「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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 ラヴェル ボレロ
Ravel: Bolero


ラヴェルの「ボレロ」は、バレエ音楽として1928年に作曲されています。同じリズムで、2つのメロディーだけが繰り返されるという特徴があって、誰もが一度は耳にした楽曲ではないでしょうか。

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、この楽曲の特徴は、
 最初から最後まで(最後の2小節を除く)、同じリズムが繰り返される。
 最初から最後まで、1つのクレッシェンドのみである。
 メロディは、A・Bの2つのパターンのみである。

スネアドラムによるリズムが刻まれるなか、フルートから始まり、いろんな楽器が登場して、オケの音色が色彩的に豊かになっていきます。圧倒的な重厚さ(並行3度や5度を組み合わせたりもしている)でA・Bのメロディーを演奏すると、 曲は初めてA・Bのメロディーを離れた旋律に移り、音量も最高潮を迎えた直後、最後の2小節で下降調のコーダで収束して終わるものです。ハ長調で、一般的な演奏では、この曲の長さは15分程度の楽曲です。

メロディを奏でる楽器の順番は次のとおりです。
第1フルート → 第1クラリネット → 第1ファゴット → 小クラリネット → オーボエダモーレ →
第1フルート、第1トランペット(弱音器付き) → テナーサクソフォン → ソプラニーノサクソフォーン →
ソプラノサクソフォーン(今日ではソプラノサクソフォーン1本で演奏) → ピッコロ(ホ長調とト長調) →
ホルン(ハ長調)、チェレスタ(ハ長調) → オーボエ、オーボエ・ダモーレ(ト長調)、コーラングレ、第1、2クラリネット→
第1トロンボーン → フルート、ピッコロ、オーボエ、コーラングレ、クラリネット、テナーサクソフォン →
フルート、ピッコロ、オーボエ、クラリネット、第1ヴァイオリン →
フルート、ピッコロ、オーボエ、コーラングレ、クラリネット、テナーサクソフォン、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン →
フルート、ピッコロ、オーボエ、コーラングレ、第1トランペット、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン →
フルート、ピッコロ、オーボエ、コーラングレ、クラリネット、第1トロンボーン、ソプラノサクソフォン、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ →
フルート、ピッコロ、トランペット、サクソフォン、第1ヴァイオリン →
フルート、ピッコロ、トランペット、第1トロンボーン、サクソフォン、第1ヴァイオリン

ラストは、熱気を帯びてテンションマックス、爆発した感じで終わります。まるで人を食ったかのような楽曲です。
でも、オケの音色、技量等が、まるわかり〜なので、演奏者にとっては失敗できない〜 怖い楽曲かもしれません。、

  クリュイタンス パリ音楽院管弦楽団 1961年
Andr Cluytens
Paris Conservatoire Orchestra

録音状態は、さすがに61年なので・・・ちょっと音痩せしているようだ。リマスタリングされ続け、昔からの名盤とされているのだが・・・。
カップリング:ラ・ヴァルス、スペイン狂詩曲、高雅にして感傷的なワルツ(7曲)、古風なメヌエット

テンポはゆったり。
そうえいば「ボレロ」ってバレエ音楽だったよなあ。と、このテンポで改めて思い知らされる。
いつも快速バージョンで慣れてしまった耳が、洗われるようだ。
冒頭「どっ そっ そそ どっ そ そそっ」このパターンが3回鳴って、その後にフルートがあわさってくる。
スネアも後ろの方で鳴っているのだが、気がつかない程度である。
ピッコロの音色が、調が違うらしく聴いたことのないようなハモリ方で、違和感がある。クリュイタンス盤で、初めてこの違和感を感じた。あれぇ〜っという感じ。
全体的には暖かみがある録音で、ふわっとした空気感が漂っている。そのなか、オブラートに包まれたような感じで、木管群が登場してくる。決して録音が悪いというのではない。
つーんと張りつめた、冷たい空気感のなかで響く、今風の硬い響きじゃーない。
クラリネットもファゴットも、音は太めで、「れれれ れぇ〜 ふぁーそふぁ〜 そふぁそみぃ〜」などと、フレーズの途中で膨らませたり、のばしたりしている。
フレーズのなかでの音の伸縮に、気だるさ感を覚え、また同時に開放感を感じる。
木管が登場してくるところは、まだ良かったのだが・・・
金管があわさってくると〜 サクソフォンなど、それが顕著なので、ものすごーい気怠い気分に突入。
後ろのリズムを、きちんと刻むスネアや金管とのリズム感のギャップが大きいので、あまり几帳面に聴いていると、なんだか酔った感じにもなってくる。それが異様とも思えるほどで、 まるで、酔ったオジチャンが、ろれつがまわっていない。そんな感じにさえ受け取れる。
ひーっ これが、名盤なのか?
大昔に聴いただけで、その存在をすっかり忘れていたクリュイタンス盤なのだが・・・。
え〜っ こんな演奏だったっけ。

テンポは揺れるし、上機嫌でカクテルでも飲んでいる気分に陥った。
確かに色彩は鮮やかだ。
しかし、なーんか音がうわずって聞こえるし、あっ 外した。あっ また外している。
えっ これホンマに名盤?
トロンボーンとトランペットは、ストレートな吹き方ではなく開放的というか、吹いたところからの広がり方が大きい。ラッパの朝顔から音符が、アチコチに散らばっていくような吹き方だ。
で、はあ。なんか音が違うような・・・っ。
きっと、アンサンブルが乱れているのだろう。
転調して終わる際には、「らっ ふぁぉ〜 ぶよ〜っ ぶよぉ〜っ」と 締まりの金管が鳴らされ、崩れ落ちたように、音がばらけて終わる。

はあ〜 クリュイタンス盤って、こんな演奏だっけ。しばし唖然・呆然。
昔から聞いておられる方には、上品で格調高い、これぞフランスの音楽だということになるのかもしれないが、今や国境を感じられないインターナショナルな時代なので・・・う〜ん。完全に唸ってしまった。
私的には、リアルタイムに聴いていない時代なので、やっぱ過去形にしか受け取れない。
クラッシック音楽は、他より時間の流れが違う。スパンが長い。しかし、もう、そろそろ名盤と呼ばれるモノを入れ替えないとダメなんじゃーないだろうか。そう思う。
少なくとも、これから新しく聴こうと思っている方には、私はお薦めしない。
モントゥー ロンドン交響楽団 1964年
Pierre Monteux
London Symphony Orchestra

録音状態は、まずまず。
「デッカ&フィリップス レコーディング1956〜64年」7枚BOXの1枚 ストラヴィンスキー「火の鳥」等とのカップリングになっている。

歯切れのよいう「ボレロ」ではなく、相当に、けだるく〜始まる。午睡タイムのように・・・。
テンポは、ゆったり。これがバレエ音楽としての「ボレロ」のテンポなんだろうか。
スポーティタイプに、すっかっと演奏し、最後に盛り上げて終わりっ。というシンプルな構成ではないのだが、おおらかというか、ざっくりした風に聞こえてしまう。
弦が入ってきたところから、ちょっとピッチが、へっ? と思うほど、高いような気がする。
弦の音が合っていないんじゃー。(耳の錯覚かなあ)

コーラングレは、甘いっ。巻き舌風で、ふふふっ と笑える。
フルートなどの木管が入ってくると、歯切れが感じられるんだが。う〜ん。何故なんだろう。
1音目にアクセントが付き、低弦が、ジャン ジャン ジャン と鳴るのだが、なんとなく、ばらけた扇子のように広がっている。「ジャン」でもなく「シャン」でもなく、だみ声で、「ジャバァッ」に近い。
小太鼓が大きく聞こえるようになってくると、当初の気だるさが抜けていく。
最後、「ぶばぁ〜ばぁっ ぶばぁ〜ばぁっ」と、盛り上げて終わるが。
う〜ん。すかっともしてないし、熱狂的でもないし〜 最初の気だるさが抜けきれなかった。
一応、昔からの名盤って感じらしんだが。う〜ん。私の耳が悪いらしく、よくわからなかった。
小澤征爾 ボストン交響楽団 1974年
Seiji Ozawa
Boston Symphony Orchestra

録音状態は、あまり良くない。平板な気がする。
カップリング:「道化師の朝の歌」「ラ・ヴァルス」 「スペイン狂詩曲」「亡き王女のためのパヴァーヌ」等

最初は、几帳面なのかなあ。ちょっぴり硬いかな〜っと感じるボレロである。
トランペット(ミュート付き)が、パッレッ!と炸裂して聞こえるし、サクソフォンに期待したが、もう少し色彩が豊かであれば嬉しいのだが、ちょっと地味め。まったりしてて、レガートがかかりぎみだが、色気がない。
チェレスタは良く聞こえてくるが、全体的に、バランスが、イマイチよくないような気がする。

で、トランペットかトロンボーンの音が混濁してて、スマートではない。
どうも、金管が足を引っ張っているような気がする。下手とは言わないけれど、でも、どーもへたっぽい。
弦が入ってくると、音量も豊かだし、テンポアップしてくる。
でも〜なんだか前に、つんのめっていくようなテンポで、う〜ん。
段々と熱くなってくるのは、よく伝わってくるのだが。
聴き手のこちらは、まだ、あまり高揚させていただいてないんですけど・・・ う〜困っちゃったなあ。
音響のすごさで鷲づかみとか、ジワジワ内側から熱くされるとか、あまりそう感じない。
かなり几帳面です。演奏が硬いっす。伸びやかさが足らないんで、イマイチ乗れない。
最後、声が裏返ったような、へぇ〜ひぇ〜 ふぇ〜ひぇ〜っと、悲鳴に近い残響を残して終わる。
あれまっ・・・。

ショルティ シカゴ交響楽団 1976年
Georg Solti
Chicago Symphony Orchestra

ばっちグー!

録音状態は超良い。いわゆるフランス風ではないし、色彩感も豊かとは言いがたいけれど、シカゴ響ならではの豊かな音と力強さが、とても好ましい。
カップリング:ストラヴィンスキー「春の祭典」、ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、 ラヴェル「ボレロ」

シカゴ響の豪快な金管サウンドに興味津々で聞き始めた。
さすが、サクソフォンの音色は甘い。超甘く、どうも、ちょっと違うんじゃーって感じで伸びていく。
「ポン ポン ポン ぽぉ〜ろろ ぽぉ〜ろろ たぁ〜らら ら ららぁ〜」と、 力づくに微妙に伸ばしており、思わず笑えてしまった。 笑うなんて、不謹慎だ〜と怒られるかもしれないが、なーんか、とってつけた格好良さがあり、ワタシ的には笑えてしまう。演技派というか、ヤラセでもないだろうけど、なかなかに個性的だ。

商売慣れしてないのに、妙にくねくね〜っと媚びを売ってる感じで、微笑ましい。やっぱり、何を言っても巧いので、許されてしまう。(笑)  怪しげで、にわか仕込みのまがい物臭い、エロティックさと言うか、結構、無理して、妖艶っぽく奏でているとも言えるかも〜しれない。
でも、やっぱシカゴ響なんですよね〜 パワフル。
あっ こんなところで金管が絡むんだ〜とか、ハープの音が印象に残ったり、場面ごとに、意外な発見もあるし、男くさいサクソフォンの音色で、ぶっとさもあり、当然、シカゴ響ならではのパワーもあって、金管好きにはたまらない一枚だと、ワタシは思う。
一糸乱れぬ〜という感じで、金管が入ってくるし〜 力強い。
確かに、おフランス〜という雰囲気からは遠いのだが、その昔のシカゴ響ならではの力強さがあって、オケの鳴りっぷりが力強くて嬉しい。クサイぐらいに、目に見えるようにスピードを上げてくる。
ハイ、スピードを上げて、情熱たっぷりに煽ってくる。活気があって好ましい。
後半になっていくと、少しずつ音量をあげてて、リズムの1音目と、スネアの刻むリズムが気持ち良さを感じてくるのだ。
最後の高揚感に至る場面は、意外とおとなしいけれど、 アバドのようなヤラセはないし、素直にうなづける元気さ。

シャイーの振ったコンセルトヘボウ盤が、ワタシのお気に入りだが、もちろん、そこまで優美でないし、色っぽさはない。
デュトワ盤のような、色彩感も繊細さからも、ほど遠いのだが、それとは違う世界が広がっている。
やっぱ、ショルティ盤は、男気にあふれた〜というか、やっぱり男臭い、ちょっと硬めの明確さ、色の強さが出ている。
色彩感は少ないが、モノトーンでもない。 ふくよかでも、美しいわけでもないが、音出しの強さがあり、インパクトは強い。

それになんといっても、録音状態の良いこと。
これが76年とは〜 超信じられない世界で、リアルに、奥行きたっぷりで、とても綺麗に、活き活きと収録されている。
音は、デッカ特有の厚みのある音で暖色系、クリアーで、メリハリの良さと言えるだろうか。
くっきりとした色の濃さが出てきて〜 清潔で、音の像も明確に浮かび上がって、主張してくるし〜 そこが好ましい。

プレヴィン ロンドン交響楽団 1979年
André Previn   London Symphony Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。テンポはゆったり色彩感もアンニュイも感じさせる粘りもある濃厚な演奏。
プレヴィンがEMIに録音した10枚組BOXの1枚
André Previn – The Great Recordings
 (The LSO Years 1971-1980)
ラフマニノフ交響曲2番とのカップリング

テンポは、ゆったりした重厚級のボレロである。
CDのクレジットでは17分18秒 遅いっ。
遅いのは遅いのだが、これがまた濃厚で、たっぷり〜 立体的で色彩的で、すげ〜っ。という感じ。
クラリネットの音色も甘いし、オーボエの音も立体的に響くし、サクソフォンも甘くて重いし、コーラングレも濃厚な響きで、こぶし回しも独特だ。
総体的に、とろみのある濃厚で、ゆったりしたボレロとなっている。
録音状態も文句なし。
よく響くし、特に、冒頭からの木管の渋めの響きは、たまりません。
緊張感も適度にあって、暖かみがあるし湿気もあるし、色彩的に、よ〜く響いて、余韻が奥のハープに絡みつく。
小太鼓の音も適度で、なるでタムタムのように響いているし、ホント、なんとも、まろやかに響いてるんだよなぁ。まったりした、南欧の、夜の濃厚な時間帯のようだ。とろけちゃう。
残響が多めかとも思ったのだが、いや。録音場所は、キングスウェイホールだし・・・。ちょっと、1、2、3 というメトロノーム的ではなく、ちょっとフレーズは長めかもしれないな〜と思う。
こぶし回しは嫌らしく、ねっとり系で、アンニュイな感覚もある。
それにしてもロンドン響って、こんなに巧かったっけ。

コーラングレの節回しは、特にすごい。
しぃ〜らそふぁ しどらそしっ らそしぃ〜 らしらそ そ〜ふぁみれみぃ〜」
「しっどっ れぇぇ〜 れぇれぇ〜 れぇっれっ れれれ れぇ〜どし」
れぇぉ〜どし れどしらそふぁみぃ〜〜」
「れぇ〜み れみふぁ〜 そぉっら〜ふぁそみ れみれど しぃ〜どれどれ みふぁみれみれどしら」
そぉぁ〜 そらそふぁ〜 そふぁそみぃ〜 みみふぁ そふぁみれ〜」

思わず大笑いしそうになったが、これすごい。粘っこいが、妙にはまるのだ。

各楽器のパートが良く響き、バランスも良いし、ほほぉ〜っとのめり込んで聴いてしまった。
もちろんスネア(小太鼓)も、ティンパニーも響くし、刻みがよく聞こえる。
音も明るめだし、テンションがあがってきても、キツクならない。 EMIの録音って、スカスカ印象を持っていたのだが、ウッソのように綺麗だ。デッカの録音と間違うほど。
金管が入ってくると、ちょいと危ういのだが〜 い〜や、80年になっていない時点で、これだけ入ってれば文句ないでしょ。(聴いているのは、リマスタリング盤だが)
で、テンションも自然にあがってきており、ギアチェンジの時点がわからないほど。
いや〜 こりゃまいった。じわーっと熱くなってくるのだ。タイムが遅いからって、緩くはない。
かーっと熱くなるタイプでもないし、火照る感じでもないし、切れるタイプでもなく、あえて言うなら、地熱タイプかな。じわじわ〜っ ねっちり〜  (でもシツコクないんだよな) 迫ってこられて、う〜ん。
正直言って、やられました。
デュトワ モントリオール交響楽団 1981年
Charles Dutoit
Orchestre Symphonique de Montreal
(Montreal Symphony Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。明るくて、しなやか、開放的な色彩豊かな、南欧の雰囲気が立ちこめてくる。
カップリング:「道化師の朝の歌」「スペイン狂詩曲」「ラ・ヴァルス」

クラリネットもファゴットも、全体的に吹き方が、レガート気味なのが、ちょっと気になるのだが・・・。
どちらかというと、なだらかなフレーズが続き、リズムは、う〜ん さほど重きを置かれていない感じがする。
透明度が高いというか、すーっとした空気感は無いし、キラリ〜とした活発な演奏ではない。
なんだか、ちょっとてれっとしている。
2つのフレーズが交互に出てくるという単純な構成なので、あまり、てれ〜っと演奏されると飽きるのだが、入れ替わり立ち替わり登場する役者(ソロ)に聞き惚れてしま った。
音色が明るいのが、このオケの特徴でもあるのだが、それがイコール、フランス風と評されているように思う。まあ。一般的にそうなんだろうなあ。
サクソフォンが入ってくると、ますます、まったり〜聞こえる。小太鼓は、ちょっと軽い金属音ぽい音。
コーラングレの音色は、さすがに甘いっ。とろけるぅ。
チェレスタの音は、最初一音だけしか聞こえず、音が浮いて聞こえたが、後になれば、しっかり溶け込んでいた。
録音時の各パートの収録バランスって難しそうだ。

もちろん演奏している方も、音が微妙に重なっているわけで・・・ こりゃー難しそう。
ヴァイオリンが入ってきて、ようやく厚みが増え、第2ヴァイオリンが入ってきて落ち着いた雰囲気になる。
各ソロパートの出来不出来は、専門家ではないので、よく分からないし、フルートが裏返ったところがあったが・・・まあ。そんなことはどーでもよいや。 リズムを刻んではいるが、やっぱリズムより音色かなあ。
派手なアクセントもつけず、さほど盛り上げもしないで〜 さらりっとして終わる。
ちょっぴり薄味という感じがするが、モントリオール響の高音域の煌めくような響きが、印象的な演奏だ。
マゼール フランス国立管弦楽団 1981年
Lorin Maazel
Orchestre national de France

けんかうっかぁ〜

録音状態は、とびっきり悪いわけではないが、演奏も中途半端で、演奏の緻密さに欠けているような、ちょっと雑っぽい感じがする。
カップリング:「ラ・ヴァルス」、スペイン狂詩曲、道化師の朝の歌

冒頭では、さほど感じなかったのだが、通して聴いた後、率直に言うと、なんとも素っ気ないというか、味気がないというか。雑というか。あまり好印象には感じられない。

木管が奏でている時には、さほど感じなかったのだが、サクソフォンやトロンボーンが、なんだか締まりがない感じを受ける。
まったり〜というわけでもないし、丁寧って感じでもないし〜
投げやり的に聞こえるのだ。やる気が無いとも言えるかなあ。

テンポは、やや速め。スネア(小太鼓)が入ってきたところから、スピードをあげてくる。
このテンポ設定は、小気味よいのだが、弦もあわさってきても、素っ気なく。もちろん歌ってはこないし。
かといって機械的クールさに徹しているわけもなさそうだし。う〜ん。困ったモノ。
フレーズの最後 ンチャチャ・・・のところで、はっしょって、テンポを速めている。
ヴァイオリンが入ってくると、更にテンポアップ。
フランスのオケの響きを生かした演奏というわけでもないし。オケのアンサンブルが精緻でもないし。
う〜ん。オケの色もイマイチだし。フレーズを重視しているわけでもなさそうだし。
確かに、テンポだけを感じている分には、段々と熱くはなるのだが・・・。う〜ん。
マゼールらしい大見得を切るわけでもなく、中途半端なんだよな。なーんだ。オモシロクナイっ。
  シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団 1986年
Riccardo Chailly    Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)



録音状態は極めて良い。オケの力量が最大限に発揮されるというか、オケのサウンドの個性が垣間見られるというか、コンセルトヘボウの音は、やっぱり良いと再認識させられた一枚。
カップリング:ラヴェル「ボレロ」、ドビュッシー「サラバンド」「舞曲」、ムソルグスキー組曲「展覧会の絵」(3曲共にラヴェル編曲)

シャイーさんがコンセルトヘボウを振って、最初に販売されたCDだったと思う。
これ以降、怒濤のように発売されたけど〜 ホント良い録音状態で、コンセルトヘボウの極上のサウンドが聴けて・・・ 大変シアワセ〜と、魅了されてしまった記憶がある。

シャイーの振って出てくる音って、ホント美しく〜 
カラヤンのような無理矢理な貴族っぽさ、磨き上げた綺麗さ、流麗さではないが、どことなくスマートで、汗くさくない体育会系だ。汗をさらり〜とかいて、髪の毛をかきあげるような、格好良さがあるような気がする。(笑)
で、このボレロも、久々に聴いたが、う〜ん、やっぱり魅力的だ。
まず、木管群の綺麗なこと。クラリネットもファゴットも、オーボエも・・・ 最初は、弱音で、くぐもった柔らかい音質だが、スコアが進むにつれて、段々と、クリアーに響かせてくる。

意外とクラリネットが、ずるっと引きづったようなフレージングで吹かれたり、オーボエは、透き通るように吹いているし、なんだか、楽器ごとに役割分担させられてて、まるで個性派俳優のような出で立ちで登場する。
ミュート付きのトランペットは、すごく安定してて気持ち良いが、サックスは甘く、装飾音をつけて吹かれているし〜 ちょっとした変化球で勝負ですかね。変化をつけている。

奥行き感たっぷり、ホールトーンの入った録音で、チェレスタなんぞ、綺麗な残響が入っているし、ハープの響きも良いですしねえ。ホルンの柔らかい音色も〜 スネアの音の響きも、バッチリ。
ミキシングの技術なんでしょうが、86年の録音なのに、ホント、録音は極上です。
段々と参加する楽器が増えてきても、ティンパニーの響き、弦の響き、金管の響き、左右前後の分離も良く、自分ちのステレオが、突然ナイスな機器のグレードアップしたようなサウンドで聴くことができる。
まっ 演奏そのものより、音の綺麗さ、録音の優秀さに気をとられそうになるが、いやいや、ホント、耳のご馳走というべき録音でしょうねえ。
最後の方は、ちょっとデジタル臭くなって、妙に音のピッチが高くなって、急に音量を抑えたような気がするんですけどねえ。それに、アバド盤と同様に、男女の声が、柔らかく入っているような気がします。
う〜ん。最後は、ちょっと、いや、かなり、いただけないんですが〜
コンセルトヘボウなんだから、直球勝負で良いのになあ。とは思いますが、耳には超ご馳走です。
シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 1988年
Giuseppe Sinopoli  Philharmonia Orchestra of London

なんじゃ こりゃ〜

録音状態は良い。あまり明瞭な録音ではないが、それよりも、なんとも破裂的なフレージングで、ハテナ? 粗いっていうか、野蛮というか、お世辞にも綺麗な演奏とは言えない。いや、はっきり言っちゃう。汚い〜っ。
カップリング:ラヴェル「ボレロ」、「ダフニスとクロエ第2組曲」、ドビュッシー交響詩「海」
シノーポリ盤は、ジャケットが綺麗でカラフルだったので、ついつい、ジャケ買いしたもの。
一瞬、アンリ・マティスの絵画かと思ったけれど〜
同じフォーヴィスム(野獣派)のラウル・ドュファイ(Raoul Dufy)さんの絵画とのことだ。

で、このボレロだが、う〜ん ひとことで乱暴に言っちゃうと、なんて野蛮なんだ!音が汚いっ。
ハイ、そのひとことかなあ。アプローチは、結構、マゼール盤に近いかも。
歯切れが良いというよりも、少し、破裂音が強調されていて、フレーズのつなぎ部分である、ドン パン パンって感じのフレーズの、真ん中のパンっが、前にツバが飛んでいきそうな勢いで破裂しているのだ。
で、金管の音が凄いばらけて飛んでいってしまう。
ん ぱんぱんっ、ん ぱんぱん。 は〜ぁ? なんで連結部分で炸裂するのぉ?
ワタシには、わかりかねる。

肝心のフレーズも、確かに、ボレロって、とってもシンプルだ。単純なフレーズの繰り返しのなかでラストに向かう。その、シンプルなフレーズでのお楽しみって、登場してくる楽器のソロでしょ。
それなのに〜 とっても素っ気ない感じで、平板な繰り返しにしか聞こえない。
アンサンブルも、なーんか怪しいっ。(笑)

単純に、終わりに向かった音量がパワーアップしていくのだが、機械的な感じがするし、なんとも味気ない感じがする。ボレロって、ホント、登場してくる楽器を聴くのが楽しいし、そのソロの奏でるフレーズの巧さに、舌を巻くのが、一つの楽しみなのだ。
でも、ここで奏でられている、コーラングレや、チェレスタも、う〜ん。音色を楽しめないですね。最初っから、リズムの刻みも小さく、小太鼓は、どこにいたっけ?って感じだし〜
録音のバランスが悪いかもしれません。
で、弦が登場してくると、弦ばかり前に出てきて聞こえるし〜 う〜ん。

プレヴィン盤が、「しぃ〜らそふぁ しどらそしっ らそしぃ〜 らしらそ そ〜ふぁみれみぃ〜」
「しっどっ れぇぇ〜 れぇ〜れぇ〜 れぇっれっ れれれ れぇ〜どし」
「れぇぉ〜どし れどしらそふぁみぃ〜〜」
と、サービス満点に、茶目っ気を出して吹いてきてくれるのに、え〜 なんでぇ〜 愛想がない。
テンポは、速めだし、フレージングの独特の粘りもないし、全くもって素っ気ないのである。

で、最後、金管が、異様な大きさで爆発する。それがまた、汚いっ。(笑)
こりゃ、だめじゃ。粗い、粗すぎ〜 乱暴で、野蛮で、野獣的だっ。
あっ! ここで、このCDジャケットの絵がイメージされるのか。(って勝手に思った次第である)
ヤン・パスカル・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 1989年
Yan Pascal Tortelier    Ulster Orchestra

いたってフツウ

録音状態は極めて良い。 茫洋とした雰囲気で、もわもわした感じが良くでてる。
ラヴェル管弦楽全集CD4枚組BOX(1988年〜92年)
ラヴェルのボレロって、個々の楽器が順番に登場してくるので、演奏者の技量が露わになってしまって、ごまかせない。
また、楽器の違いがわかるので、オケの入門編としても聴ける。
トルトゥリエさんの振るアルスター管弦楽団の演奏は、う〜ん、ちょっと木管が弱いかな。とか、ちょこっと感じる部分はあるのだけど、まず無難なものだと思う。
今日は、4枚組のBOXから、第1巻を聴いていたので、カップリングをご紹介。

CD1
1〜4 スペイン狂詩曲(コーラングレ:コリン・スターク Colin Stark)
5 道化師の朝の歌
6〜8 ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ(バリトン:スティーヴン・ロバーツ Stephen Roberts)
9 ツィガーヌ ヴァイオリン:ヤン・パスカル・トルトゥリエ
10 亡き王女のためのパヴァーヌ(管弦楽版)
11 ボレロ

ドン・キホーテは、これ初めて聴いた。ドン・キホーテに素材を借りて、バリトンが歌うなんて〜 こんな曲があることすら知らなかったです。ウィキで調べたら・・・
ラヴェルが、1932年〜33年に作曲したもので、3曲からなるオーケストラ伴奏の連作歌曲です。
この後、ラヴェルは脳疾患のため作曲ができなくなり、これが最後の作品となったそうな。
映画「ドン・キホーテ」の劇中歌として依頼を受けて作曲したものですが、他にもファリャ、ミヨー、イベールといった作曲家たちにも同時に依頼しており、 作曲家たちには知らせずにコンペのような形で使用曲を選んでいたそう。
結局、採用されたのはイベールのものだったんだって。はあ? やっぱり〜 この件は訴訟問題にまで発展したそうです。
   第1曲 「空想的な歌」(Chanson romanesque )
  第2曲 「英雄的な歌(叙事詩風の歌)」(Chanson épique)
   第3曲 「酒の歌」(Chanson à boire)
アハハ アハハ アハハハ・・・って、笑いながら歌う3曲めしか、わかんないです。

で、ツィガーヌでは、ヴァイオリンを弾いているのが、指揮者ご自身で〜 これまたびっくり。
この楽曲は、ヴァイオリン小品として超有名だし、ヴァイオリニストがこぞって収録しているので、ご愛敬ということで・・・。
ブーレーズ ベルリン・フィル 1993年
Pierre Boulez
Berlin Philharmonic Orchestra

録音状態は極めて良い。とろけるようなボレロで、ブーレーズさんとBPOの音色の変貌ぶりには、とても驚かされる。
カップリング:「マ・メール・ロワ」「海原の小舟」「道化師の朝の歌」「スペイン狂詩曲」

切れが良いというより、まったり〜と流れてくる。冒頭から、スネアさんはお休みなのか? 
クラリネットやオーボエのところは、リズムを刻むというよりは、まったりとしたフレーズで、歌謡風に聴かせてくれる。
サクソフォンなんか、タメがあって、夜のセレナーデ風に聞こえて、おおっ。
夜の帳が降りて、美女に誘われているかのような、妖艶な雰囲気すら漂ってくる。
こりゃ〜 他の盤とは、ベクトルが違う。全く違う。かなりムーディ。

で、またまた、スネアさんはお休みなのか? いやいや。ちゃんと鳴っているのだが、代わる代わる登場する演技者たちに、魅せられてしまっていたのだ。
ふふっ トロンボーンは巧いなあ。フルートやクラリネットがあわさってくると、ますます色香が漂ってくる。
一応、スネアさんは、ずーっと叩いているのだが・・・ 同じリズムで、段々と高揚させる。というよりは、まったりさせてくれる1つの楽器でしかなくなっている。
で、第1ヴァイオリンは、リズムを刻むというよりは、フレーズを膨らませて歌う。
ほほ〜ぉ。これ、ホンマにベルリン・フィルの音色かあ。シンジラレンっ! 
ラテン系の彩りが素晴らしく、スペインの熱い夜を、誰か誘ってバルでお酒でもいただきたい。という気分になる。えっ スペインじゃ〜ないって?
いやいや、この音は、スペイン風ですよぉ。
それほど、ベルリン・フィルが、みごとに変貌しているのだ。あの硬い音が、これほど、まろやかに色彩豊かに変わるとはなあ。俄にシンジラレナイですねえ。
第2ヴァイオリンが添ってくると、これまた一段と深みが出てきて、まろやかに変わる。
これは、まろやかさ、てれっ〜として、個性的で絶品!

これだけ短い楽曲に、それも、何度となく聞き慣れた楽曲だったのだが、これほど、魅惑的に引きずり込まれるようにして聴いたのは、久々のような気がする。
最後、銅鑼がシャーンと鳴るが、段々にエキサイトしてくるというより・・・
じーっくり、最後まで聴かせてくれる1枚である。終わっても、なお名残惜しい。ある意味、やられたっ。
1962年 クリュイタンス パリ音楽院管弦楽団 EMI ★★★
1964年 モントゥー ロンドン交響楽団 Ph ★★★
1974年 マルティノン パリ管弦楽団 EMI  
1974年 小澤征爾 ボストン交響楽団 ★★
1976年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec ★★★★
1979年 プレヴィン ロンドン交響楽団 EMI ★★★★★
1981年 デュトワ モントリオール交響楽団 ★★★★★
1981年 マゼール フランス国立管弦楽団 SC ★★
1985年 アバド ロンドン交響楽団  
1986年 シャイー コンセルトヘボウ Dec ★★★★★
1988年 シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 ★★
1989年 トルトゥリエ アルスター管弦楽団 CHANDOS ★★★
1990年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI  
1993年 ブーレーズ ベルリン・フィル ★★★★★
1994年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI  
1999年 佐渡裕 ラムルー管弦楽団  
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