「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

R・シュトラウス 交響詩「ドン・キホーテ」
R. Strauss: Don Quixote


R・シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」(作品35)は、1897年に作曲され、副題を「大管弦楽のための騎士的な性格の主題による幻想的変奏曲」といいます。

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
ご存知、セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」に基づいて書かれた曲で、独奏チェロ・独奏ヴィオラが活躍することでも有名で、チェロが主人公のドン・キホーテ、ヴィオラが従者のサンチョ・パンサとして役割を与えられています。

独奏チェロ・パートは、チェロのもつ雄弁な性格をうまく表現しており、チェリストにとって重要なレパートリーですが、あくまで交響詩なので、協奏曲のような演奏効果をもたらさず、主題が、大オーケストラに、ドン・キホーテが無謀にも立ち向かうという構造になっているため・・・ちょっと、損な役回りかもしれません。

卓抜した管弦楽法により、多彩に鳴り響くオーケストラは聴きもので、指揮者の解釈によっては、独奏チェロがあまり目立たない演奏を好む場合もあるようです。さらに、ヴィオラ独奏は、チェロよりもさらに目立たないのですが〜低弦でのユーモラスな動きや、中音から高音域にかけての伸びやかな音色などが聴けるようです。
オケに向かっての果敢な挑戦は、巨大企業の上層部VS若手社員 なーんて、社会的風刺、社会の構図にも当てはまるような気もするので、チェロもヴィオラも応援したくなります。

序奏、主題、第1変奏曲〜第10変奏曲、終曲という構成で、それぞれストーリーがあるので、ユーモラスなイメージを湧かせてお聴きください。

  プレヴィン ウィーン・フィル  1990年
André Previn  Wiener Philharmoniker (Vienna Philharmonic Orchestra)
ドン・ファン ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル
ドン・キホーテ ヴィオラ:ハインリヒ・コル チェロ:フランツ・バルトロメイ

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良く、聴きやすい。
カップリング:
1 R・シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」
2 R・シュトラウス 交響詩「ドン・キホーテ」
R・シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」は、若い頃に、カラヤン盤で聴いたのだが、何故か、ワタシの頭は混乱してしまって、さーっぱり解らない。
何度聴いても、もわもわした状態で、わからず〜 すっかり、トラウマになって、放置状態になった曲である。
ドン・キホーテに限らず、メタモルフォーゼンなど、R・シュトラウスの楽曲を最初に聴くときは、どうもカラヤン盤は、避けた方がいいなあ〜というのが、ワタシの勝手な感想だ。

カラヤン盤で聴くと、美音ではあるのだが、複雑な音の響きが、さらに混沌として、溶解した感じに聞こえる。
だから、何度か、他盤を聴いてからでないと、楽曲そのものが、すっきり見えてこないという感じがするのだ。
あっ、もちろん、ワタシの勝手な感想ですが〜
その点、このプレヴィン盤は、ストーリーそのものが音になっている感じで、劇音楽とか、ミュージカルのように聞こえてくる。
楽しいし、すっきりして、わかりやすく、ストーリーが見えてくる感じがする。
ふむふむ、今流れているのは、この場面なのね〜って感じで、わかりやすく整理されて提示されてくる。

         
序奏 ラ・マンチャの村に住む男が、騎士道の本を読み、騎士ドン・キホーテであると思い込んでいく。
主題 ドン・キホーテは従者サンチョ・パンサを引き連れ、冒険に出る。ドン・キホーテの主題が独奏チェロで、サンチョ・パンサの主題が独奏ヴィオラで奏される。
第1変奏 ドン・キホーテは風車を巨人と思い込んで戦いを挑む。風車が回り、地面に叩き付けられてしまう。
風は弦楽器のトリルで表現される。
第2変奏 ドン・キホーテは羊の群れを敵と勘違いして蹴散らす。羊は金管楽器のフラッター奏法で示される。
第3変奏 冒険が嫌になったサンチョ・パンサとドン・キホーテが言い合いをする。
独奏チェロ・独奏ヴィオラの聴きどころである。
第4変奏 ドン・キホーテは、懺悔者の一行が携える聖像を誘拐された貴婦人だと思い込む。
助け出そうとして一行に突入するが、叩き付けられて失神してしまう。
第5変奏 ドン・キホーテは、架空の恋人ドルシネア姫への思いに耽る。
第6変奏 ドン・キホーテは、通りかかった不器量な田舎娘をドルシネア姫だと信じ込む。娘は気味悪がって逃げてしまう。
第7変奏 女たちにからかわれ、だまされて目隠しをされる。乗せられた木馬を魔法の馬だと信じる。
巨人退治に夢中になる。ウィンドマシーンによって架空の飛行が奏される聴き所である。
持続低音が、実際は地面に止まったままであることを表している。
10 第8変奏 川岸で櫂のない小舟を見つけた2人は、それに乗って囚われの王子を救出に向かう。
水車に巻き込まれて転覆し、ずぶぬれになってしまう。滴る水を弦楽器のピッツィカートが表現している。
11 第9変奏 ドン・キホーテは2人の修行僧(2本のファゴット)を悪魔と勘違いして襲いかかる。
驚いて修行僧たちは逃げるが、ドン・キホーテとサンチョ・パンサは意気揚々と旅を続ける。
12 第10変奏 ドン・キホーテを妄想癖から治そうと、彼の友人カルラスコが騎士に扮して、決闘を挑む。
(トランペットで表現される)。ドン・キホーテは、ついに冒険をあきらめ、寂しく村に帰る。
13 終曲 ドン・キホーテは故郷の村で死の床にある。ドン・キホーテは静かに自分の生涯を回想する。
チェロのグリッサンドによって彼の死が示される。


総体的には、録音状態は良いが、少しもわっとした感じで、暖色系の録音だ。
クリアーな録音で、少し寒色系の録音が好きな方には、ちょっと向いてないかもしれない。
プレヴィン盤は、ホルンの柔らかい音色、穏やかで優美なフレージングで、場面ごとにパーカッションが入ってきたり、妄想のなかの恋人への愛を、耽美的に歌ったり、この場面ごとのメリハリが、よくついている。

音の厚みも適度で、優美で華麗なサウンドで、もう少しパーカッションの細かいところが、クリアーに浮かんできた方が良いのかもしれないが、メロウで、風車に果敢に突進しちゃうというアブナイ騎士もどきのストーリーだが、プレヴィン盤で聴くと、コミカルすぎず、狂気すぎず、優しい、ほんわかした童話の雰囲気がする。
もっと、聞き込まないと〜 もったいないかもしれないと思うものの、結構長い楽曲なので、細部にわたっては、まだ聞き込めていないです。
スミマセン。また挑戦してみます♪

1990年 プレヴィン ウィーン・フィル Telarc ★★★★
所有盤を整理中です。

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