「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

 レスピーギ 組曲「ブラジルの印象」、バレエ音楽「風変わりな店」
Respighi:
Impressioni brasiliane(Brazilian Impressions),La boutique fantasque


ロペス=コボス シンシナティ交響楽団 1993年
Lopez-Cobos
Cincinnati Symphony Orchestra

あんたもやるね〜


録音状態は良い。少しピントが甘い感じがするが〜
カップリング:
1〜4  レスピーギ「教会のステンドグラス」
5〜7  レスピーギ「ブラジルの印象」
8〜11 レスピーギ 交響詩「ローマの祭り」
ここでご紹介するレスピーギのブラジルの印象という曲は、旅行で訪れた際のインプレッションだそうである。
で、ブラジルには、遠すぎて〜 ワタシは、訪れたことがないのだが、勝手に、リオのカーニバル風に、もう少し明るくてノリの良い楽曲だと思っていたのだけど、さにあらず。そして、なぜか、2曲目に、怒りの日のフレーズが織り込まれている。

1927年に作曲された、小品3曲を集めた組曲である。
1 熱帯の夜 Notte Tropicale
2 ブタンタン Butantan
3 歌と踊り Canzone e danzal

別に、レスピーギさんの生涯を調べているわけではないのだが〜
1924年は、ローマの松
1925年は、管弦楽曲「ロッシニアーナ」、教会のステンドグラス
1927年は、組曲「鳥」、ボッティチェッリの3枚の絵、組曲「ブラジルの印象」
1928年は、ローマの祭、歌劇「沈鐘」と、創作意欲が湧いていたのか、次々と作品を書いているのだ。

とても、お忙しい筈なのに、あらっ? いつに間に旅行に?
で、空いていたのは26年・・・で、この年にブラジルに行ったのかなあ。と、勝手に推測している。(←あくまでも推測)

で、1曲目の熱帯の夜は、フルートの二重奏で、「どぉ〜し らぁ〜し どぉ〜し らぁ〜し らぁ〜 らぁ〜そふぁ〜そ・・・」というフレーズから始まる。
遠い異国に到着した次の朝〜という感じだろうか、朝靄のようなゆったりとした、まどろみ感のある旋律で、まだ夢のなかのような感じなのだ。あっ 時差ぼけなのね。
のっけから、ノリノリのリズミカルな曲だろうと想像を逞しくしていたワタシは、肩すかしをくらった。
で、タイトルを再度見て。えっ! 熱帯の夜? ワタシは、てっきり朝だと・・・。(汗)

夜だとしても、もわっと垂れた込めたような、蒸し暑い夜かと思っていたが、イメージはちがう。
爽やかなのだ。フルートの二重奏が、「しれっ ふぁっみ し〜ら」 で、ヴァイオリンの旋律は、穏やかに、優しくて、ふわっとした旋律を奏でているし、バックでは、さらっとした風のように奏でられるので、朝のような空気感がある。
また、オーボエや、クラリネットが、「そら どぉ〜し ふぁ〜そふぁみ〜」と、ホテルのバルコニーで、まどろんでいるかのような風景がイメージされるのだ。
木管のソロが優しいし、室内楽的という雰囲気で、ローマ三部作のように大編成で、ジャンジャン鳴らすという楽曲ではない。とても穏やかで、クラリネットかな。それが、少しオリエンタル風の小節をまわすだけ。
う〜ん。熱帯の夜じゃーないような気がするなあ。これは・・・。

2曲目のブタンタンって? えっ 何語?ポルトガル語?
気になってサイトを放浪したら。えっ 蛇っ! 
驚き慌てて、サイトから逃げてきました。
そういえば、ファゴットの音色で、「ふぁそ しぃ〜 ふぁら どぉ〜」と、確かにうねっとしてるけど、その合間に、夜行性動物たちが、逃げ惑っている感じがするし、コウモリが飛んでいるのかしらん、という感じがする。
しかし、イメージがイマイチわかない。
レブエルタスの「センセマヤ」という楽曲があるが、その楽曲の方がリアルである。
で、何故か、このレスピーギの曲では、怒りの日のテーマが登場する。蛇ににらまれた・・・って感じだからだろうか。
メキシコだと、古代マヤでは、生け贄の儀式ってなモノがあったらしいのだが、果たしてブラジルでねえ〜 何をイメージしているのか、ちょっと、わかりません。

3曲目の歌と踊りは、舞曲風だ。
「っしっしっ れ ふぁっし〜 チャンチャン れ ふぁっしぃ〜 チャンチャンっ」とリズミカルだ。
鐘が、カーンっ カーンっ、と何度も鳴らされる。日曜日の教会の鐘のようでもあり、ミサが終わってから、みんな集まって陽気に、ワインでも飲んでお食事をしているかのようだ。タンバリンも鳴っているし、陽気ではあるのだが、ロペス=コボス盤で聴くと、さほど陽気に感じないのだ。で、ちょっと静まったと思ったら・・・。
えっ もう終わったの?尻切れトンボ的に終わる。
あらっ、あまりブラジルの印象は、よろしくなかったの?という感じで、お粗末でした。


ヘスス・ロペス=コボス シンシナティ交響楽団 1995年
Jesús López-Cobos
Cincinnati Symphony Orchestra

まっ こんなモン

録音状態はまずまず。少し、残響が多めかな〜という感じで、ソフトフォーカス的だ。
カップリング:
レスピーギ バレエ音楽「風変わりな店」
レスピーギ 5つの「音の絵」

バレエ音楽風変わりな店は、元は、ロッシーニの原曲で、5つの音の絵は、ラフマニノフの原曲である。
レスピーギが、オーケストラのために編曲した楽曲2つが収録されている。
ロペス=コボスさんとシンシナティ響の1枚である。

元々の原曲も知らないのだが、何となく楽しい楽曲で〜 おもちゃ箱のようなところがある。
いろんなパーツが、いっぱい詰まっており、絵の具というかクレパスで、自由に描かれている。風景画的というか、色彩感覚が豊かで、暖かく、のびのび〜しており子供っぽい感じもするが、なかなかに楽しい。
ロペス=コボス盤では、インデックスが14曲分に分割されているが、主には8〜9曲に相当するようだ。

ロッシーニの原曲は、小作品がイッパイ詰まった、もっとボリュームがあるものらしい。で、CDも出ているようだが未聴である。
「らしど〜らみ〜 らしど〜らふぁ〜」とフワフワした感覚の南欧風のフレーズや、フレンチ・カンカン風のノリのよい楽曲も詰まっている。タランテラやマズルカの舞曲に、ワルツと続くのでリズミカル。
タンバリンが鳴って「らっら らっら らっら らっら みっみ みれど そぉ〜」
とても、とても、老いの過ちなーんて、原曲タイトルからは想像もつかない楽曲となっている。老いどころか、おこちゃま風なのだ。
ロッシーニさんって、ウィリアム・テルを作曲した後、メタボになるほど、食道楽で、優雅な年金生活をしていたらしい。で、作曲に専念する意欲がなくなり、書き散らかした楽曲なのかもしれない。
↑ まっ 単なる推測であるが・・・。

レスピーギが編曲した楽曲として、色彩豊かなオーケストレーションで親しみやすいフレーズが、まるで、メリーゴーランドのように、入れ替わり立ち替わり流れてくる。
ジャンジャン、バリバリ、ドンドン・・・という楽曲ではないので、BGM風に聴くことも可能だが、あっという間に聞き終えてしまい、拍手したくなる楽曲だ。少し、色彩のトーンは落ちてて、デュトワ盤のような彩度の高い演奏ではないが、どちらか1枚と言われたら、ワタシ的にはデュトワ盤をお薦めしますが〜楽しめる。
なお、一般的には、「風変わりな店」とタイトルされていることが多いように思うが、「幻想的な玩具店」と表記されている場合もあるようで〜 同じ楽曲です。


デュトワ モントリオール交響楽団 1996年
Charles Dutoit
Orchestre Symphonique de Montreal
(Montreal Symphony Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手


録音状態は極めて良い。シャキシャキした感覚で、爽やかに、色彩豊かにブラジルの印象を描き切っている。
カップリング:
1〜8   レスピーギ バレエ音楽「風変わりな店」
9〜11  レスピーギ 組曲「ブラジルの印象」
ロッシーニの主題によるバレエ「風変わりな店」

風変わりな店は、1918年に作曲されたバレエ音楽である。
ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、ストラヴィンスキーの火の鳥や、春の祭典などで有名な、バレエ・リュスを率いるセルゲイ・ディアギレフの依頼を受け創られた1幕のバレエである。

レスピーギは、ロッシーニ音楽院に保管されていた小品集「老いのいたずら(老いの過ち)」の素材を借りて、バレエ音楽を作曲したとのことで、後に、姉妹作になる、管弦楽組曲「ロッシニアーナ」えを1925年を作曲しています。
ストーリーは、海岸沿いの玩具店を訪れたアメリカ人の家族と、ロシア人の家族に、店主は、音楽に合わせて踊る人形を見せる。やがて、1組の人形の1体が買い上げられるが、残った人形たちが夜中に動きだす。・・・とのこと。

ん、なにやら、子供っぽいストーリーのような気がしますが〜
序曲、タランテラ、マズルカ、コサックダンス、カン・カン、ゆっくりなワルツ(ヴァルス・レント)、夜想曲、ギャロップという8つの小品に分かれており、とてもチャーミングな楽曲で、軽妙で華やかな楽曲です。

デュトワ盤は、とてもカラフルな演奏で、地中海の沿岸を、リゾートしているような気分で、馬車に揺られて走っているかのようでもあり、踊りを見ているかのような雰囲気があり、抜けるような青空の元、若い夫婦の新婚旅行って感じだ。
カスタネット入りで、テンポよく進み、とても人形を置いてある玩具店のなかの出来事とは思えないほど。

なんだか、店のなかの光景というか、子供の想像の世界という感じではなく、現実的な雰囲気がして、とても華やかだ。
バレエのストーリーとしては、店が閉まった夜、動くはずのない人形たちが繰り広げる世界を描いたものなのでしょうが、いやいや〜 これは、大人向けの楽しい雰囲気が満載だ。
とても、ロッシーニさんの老人の過ち?のような、書き散らかした?作品とは思えない楽曲になっている。
ロッシーニ+レスピーギとなると、これほど、お茶目な楽曲になるのだろうか。
おまけに、デュトワさんが振ると、こんなにカラフルで、チャーミングになるのかあ。すごい、相乗効果である。
録音状態は極めて良く、奥行き感もあり、打楽器類(カスタネットや小太鼓)は、シャリシャリしてて、気持ちの良いキレがある。これは、めちゃ楽しい楽曲なので〜 お薦めです。


レスピーギ 組曲「ブラジルの印象」

レスピーギは、1927年にブラジルに旅行で訪れ、帰ってから、この組曲を作曲したらしい。
もしかしたら、26年かな〜と思っていたのだが、27年に訪れ、再度、翌年にも訪問しているらしい。
で、ブラジルの印象は、小品3曲を集めた組曲である。

1 熱帯の夜 Notte Tropicale
2 ブタンタン Butantan
3 歌と踊り Canzone e danzal

熱帯の夜は、とてもゆったりと演奏されている。
チェレスタの音が、ち〜ん ち〜ん、鳴るなかフルートのハーモニーが美しく流れてくる。ハープのぱららららら〜っという音色が、神秘的で、魅力的なと共に神秘的で、まろやかな色彩感が充満してくる。
音が、うえにのびっていったり、したに下ってきたり、とっても、緩やかな流れで、また、クラリネットで、異国情緒たっぷりの雰囲気をだし、ヴァイオリンが、伸びやかに、「みそし そぉ〜み どれどぉ〜しぃ〜」と優雅な旋律を描いていく。

熱帯の夜というタイトルから、ワタシは、勝手に、もわ〜 むっ〜とした、湿度の高い、蒸し暑い感覚をイメージしていたのだが、いや、なかなかに幻想的で魅惑的な夜である。
蒸し暑い東南アジアの夜、日本の夏ではなかった。そう。寝苦しい、熱帯夜ではなかったのだ。
ここで奏でられる楽曲は、なんと優美で、軽やかな、魅惑的な夜なんだろう。
バルコニーに座って夜空を眺め、南十字星を見上げているかのような。夢見心地のような夜なのだ。
特に、クラリネットの甘い旋律が、う〜ん なんと素敵な夜なのだろう。こんな夜は、一人では寝られないわ。って感じで、なんとも言えないムーディさがあり、官能的ですらある。
いや、ホントに、デュトワ盤で聴くと、甘く新婚カップル向きの楽曲かと思っちゃうほど・・・。(笑)

ブンタンは、やっぱ毒蛇研究所を訪れた印象らしく、なんともいえない気味のわるい、爬虫類の生息がイメージされるが、この毒蛇研究所と言われなかったとしても、ファゴットの音が、うねりを持っており、蛇に睨まれたカエルという感じがするし、雨あがりの沼地で、湿気たっぷりの足元の悪いところを歩いている、そう、アマゾンのジャングルを歩いている雰囲気だ。
たっぷり〜 ヴィラ=ロボスのショーロスのような雰囲気もあるし、レブエルタスの「センセマヤ」とも類似する。
しかし、レスピーギは、ここで「怒りの日」をモチーフに引用しているのだ。

3曲めの歌と踊りは、さすがにデュトワ盤では、なんともカラフルで〜 陽気に奏でられる。金管や多彩な打楽器で、シャカシャカとした歯切れの良い、爽やかなリズムだ。
か〜ん か〜んと鳴る鐘の音色も明るく、カーニバルというイメージが、もちろん彷彿されるし楽しい。

少し遠めに録音されており、直接音を拾って、ジャンジャン演奏されていない。
そのため、鐘の音色の奥の方から、金管が聞こえてくるし、カーニバルを客観的に眺めているような雰囲気がする。
遠近感が出ているのだ。で、ちょっと唐突に終わってしまうのが難点だが・・・。
総体的には、2曲めのブンタンは、ちょっと異質だが、1曲目、3曲目は、まるで新婚旅行にブラジルに来ました〜というような華やかさと楽しさ、ムーディさがあり、これは、やっぱり〜 デュトワ盤で聴くのが楽しい。そう思う。


1993年 ロペス=コボス シンシナティ交響楽団 Telarc ★★★
1996年 デュトワ モントリオール交響楽団 Dec ★★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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