「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

R・コルサコフ 組曲「金鶏」、「ロシアの復活祭」序曲、スペイン奇想曲、サルタン皇帝の物語
Rimsky-Korsakov: 
Le coq d'or Suite(The Golden Cockerel)


ジンマン ロッテルダム・フィル 1981年
David Zinman
Rotterdams Philharmonisch Orkest
(Rotterdams Philharmonic Orchestra)



録音状態は良い。スッキリ系で細身。もっと、濃厚に賑々しく鳴って欲しいのだが豪快には鳴ってこないので、ちょっとがっかりしてしまう。ソロで活躍するクラリネットやフルート、ハープの音色や、打楽器、カスタネットなどの音色は、綺麗に聞こえてきて満足できる。カップリング は、下記のとおり、8曲が収録されている。
R・コルサコフ 管弦楽作品集 ジンマン
CD1
1〜5 スペイン奇想曲 Capriccio espagnol
6 歌劇「5月の夜」序曲 May Night: Overture
7 音楽的絵画「サトコ」 Sadko
8〜11  歌劇「雪娘」組曲 The Snow Maiden (Snegurochka)
12〜15 歌劇「サルタン皇帝の物語」組曲 The Tale of Tsar Saltan
CD2
1〜4 歌劇「金鶏」組曲 Le Coq d'Or (The Golden Cockerel)
5〜8 交響曲第2番「アンタール」 Symphony, "Antar"
9 序曲「ロシアの復活祭」 Russian Easter Festival Overture

ジンマンさんが、ロッテルダム・フィルを振って、R・コルサコフの楽曲を2枚組に収録したCDである。
こんなことを言ってはマズイのだが〜 
ジンマンとロシア臭い楽曲の組み合わせなんぞ、ホントは、うっそーっ。CDがあるなんて信じられない。という、CDの存在自体を、疑いのマナコ状態で見ていた。聴いてみて、確かに細身で、なんともドンチャン、バリバリした豪快な鳴りっぷりをしているロシア臭さは、みごとに抜けきっており、スマートこのうえない。
まっ そういう意味では、想像どおりである。
他盤も一応所有しており、ラザレフ&ボリショイ盤は、確かに、ロシア臭さムンムンとしている曲になっているが、その対抗馬的な存在かもしれない。
いかにも、すっきりしててアクが抜けきった面もあるが、楽曲の面白さを、前面放出せず、細身ながらも、丁寧に、内声部までを描ききっている感のあるので、このジンマン盤も、捨てがたいかもしれない。結論から言っちゃうと、吹奏楽の練習課題として聴いてみるのは良いかもしれないし、旋律を丁寧に解きほぐす。という聴き方だとお薦めかもしれません。

スペイン奇想曲
Capriccio espagnol

スペイン奇想曲は、いきなり、「しぃ〜しし しぃ〜しし しらそふぁ そふぁみれ ジャンジャカ ジャンジャン・・・」と、鳴り始める楽曲である。
鳴り物の派手さに驚かされつつも、独特のロマの節回し、各楽器がソロでも活躍する場面も用意されており、メチャンコ楽しめちゃう楽曲である。
R・コルサコフって、ロシアの5人組のお一人なのだが、暗くて厳しそうなロシアの大地から、まぁ。いったい、どうしたら、こんなカラフルな、ラテン系の楽曲が作れちゃうんでしょうねえ。ホントに、不思議な作曲家 だと思う。で、このカラフルさに、まずもって驚かされちゃう。クラシックを聴き始めの時に、ハハハ〜 面白いやん。ジャンジャカ ジャカジャカと、喜んで聴いていたモノ だ。

アラビアンナイトの世界を描いた「シェエラザード」が有名だが、その他にも、交響曲も書いているし、管弦楽曲も多数残している。そのなかで、序曲「ロシアの復活祭」と、スペイン奇想曲 は、超有名曲だろう。

ウィキペディア(Wikipedia)で、このスペイン奇想曲のことを調べてみたら、
・・・素材として採り上げられたスペイン民謡は、マドリード音楽院教授を務めたスペインの作曲家、ホセ・インセンガが、1874年にバルセロナで出版した「スペインからの響き」という民謡・舞曲集からの借用である。同僚であったキュイは、「リムスキー=コルサコフはそれを作りはしなかった。しかし、スペイン音楽の明るい色彩をあくまで保ちながら、和声的変更と追加と対位法を加えた」と、この曲を評した。・・・
と書いてあった。↑ 一部抜粋

スペイン奇想曲は、5つの部分から構成されている。
1 アルボラーダ (アストゥリアの舞曲 アルボラーダ)
2 変奏曲(アストゥリア民謡 夕べの踊り Danza prima)
3 アルボラーダ(アストゥリアの舞曲)
4 シェーナとジプシーの歌(アンダルシア・ジプシーの歌 Canto gitano)
5 アストゥリア地方のファンダンゴ

全部で15分ちょっとの曲だが、いろんな要素が詰まっている。
1曲目のアルボラーダは、冒頭から、ジャンジャカ ジャカジャカ・・・を繰り返すが、このなかでクラリネットの蛇遣いのようなフレーズが入ってくる。
「しぃ〜し らしらし どしどら ふぁ〜し らしらし どしらそ ふぁ〜」
ハイ、ヴァイオリンも、「ふぁっふぁ しっしぃ ふぁ〜 ふぁっふぁ しっしぃ〜」と弾むが、この間の、巻き舌風の転がるトリル音がねえ。これがポイントだよぇ。

2曲目の変奏曲は、かなり優美で甘美。日暮れの郷愁感と共に、甘い夜の帳が降りてくる。
「ん そぉ〜れ  ん そぉ〜れ」という揺れる音のうえに、「そらしぃ〜しぃ〜ししし〜 どぉ〜れどしぃ〜」
「そらしぃ〜しぃ〜し〜 どしらぁ〜しらそ」「どぉ〜しらぁ〜 らどぉ〜しらぁしらそぉ〜そふぁみふぁそぉ〜」
と、ホルンの二重奏が流れてくるのである。
もう、このフレーズだけで、むひひっ。って、喜んじゃう甘さなのだ。
コーラングレも同様のフレーズを吹いてくるし、ホルンやクラリネットの金管や木管。
そして、絡みつくような甘さを発散する弦と、下支えの低弦のフレーズ。
「どれみぃ〜 ふぁみれ〜みれどっ(どしらし どぉ)」
重厚さと共に、甘く語られる歌謡風フレーズが絶妙な感じで、はさまって、再度、アルボラーダのフレーズへと続く。

3曲目、ドンドンっ、バンバンと鳴り物が豪勢に鳴るなか、今度はリズミカルに、ヴァイオリンのソロが奏でられる 。巻き舌風トリルと、重なってくる音、擦れ具合とか、エヘヘっ。粘りけのある音と、クラリネットの蛇使いのような上がり下りするフレーズと言い、うひひっ。

4曲目のシェナとジプシーの歌は、小太鼓に続いて、ファンファーレが鳴る。
「そそそぉ〜 そふぁみふぁ そっみぃ〜 ふぁみふぁそ み〜っ どどどぉ〜」
で、ここもヴァイオリンソロが入ってくる。この粘りけのあるロマのフレーズを、どう奏でてくれるかが、超ポイントだ。透明度の高い録音なので、弦のつま弾き、掻きおろしてくる音が、良く聞こえる。
で、フルートのソロ、コーラングレ、ハープの掻き鳴らす音などが、順番にソロで演じられていくのが、楽しく聴ける。

5曲目のアストゥリア地方のファンダンゴでは、木管が合いの手を入れつつ、ヴァイオリンを主体に、「ふぁぁ〜 ふぁみれみ ふぁっれ〜 みれみふぁ れぇ〜 しぃ〜どれみれ どっし〜 どしどれ しぃ〜」と弾いていく。う〜ん。ジンマン盤は、丁寧で、擦れがほとんどなく、綺麗な音色をしており、木管最後の、ひーっと尻をあげてキレていく音や、大太鼓、シャンシャン鳴っていく打楽器、カスタネットも綺麗に入ってくる。
「ん〜タララ ラン ん〜タララ ラン」と弾んでいくし、クラリネット、オーボエ、フルートも、最後の大円団では、金管も色彩的に綺麗に入ってくる。打楽器もしっかり絡んで、シャンシャンシャンっ!

演奏は、録音はクリアーだし、明瞭感もあって精緻だ。適度にスピードもあがっていく。
欲を言えば、もう少し熱を帯びて、熱く語られると良いかもしれないが〜 本場モノとは違うし。
粘りけ、独特の巻き舌は、少なめだけど、日本人が聴くには、ちょうど良いかもしれません。(笑)
予定の範囲ではあるけれど、充分に聴き応えがあって、何度も繰り返して聴く分には、ワタシ的には、満足しちゃってます。

サルタン皇帝の物語
The Tale of Tsar Saltan

サルタン皇帝の物語は、R・コルサコフが1900年に作曲した10番目のオペラだそうだが、全部で2時間半ほどかかるらしい。で、組曲の方は、オペラの中から各幕への序奏をまとめたものである。

第1曲 王の戦場への旅立ちと別れ(行進曲)
第2曲 海原を漂う妃と王子
第3曲 3つの奇蹟

ストーリーについて、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたが、プーシキンの原作を劇にしたもので、御伽噺のような、子供用の親しみやすい歌劇だとのことだった。そこには、少しストーリーが書いてあったが、わかりづらかったので、動画サイトを放浪すると、YOU TUBEで、ロシア語の子供向けと思われるアニメーション版(約53分)を見つけた。

そのアニメのストーリーを、かいつまんで説明すると・・・
サルタン皇帝は、王妃になる若い女性を探していた。3人の姉妹のうち、一番若い女性を王妃にすることを決める。
2人の姉たちは妬んで、妹である王妃にイチャンモンをつけ、ついに、王妃はクヴィドーン王子と共に樽に入れて、海に流されることに。
樽に入れられて漂流していると、とある島に流れ着く。
そこで、ある日、カラスに襲われている一羽の白鳥を、弓で助けた王子は、白鳥よりお礼として、3つの魔法の力を授けられる。やがて、王子は成長し、街には城が築かれ、人々より王として迎えられる。
ある日、島にやってきた船乗りたちを、王子は、食事をもてなし、サルタン皇帝の話を聞く。
その船乗りたちは、海を渡り戻って、サルタン皇帝に島の様子を語る。

島では王子が、父親を恋しく思っている。すると、白鳥が姿を現し、魔法によって王子を蜂の姿に変える。
(アニメでは蚊のように見える) 王子は蜂になって海を渡り、サルタン皇帝に逢いにいく。
サルタン皇帝の前では、姉たちは、船乗りたちの話でウソがばれると困ってしまうので、話を誤魔化そうとする。
ちょうど、蜂になっていた王子は、この嘘つきの伯母たちを撃退する。
蜂の王子は、自分の住んでいる城にもどってきた。

王子の島では、口笛を吹き、歌を歌って踊る、クルミからエメラルドの粒がを取り出す不思議なリスがおり、街が繁栄する。また、33人の兵士が海から現れる。
そして、白鳥は、若い女性に戻り、王子と結婚する。

船乗りたちは、サルタン皇帝に、島いるクルミからエメラルドを取り出すリスや、海から現れた兵士の話をする。
で、ついに姉たちの悪巧みを知ることになる。
皇帝は息子である王子を迎えに島い船でやってくる。
で、サルタン皇帝は、王妃と再会し、めでたし、めでたし〜という、とてもシンプルな筋書きである。
う〜ん 鶴の恩返しならぬ、白鳥・・・なのだ。
王子さまは、3回蜂になってサルタン皇帝の城にやってきては、伯母や魔女らしき人物を、刺しては困らせていた。

で、有名な「熊蜂の飛行」は、第3幕の間奏曲である。
王子さまが蜂に化身して、嫌な伯母さんたちを撃退するというシーンに繋がる。

さて、ジンマン盤は、4つのインデックスにわかれている。
1曲目の演奏は、華麗なるファンファーレから始まり、木管の綺麗な旋律が、すぐに登場する。
快活なフレーズで、「らしどれ みどっふぁっみ〜 れどみっ れどっ しぃ〜み れっしっらっ・・・」と軽やかに進む。
2曲目は、樽に入れられて海洋を、ゆらゆら〜っと漂うシーンが描かれている。夜、どす黒い海を漂っている感じが、分厚い金管と、波を描く弦で、絵画的に奏でられる。
3曲目は、熊蜂の飛行
4曲目は、3つの奇蹟となっている。

オペラ自身は、あまり上演されていないようだが、YOU TUBE で、アニメを見た限りでは、もちろんロシア語は、さっぱりわからないが、あらすじとしては、わかりやすいものだった。
「Сказка о царе Салтане」
https://www.youtube.com/watch?v=q-yO_m3FKJk

各組曲の冒頭には、ファンファーレがついている。スネアが登場したり、弦の甘いフレーズが入ってきたり、なかなかに色彩的だし、同じフレーズを繰り返すので、覚えやすく定着率も高い。
軽妙で、ホルンを初めとした金管が旋律を吹いているし、これは、吹奏楽の好きな方は、きっとお気に召すだろうな〜と思う楽曲です。

歌劇「金鶏」組曲
Le Coq d'Or (The Golden Cockerel)

第1曲「序奏とドドン王の眠り」
「し〜しし し〜しし しらそふぁ そふぁみれ ど(シャン)〜ど(シャン)」
ん〜タッタ ん〜タッタ という、独特のリズムがあるが、これが粘っこく鳴らない。
解りやすくフレーズを書いてみると、実は、「ん〜タラン タッタ」って鳴るのだが、アクセントの付け方が淡泊というか、クラリネットの鳴りっぷりが、リズムが正確すぎるというか。
さっぱりしてて あちゃ〜
クラリネットは巧いと思うんです。巧いとは思うんですけど、もっとコブシを回してもわらないと〜
いたって普通の西洋音楽で終わっちゃうやん。
蛇使いっぽく鳴らして欲しかったんだけど、う〜ん。サッパリし過ぎで、ブラスバンド的で、ヴァイオリンのソロも、はあ。なんか貧相な感じがしちゃう。
プレトニョフ盤も、結構、品があるというか、お上品だったのだが、ジンマン盤も負けず劣らず。
お品のよいことで〜 あーあっ。劇場で聴いているようには、少しいかないようだ。

第2曲「戦場のドドン王」
ブンチャッチャ風に、弦の揺れる音の響きと共に、ホルンによる甘いフレーズが吹かれる。
「そらしぃ〜 し〜 ど〜れどしぃ〜  そらしぃ〜 し〜 ど〜ら し〜らそ」
「ど〜しらそ ら ど〜しら〜しらそ」「「そふぁみふぁそ そふぁみふぁそ〜」
戦場のドドン王は、初めは甘く、とろけるような甘いフレーズを弾いてくる。
ふわっとした感覚は良いのだが、音の節感覚がイマイチ。
オーボエがホルンと同じフレーズを吹いていくが、ホルンが合いの手 「れ ふぁられぇ〜どどぉ〜」と入れてくる。
弦に変わって、幻想的なフレーズに変わる。
同じ旋律を楽器を変えて、次第に勇壮で、ふわーっと広がる雄大さになっていくのだが、少し力強さが不足しているかもしれない。アンサンブル、音質、音の厚みがなあ。

第3曲「シェマハの女王とドドン王」
「 どぉ〜(れどれどれ)どど どぉ〜(れどれどれ)どど どしらそ らそふぁれみっ」
シンバルも鳴るし、どぉ〜どっど。という力強い、ジャンジャンと鳴り物入りの楽章なんだけどなあ。
イマイチ、勇壮さ、酒臭い匂いが立ちこめるほどの、野蛮で俗っぽさが欲しいのだが〜
で、「らぁ〜どっど らぁ〜どっど」とヴァイオリンのソロが入ってくる。
「らぁ っ っどっど」というところで、爪を立ててつま弾く音があるのだが、引っ掻いているという感じ。
なんだか、DNAが品よく収まってしまうのだろうか。

第4曲「婚礼の行列、ドドン王の死、終曲」
小太鼓とトランペットで始まる。「そそそ そぉ〜 そふぁみふぁ そっみ〜 ふぁみふぁそみ〜」  
「どどど れみふぁそ どしどれみ〜」「どどどど そそそそ どどどど そそそぉ〜」
凱旋式のファンファーレ風である。奥行きは感じられるのだが、ねちっこさが足らないので、アラビア風という雰囲気には欠けている。
で、次に、ヴァイオリンソロが入ってくる。
サン・サーンスの「死の舞踏」のイメージで、骸骨の踊りか?と思っちゃったんだけど。(笑)
弦のつま弾く響きは、明るめというよりは、ちょっと暗め。凱旋風ファンファーレの後では、ちょっと暗いかなあ。ニヒルだ。
かといって、皮肉っぽさが出ているというより、世俗的で良いんだけどなあ。
もっと、豪快に鳴らして欲しい。
最後、大太鼓が入ってくると、さすがに分厚く、ドワンっ〜という響きが出てくるが・・・。

総体的には、豪快さ、破壊力、ハチャメチャ度は薄い。
プレトニョフ盤が、オペラチックに奏でてくるに比べて、う〜ん。こぢんまりしているかなあ。ちゃんと弾いているし、ちゃんと合格点なんだけど。豚骨味の、こってりラーメンが食べたいと入ったラーメン屋で、なんとも、味の薄い、さっぱり醤油味の、中華そばが出てきたみたいなモノに聞こえちゃうのだ。

何が足らないのかなあ。やっぱり、細かいフレージングなんだろうなあ。ちょっとした節回し。
音の膨らみと長さ、頭の音と、語尾のねちっこさが、少ないんだろうと思う。
最後のリズミカルに、アップテンポで終わるところは、すかっと決めているのだが・・・。もっとガンガンに、ノリノリに勢いをつけて演奏して欲しいよぉ。せっかく、コルサコフ晩年の華麗なる、世俗的な楽曲を聴きたいのだから、もっと、豪快、豪壮なオケの鳴りを、大いに期待している部分があるんです。
それなのに、天の邪鬼なジンマンさんは、いたって普通っぽい。
なんだか消化不良というか、全力を出し切ってないというか、鳴りっぷりの悪いCDというか、、、残念。

序曲「ロシアの復活祭」
Russian Easter Festival Overture

序曲「ロシアの復活祭」って、子どもの頃に聴いた曲で、久々に聴いたら、メチャ懐かしい。
冒頭、フルートとクラリネットだろうか。木管群が、静かに出てくるフレーズを聴いた。
「そそそ ふぁみ〜 そそら しぃ〜そそ らぁ〜そふぁそふぁ み〜」
弦のピチカートの伴奏と、弦のフレーズで、「そそそふぁみ〜 そそらし〜そそ ららそふぁ そふぁみ〜」
そして、印象的なフレーズの間に、ヴァイオリンの甘いソロが出てくる。そして、チェロのソロが。
トロンボーンで、「れれ れどし〜 れれみ ふぁ〜れ〜 れぇ〜みれど れどし〜」
合いの手は、ヴァイオリンとチェロの弦がつとめる。 

あ〜 そうか。このフレーズは、教会のフレーズなんだな〜って改めて知った。コラール風のフレーズで、完全にこれは教会だっ。宗教は、ロシア正教になるのかと思うが 〜。
ちょっと気になったので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、 R・コルサコフは、交響組曲「シェヘラザード」を完成させ、その後すぐに「ロシアの復活祭」序曲を作曲した。
ロシア正教の聖歌集「オビホード(Obikhod)」からテーマを採用し、ハリストス(キリストの現代ギリシャ語・スラヴ語読み)の復活を描いている。修道院の近所で過ごした幼少時代の印象がもとになっていると自伝「私の音楽生活史」の中で述べている。とあった。

「復活大祭(ふっかつたいさい)は、キリスト教の一教派である正教会における最大の祭日。
パスハとも呼ぶが、正教会は西方教会諸派と異なり、「イースター」とはあまり呼ばない。
イイスス・ハリストス(中世ギリシャ語読みに由来する、イエス・キリストの日本正教会における表記)の復活を記憶する祭りであり、西方教会諸派における復活祭に相当する。 」とのこと。

う〜ん。キリスト=ハリストスっていう名前だった。
どうも、ジーザスは馴染みがあるが、ハリストスという呼び方に馴染みがない。宗教に詳しくないので、なんとも言えないが、とにかく、ロシア正教の讃美歌(?)の旋律 らしい。
グレゴリオ・チャントも、さーっぱり何を言っているのかわからないし、日本の短い経典だってアヤシイ人なのに、えらそうなことは言えない。
しかし、、、だた、この教会のコラール風フレーズが冒頭にあるのに、金管が鳴ってくると〜 メチャクチャ高揚しちゃって、最後は、派手なオーケストレーションで終わる曲 なのである。
トランペット、トロンボーン、チューバと、金管や打楽器が総出となって、冒頭のフレーズを、執拗に繰り返す。ハープに大太鼓、シンバルが出てきて、まあ賑々しい。
「そそそ ふぁみ〜 どどし らぁ〜」って、ティンパニー付きで単純なフレーズを繰り返しているうちに、気がつけば、銅鑼まで鳴って、勇猛果敢に、突撃っ!って叫 ぶような楽曲なのである。

ジンマン盤も、素っ気ないかと思っていたが、この曲は、ミリタリー調で、軍隊のホント、切り込み隊長になったような気分で、気がつけば、突撃隊の先頭を走っているような状態 となっている。
「しっしっふぁ しっしっふぁ しっしっふぁ しふぁしふぁ しっしっしっしっ」
「みっみっれ みっみっれ・・・ れっれっれ・・・」 「そっ そそ ふぁぁ〜 そっ そそ ふぁぁ〜」と進んでいく。
教会で讃美歌を歌って懺悔したのち、これじゃ戦地に趣くという気分だよねえ。
だから、ハリストス すなわち、キリストの復活〜って言われても、どうもなあ。復活祭の祝祭的な楽曲というよりは、戦時中の 高揚曲のようで、ちょっと引いてしまうのである。
まるで、キリストの復活を喜ぶというよりも、キリストの地獄への降下さながらに聞こえてしまう。それも、戦闘機で急降下のような勢いだ。
もっと素朴で良いのに、、、なんて派手な曲なんでしょ。
「そぉ〜 ふぁふぁっ そぉ〜ふぁふぁっ」「ぱぁ〜ぱぁ〜 ぱぁああ・・・」

子どもの時は、メチャ派手な曲で、単純に喜んでいたが、今となっては、あれまっ。血の気が引いちゃう。
これだけ派手だと、ヴェルディのレクイエムさながら、死者が復活するって感じだ。
「ハリストス 死より復活し、死を以て死を滅ぼし 墓にある者に生命を賜えり」

それにしても、地味なジンマン盤だと思っていたが、この楽曲では、ぶっとい金管とティンパニーの叩き方が面白くて、 これ ずれてないだろうなあ。と思いつつ聴いていたが、派手には鳴ってくる。
スピード感もあり、細身だが、まずまず熱い。
まっ しかし、ロシア臭い演奏だったら、これが、ますますパワーアップするわけでしょ。うへっ。想像つかないや。と、勝手にもりあがってしまいました。 血の気が昇るか、下がるか、引いてしまうか〜 今後が楽しみです。
また、他盤も聴いてみます。

ロリス・チェクナヴォリアン アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団 1991年
Loris Tjeknavorian
Armenian Philharmonic Orchestra

まっ こんなモン


録音状態は良いのだが、ちょっと低弦の音が足らないかも。バランスが少し悪いような気がするが、ノリ感はある。
カップリング:
1〜4 R・コルサコフ 「金鶏」組曲
5〜7 R・コルサコフ 「皇帝サルタンの物語」組曲
8 R・コルサコフ 皇帝サルタンの物語 〜熊蜂の飛行〜
9〜13 R・コルサコフ「クリスマス・イヴ」組曲
「金鶏」組曲

このCDは、ジャケ買いである。
色彩的で、蜂とニワトリのイラスト入りで〜 なんだか楽しそうで、つい買っちゃったものなのだ。
で、このイラスト 当然、熊蜂の飛行と金鶏をモチーフにしたもので、アラブ世界を描いてます〜的な劇場の雰囲気が出ている。えへへ〜 こういうのを見ると、ついつい買っちゃいたくなる。お子ちゃま気分が抜けきらない。

で、チェクナヴォリアンとアルメニア・フィルの組み合わせっていえば、もちろん、ハチャトゥリアンが有名だ。いささか、土俗的だが、メチャクチャ熱い演奏で、熱狂させてくれる。で、血が騒ぐ〜
ここでは、R・コルサコフの楽曲、ロシアもののCDである。他にもR・コルサコフのシェエラザードが収録されたCDもあるそうだが、ワタシは、残念ながら所有していない。

第1曲「序奏とドドン王の眠り」
録音状態も良いし、特に文句もなく、テンポもゆったりしている。
冒頭、金管の「れれ ふぁれっ らぁ〜 らふぁそら しどぉらぁ〜」というフレーズから始まる。
アラビア世界のような木管フレーズも巧いし、くねくね〜っと、まったりした、おとぎの世界が広がっている。
静かな場面では、弦がもう少し、大きな声で歌ってくれたらバッチリなのだが、そこは控えめだ。
夢を見ているシーンだと思うのだが、ラザレフ盤のほうが、幾分、雰囲気が出ているかもしれないが、金管の歯切れのよい音が出てくるし、活発で勢いがある。
弦が少し奥まっている感じがするのが、ちょっと残念だ。木管フレーズは、良く聞こえてくるし、金管は言わずもがな・・・。

第2曲「戦場のドドン王」
木管の鳥さん風フレーズが、勢いよく、ストレートに飛び出してくるし、色彩感があふれている。
おいおいっ って感じで、そこだけクローズアップされているのだけど。弦が寂しい。
リズミカルで、 ブンチャッチャ的に、「た〜ら らった たぁ〜ら らった」と、楽しげだし、戦場の暗さみたいな、雰囲気もある。このあたりは、少し遅めなので、ちょっとダレちゃうかもしれない。
しかし、 「そらしぃ〜 し〜 ど〜れどしぃ〜  そらしぃ〜 し〜 ど〜ら し〜らそ」と、ぼちぼち歌い始める。
軽快なリズム感があるが、踊りのリズムが、もう少し熱狂的かと思ったが、甘いフレーズとの対比が緩い。
で、低弦が、ボンボンと響いてくれたら、もっと立体的になるのになあ〜と、弦に威力がないので、いささか残念だ。

第3曲「シェマハの女王とドドン王」
弦のフレーズが、少し弱い感じな〜 濃密なロマンティック雰囲気が、少しもの足らない感じがする。
適度な粘り感のあるフレージングで、ゆったり感があるし、「しぃしぃ〜どみみ〜れ しぃ〜らそしぃ〜」というところの可愛く入ってくるトリルが、アクセントだ。
木管が、そこんところは、ねちっこく、いかにも〜という世界を描く。
ヴァイオリンも前面に出てきて、木管の装飾的なアラビア風フレーズを描くので良いが、最後だけ音量が大きくなっているのは、ご愛嬌だ。ちょっと音響のバランスが悪いのだろう。 

第4曲「婚礼の行列、ドドン王の死、終曲」
つんざくかのような金管、高音域の弦の音は迫力あり。みどれみふぁそみ〜っという、
「ららら らそふぁみ・・・」という行進曲風のところは、ハイ、歯切れがよろしいのですが、低い音の部分が、しっかり拾えてない感じがする。 トライアングルも入ってくるのだし、金管のぶっとい音も、よく聞こえて、変な和音のフレーズを聴かせてくるのだが、総体的に、音響のバランスが、イマイチだ。
で、いったんテンポを落として、ノリノリの大円団になっていくところは、とっても期待を抱かしてくれるのだが、ドンドンドン!という、大太鼓と銅鑼が鳴って、「らら ふぁっれ らぁ〜っ」という、つんざくトランペットが登場するところだけ、音がデカイ。

まあ、もう少し、破天荒に、天の邪鬼に、鳴らして欲しかったかも・・・。
木管は鋭くて、超目立ってます。金管の太い音も良く聞こえます。ジャーンっ!っと大見得を切るところもあるんだけど〜 期待が大きすぎたのだろうか。 せっかくのアルメニア・フィルなのに、もっと遊ばせて〜!
(↑ 結構、楽しんでいるんですけどねっ)


アレクサンドル・ラザレフ ボリショイ歌劇場管弦楽団(ボリショイ交響楽団)
1992年
Alexander Lazarev
Bolshoi Symphony Orchestra

録音状態は極めて良い。奥行きがたっぷり。色彩感、音量共に豊かで、エキゾチックな色香もたっぷりしているが、演奏自体の品は良い。結構、満足度が高い。

カップリング:R・コルサコフ 「スペイン奇想曲」、序曲「ロシアの復活祭」、歌劇「サルタン皇帝の物語」序曲、同「5月の夜」序曲、組曲「金鶏」

歌劇「金鶏」組曲

第1曲「序奏とドドン王の眠り」
ラザレフ盤は、ホールトーンが、結構たっぷり入っていて、奥行き感がある。
ミュート付きのトランペットで、「れれ らっふぁれ〜 らふぁそ らしど〜らぁ〜」という、滑稽なファンファーレから幕が開ける。
この時の奥行き感があるので、ホンモノの劇場で見ているような雰囲気がする。
幻想的なエキゾチックさがあり、ゆったりとした情感たっぷりの演奏になっているが、さほど、こってりとはしていない。
この盤にカップリングされているスペイン奇想曲の方は、楽曲にもよるが、ジャンジャン、バリバリ型のノリノリの演奏だが、この金鶏は、幻想的だ。
冒頭の幻想的ななんと言っても、クラリネットの響きが命ってところなのだが、怪しくも美しい小節まわしで申し分なし。
「そぉ〜〜 らしら そふぁれどれふぁそぉ〜」っていう、半音たっぷり小節のまわぐあいなんて、やっぱ、DNAでしょ。って感じがする。ぐぐぐ〜っと、ハートをつかまれる。 このクラリネットソロを聴くだけでも、結構、価値ありかも。
ハープの音色も、頃合いで絡んでいるし・・・。
「ふぁら〜 そふぁみぃし〜 らそらぁ〜」という美しい旋律は、テンポを落として、爽やかに清楚に歌われる。
濃厚な味付けではなく、こってりもしていない。中域のフレーズと、木管が、1音1音、吹いてリズムかが刻まれて、中和されているような感じだが、かといって、場面の変わるところでは、金管が歯切れ良く吹かれている。

第2曲「戦場のドドン王」
不気味さを感じさせる行進というよりは、品があって、弦のピチカートが柔らかく響いている。
鳥をイメージするようなフレーズや、金管の和音の豊かな音量と品の良さが際立っている。
そのうえ、静寂感も漂っており、不思議な空気感があり、ムードがある。
今、どんな場面なんだろうと、想像力がかきたてられちゃうなあ。引きこんでくる魔力、魔性がある。

第3曲「シェマハの女王とドドン王」
「らしどれみし〜 らそ らそら そ〜」
「そらし どれしらそ らそ〜」
ゆったりとした、揺りかごのなかで奏でられているような、甘いフレーズが流れてくる。
この豊かな色彩と、品の良い色香には、う〜ん。これは、やられてしまった。
弦が入ってくるセッションと、木管のセッションの掛け合いが、段々とテンポをあげてくるところ、そして、舞曲に変わってくるところの迫力と、優美さ。
その後の、「そらしぃ〜 し〜 ど〜れどしぃ〜  そらしぃ〜 し〜 ど〜ら し〜らそ」
「ど〜しらそ ら ど〜しら〜しらそ」「そふぁみふぁそ そふぁみふぁそ〜」
「みし〜らししらし ら〜 らしどどぉ〜(れどれどれ)」
「どど どぉ〜(れどれどれ)どど どしらそ らそふぁれみっ」
このフレーズは、優美で、色彩豊かで、ふくよかだ。
ジャンジャンと鳴ってくるかと思ったが、いやいや、どっこい。エキゾチックさを持っているものの、華麗で上品なのである。
奥ゆかしいと言っても良いぐらい。
このエキゾチックさを醸し出す、木管が巧いんだよねえ。それとフレージングが柔らかく、柔軟で、小節回しもナイスだ。
豊かな音量と、優美なフレージング。音の厚み。これは絶品です。

第4曲「婚礼の行列、ドドン王の死、終曲」
婚礼の行列といいつつ、なんだか、とっても不気味な雰囲気で、鳥が暴れまくっているようなフレーズも出てくるし。う〜ん。場面展開についていけないっ。(泣)
「どらしどれみど〜  らふぁそらしどふぁ〜」
金管の和音、短い象徴的なフレーズが、奥の弦のフレーズにかぶさってくる。

「そそそ そぉ〜 そふぁみふぁ そっみ〜 ふぁみふぁそみ〜」  
「どどど れみふぁそ どしどれみ〜」「どどどど そそそそ どどどど そそそぉ〜」
凱旋式のファンファーレ風である。その後は、ドンドンっと熱くなって、色彩感もますます増加。
金管の分厚い響きと、圧倒的な音量で、ブラスが鳴り始める。
音響的には、奥行きの深さ、横の広がりが、ゆったりしているので、ドンドン、バンバンという直接的な響きには鳴ってこないし、テンポは、そのままで、アップしてこないが、う〜ん。音の醍醐味ですねえ。
力もあるし、ノリノリ感は薄めだが、これだけ荘厳な感じのする鳴りっぷりで演奏してくれると、大満足。
この盤は、ゆったりとした大型スピーカーで楽しむ方が良いと思う。

野趣あふれる演奏ではない。楽曲の持ち味、それなりに、最後は、ドンドンっと音響が大きくなっていくが、イマジネーションを委ねてくれるような、幻想的な世界が広がっている。
音響的に豊かで、色彩感もバッチリ。エキゾチックなフレーズの巧さ。小節まわしの巧さ、特に、木管には、完全に悩殺されてしまう。
完全に熱くなって、ヒートアップするわけではないが、なかなかに重厚で品がある。
これは、拍手〜っ。聴き応えあり。プレトニョフ盤のような冷静さ、緻密なストーリー性っていうのは、あまり感じないのだが、濃密で、ドンドンバンバン行くわけではないが、エキゾチックな色彩感というのは高い。

プレトニョフ ロシア・ナショナル管弦楽団 1994年
Mikhail Pletnev
Russian National Orchestra

録音状態は良い。奥行きもあり、幻のような柔らかさがある。
ロシアの管弦楽曲集となっていたら、どうも、ドンドン・バンバン、こってり〜という風にイメージしているが、品良く派手気味に鳴っている。
カップリングは下記のとおり。珍しい楽曲が収録された1枚。

〜ババ・ヤガー・金鶏〜 プレトニョフ ロシア管弦楽曲集
1 リャードフ  交響詩「ババ・ヤガー」
2 リャードフ 交響詩「魔法にかけられた湖」
3 リャードフ 交響詩「キキララ」
4 N・N・チェレプニン  遠き王女のための前奏曲
5 N・N・チェレプニン 魔法にかけられた王国
6 リムスキー=コルサコフ 組曲「金鶏」

歌劇「金鶏」組曲

ストラヴィンスキーの「火の鳥」を聴いていた時、そういえば、R・コルサコフにも、よく似たストーリーで、鳥が絡む曲があったなあ。と思い、そうそう。金鶏だっ。と思い出した。
この曲、組曲とはなっているけど、元々は、コルサコフの最後の歌劇「金鶏」から抜粋された組曲である。本人自身が組曲として出版しようと考えたが、死去してしまったため、グラズノフ、シテインベルクが編曲したものらしい。

プーシキンの短編小説を元にしてて、戦いに明け暮れ、ついには、クソ暢気に暮らしたくなった専制君主のドドン王は、ある日、占星術師から、危険が迫れば、コケコッコーと鳴いてくれる金鶏を手に入れる。
でも、戦いに巻き込まれてしまい〜 
戦利品として(?)シェマハ女王を手に入れるが、占星術師から、女王を金鶏を差し出した報酬として要求される。で、この要求を拒否し、さあ婚礼だ〜となった時に、金鶏は、女王の命によって王に刃向かってきて・・・王は死に至るというもの。(← 超簡単ストーリー)

最初に、ストーリーが似ていると書いたものの、もちろん、違うんですけどねえ・・・。
歌劇「金鶏」については、残念ながらビジュアルで見たことがないものの〜 なんとも言えないイスラム系の雰囲気が、たっぷり漂っていて面白いし、妖艶で華やかである。
オペラのストーリーのなかに、当時の政治体制を風評していたことから、すぐに上演禁止されたらしいが、組曲が4曲しかないのは、ちょっと残念なような気がする〜。

で、とりだしたのは、ピアニストでもあるプレトニョフさんのロシアの管弦楽曲集として、珍しい曲を収録したCDである。まあ。ひとくちにロシア 管弦楽曲集と言っても、多々あるんですけどね。
とりあえず、ワタシ的には、R・コルサコフの組曲「金鶏」を聴きたいと思い、買ったものである。
フランス語「コック・ドール」とも呼ばれている「金鶏」・・・ 金色の幻の鳥・・・ 
ル・コックは、スポーツウェアのブランド名ですけど。(笑)

第1曲「序奏とドドン王の眠り」は、ミュート付きトランペットで、幕を開ける。
「れれっ ふぁっれっ らぁぁ〜  らふぁそ らふぁし どふぁぁ〜」 どうやら、金鶏の鳴き声らしい。
ハープ付きで、クラリネットが、「らぁ〜 そふぁらみそ  そぉ〜ふぁみれふぁ どみし〜 どぉ〜し ふぁ〜らぁ〜」と奏で、一気に、う〜ん。怪しい妖艶な世界に引きこまれる。ドドン王のハーレム世界なんだろう。
弦で奏でられる 「ふぁらら らぁ〜  そふぁ し〜らそらぁ〜」
「らそふぁそら らしら〜 そふぁそら し〜 らそら〜 らふぁみふぁそ ふぁみふぁそら〜」

このフレーズが綺麗だし、木管の使い方も優美だし、低弦が穏やかに甘いフレーズを奏でてくる。
見通しのよい、歌謡風にフレーズの流れがスムーズで、奥で細かく木管が聞こえてくるところが良い。
まっ 展開の速い曲なので、また、金鶏が危険を告げるミュート付きのトランペットが吹かれると、途端に雲行きが怪しくなって、えらいこっちゃーっ 騒々しい雰囲気になるのだ。
プレトニョフ盤は、オペラチックに演奏されており、劇場で聴いているような奥行きがあり、透明度も高い。

ワタシ的には、描写力は高いように思う。
組曲になっているからか、場面展開が速いためか、飽きないし、ストラヴィンスキーの「火の鳥」よりは、もっと、喜劇的というか、素朴でオチャメで、解りやすいかも。
第3曲のシェマハ女王とドドン王の踊りは、官能的でもあるのだが、ここはプレトニョフさんの演奏は、さほど官能的ではない。清楚で、品があるくらいだし、柔らかい。ソフトだなあ。
下手くそな王の踊りは、ちぐはぐで〜 ブサイク。可愛い。くるくる目が回っているような、タンバリンが鳴って、くるくる〜っ。

「しぃ〜しぃ どみ〜れ し〜そふぁし〜  しぃ〜しぃ どみ〜れ し〜そふぁし〜」
「み〜 みれ ど〜れど ふぁ〜ふぁそら〜  ど〜しら ど〜ふぁみ ふぁ〜」
ふぁ〜っとして、幻想的というか、ことさらに甘くないのだが、すわ〜っと息を抜いていくところが凄い。
影のようになっているというか、フレージングの強さが無いので、影のように亡霊のようになっているんだな。
結局、劇のオチになっているのか、足の着いていないような、煙に巻かれているというか・・・。
3曲の最後には、すご〜い金管のぶっとい音で終わるんだけど。
甘いフレーズでは、力を抜いて、終わりの金管のフレーズは、ド迫力で〜 聴いている方も煙に巻かれた気分だ。

婚礼の行列と王の死は、ロシア臭く鳴ってくるし、大太鼓がドンドン、金管が木管が、「ぴ〜ひゃらら〜
「れっれ れぉ〜どし ら〜そふぁら そふぁ っれれ みふぁ〜」 
「れっれ〜み れっれっ れっれっ みれ〜っ」と、大円団になっている。
ハイ、最後は、狂乱状態で、ハチャメチャ風のフレーズで、ぴ〜ひゃららぁ〜。
おっそろしい状態なんだが、わりと喜劇風で、ハイ、終わりっ。
プレトニョフ盤は、わりとスマートだけど、最後は、やっぱ錯乱・狂乱騒ぎで、王さまのバカさ加減を皮肉っているのか、世情を評しているのか、金鶏にやられちゃう様を描いている。

総体的にはプレトニョフ盤は、ドンドン バンバン型の臭い演奏ではなく、スマートと言えばスマート。
でも迫力は充分にあるし、幻のようにぼんやりしているようで、奥行きもある。
セッション自体も、まあ。満足できるものだし、柔らかさが前面に出ていて、結局、劇のオチとして、煙に巻いちゃうってことに〜 視点が行っているような気がする。 その意味では、冷静な筋書きを見ているような気がする。
あっ そうだった。組曲「金鶏」の4曲のタイトルは、
第1曲「序奏とドドン王の眠り」、第2曲「戦場のドドン王」、第3曲「シェマハ女王の踊りとドドン王の踊り」、第4曲「婚礼の行列、ドドン王の死、終曲」です。

1981年 ジンマン ロッテルダム・フィル Ph ★★★
1991年 チェクナヴォリアン  アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団 ASV ★★★
1992年 ラザレフ ボリショイ歌劇場管弦楽団 ★★★★★
1993年 スヴェトラーノフ ロシア国立交響楽団  
1994年 プレトニョフ ロシア・ナショナル管弦楽団 ★★★★
所有盤を整理中です。

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