「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

R・シュトラウス 祝典前奏曲、13管楽器のためのセレナード
R. Strauss:Festliches Präludium


ベーム ベルリン・フィル 1963年
Karl Böhm  Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

ほぉ〜良いヤン


リマスタリング盤なので録音状態は良いが、やっぱり、この重厚で壮大な楽曲を収録するには、1963年では、これは無理ってなモノでしょう。資料的なCDです。
←3枚組BOX カップリングは下記のとおり
祝典前奏曲

このCDは、R・シュトラウスさんのお弟子さんだった指揮者のベームおじいちゃんの演奏が、いっぱい詰まった3枚組のボックスである。カップリングは、下記のとおり。

CD1
アルプス交響曲 シュターツカペレ・ドレスデン 1957年(モノーラル)
交響詩 ドン・ファン シュターツカペレ・ドレスデン 1957年(モノーラル)
歌劇 ばらの騎士 〜第3幕ワルツ〜 ベルリン・フィル 1963年
CD2
交響詩 ツァラトゥストラはかく語りき ベルリン・フィル 1958年
祝典前奏曲 ベルリン・フィル オルガン:ヴォルフガング・マイヤー 1963年
交響詩 ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯 ベルリン・フィル 1963年
楽劇 サロメ〜7枚のヴェールの踊り ベルリン・フィル 1963年
CD3
交響詩 英雄の生涯 シュターツカペレ・ドレスデン 
Vn:エーリッヒ・ミュールバッハ 1957年(モノーラル)
交響詩 死と変容 シュターツカペレ・ドレスデン 1972年 ザルツブルグ音楽祭ライブ

ベームさんは、もちろん有名な指揮者だったし、ちょっぴりご高齢の方なら、ご存知の方も多い筈。
が、亡くなられてから、ワタシの気のせいかもしれないのだが〜
なんだか一気にCDの数が減っちゃった感じがする。
でも、今聴いても、昔ながらの良い演奏で、ゆったり〜 アナログ全盛期の優美さを持っている。
あー なんだか懐かしい気分だよなあ。と思う。
あー なんだか、流れている時間の感覚が違うよなあ。

永遠という言葉を忘れてしまったのか、永遠って言葉に憧れなんぞ持たない人種が増えてしまったのか、とにかく、セカセカ、時間に追われて過ごして、暗いニュースばっかり流れて、即物的、殺伐とした気分で、すれっからしのように、カスカス、ボロボロになっているワタシの精神。(笑)
で、いつも、背中を丸めて、足元しか見てない感じがするが〜

「祝典前奏曲」っていう大層な曲なんぞ、聴けるかいと思いつつも、こんな演奏を聴いてしまうと、あ〜
イカンっ。こりゃアカンぞ。ちゃんと胸をはって、堂々としてないと・・・。
たまには、遠いところに目を向けて、高いところからの視点で、晴れ晴れとした気分で、見通しの良い、ハレの日を迎えないと・・・。っていう気分になる。

そう、この祝典前奏曲は、ハレの日、向けの楽曲である。
そう、○○の誇りを失わないでいましょうねぇ〜という楽曲である。
えっ? ○○に入る言葉は何っ? いや〜 それはご自分で見つけてくださいませ。
日本人の〜でも良いし、我が家の〜でも良いし、ハハハ〜

演奏は、堂々としてて、シャッキっと、軍服でも着て立っているかのような、硬めの格調の高さが、ほのかに伝わってきます。
でも、R・シュトラウスの演奏って、音響効果を求めてしまうし、良い録音じゃーないとヤダってことが多いので、そういう意味では、ちょっと分が悪い。いや、かなり分が悪いデス。
オルガンは良く入っていると思うが、金管の音色は、ちょっと〜ヒスっている感じがします。
まあ、資料的な価値に重点が置かれてしまうCDでしょう。ワタシ的には、聴けて良かったかな。と、じわっと、雰囲気を感じた演奏です。録音状態の良さ、華やかさや流麗さ柔らかさは、ホルスト・シュタイン盤がお薦めデス。

ロペス=コボス シンシナティ交響楽団 1994年
Jesús López-Cobos  Cincinnati Symphony Orchestra



録音状態は良い。しかし、飛びっきり良いわけでもなく、幾分軽めでDNAの違いが出ている。カップリングの良さで購入した盤。
カップリング:R・シュトラウス 楽劇「サロメ」〜7つのヴェールの踊り〜、ばらの騎士(演奏会用組曲)、ピアノとオーケストラのためのブルレスケ、祝典前奏曲

祝典前奏曲

このCDは、R・シュトラウスの珍しい曲を収めてくれており、ちょっと感激しちゃった盤である。
サロメとばらの騎士は超有名曲だが、ブルレスケは、R・シュトラウスのピアノ協奏曲のような曲で、ワタシ的にはお気に入りの曲なのに、メジャーとは言い難い扱いでCD が少ない。
祝典前奏曲は、演奏される機会も皆無のような状態で、CDの存在自体が珍しい。
ワタシは、たまたま、ブルレスケが聴きたくてCDを購入したが、ここで紹介する祝典前奏曲を聴いて、度肝を抜かれた。

だって、祝典前奏曲は、パイプオルガンと、大太鼓・ティンパニーが各2台、バンダも必要という、5管編成の大規模な楽曲なのだ。作曲された経緯が、1913年、ウィーンのコンツェルトハウスのオープニング時に、杮落とし用に作曲したモノである。ウィーン・コンツェルトハウス(Wiener Konzerthaus)って言えば、ウィーン交響楽団がいつも使用しているホールだと思うのだが〜 
パイプオルガンに負けないパワーが必要ということで、オケの規模が膨らんだのか、柿落しの時は100人程度の規模となったらしい。ちなみに、この祝典前奏曲と、ベートーヴェンの第9が演奏されたとのこと。
当時、初めて、ホールというモノにパイプオルガンが設置されたのだろうかと、気になることも多いのだが、いずれにしても、約100年前のことだ。ハプスブルグ家のフランツ・ヨーゼフ1世時代なのだから 、歴史の重みを感じちゃいます。

さて、この曲、いきなり冒頭から、パイプオルガンが、すごい音で鳴り響く。
続いて、金管総動員って感じのファンファーレが鳴り響く。
「れっ そぉ〜 れそら れらっ そっら みしらっ・・・」とハモっていく。  
それが静まると、次は弦が、ちょっぴりオセンチなロマンティックなフレーズを奏でているのだが、そのうち、高揚してきて、金管と合体し、そしてパイプオルガンも合体して肥大化する。
「どぉ〜 そ らぁ ふぁ〜みれどれど し〜(ふぁ〜れし)」
まあ、しかし、メインとなる旋律はシンプルだ。シンプルすぎるって言っても過言ではないが、祝祭という晴れの舞台での演奏が前提にある曲なので、これで充分 なのだが〜
パイプオルガンが随所に登場し、大編成の金管が大活躍してくるので、これに圧倒される。
弦が出てくる主題は、翳りのあるロマンティックな旋律が絡みつくように奏でられる。

で、祝祭的な楽曲として普段耳にするのは、イギリスのエルガーの第二の国歌とも言われる「威風堂々」の方が多い。だが、R・シュトラウスの楽曲は、コラール風讃美歌のようでもあり、ノーブルな気分の高揚感もあり、古式ゆかしき荘厳さはピカイチだと思う。
決してエルガーに負けてはいない。旋律の重層さは、やっぱR・シュトラウスの真骨頂で優美なのだ。
エルガーのようには、歌えないけれどねっ。

シンシナティ響の演奏は、録音状態は良いのだが、飛びっきり良いとは言い難い。
パイプオルガンの迫力は充分なのだが、どこか混濁感があり、他盤を聴いてしまうと、少し遜色を感じてしまう。歯切れの良さはあるが、軽めで、吹奏楽の延長線にあるような感じがしちゃって 〜
その違いは、う〜ん。なかなか言葉には表せないが、言葉の端々に出てくる表現の違いと言おうか、所作の違いと言おうか、ワタシ的には、フレージングに豊かさや優美さが足らない。って感じだ。
この点、やっぱりアメリカのオケだというのは致し方ないのかもしれない。

あっ そうそう。他にも、R・シュトラウスのお弟子さんだったベームが、ベルリン・フィルを振ったCD(63年録音)、ジンマン盤(2002年録音)、ホルスト・シュタイン盤(87年録音)を所有しているが、サヴァリッシュさんのフィラデルフィア管弦楽団との東京ライブ(93年録音 ティルと家庭交響曲とのカップリング)もある そうだ。←ワタシは未購入。実演を聴かれた方が羨ましい。
「ナクソス」「You Tube」にも、アップされている演奏があるので興味をもたれた方は、どうぞ。

  ハインツ・ホリガー ヨーロッパ室内管弦楽団 1993年
Heinz Holliger  Chamber Orchestra of Europe



録音状態は良い。
カップリング:
1    13管楽器のためのセレナード 変ホ長調
2〜5 13管弦器のための組曲 変ロ長調 
6〜9 16管弦器のためのソナチネ第2番「楽しい仕事場」
13管楽器のためのセレナード

R・シュトラウスの管楽器のためのセレナードは、18歳頃の作品です。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
1882年(一説には81年)に書かれた管楽合奏のための作品とあります。R・シュトラウスは64年生まれなので、やっぱり、18歳頃の作品なんですね。
初演は82年、ドレスデンで行われており、指揮者ハンス・フォン・ビューローは、この作品を大いに評価し、83年に、ビューローの指揮で、マイニンゲン宮廷楽団の団員による演奏が行われたのを皮切りに、ドイツ各地でこの作品を紹介したとのこと。
これによって、若き作曲家R・シュトラウスの名はたちまち広まり、出世作となったそうです。
ビューローは同じ編成による新たな作品を所望し、84年に、13管楽器のための組曲(作品4)が書かれたそうです。
ん? 作品番号が、前後しているんですが〜 セレナードは作品7で、組曲は作品4、となっています。

編成は異なるものの、モーツァルトの13管楽器のためのセレナード「グラン・パルティータ」を意識して、書かれた作品であり、また、メンデルスゾーンやブラームスの影響が色濃く反映されていると評されているそうです。
アンダンテの単一楽章で、約10分の楽曲です。

他にも、R・シュトラウスには、管楽合奏曲があります。ウィキペディア(Wikipedia)によると、次のとおりです。
 13管楽器のためのセレナード 作品7 1881年
 13管楽器のための組曲 作品4 1884年
 ウィーン・フィルハーモニーのためのファンファーレ(金管とティンパニ)
 ウィーン市民のためのファンファーレ(金管とティンパニ)
 ヨハネ騎士修道会の荘重な入場(金管とティンパニ)
 16管楽器のためのソナチネ第1番「傷病兵の仕事場から」
 16管楽器のためのソナチネ第2番「楽しい仕事場」
ちなみに、1945年に作曲された「メタモルフォーゼン」は、弦楽合奏曲です。

このセレナードは、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、コントラファゴット、ホルンの編成となっています。
冒頭、「らぁ〜そぉ〜ふぁどぉ〜  れぇど みふぁ どぉ〜し ら らぁ〜そ」
「らぁ〜し〜 ら れしぃ〜 れぇ しらそ〜 らそぉ〜 ふぁふぁ〜」

とっても、ゆったりした楽曲だ。
冒頭はオーボエのフレーズで、これに、フルートとクラリネットの柔らかいフレーズが絡んでくるもので、木管の和音の響きが、とてもまろやかだ。
「ふぁ〜 ふぁふぁん どぉ〜 どどぉ〜」というホルンの合図で、少しだけ、リズミカルに吹かれる。
「みみっ み ふぁそっそ そふぁみれ れしそふぁ・・・」
フルートが虹を架けるかのように、ふわっと、吹かれてチャーミングなのだが、全体的には、どことなく、もわっとしてて〜
もっと楽しそうに吹いてくれぇ〜っと言いたくなるぐらい。
ホルンが、「どぉ〜 しぃら そふぁみ そぉ〜ふぁ〜みれ どぉ(らしど そぉ らしど どぉ〜みれ どどぉ〜)」
と、元気よく吹くのだが、う〜ん、どこか、アカヌケてないというか、ウツウツとしている。

弦楽合奏だと、音程が変わるものの、さほど音質は変わらないが、木管って、みんなバラバラの音質ですよねえ。
この楽曲で聴くと、核になる楽器があるわけでもないようで、木管類の異なる音色が、混在しているようにも思える。
ホルンが、全部を包み込む役割をしているのかなあ。
バラバラに崩壊しているわけでも、もちろんないし〜 フルートとオーボエ、クラリネットの太めの音が絡むので、安定感があり、フルートが、そこに乗っかって、静かに終わる。

祝典前奏曲
1963年 ベーム ベルリン・フィル ★★★
1987年 ホルスト・シュタイン バンベルク交響楽団  
1994年 ロペス=コボス シンシナティ交響楽団 Telarc ★★★
2002年 ジンマン チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 Arte Nova  
13管楽器のためのセレナード 
1993年  ホリガー ヨーロッパ室内管弦楽団    Ph ★★★ 
所有盤を整理中です。

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