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ラヴェル 「スペイン狂詩曲」
Ravel: Rapsodie espagnole


ラヴェルの「スペイン狂詩曲」(op.54)は、管弦楽のための狂詩曲です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
1898年に作曲された習作とされる「シェエラザード」序曲を除けば、ラヴェル初の管弦楽曲となります。ラヴェルの母親は、スペイン出身のバスク人で、幼少時に母親の歌っていたスペイン民謡に影響を受けているとのことで、スペイン音楽に影響を受けた作品としては、このスペイン狂詩曲、スペインの時計(スペインの時)、ボレロなどがよく知られています。

スペイン狂詩曲は、4曲から構成されていて、全体で約15分程度の曲です。
ラヴェルは、1907年〜08年にかけて「夜への前奏曲」「マラゲーニャ」「終曲」を、2台ピアノのために作曲し、まもなく「ハバネラ」を加えてオーケストレーションを施して4曲の組曲としています。

第1曲:夜への前奏曲
F-E-D-Cisが、基本の循環主題が曲全体の印象を形作っています。
この主題はハバネラ以外の曲にも現れ、作品全体の重要な存在となっているもので、曲の後半にクラリネット、ファゴット、ヴァイオリンによる技巧的なカデンツァがあらわれます。

第2曲:マラゲーニャ マラゲーニャとは、マラガの民族音楽のファンダンゴです。
第3曲:ハバネラ この曲では唯一、第1曲の序奏の主題が登場しません。このスペイン狂詩曲作曲前の95年に、2台のピアノのために作曲されたものです。
第4曲:祭り 祭の日の市場が賑わう様子を描写した色彩豊かな音楽で、中間部にコーラングレのソロがあります。

情景を音楽にした色彩豊かな楽曲で、聴いているだけでイメージが膨らみ、リズミカルでとても楽しい曲です。

アバド ロンドン交響楽団 1985年
Claudio Abbado
London Symphony Orchestra

録音状態は、まずまず。あまり奥行きが深くない。ダイナミックでスポーティな演奏で、派手さと色彩感があり、勢いはあるが〜。
カップリング:ラヴェル ボレロ、スペイン狂詩曲、マ・メール・ロワ、亡き王女のためのパバーヌ
ラヴェル スペイン狂詩曲
第1曲 夜への前奏曲 Prélude à la nuit
第2曲 マラゲーニャ Malaguena
第3曲 ハバネラ Habanera
第4曲 祭り Feria

1 夜への前奏曲
この曲は、「ファミレド ファミレド〜」っと、弦が、どす黒く渦を巻くような怪しげな様相から始まり、危険な雰囲気が漂う。木管が追随して、渦をますます深く掻き回す。
「しっし〜 しらふぁそみ れっし〜」と、弦の艶やかな光で夜が明けるらしい。
ロンドン響の色彩は、原色に近い明るさを持っている。このスペイン狂詩曲で使われている楽器は、バスクラ、コーラングレ、サクソフォンが追加されてて〜 どの楽器が、どの場面で登場しているのか、解りづらいんだが。モゴモゴ言っているのが低音の弦だったり、低音の木管類だと思う。で、その音色を聴きたいのだがけど、あまりハッキリ聞こえて来ないんだよなあ。この盤・・・。
デジタル録音だったと思うんだけどな〜 ライブ盤だっけ? えっ、違うのかぁ。
ワタシの所有している盤だと、ちょっと録音がお粗末かもしれない。

2 マラゲーニャ
弦のピチカートがあるようで、ボンボンと響いているところに、フルートがグリッサンド風にピラピラ〜
「そっそ そそ そふぁみれ そっれ〜」と、ミュート付きのトランペットが奏でられたら、リズムが生まれる。
「ふぁっふぁ ふぁふぁ ふぁれどし みっし〜」 とインパクトのある打楽器を使ったフレーズは派手め。
緩急と強弱に、めっぽうメリハリがあって、それなりに楽しめるのだが、インパクト強いところだけが、目立っちゃって〜 モゴモゴしているところの雰囲気はあるものの、イマイチ聴きづらい。
強いねえ。迫力はあるが、弱音との調整が難しく、1曲目からボリュームをあげていると、大音量になってしまって驚かされる。(近所迷惑で、夜には聴けないよぉ〜)

3 ハバネラ
フルートとハープが絡んで、可愛い雰囲気を醸し出す。まるでオルゴールを聴いている感じで耳を澄ますのだが、モゴモゴと後ろで弦が怪しい。軽快ではあるし明るいのだけど、夜の雰囲気を引きずっている感じがして、そこを良く聴きたいんだが〜 これは、ヘッドフォンじゃーないと難しいみたいだ。
いきなり大音響でやられると〜 う〜ん。困ったモノで。分離が悪いような気がしちゃう。
次の、マ・メール・ロワは、綺麗だったのになあ。この楽曲は、怪しげな夜の雰囲気が面白いのに、明るい色彩は感じるものの、くすんだ表情づけが、濃淡の幅が狭いような気がする。

4 祭り
実は、この4曲 切れ目が良くわからない。うっかりしていると、次の曲に進んでいるという感じになっている。フルートなどの木管が、ピラピラピラ〜と奏で始めないと、どーも勢いが付かないで、モゴモゴと沈んでしまって聴きづらい。
ド派手さはあるしカラフルなのだが、全体的にはアバド盤は、あまり色っぽくなく、男っぽくダイナミックで、ちょっと表面的な気がする。繊細さは、う〜ん。あまり感じなかった。全体的に、ノリノリ感は感じるんだが、勢いで行っちゃった〜という感じがする。

ライブだと熱狂して終わるんだろうけど、う〜ん。どうかな。録音状態にもよるのだろうが、奥行きがたっぷりあって、立体的に響いていくのが好ましい。個人的には、静寂感を持ちながら、クールに熱く鳴ってくるのが嬉しいんだけど・・・。 
ヤン・パスカル・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 1989年
Yan Pascal Tortelier    Ulster Orchestra

録音状態は極めて良い。爽快で快活。もう少し緻密で、粘りが出てくれば嬉しいけど、清潔な青年のような演奏だ。
ラヴェルの管弦楽曲全17曲 4枚組BOXより
1 夜への前奏曲
この曲は、「そふぁみれ そふぁみれ そっそぉ〜 そふぁみれ そふぁみれ ふぁふぁ〜」
あたりを窺うような怪しげな雰囲気というよりは、ちょっぴり爽やかさが漂う、涼しげな見通しの良い音と空気感がある。
夜明け前のしーんとした雰囲気があって、そこから朝陽が射し込んでくるようだ。
ん? これって、ホントは、夜への前奏曲なんだけど・・・。
この感想は変だろう。(と、自分で突っ込んでしまうが)、いやいや、ホント、夕暮れ時の怪しげな空気というよりも、トルトゥリエ盤で聴くと、朝陽が昇ってくるようなのだ。
まあ、それだけ、色彩が豊かで健康的という感じで、ぱらぱら〜っとした音の変わりめが、とても美しい。
夜の帳が降りて、そこに魑魅魍魎の輩たちが、徘徊してくるというよりは、少し、やっぱり健康的で明るい。
サックスだと思うが、楽器の持つ音質に加えて、色っぽく、そして、少し甘く、ふわっとした膨らみを持っている。
色彩感というひとことで片付けちゃうのがもったいないほどに、空気が変わるのだ。
フレーズを、ふぁ〜っと膨らませて、しゅーっと萎ませてくるところは、何とも言えない、形にならない形があって、空気感が漂っている。
ハープの音色も綺麗にグリッサンドされている。
弦の 「しぃ〜しぃ〜 らそ れしぃ しぃ〜 どれ しっしぃ〜 らし そら ふぁそみ ふぁれ〜」
このオケは、管がホント綺麗で〜 聴き手をいっきに、ひき込んでくる。

2 マラゲーニャ
低弦のボンボンと響いている合間に、木管のぼぁ〜ん ぼぁ〜んという音が鳴る。
で、ミュート付きのトランペットが奏でられる。「そっそ そそ そふぁみれ そっれ〜」 「ふぁっふぁ ふぁふぁ ふぁれどし みっし〜」と、フラメンコの一種なのだろう。
マラゲーニャっていうのは、スペインのマラガ地方に起こった舞踊および舞曲で、3拍子なのだ。
「チャンチャカ チャカ っチャッチャー」というフレーズが、とても楽しいし、インパクトがある。パーカッションの出番なのだ。
フラメンコにつきもののの、カスタネットがとても、印象的だ。
でも一瞬で終わり、また、夜の怪しげな雰囲気が1曲目と同様に漂ってくる。

3 ハバネラ
フルートとハープの相性が良いようで、フルートに絡むハープの音が美しい。
静謐さがあるので、するっと聞き流してしまいがちだが、ヴァイオリンの弦が、ふわっとした雰囲気を醸し出しており、ぼわん ぼわんっという音と、「たらん たらっ たらん たらっ」というリズムが、木管などによって、優しく、 「ふぁそっら れどっ ふぁそっら しらっ そらっど れしっ・・・」って感じで奏でられ、多彩な楽器によって描かれていく。

4 祭り
初めは弱音で、コミカルにピッコロやフルートが吹かれて、「ん たらら タッタッタ・・・」と続いていく。
賑々しいフレーズはとても短く、遠いところで祭りが始まったという感じであり、あくまでも夜の帳に包まれて、自分ひとりぼっち・・・という感じで、また1曲目の主題が戻ってくる。
う〜ん、祭りに参加できないのか、主人公は、やっぱ、ひとりぼっちなのね〜と、思っていると、祭りの主題が戻ってきて、今度は、カスタネットが激しく打ち鳴らされ、トランペットも威勢が良く吹かれて大円団のようになっていく。

トルトゥリエ盤は、録音状態が良いので、奥行きがあり、パーカッション類の華やかさが、良くでている。
夜の怪しい雰囲気は、どろっとしておらず、ゆったりした気怠さがある。
明暗が、完全に分かれている楽曲なので、緩急だけでは、しっかりと描きづらいように思う。もっと、闇のような、心情的な部分も描けたら、面白みがあるのかもしれないが、いや〜 言うはやすしで、なかなかに難しい楽曲ではないだろうか。

1985年 アバド ロンドン交響楽団 ★★★
1989年 ヤン・パスカル・トルトゥリエ  アルスター管弦楽団 Chandos ★★★★
所有盤を整理中です。

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