「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

プッチーニ 管弦楽曲集
Puccini: Orchestral Works


シャイー ベルリン放送交響楽団 1982年
Riccardo Chailly    Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)



録音状態は良い。こってりし過ぎず、爽やかな柑橘系の香りの漂う演奏である。珍しい曲が詰まっているので、プッチーニのファンだと喜ばれる盤ではないだろうか。
プッチーニ 管弦楽曲集 シャイー

1  交響的前奏曲イ長調
2  交響的奇想曲
3  歌劇「妖精ヴィッリ」 第1幕への前奏曲
4  歌劇「妖精ヴィッリ」 妖精の踊り
5  歌劇「エドガール」 第1幕への前奏曲
6  歌劇「エドガール」 第3幕への前奏曲
7  第1メヌエット 8.第2メヌエット 9.第3メヌエット
10 歌劇「マノン・レスコー」 第3幕の間奏曲
11 菊 弦楽合奏版

プッチーニと言えば、イタリアオペラの作曲家で、トスカ、蝶々夫人、ラ・ボエーム、マノン・レスコー等が有名どころだが、オペラ というカテゴリーを今までに、あまり聴いたことがなく〜 未知の世界である。
オペラ全曲盤を買っても、全曲聞き通す自信もないし、オペラの世界は、ストーリーを知ってないとマズイし、視覚的に訴えるモノだし。時代背景的にも、さっぱり 理解できていないし〜  とても、縁の薄い世界なのだ。
抜粋盤ぐらいのCDは所有してはいるが・・・ これも、とんとご無沙汰で、あまり聴いていない。

オムニバス的に前奏曲や序曲集ぐらいは、せめて聴いておきたいものだと思うのだが、さてはて、 何を買えばよいのかも、よくわからない・・・といった具合 で、かなり恥ずかしい状態。
ところが先日、イタリア人の指揮者が来日した際にコンサートに行ったのだが、その際、演奏されたのが、マノン・レスコーの第3幕の前奏曲だった。えへっ マズイ、聴いたことがあるような感じだが ・・・。なんだっけ?
いや、ホント親しみやすい曲なのだが〜 って感じで聞き終わってしまった。
(コンサートは、2011年10月2日 パッパーノ サンタ・チェチーリア管 京都コンサートホールでのアンコール曲だった)

そんな勉強のために買ったCDが、これ。シャイー盤だった。実は、マノンレスコーの第三幕の前奏曲だけ、聴ければ良かったのだが、CDの冒頭より、交響的前奏曲、交響的奇想曲っていう、曖昧なジャンルの言葉が飛び出してきた。
でも、聴いてみると、はあ。イメージは悪くない。いやいや 悪くないところか、親しみやすい大衆的な音楽で、なんともドラマティックな甘美な旋律美で〜
 学生時代の若い時の作品って言うが、いやはや、プッチーニスタイルが、既に完成してるじゃん。 というか、終生、プッチーニ作品は、持っているイメージが変化していないのかも〜 と、笑えてしまえるほど、うっとり系の音楽が詰まっていた。
若い女性的な音楽と言えば良いのか、しっとり〜 夢見る夢子チャン的な旋律である。
草食系の男性諸君は、お目当ての女性に、これを聴かせたらイチコロである。下手な音楽会に行くまでもなく、これを聴かせてみたら、どうかなあ〜と、お薦めしたくなるような交響的前奏曲だ。ホント、女の子は、絶対に好きになると思う。


交響的前奏曲 Preludio Sinfonico

「ふぁ〜そ〜れ れ〜どぉ〜 どぉ〜れど ふぁ〜 そ〜どぉそ そふぁ〜 ふぁ〜しどどぉ〜」
いたって、のんびり穏やかな曲である。
シャイー盤で聴くと、学生時代に書いた楽曲というよりも、まるで老齢にさしかかったような穏やかさがある。
よく似たフレーズ適度に繰り返され、弦楽の美しさが、横に揺れてくるし、ハープの使い方が巧い。
すわ〜っと爽やかに、嫌みなく、自然な感じでサラサラと流れていく旋律があって、なんとも、すがすがしい〜っ。
「ふぁ〜み〜ふぁぁ〜 ふぁそ ふぁ〜み みれど れ〜 れふぁみ れ〜ど どしら し〜」
ドンドンドンっ。とティンパニーを伴って、すわ〜っと、盛り上がって頂点を描く。
ん タラン タラン ラン。と、リズミカルに、金管が吹かれシンプルだけど、盛り上がってくる。
ラフマニノフのように、濃度の高い、とろ〜っとした重量感のある執拗な旋律ではない。

う〜ん。このお尻のアオサが、なんとも好ましく感じられるのは、ワタシだけだろうか。
総じて旋律は、ヴァイオリンで奏でられ、低音の響きが少ない が、跳ねるようなリズムを打楽器で締めている。
和音がどーのこーのというのではなく、すぐに、口ずさめてしまうほどのわかりやすい旋律だ。
でも、すぐ消えてしまいそうなフレーズである。
淡い、はかない、シャボン玉のような、ふわっとした感覚で、清潔さが感じられるので、一度、お聞きされることをお薦めしちゃいます。
パッパーノ盤とは違って、 シャイー盤は、さっぱり系だと思う。あっさり演奏されている。
大袈裟にクライマックスを描かず、庶民的な曲とは思っちゃうが、丁寧にマジメに演奏されていると感じる好ましさがある。
それにしても、イタリアオペラを奏でているベルリン放送響は、ドイツ臭くなく、 ワルツのような軽やかさを、色彩的に描く。
若い頃に書いた作品としては、すでに老練だが、瑞々しいっ。

マノン・レスコー 第三幕の間奏曲 Manon Lescaut Intermezzo

これも、すわーとした爽やかな柑橘系の香りの漂う演奏で、シツコクない。
三幕の間奏曲は、畳みかけてくるフレーズが特徴的だ。
「ふぁ〜み れ そらしれ ふぁ〜み れ そらしれ」「れ〜どら ど〜し しどれ れふぁれ れ〜どら ど〜し どれ ふぁ〜み・・・」っと奏でてくる、泣きの涙のようなフレーズが続くところは、ちょっと軽いぐらいで、あっさりと流れて行ってしまう。

ふふっ ムーティさんだと、ここは、色っぽくシツコイだろうなあ〜と思いつつ、シャイー盤は、揺れはあるものの振幅が大きすぎず、弦の揺れが前に被さってくるような、適度にサッパリしたところがある。
淡泊なようで、後ろ髪を引かれるような感じがするし、艶っぽさ、色っぽさというよりは、色白の細身の女性て素人ぽくって、可愛いかもしれない。これは、もちろん、アプローチの好みだとは思いますけど。(笑)
それにしても、プッチーニの珍しい楽曲が詰まっているので、貴重盤かも。

  ムーティ ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 1997年
Riccardo Muti  Milan La Scala Orchestra



録音状態は良い。まったりと歌われる。
1 ポンキエルリ 哀歌
2 カタラーニ スケルツォ
3 カタラーニ 瞑想
4 プッチーニ 交響的前奏曲
5 プッチーニ 歌劇「ヴィルリ」より間奏曲
6 プッチーニ 交響的奇想曲
プッチーニ 交響的前奏曲

このCDのお目当ては、プッチーニの交響的前奏曲と奇想曲である。
「ふぁ〜そ〜れ れ〜どぉ〜 どぉ〜れど ふぁ〜 そ〜どぉそ そふぁ〜 ふぁ〜しどどぉ〜」
「ふぁ〜そぉ〜れ れぇ〜どぉ〜  どぉ〜ふぁ〜どどぉし しみそ し〜らぁそ ふぁどどぉ〜し」
「らぁ〜し〜ふぁ〜み どれれ ふぁぁ〜れ れぇ〜ど・・・」

穏やかな夢見心地のフレーズが綴られている。
とびっきり良い録音ではないが、ハープの音がしっかり入っており、深いまろやかな低弦の響きが良い。
シャシー盤は、すっきり系だったが、ムーティ盤は、まったりと歌っていく。
タメ感を持って頂点を築いていく場面の拍のとりかたは、さすがに巧いっ、聴かせてくれる。ううっ〜とタメておいて、頂点からは、すっと、タタタと駆け足気味で降りてくるところなんぞ、ハハハ〜 これこれ、これだ。
粘りと、カッチリ系のスポーティなところを兼ね備えている。

プッチーニさんにとっては、習作なのだろうが、オペラの片鱗が見え隠れしており、楽しい。
ベタな楽曲、歌曲だとしても、乗せられて聴く楽しさ、乗せられて、うっとりしたいので、やはり、そこは定型でお願いしたいもの。期待している分、まったりしてくれないと困るのだ。(笑)
B級作品というと怒られるだろうが、そこを、マジメに豪華に流麗にまとめおり、あのスカラ座が良心的に、大上段に構え、権威主義的に、堂々と、大見得切って歌舞伎っぽく〜歌う。そこが、良かったですね。(拍手)
大まじめに、スケールで大きく演奏されるという、裏切らない8分50秒のドラマでした。
  パッパーノ ロンドン交響楽団 2000年
Antonio Pappano  London Symphony Orchestra
テノール:ロベルト・アラーニャ Roberto Alagna
バリトン:トーマス・ハンプソン Thomas Hampson

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。まったり〜とタメ感のある演奏で、うっとり。原盤EMI
1 プッチーニ 交響的前奏曲
2〜17 プッチーニ ミサ・ディ・グローリア
18 プッチーニ 弦楽四重奏曲「菊」(弦楽合奏版)
交響的前奏曲

パッパーノさんのこのCDは、ミサ・ディ・グローリアがメインになったものである。
で、まず、この1番目の交響的前奏曲から流れてくるのだが、この曲にやられてしまった。
はぁ〜 なんて素敵な歌なのでしょう。
少女の頃に戻った気分で、うっとり〜 ホント うっとり〜♪

クラリネットとフルートで「ふぁ〜そ〜れ れ〜どぉ〜 どぉ〜れど ふぁ〜」「そぉ〜どぉそ そふぁ〜ふぁ〜しどどぉ〜」
続いて、弦で、「ふぁ〜それ れぇど ど ふぁどぉし れみそ しぃ〜 (パラパラ) らそふぁ どぉ〜し」
で、低弦の「らぁ〜しぃふぁ ふぁ〜みれ どぉ」というのが、また甘くてっ。ここで胸キュン状態に。
ハープの音も綺麗に入ってくるし、木管と弦の甘い、歌うフレージングと深みのある音色だ。
どふぁしら そぉ〜っと、リズムをつくって、れぇ〜ど どれら らぁ〜そ そぉ〜と続ける。ヴァイオリンの雲のうえに伸びていくようなところと、低音の響き。繰り返すときには、今度は、ハープの音と、 「ん〜 チャチャチャ チャンチャンっ」という、バックのさりげないリズムが、とっても効いているし、タメ感のある3拍子感覚、そして、もりあげてくるところの金管の伴奏フレーズと、ん〜チャチャチャ チャッチャチャっと奏でて、すっと消えるところ。
ホント、これ学生時代に書いたのっ?
また、このパッパーノさんの奏でる、まったり感がなんとも言えませんっ。
ワーグナーなみに、金管を主旋律にして、弦が、たらら ららら ららら・・・と、しっかりバックを努めているし、ハハハ〜
これは、まったりと〜泣けますっ。
8分39秒のドラマでした。

1982年 シャイー ベルリン放送交響楽団 Dec ★★★
1997年 ムーティ ミラノ・スカラ座管弦楽団 SC ★★★★
2000年 パッパーノ ロンドン交響楽団 EMI ★★★★★
所有盤を整理中です。

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