「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

レーガー 「モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ」
Max Reger:
Mozart Variations


レーガー(Johann Baptist Joseph Maximilian Reger)は、1873年、ドイツ生まれの作曲家で、主にオルガン奏者として活躍し、オルガンの作品が有名です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、
レーガーは、とりわけオルガン曲によって名声を得ていますが、交響曲やオペラを除く、管弦楽曲、協奏曲、室内楽、リート、合唱曲のいずれにも傾聴に値する作品を残しているようです。
特に、フーガや変奏曲形式で作曲されている作品が多く、オルガン曲「BACH主題による幻想曲とフーガ」は、バッハの動機に基づく作品としても名高く、管弦楽のための「モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ」も有名です。
バッハ、ベートーヴェン、ブラームスの様式を継承して作曲すると公言しておられたようで、レーガーの変奏曲は、「ドイツ三大B」に並び立つ偉業で、変奏曲の歴史の中でも、最も重要な作品に位置し、対位法の分野において半音階的なポリフォニーに関連しているとのこと。

また、フーガやその他の対位法のカテゴリーの重要な作曲家として、バッハに並び立つ存在でもあったそうです。
いろんな作曲家にも影響を与えているようですが、作曲家ご本人は、結構、豪放磊落っぽい性格だったようです。

C・デイヴィス バイエルン放送交響楽団  1989年
Colin Davis
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。柔らかいが、耽美的になりすぎず、繊細が感じられ、馥郁とした演奏だ。
カップリング:
1〜10 レーガー モーツァルトの主題による変容曲とフーガ
11〜14 ヒンデミット ウェーバーの主題による交響的変容
タワーレコードから、このCDと、モーツァルトとクラリネット、シュポアのクラリネット協奏曲(VPO)とをカップリングして2枚組BOXとして発売されている。
このCDジャケットは、左からウェーバー、マックス・レーガー、モーツァルト、ヒンデミットさんの似顔絵である。
で、他の作曲家の主題を借りて、変奏曲を作曲した2曲が収められている。

このCDのブックレットから、少し引用させていただくと・・・
レーガーが作曲した管弦楽は、バロック時代のコンチェルト・グロッソ(古い様式による協奏曲)、アイヒェンドルフの詩による標題音楽の領域への最初の小旅行である「ロマンティック組曲」、ラフマニノフその他にも創作への啓示を与えたことで有名なベックリンの絵画による「ベックリンによる4つの音詩」、コンメーディア・デッラルテの登場人物たちをタイトルに持つ「舞踏組曲」、そして1914年に書かれた「モーツアルトの主題による変奏曲とフーガ」で、アーダム・ヒラーの主題による「ヒラー」がある。・・・とのこと。

ワタシは、この全てを聴いたわけではないのですが、このモーツァルトの主題の変奏曲とフーガは、有名なトルコ行進曲を主題にしているので、とてもチャーミングだ。
C・デイヴィスさんの演奏は、端正だが、まろやかで、馥郁たる演奏だ。
とても、優美で、春の日射しをいっぱいに感じるかのような暖かさがあり、ほのかに、花の香りが漂うかのような演奏となっている。う〜ん、例えが悪いが、まるで、柔軟剤を使って、ふんわかしたタオルのようで、顔を埋めて、心地よく睡眠を取りたいという感じになっている。
(あっ、かったるい〜緩い〜という意味ではありません。)

繊細で、木管のフレーズが、綺麗に折りたたまれ、ふわっとした旋律が美しく浮かび上がってくる。
木質的な、柔らかい弾力性のある、穏やかな演奏で、特に、金管のまろやかさは特筆に値するもの。
ポリャンスキー盤で聴くと、まるで、クリムトの絵画のように、耽美的で、金ぴかしていたのだが、C・デイヴィス盤は、そこまで耽美的にはなっておらず、すっきりとしている。
ミュンヘンのヘルクレスザールでの録音だが、どちらかというと録音状態が柔らかく、バイエルン放送響の木質的で品の良い音が聞こえてくる。
柔らかい、ふくよかな響きに包まれているし、いろんな線が重厚に重ねられて、フレーズが詰まっているのだが、それを綺麗に整理して、柔らかい響きのなかにあっても、精緻で、繊細なニュアンスが感じられるものとなっている。
う〜ん みごとです。何度聞いても聴き疲れないし、飽きさせない魅力がある。

ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン 1990年 
Herbert Blomstedt
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は極めて良い。ドレスデンの美しい、艶のある演奏で、ホールが充満している。また、他の曲も勢いがあって、一気に聴かせてくれる。熱気が伝わってきて、燃えそうっ。ライブ盤(拍手入り)
このCDは、レーベル「Profil」が発売している、ブロムシュテットさんとドレスデン・シュターツカペレのライブ盤である。

カップリングは、次のとおり。
1〜10 マックス・レーガー モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ (1990年 ゼンパーオーパー)
11 R・シューマン 4つのホルンと管弦楽のためのコンチェルトシュトゥック(1981年 ドレスデン、クルトゥアパラスト)
12 ウェーバー 「オベロン」序曲 (1990年 ゼンパーオーパー)
13 ヨハン・ゴットリープ・ナウマン(Johann Gottlieb Naumann) テ・デウム (1980年 ゼンパーオーパー)

ちなみに、シューマンのコンチェルトシュトゥックは、
ホルン:ペーター・ダム Peter Damm ディーター・パンサ Dieter Pansa クラウス・ピーツォンカ Klaus Pietzonka
ヨハネス・フリーメル Johannes Friemel である。

演奏日時も場所も違うものを、編集したCDだが、これがまた〜録音状態が良くって、演奏も熱いっ・・・。CDを聴いていても、演奏会場にいるかのようで、聴きてて、猛烈にテンションがあがってしまった。
ここでは、M・レーガーのモーツァルトの主題による変奏曲とフーガをご紹介する。
この曲、凄く難しい曲で、分厚いオーケストレーションの間に、モーツァルトのテーマが埋もれてしまっており、溶解しちゃった感じだ。そりゃ、たまにモーツァルトらしきフレーズが、ちょこっと頭を出すのだが、う〜ん、こりゃ、何度も聞かないと・・・。

冒頭、クラリネットとオーボエで、「れぇ〜みれ ふぁ〜ふぁ〜 どぉ〜れど み〜み し〜し どぉ〜ど ど〜ふぁみ み〜れ・・・」と奏でられる。続いて、弦が同じ主題を奏でて、とっても流麗で、クラの艶やかな音がホールにいっきに充満して、そりゃ〜シアワセなひとときなのだ。
そう、ピアノ・ソナタ第11番の「トルコ行進曲付き」冒頭のフレーズがテーマになっている。
美しすぎる〜っ で、これが、さらに磨かれて、分厚くオーケストレーションされ、襞・襞のいっぱいついたレースのシーツにくるまれ、ふかふかのベットで寝ましょう〜って感じになっていく。
なんとも耽美的で、夢うつつ状態の世界に誘われるという、う〜ん おそるべし、M・レーガーさんの編曲だ。いや、こりゃ編曲じゃないんですけどね。
最初に耳にして、なんて貴族趣味というか、耽美的で、退廃的になる寸前の、うれすぎた果実のようだ。
ひらひら〜華麗なる世紀末の世界から始まり、いろんな要素を付け加え、スパイスを効かして、ものすごい豪華な料理に仕上がっているという感じがする。まあ、早く言えば、まったくべつものなのである。

この冒頭のフレーズから後の変奏を、どう聴いたらよいものか、途方にくれてしまった。
驚くほど、めくるめく世界が始まり、まるで、映画音楽のようでもあり、悪い言葉で言っちゃうと通俗的でもあり、豪華な金管(といってもトロンボーンは入っていないらしい)コルンゴルトに似たような楽曲の雰囲気となる。
えーっ これがモーツァルト?!

あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、次のように書かれてあった。

1 主題 Andante grazioso
   モーツァルトの主題が木管楽器と弱音器を付けた弦楽器による清澄な音色で提示される。
2 第1変奏 L'istesso tempo
   主題が原型のまま奏され、繊細なパッセージが添えられる。
3 第2変奏 Poco agitato
   ヘ長調に転じ、主題が反行形で奏される。
4 第3変奏 Con moto
   イ短調 2/4拍子 主題は簡略化され、足早に通り過ぎる。
5 第4変奏 Vivace
   ホ短調 ヨハネス・ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」の第6変奏を思わせる、力強い変奏。
6 第5変奏 Quasi presto
   イ短調 6/8拍子 複雑な響きを持つ皮肉っぽいスケルツォ。
7 第6変奏 Sostenuto
   ニ長調 4/8拍子 木管楽器の三連符によるパッセージが印象的。後半では動きがより細かくなる。
8 第7変奏 Andante grazioso
   ヘ長調 6/8拍子 原型の主題に、対位旋律が複雑に絡み付く。
9 第8変奏 Molto sostenuto
   嬰ハ短調〜ホ長調 6/4拍子 最も規模の大きい変奏で入念なテクスチュアによって表情豊かな歌が歌われる。
10 フーガ Allegretto sostenuto
   イ長調、6/8拍子 軽快に始まる大規模な二重フーガだ。
   終結部では、2つの主題に加え、モーツァルトの主題の原型が対位法的に結合され、壮大なクライマックスを築く。


第1変奏なんぞ、華麗なるワルツのようでもあり、第2変奏なんぞ、半音階風に、ちょろちょろ〜っと昇っていく。コルンゴルト風に一瞬、冒険活劇かと思うような、ブラスが綺麗に絡んで盛りあがる。

第3変奏は、風が通り過ぎるようで、抒情的に、ちょっと寂しげな映画BGMでもあり、オルゴールになったみたいに旋律が細かくなっている。

第4変奏は、ブラスが タンタカ ターン タンタカ ターンっと、弦を刻む。ふむ、マーチ風なのかなあ。

第5変奏は、ホルンの音色のうえを、木管が滑るように奏でたあと、オルゴールのようにも響く。音がとても綺麗で、今風といえば良いだろうか。ディズニー映画でも見ているかのようだ。

第6変奏は、ホルンの和音が綺麗に吹かれたなか、主題が弦により、顔をちょこっと出す。甘い調べだ。
3連符だが、なだらかに甘く切なく、どこかムード映画のように奏でられるし、ディズニー映画の続きかなあ。耽美的でもあるのだが、えっ スケルツォ?だったら、マーラー風かなあ。でも、そこまで、諧謔でも滑稽ではないんだけど。

第7変奏は、もっと切なくなって、流麗な弦が細かく枝のように分かれていく。分かれた旋律が美しい和音を奏でる。華麗なる旋律で、ホント、甘く切なく、耽美的に奏でられつつ、ブラスが盛りあがっていく。

第8変奏は、ラフマニノフかと思うほど、甘い吐息が感じられ、ホワイト・クリスマスのような景色が広がる。粉雪がちらつくなか、家々に明かりがともっている〜というような、寒いけれど暖かさを感じる〜って雰囲気になっている。
(あくまでも、ワタシの勝手なイメージなんですけど・・・)
この8番目は、とても長くて、他の変奏が2分程度 3分までなのに、ここだけ6分56秒のクレジットになっている。
とても、ゆったり〜 安定したり、ふっと力が抜けた感じがしたり、弦のためらいがちなフレーズが、チャイコのようにメランコリックな雰囲気を醸しだしており、木管の絡みが美しく、ティンパニーのロールが、そっと盛りあげる。
ラストのフーガは、木管が細かく軽妙に、タタタタ タタタタ・・・と、ずーと吹かれている。弦が、そこに、タータタタ タータタタとリズムを刻んで絡んでいくのだが、えっ これフーガなの?ずーっと、細かくて、静かだし、そんなに直ぐに、盛り上がっていかないのだ。金管が絡んでいくが、音を置いていく感じだ。ここで、2つの主題が出てくるというが、え〜 わかんない。
ラストになって、ようやく、それらしく・・・ 弦が、モーツァルトの始めのテーマを、金管がこの変奏のテーマを吹いて、ゆったり荘厳に膨らんで終わる。

は〜 こりゃ、もはや、モーツァルトではないでしょ。う〜ん、聴き応えはありました。確かに。
でも、どんな意図で、どんな風に創られているのか、わかりたいけど、さっぱり〜わかんないので、ど素人ゆえの限界を見ちゃった感じで、とっても悲しくなっちゃいましたね。(号泣っ)
M・レーガーさんって、ものすごく多彩な方なんでしょうねえ。引き出しがイッパイあって、こんな風に、あんな風に〜と、アイディア満載で〜めいっぱい詰め込んでもらっている感じで、お重から、おせち料理が、はみ出しちゃった感がします。
素材は、いたってシンプルなんですけど、ホント豪華で美しいし、多彩だし〜 とろけちゃいました。


ヴァレリー・ポリャンスキー ロシア国立交響楽団 2000年
Valery Polyansky
Svetlanov State Academic Orchestra
(Russian State Symphony Orchestra)

満足っ満足っ

録音状態は良い。多少残響が多めだと思うが、耽美的な楽曲なので、気にもならないし、この方が良いのかもしれない。
ブリリアントレーベルから発売されている2枚組BOXで、カップリングは次のとおり。
1〜4  レーガー 詩篇(作品106)
5〜14 レーガー モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ
このCDは、2枚組BOXである。
CD1枚目は、N・ヤルヴィ コンセルトヘボウ 1989年
1〜4  レーガー ベックリンによる4つの音詩(作品128)
4〜17 レーガー J・A・ヒラーの主題による変奏曲とフーガ(作品100)

CD2枚目は、ヴァレリー・ポリャンスキー ロシア国立交響楽団 2000年
1〜4  レーガー 詩篇(作品106)
5〜14 レーガー モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ(作品132)
原盤はシャンドス(Chandos)で、録音状態は良いし、とてもお買い得の廉価盤となっている。

ポリャンスキー盤は、シャンドス原盤のものだが、多少残響が多めなので、好みが分かれるかもしれない。
(あっ ぼわん〜とした状態のお風呂場的な音響ではないので念のため・・・)
少し弦楽の方が、しっかりと聴きたいところで、金管が、まろやかに響いて、覆い被さってくるような感じがする。
弦の方は、例えば第1ヴァイオリンが、2つのパートに分かれており、細分化されているので、弦の音が、とっても繊細だという場面があるのだ。

この前、ブロムシュテット盤(オケは、シュータツカペレ・ドレスデン)で聴いたが、それはライブ盤だった。
ライブ盤だったけど、録音状態も良く、ポリャンスキー盤とは、録音状態は双方に良く、甲乙つけがたい感じがする。
それに、両方とも、熟れた果実のように、爛熟した香りがある。
楽曲自体の持つ、耽美的なフレージングが、なんとも言えない。
原曲がモーツァルトとは言え、まったく別モノという感じの作品で、とろけるような甘い甘いフレーズが、これでもか〜というほどに、膨張してはじけてしまいそうなほど、巨大化している。
無駄なモノを削ぎ落としてスリムな体型とは、マギャクの、メタボ的に膨らんでいる感じで、甘い吐息が吐き出されており、悩殺されてしまう。

どこか、クリムトのベートーヴェン・フリーズのように、金ぴかしたモザイク模様などで装飾された曲線、官能的で妖艶な女性ような絵画を、壁一面に貼りだされた廊下を、ずーっと見て歩いているかのようである。
ある意味よく似た雰囲気の絵画を、ずーっと見続けているかのようで、聞き続けるには、ちょっと、あっぷあっぷして、溺れちゃうかもしれない。
モーツァルトのシンプルなフレーズを、これだけ、自分は装飾したぜっと、いう感じで、なんともメタボな楽曲だ。
下手したら、とても、ひどい楽曲になりかねない要素をはらんでいるのかもしれない。
シンプルなモチーフを、これだけ装飾しちゃうとは、ある意味、諧謔的で〜冒涜的と言えちゃうかもしれないですねえ。
複雑に折り重ねて、織り込んで、聴かせてくれており、複雑すぎて、ど素人の耳では、とても聞き分けられない多層的構造となっている。

パイ生地のように、意外と、サクッとした食感を楽しめちゃうと思うし、かなり繊細だ〜と感じるので、ラフマニノフの2番のように、あまあまの長ったらしいフレーズを、冗長的に伸ばしたモノではない。
で、結構、耳にご馳走的に、楽しめちゃう。

で、ラストは、さらに大げさに膨らみ、華麗なる大団円となり、堂々としたフーガを奏でて終わる。
今回は、ちょっと、アハハ〜と苦笑い状態で、歌舞伎の見栄を切ったような感じで、いかにも・・・と、いう感じだ。
だけど、曲が終わったら、もわんっ として、今まで聴いていた曲が、消え去っていく。
えっ? 耳に残らないんだけど・・・。
えっ? 結局、彼は何を表現したかったの?で、なんで、こんな曲創ったん? だから、なんで? と、ワタシ的には、思わず、ツッコミを入れたくなっちゃったのだが、でも、この曲は、旋律が、しっかり塗り込まれており、ど素人のワタシには、歯が立たず突っ込めないように思います。作曲家の美意識が、前面に押し出された楽曲でしょうか。


1989年 C・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 Ph ★★★★★
1990年 ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン Profil ★★★★★
2000年 ポリャンスキー ロシア国立交響楽団 Brialliant ★★★★
所有盤を整理中です。

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