「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ラヴェル ラ・ヴァルス
Ravel: La Valse


ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
管弦楽のための舞踏詩「ラ・ヴァルス」は、ラヴェルが、1919年〜20年に作曲した管弦楽曲です。
タイトルの「ラ・ヴァルス」とは、フランス語でワルツのことであり、19世紀末のウィンナ・ワルツへの礼賛として着想されており、ラヴェルは初版に、次のような標題を寄せています。

渦巻く雲の中から、ワルツを踊る男女がかすかに浮かび上がって来よう。雲が次第に晴れ上がる。と、A部において、渦巻く群集で埋め尽くされたダンス会場が現れ、その光景が少しずつ描かれていく。B部のフォルティッシモでシャンデリアの光がさんざめく。1855年ごろのオーストリア宮廷が舞台である。

この文章が示唆するように、曲はまず低弦のトレモロによる混沌とした雰囲気に始まり、徐々にワルツのリズムとメロディが顔を出します。いったん賑やかにワルツとしての形を整えた後、ゆったりとした新たな主題が出て、いかにもワルツらしい雰囲気を積み重ね、しかし、展開が進むに連れて徐々にワルツらしいリズムが崩れ始め、テンポが乱れてきます。
転調を繰り返しリズムを破壊して進み、冒頭の主題が変形されて再現された後、最後の2小節で無理やり終止するのもの。演奏時間は、約12分です。

ジャン・マルティノン パリ管弦楽団 1974年
Jean Martinon    Orchestre philharmonique de Radio France



録音状態は良い。木管群の入れ替わり立ち替わりが、よくわかる。
ドビュッシー・ラヴェル管弦楽全集8枚組BOX
ラヴェルの管弦楽曲のなかでも、とっても不思議な感じがするのが、このラ・ヴァルスだ。
ホントに、いつ聴いても、不思議な眩惑に陥ってしまう。
どうしてなんだろう〜と思うが、天才さまの作曲は、ど凡人のワタシには紐解けない。
眩惑されることに、シアワセ感を感じて、あぁ〜 耳のご馳走盛りだくさんっ、と、ありがたく聴いているだけだ。

で、眩惑される旋律は、1つの線ではなく、複合的に撚り合わさったモノで、単色糸が、何本も撚り合わさっているというのではなく、1本の糸にいろんな色が付いてるんじゃーないのかしらん。と思うほど。
まあ、実際には、楽器は固有の音しかでてこないわけで〜 そんなことはありえないんだけど・・・。
でも、聴いていると、木管の色彩感が、ぬきんでているような気がする。

最初は、もわもわ〜とした弦のフレーズのなかで、ファゴットが吹かれ、で、次はフルートかな、クラリネットだろう。って感じで、入れ替わり立ち替わり登場する。
まあ、これは舞踏会で、弦とハープが舞台設定をしてくれているなかを、人々が踊っては退場するという光景で、木管群は、人々を表しているんだろうなって思うわけ。あっ 最初のもわもわ〜って感じは、時代設定がリアルではなく、過去形だから。と、ワタシは解釈している。

この入れ替わり立ち替わりの群像劇が、木管群で描かれているんだろうけど、でも、それだけではないみたいで。
う〜ん。統一感のあるのは、拍だけ?
いやいや、この拍感覚も、溶解しつつあって〜 えっ、シンコペーションだよなあと、聴いていると、拍感覚をかき乱されることになるし、これは、高級な目くらましなのだ。
ぼやけた感じに仕上げてくるのは、やっぱりハープかしらん。と思いつつも、いやいや違うなあ。弦のフレーズなんだろうか。
いやいや、入れ替わる木管フレーズの効果なのだろうか。え〜 わかんないや。ここに登場する楽器全てに眩惑されているんだろうと思う。

金管だって相当に入っているし、オーケストラの厚みは相当にある。弦だって色彩感覚抜群の旋律だ。
でも、まあ、主になる旋律があるわけでも、主になる楽器があるわけでもなく、寄せ集め的に創られたモノなんだろうが、このパッチワークが、どう組み合わさっているのかは、う〜ん ダメ。素人では、とーっても難しいです。あはっ・・・。
短い楽曲なんですが、かなり上級者向けの楽曲という感じがします。

マルティノン盤は、結構ラインを描いてくるんですが、幻想的な舞踏の要素を、踏み外すことなく〜って感じでしょうか。
しっかり、個々のフレーズは浮かび上がって聞こえており、埋没感はないです。ソフトフォーカスしなくても、楽曲そのものが、雰囲気あるんですけど、特に、マルティノン盤は、線状にクリアーに響かせてくるって感じ。
でも〜 巧くアンサンブルが合わないと、これ完全崩壊するような〜 怖そうな曲です。
で、マルティノン盤は、ラスト近くなると、踊っている間にヒートアップしている感じで、燃えあがっちゃうんですよね。
あちゃーっ この光景は、昔の光景じゃーないの? なんだか、過去からずーっと、現在に至るって感じで、ちょっと、現実感ありすぎで・・・ ワタシのなかでは、雰囲気が壊れてしまうのでした。
プレヴィン ウィーン・フィル 1985年
André Previn    Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

これもありかっ


録音状態は少し残響が多い。柔らかで、ふくよかな響きを醸し出している。世紀末的な宮廷での典雅なワルツって感じで、 確かに美音で描かれて豪華だ。
ライブ盤 (ラ・ヴァルスの演奏後に拍手入り)
カップリング:ムソルグスキー展覧会の絵、ラヴェル ラ・ヴァル
この盤は、プレヴィンさんのウィーン・フィルとのライブ盤で、1985年4月 ムジークフェラインザールで収録されたものである。で、ムソルグスキーの「展覧会の絵」とカップリングされているのだが、 R・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」とカップリングされている盤も発売されており、ラ・ヴァルスに関しては、同じ演奏なのかな〜と思う。
(シェエラザードもCDを所有しているのだが、聞き比べて確認はしていません)

さて、ラ・ヴァルスは、フランス語でワルツのこと。
まあ、聴いたところ、ライブ盤だし、展覧会の絵の後に続けて演奏されているが、この曲が終わった後、すごぃ〜い拍手が入っている。録音状態は良いのだが、どちらかというと残響が多めで、まろやかだが、明確さには欠けている。
そのかわり、どういえば良いのか〜 宮殿の大サロン 大広間で、ホントに目の前で踊られているかのようで、ものすごくリアル感がある。
漫画の見過ぎかもしれないのだが、ルイ14世時代というか、マリー・アントワネット時代というか、おフランスの華麗なる時代にタイムトリップしたかのようで、はぁ〜 なんとも、ご大層な〜ワルツだなっ〜て感じなのだ。
ラヴェルの初版に寄せた言葉、1855年ごろのオーストリア宮廷が舞台である・・・としているなら、エリーザベト皇后(愛称シシィ)が、1854年にフランツ・ヨーゼフ1世と結婚しているんですけどね。

まあ、いずれにしても、ハイヒールを履いて軽やかにステップを踏むような今風の社交ダンスではなく、女性の衣装は、胸の開いた腰から下はたっぷりの重々しいもので、腰はコルセットで締め上げキュッと細く、足はもちろん見えないスタイル。
男性はカツラを被って、白いレースに、タイツ姿みたいな・・・ そう、ロココ調といえば良いのだろうか、そんな時代のワルツのようだ。
プレヴィン盤は、相当に時代がかった雰囲気のする演奏で、とても、軽やかなステップのワルツではなく重々しいっ。
ん〜 た たらん らんっ  ん〜た たらん らんっ、って相当に粘って、そのくせ華麗に、軽やかに踊ろうとする努力をしているみたいで・・・ なーんか、思わず笑えてしまった。
時代考証は合っているのかなあ。(そんなモノはないが・・・)
で、この演奏が終わると、そりゃ、ウィーンの聴衆の方は大拍手なのだ。
う〜ん オーストリアの宮廷でも、フランスの宮廷でも、どっちでもいいけど、ワタシ的には時代を間違えた感じがしてしまうのですけど。ラヴェルが、こんな演奏を聴いたら、げぼっ。ちょと時代を遡りすぎだと、腰を抜かしちゃうんじゃーないかなあと思いました。まっ しかし、人を食ったような楽曲なので、ケケケ・・・と笑っているかも。

ヤン・パスカル・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 1991年
Yan Pascal Tortelier    Ulster Orchestra



録音状態は極めて良い。 茫洋とした雰囲気で、もわもわした感じが良くでてる。
ラヴェル管弦楽全集CD4枚組BOX(1988年〜92年)
この楽曲は、タイトルそのもので、ザ・ワルツなのだが、分厚いオーケストレーションで、どう聴いたら良いのか、かなり困る。
だって、通常ワルツっていえば、ん〜 チャッチャ なのだが、そんなシンプルさはない。
冒頭から茫洋としてて、いきなり、コントラバスの響きで煙に巻かれる。
というか、まずは、タイムマシーンに乗って過去に遡らないとダメで、で、いきなり宮廷の舞踏会に降り立ったものの、第1歩が、もうワカンナイのだ。えっ どこから始まっているの?って感じで、降り立った途端、出だしで転けるというか、躓く。
まっ そんな冗談はさておき・・・
アルスター管は、ウィーンとは行かないまでも、どこか田舎風?(って言うと怒られるが)
摩訶不思議な雰囲気のある、優美さを持って奏でられる。まあ、早い話が、とらえどころのない妄想のなかのワルツって感じだろうか。

ドンっという大太鼓の音に驚いて、俄に、目覚めたかのように、踊り出す。
で、この大太鼓は、まるで大砲のように響くので、呆気にとられる。また、綺麗なフレーズは、ヴァイオリンが大活躍するのが普通だが、ブラス主体のワルツなのだ。
木管の柔らかい響きが、そしてヴァイオリンが、ふわふわっと夢のなかのように奏でられる。
シャンシャンと響くタンバリンの音とか、金管の短いパッセージが重なり合って煌びやかだが、くすんだ雰囲気は、弦の重なりなのかなあ〜 多層式に弦が動いているようで、これは聞き分けられない。
なにせ、弦の分厚いオーケストレーションって感じで、ひと皮、ふた皮・・・ あ〜 わかんない。パイ生地のように何層にも、重ねられており、それが、うねうねと〜してて、曲線化してくるのだ。
えーっ わけがわかんない。
均一的に重ねられておらず、ひねりがきいてて、アタマのなかで、うにゃうにゃ〜っと丸まってきて、爆発しちゃう。
えーっ こんなのワルツじゃないやん。と、怒り出したくなるのだが、これが、ラヴェルのザ・ワルツなんである。

改めてウィキペディア(Wikipedia)を読んでみると・・・
展開が進むに連れて徐々にワルツらしいリズムが崩れ始め、テンポが乱れてくる。転調を繰り返し、リズムを破壊して進み、冒頭の主題が変形されて再現された後、最後の2小節で無理やり終止する。・・・とあった。
はあ、やっぱりねえ〜 そっか、テンポの変化と転調で、リズムを破壊するのかぁ。
やっぱり、ラヴェルさんは一筋縄ではいかないのでありました。
それが、ザ・ワルツって名を付けるんですからねえ。なんて人なんでしょうねえ。

1974年 マルティノン パリ管弦楽団 EMI ★★★★
1985年 プレヴィン ウィーン・フィル  Ph ★★★★
1991年 ヤン・パスカル・トルトゥリエ  アルスター管弦楽団 Chandos ★★★★
所有盤を整理中です。

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