 第1幕第19曲 バルコニーの情景
11 第1幕第20曲 ロメオのヴァリアシオン
12 第1幕第21曲 愛の踊り
13 第2幕第22曲 フォーク・ダンス
14 第2幕第28曲 ローレンス僧庵でのロメオ
15 第2幕第30曲 民衆のお祭り騒ぎ
16 第2幕第35曲 ロメオはマーキュシオの死の報復を誓う
17 第2幕第36曲 第2幕の終曲
18 第3幕第38曲 ロメオとジュリエット
19 第3幕第39曲 ロメオとジュリエットの別れ
20 第3幕第49曲 百合の花を手にした娘たちの踊り
21 第4幕第51曲 ジュリエットの葬式
22 第4幕第52曲 ジュリエットの死

録音状態は良い。ひととおり聴いた感想は、なかなかに多彩。いい意味でノーマルで、安定した演奏という感じがする。もう少しテンポをあげて、機能的に、スピーディに演奏する方がいいかもしれないが、86年当時の演奏としては、とても手堅い中庸的な演奏って感じだろうか。あっ もちろん、良い意味で言っている。
第3曲の街の目覚めは、かっちりした弦が刻みを入れているし、パーカッションも良く聞こえてくるし、木管も歯切れ良い。
第6曲の決闘は、弦のスピード競技のような楽曲だが、短距離走なみに、素速く、若々しく演奏されている。
第7曲の騎士たちの踊りも、大太鼓の重低音もしっかりと聞こえるし、地面が揺れるような感じがする。
その後も、一気に聴かせてくれる。

劇場で見ているような、ビジュアルを彷彿とさせるところもあり、場面の展開もスムーズに編集されている。
実際に全曲版を編集してハイライト盤に仕上げているので(ライブではないようだが)、とても間合いが自然なのだ。
プロコフィエフならではのコミカルさも、キビキビしたリズムで躍動感もあるし、金管フレーズも綺麗だ。やっぱり、弦の素速いフレーズが、きっちり整っているのは気持ちいい。
ハイライト盤でも71分52秒という長大な楽曲なので後半、少しだれ気味になってくるのだが、もう少し緊張感ある陶酔感とか、悲劇性が欲しいかもしれません。まあ、あまり過剰演出でも、ちょっと困るのですが〜。

スクロヴァチェフスキ ケルン放送交響楽団 1994〜95年
Stanislaw Skrowaczewski
WDR Sinfonieorchester Köln
(WDR Sinfonieorchester)



録音状態は良い。極めてクリアーで、明晰、明解な演奏だ。
カラダの線にピタッと決まったスーツを着ているような、気持ちの良さがある。メタリック過ぎない見通しの極めて良い演奏。
プロコフィエフ ロメオとジュリエット 組曲第1番〜3番

プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」は、バレエ音楽として誕生したが、何故か、ジュリエットが生き返り〜ハッピーエンドという結末にストーリーが変えられ、バレエ自体の上演も約5年お預けという状態になったモノだったらしい。で、プロコフィエフ自身が、3つの組曲に作り替えているが、組曲も全部で20曲あるので、そこからピックアップされて演奏されたりする。CDも、いろんな形状で収められていたりする。
ピアノ用に編曲された版もあり、この経緯は、結構ヤヤコシイが、バラエティに富んでるとも言える。

このスクロヴァチェフスキ盤は、組曲を3つ収めており、下記のとおり、順番に演奏している。
組曲第1番
1 民族舞踊
2 情景
3 マドリガル(キャピュレット家の舞踏会で、ロメオとジュリエットが会う)
4 メヌエット
5 仮面舞踏会
6 ロメオとジュリエット(バルコニーの情景)
7 タイボルトの死(ロメオが決闘)

組曲第2番
1 モンタギュー家とキャピュレット家(騎士の踊り)
2 少女ジュリエット
3 僧ローレンス
4 踊り(カーニバル)
5 別れの前のロメオとジュリエット
6 アンティーユ諸島から来た娘たちの踊り(ジュリエットと許嫁パリスの結婚式)
7 ジュリエットの墓の前のロメオ

組曲第3番
1 噴水の前のロメオ
2 朝の踊り
3 ジュリエット
4 乳母
5 朝の歌
6 ジュリエットの死

とっても録音状態は良いし、クッキリした、歯切れの良い明晰な演奏だ。ピタッと、タイトに締まっている。まるで、男性版のバレエの衣装みたいに足元すっきり。 キレが良い。
バラバラに小さくなっている組曲だけど、全体を通じて、この曲は、ロメオさん登場〜というのが解る、決まったフレーズがある。もちろん、ジュリエットのモチーフもあり、ワーグナーと同じようにライトモチーフを持っているので、わりと解りやすい。
まっ 解りやすいとはいえ、結構長い曲だし〜 この組曲は、ストーリーの順番になっていない。
まあ、シェークスピアの劇そのものは、たいていの方が知っているので大丈夫だが、情景や場面を描いているシーンの順番が、ちょっぴり違う。
詮索好きな方には、あー ややこしい。と言う感じだろうが、ワタシのように大雑把な人間には、まあ、気にしない、了解しておいてOKレベルだと思う。

スクロヴァチェフスキ盤は、3つの組曲順に演奏されるが、これも結構長くて、78分20秒というクレジットになっている。
全体が、キビキビした演奏で、場面ごとに、軽快であったり、有名な騎士の踊りなどは重厚な演奏になっているので、時間的には、わりと短く感じられる。
瑞々しい音質で録音されているし、透明度も高い。
ロメオだけが、超ロマンティック〜に演奏されているわけでもないし、どって〜とした重厚で引きずるような、重さがない。リズム感は、当然、ピタッとしてて抜群だ。
コーラングレ(イングリッシュホルン)の甘い音色や、透き通る木管群が、彩りを添えているが、全体的にはカッチリした構成で、カッチリした不協和音が、きっちり収まっている。という印象を与える。

プロコのロメオは、当然、チャイコのロメオとは違う色合いを持っているが、プロコフィエフさんの楽曲が持っているリズムと一風変わった和音 とか、打楽器のインパクトとか、ゲンダイっぽさを持ちつつ、ちょっぴり保守的な感じのする多様性が、プロコフィエフ臭〜くて面白いところ。
で、なーんていうか、スクロヴァさんの演奏は、この独特の風合いを、みごとに提示してもらっているような気がするのだ。
引き締まっていながら、メタリックすぎず、劇中劇を見ているような、間合いの悪さがないというか。
指揮者が劇のなかにはまり込んだような、情感タップリの主体性のある演奏ではなく、極めて客観的っていうのが、 これが、プロコフィエフの楽曲、演奏スタイルに、ピッタリなのかもしれませんね。
(って、ワタシ的な個人的意見ですが〜)

それでいて、瑞々しい弦の音があり、厳かな雰囲気も醸し出すバランスの良さを感じます。
純粋に組曲としてピタっと、ジグソーパズルがはまっている気持ちの良というか、構成力が強く出ており、聴ける、聴かせられるなあ〜って思います。 ぐいぐい劇のなかに、ハマっていくタイプの演奏ではないけれど、耳を傾けたくなる、聞き込める要素を持った、面白さを感じる演奏です。


マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団
1995年
Michael Tilson Thomas
San Francisco Symphony



録音状態は極めて良い。流麗で躍動感もあって、ワクワクしちゃう。透明感があり、色彩感も高く、聴いてて情景が目に浮かぶようだ。
全曲からの抜粋盤

このMTTさんのプロコのロメオは、全曲からの抜粋盤、ハイライト盤である。
1枚のCDに29のインデックスに区分されており、全部で78分ちょっとにまとめられている。
え〜 これだけ入っているんだ。と、驚きのCDである。

録音状態も良いし、MTTさんの演奏は、かなり流麗で、カクカクしているプロコ風味とは違って、まるでチャイコのロメオのように流麗に流れて、すーっと透明感あふれる綺麗な演奏になっている。
色彩感あふれて躍動的で、若い2人のラブストーリーという光景が目に浮かぶ。
前奏曲なんぞ、ちょっぴり映画音楽風に聞こえちゃうようなところもあるけれど、甘いが品があるし、チャンチャンバラバラのシーンは、ロシアものだからと、ごつくて〜 ガッツリしているのではない。
クラシックの堅苦しい枠にはまらず、ワタシ的には、抵抗なく受け入れやすく、ワクワクしながら聴きやすい演奏となっている。重量が欲しいところは、しっかり低音も入って鳴りっぷりも良いし、流麗だし〜

ひとことで言うと、聴くのに心地良く、バランスが絶妙だと思う。それに、聴いてて楽しいデス。
柔らかい前奏曲の出だしから、もううっとりしちゃうぐらいだし、第5曲目の喧嘩シーンは、スピード感あふれる流れがあって、第7曲目は凄いパワーで金管とティンパニーが鳴り響くし、打楽器類が大活躍しているのだが、超リアルだ。
超有名な第13曲目の騎士たちの踊りも、色彩感を持ってて重厚である。
ホント、スマートだが、重厚さを持ち合わせてて、そして録音状態が良いのは、超嬉しい。

第1幕
1  第1曲 前奏曲
2  第2曲 ロメオ
3  第3曲 街の目覚め
4  第4曲 朝の踊り
5  第5曲 喧嘩
6  第7曲 大公の宣言
7  第8曲 間奏曲
第1幕 2場
8  第9曲  舞踏会の準備(乳母)
9  第10曲 少女ジュリエット
10 第11曲 客人たちの登場(メヌエット)
11 第13曲 騎士たちの踊り
12 第15曲 マーキュシオ
13 第16曲 マドリガル
14 第18曲 客人たちの退場(ガボット)
15 第19曲 バルコニーの情景
第2幕 1場
16 第20曲 前奏曲
17 第22曲 フォーク・ダンス
18 第25曲 マンドリンを手にした踊り
第2幕 3場
19 第30曲 民衆たちのお祭り騒ぎ
20 第32曲 タイボルトとマキューシオの出会い
21 第33曲 タイボルトとマキューシオの決闘
22 第35曲 ロメオ、マキューシオの死の報復を誓う
23 第36曲 第2幕の終曲 タイボルトの死
第3幕 1場〜3場
24 第38曲 ロメオとジュリエット
25 第39曲 別れの前のロメオとジュリエット
26 第43曲 間奏曲
27 第47曲 ジュリエットひとり
第4幕 
28 第51曲 ジュリエットの葬式
29 第52曲 ジュリエットの死

上記の表は、抜粋された曲を記載してみたのだが、ワタシ、この曲を、曲名に合わせて、詳細に聞き込んだわけではないので、怪しい。もしかしたら間違っているかもしれません。
(そのときは、どうぞお知らせください)ホント、もっと聴かれても良い、つまり売れても良いCDだと思うんだけどなあ。
ワタシ的にはお薦めだが、いかんせん良い曲が詰まりすぎて、満杯、満腹状態にはなってしまう。


1966年 アバド ロンドン交響楽団 抜粋版 Dec ★★★
1973年 プレヴィン ロンドン交響楽団 全曲版 EMI  
1973年 マゼール クリーヴランド管弦楽団 全曲版 Dec  
1982年 ショルティ シカゴ交響楽団 抜粋版 Dec ★★★
1982年 ロストロポーヴィチ ナショナル・フィル 抜粋版  
1983年 レヴィ クリーヴランド管弦楽団 抜粋版 Telarc ★★★
1987年 小澤征爾 ボストン交響楽団 抜粋版 ★★★★
1990年 ゲルギエフ キーロフ歌劇場管 全曲版 Ph
1991年 デュトワ モントリオール交響楽団 抜粋版 Dec  
1994〜5年 スクロヴァチェフスキ ケルン放送交響楽団 組曲版 De ★★★★
1995年 M・T・トーマス サンフランシスコ響 抜粋版 ★★★★★
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