「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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レスピーギ 4つの交響的印象「教会のステンドグラス」
Respighi: Vetrate di chiesa (Church Windows)


レスピーギの交響的印象「教会のステンドグラス」は1925年の作品です。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
全4楽章のうち、3楽章は、ピアノ曲集「グレゴリオ聖歌による3つの前奏曲」(Tre Preludi sopra melodie gregoriane)という曲を元に、管弦楽曲に編曲しなおして、最後の4楽章と加えたものだそうです。

1 エジプトへの逃避(La fuga in Egitto) 5/4拍子
ヘロデ王の迫害からイエス親子が逃避する場面で、物憂げな旋律が分厚いオーケストラの中で高調するもの。

2 大天使ミカエル(San Michele Arcangelo) 
天使とサタンの激しい戦闘を描く、万華鏡とも言うべき絢爛な大迫力の楽章で、レスピーギの卓越した管弦楽技法が最大限に発揮されているもの。低音部の力強い旋律は特に有名で、最大音量で全管弦楽が鳴り渡ったあと、ドラの一撃がサタンの転落を表します。吹奏楽コンクールで定番曲化しています。

3 聖クララの朝の祈り(Il Mattutino di Santa Chiara) 5/4拍子
イエスが病床で悲しんでいたクララに奇跡を起こし、教会へ出ることが出来たという物語をこの楽章に当てているもの。

4 偉大なる聖グレゴリウス(San Gregorio Magno)
管弦楽で追加された作品ということで、管弦楽独自の効果が強調されており、3音が、次々と楽器に渡されていきます。コラール風の旋律で、オルガンのソロを経て高潮し、全管弦楽によるグローリアを奏でて壮麗に結ぶものです。

全部で30分弱の楽曲で、テーマからしてご大層ですが、絵巻のように光景が浮かんできて、これが面白い。特に、サタンの転落と称される銅鑼のバッシャ〜ンっという一撃は、幻想交響曲の断頭台への行進曲さながら、スリリングです。
もっと競合盤が増えたら嬉しいんですけどねえ。演奏会で取りあげていただければ、超喜んじゃいます♪

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キース・クラーク パシフィック交響楽団 1983年
Keith Clark
Pacific Symphony Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は極めて良い。静謐さと優しさ、柔らかさ。それでいてパワーもあって、いろんな要素を充分に兼ね備えており、聴き応えがある。
カップリング: 1〜4 レスピーギ 「教会のステンドグラス」
5 レスピーギ「秋の詩」

このCDは、レスピーギをご紹介されている、とあるサイトで紹介されていた。
とても丁寧に、レスピーギの作品を取り上げて記載されており、興味がそそられて購入したものです。
確かに良い録音で、奥行き感もあり、ホールの広がり感、残響も良く入っているし〜 狭い空間でいっぱい詰めこまれたという狭苦しい圧迫感がなく、ゆったり感がある。
このCDは、83年の録音でアナログだけど、大きなスピーカーで聴けば聴くほど満足できるんじゃーないだろうか。
大地の広がり感があるんだな〜

1楽章 「エジプトへの逃避」
この冒頭は、ゆるゆる〜と始まる。
「みふぁ〜 みふぁそらそ ら〜 そぉ〜 みふぁそぉふぁ〜ふぁみ〜」
「らそふぁそみ〜 ふぁ〜そぉら〜ふぁれみ〜 そふぁみ〜」
「みらら〜 そらそみ ふぁそぉ〜 そら〜 ら〜 ふぁ〜 ら〜 そみふぁそ ふぁみ〜」

他の盤で聴いた時には、この冒頭のフレーズが、イマイチで、ゆらゆら〜していた。
どこで旋律が切れるのやら、ふわふわするだけで、船酔いしそうな揺れ方だったのだが、この盤だと、夕暮れ時の湾で、三角帆のファルッカのような帆船に乗っているような感じだ。
そして、夕焼けのなか大きな太陽が沈むのを、なぎいた風に乗って、見ているいるような感じ。
ホント心地が良い。ものすごく、広い世界観というか空気感があるのだ。
独特の4分の5拍子の拍感覚が、正確というか〜 心地良いというしかないかなあ。
演奏家さんに、この違いって何なんでしょう。聴いてみたい。船酔いしそうな気持ち悪さと、船に乗っているかのような気持ちよい揺れとの、この差っ。う〜ん。どう違うんでしょうねえ。教えて欲しいデス。
あーっ シアワセっ。このやわらかな陽射し、緩やかな揺れっ。ハイ、この冒頭だけで、ワタシ、この盤にやられちゃいました。
このエジプトへの逃避は、駱駝の背に揺られて逃亡している光景を描いたモノだと思うんですけど、ワタシには、三角帆の船にのって、ナイル川の上流、アブシンベルで新婚旅行を楽しんでいるクレオパトラ風情です。(おいおい、主人公はイエス・キリストじゃーなかったっけ 笑)

2楽章 「大天使聖ミカエル」
シャンシャンした心地良い音が鳴り響いており、くす玉が割れた時に紙吹雪が舞うように、天空から金属片の散らばりが落ちてくるかのように聞こえる。
「みっそぉ〜 みそらしぃ〜 しらしそ ふぁみ〜 しれしっそ ふぁっどぉ〜 らっそふぁっそ しぃ〜」
弦が力強いというより、シャリシャリしてて面白い音色だと思う。
それに、金管 のパワーも大きく、なかなかに硬めの金属音的で面白い。奥行きのある残響が存在しているのだが、ボコボコせずに、シャリ感があって、へえ〜と驚きつつ感動しちゃった。弦がよく聞こえているのが良いんだろうと思う。それとバランス。シンバルの音も強烈に入っているし。あはは〜良いじゃんっ!

「そぉ〜 そしれ れ〜し み〜みふぁそ み〜みれ れみ みれし」
「れし れみふぁ み〜みれみっ しそ そらし れっしら そらし らそぉ〜」という教会旋法のフレーズも
なかなかに強い。それに弦も負けてない。カッチリした音で、風が舞い起こっているのが、すごく感じられる。
ドンっ。という大太鼓も、力強いし、なかなかに劇的で、ご大層な楽曲が精緻に演奏されている。
また、木管のフレーズ、これオーボエ? クラリネット? すっきりした音色で、ものすご〜く聴き応えがある。これも感動もの。泣かせるっ。
とってもバランスのよい精巧な演奏って感じがするし、大見得を切っていないところが、わざとらしくなくて、かえって心地良い。もう少し低音のどす黒い音色があっても良かったかもしれないが、これは、ナイモノネダリかも。
最後のオチの銅鑼も、お見事っ、シャーンっという長い、長い余韻を持って終わる。
この残響が、ホント綺麗に入った録音です。

3楽章 「サンタ・キアラの朝の祈り」(聖クララの朝の祈り)
「そしれ〜 れどれ しどれ れみれ〜」という、フルートの二重奏可愛らしいフレーズが流れてくる。
録音が良いので、木管の綺麗な音色に、ふわーっとした空気感がまとわりついてて、弦の音色と絡みつく。柔らかいが、まろやかで、爽やかだ。
フレーズの見通しが良いうえに、よく透る木管と弦が、柔らかく入ってくるし、なんといっても空気感が、ホント綺麗に入っている。ピュアな感じがする。

4楽章 「偉大なる聖グレゴリウス」
冒頭に金管の鐘が鳴る。「らみふぁ〜 らぁ〜  らぁ〜 (間合いが空いて)」
「らみふぁ〜れ〜 らっ どぉ〜  らっ どぉ〜」
「らみふぁ〜 らみふぁ〜 らみふぁ〜」
ずれた倍音のように広がるところは、大変面白いし、良く音が拾えており、みごとに聞こえてくる。
不可思議な音の綴りが、みごとに広がって〜 広がって〜 音が生まれてリズムが生まれて、呼応する。

で、続いてチェレスタの音が、小さく星空の瞬きのように入ってくる。
「みっ しっ らっ みっ みっ しっ らっ・・・」というチェレスタの下には、教会旋法の音が、ぐぐっ〜っと下支えに入って て、立体的な丸みを帯びた球体のように広がるのだ。
ワタシには、ずれた音の呼応部分が、とっても綺麗に入っているので、これだけで、もう感動っ。
「らし〜どししらし〜 らふぁら みそら〜」チェレスタが終わると、独特の教会旋法のフレーズが 勇壮に奏でられていて、そこにパイプオルガンがさりげなく入ってきて〜 金管の咆吼が続く。
「れどしっ しらそっ しらそぉ〜 ふぁみれっ」「しらそぉ〜 ふぁそらら らしふぁふぁ〜」と、段々と高揚していく。
音が混濁せずに、見通しが良いのと、うるさく鳴らないのが良い。
ズドンっと、パイプオルガンが鳴り響くという迫力ある楽章だが、結構、さりげなく入ってて〜 ドスンという圧迫感は少ない。

「れっそっしぃ〜 れっそっし〜 れっそっ しぃ〜」
「みしし れれれ どどどぉ しぃ〜 みみみれれれどど ど し〜 そそそ ふぁふぁふぁふぁふぁ・・・」
ティンパニーと大太鼓も、うるさく鳴らないで、それでいて威力もあるし、メリハリがついてる。
パワフルな楽曲の方に、耳が行っちゃうが〜
むしろ、このクラーク盤は、パイプオルガンの涼しげなフレーズの方が聴き応えがあって、天上の方に、むしろ焦点があってて〜そこに感動しちゃう。
優しい天上のようなフレーズが鳴ってて、涙、涙〜って感じだ。
晴れやかに、グレゴリウス1世を讃えるアレルヤ〜っという声があがってくる。

もちろん、録音は満足だったし、とっても期待して聴いたが、期待を遙かに超えちゃう。
演奏は、馬力で勢いでグイグイ〜っと走る演奏ではない。静か〜に、ゆるゆる〜っと進み、静謐で精緻な演奏だ。しかし、ド派手なところは、細身な音だけど鳴りっぷりは良いし、バッチリ。満足しています。
ホント、低音の豊かさには、他の盤には負けるかもしれないのだが、荒い演奏ではないし、かなり綺麗に仕上がった品の良い演奏だと思う。
ナクソスでも聴くことができるCDだし、騙されたと思って(ワタシは騙しませんが〜)一度、お試しあれ。
ホント、「レファレンス Reference Recordings」レーベルは、録音状態は良い。
同じレーベルからでている、大植さんとミネソタ管の録音もあるし、レスピーギの「シバの女王ベルキス」も満足したものだったが、この83年の録音も、アナログだが、いや〜 凄い。みごと。

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ロペス=コボス シンシナティ交響楽団 1993年
Lopez-Cobos
Cincinnati Symphony Orchestra

これもありかっ

録音状態は良い。ただし、期待するほどヌケは良くない。
金管の厚み、低音の豊かさはあるし、どっぷり感はあるが、精緻な感じは受けない。独特の渋い教会旋法のフレーズを聴くという感じではないし、
カップリング:
1〜4  レスピーギ「教会のステンドグラス 」
5〜7  レスピーギ「ブラジルの印象」
8〜11 レスピーギ 交響詩「ローマの祭り」

1楽章 「エジプトへの逃避」
冒頭、唐突に始まる。「みふぁ〜 みふぁそらそ ら〜 そぉ〜 みふぁそぉふぁ〜ふぁみ〜」
「らそふぁそみ〜 ふぁ〜そぉら〜ふぁれみ〜 そふぁみ〜」
「みらら〜 そらそみ ふぁそぉ〜 そら〜 ら〜 ふぁ〜 ら〜 そみふぁそ ふぁみ〜」
いずれにしても、ゆらゆら〜どこで切ったら良いのか迷うようなフレーズなので、フレージング切り方に関しては、イチバン適切なのは、どの盤なのか、玄人さんじゃーないと判断が難しい。

ジョアン・ファレッタ盤は、ゆるゆると流れていくし、音がぼやけていることと、4分の5拍子という独特の拍感覚が、あまりはっきりしていないが、ロペス=コボス 盤は、少し間合いを取っているだけ音がハッキリして聴きやすいかもしれない。
でも、イマイチ、う〜ん。情景があまり浮かばないというか、ぼんやりしている感じだ。
テラークレーベルの録音なので、超期待して買ったCDなのだが、う〜ん。ヌケがイマイチなのだ。
なんか、夕暮れ時の生暖かい空気感のようなモノがあり、多少緩さを感じさせる。この点は好みかもしれないが、この1楽章のフレージングは、やっぱ難しい。うすぼんやりしつつも、 もう少しだけキレが欲しいかなあ。

2楽章 「大天使聖ミカエル」
冒頭、大迫力、大音量で圧倒されるのだが、弦のあがりくだりするフレーズと共に鳴ってくる金管は、大変力強い。
「みっそぉ〜 みそらしぃ〜 しらしそ ふぁみ〜 しれしっそ ふぁっどぉ〜 らっそふぁっそ しぃ〜」
ここは、金管メインで、ぶわ〜っと鳴ってくるのだが、音の響きとしては、どこか、ボコっとした感覚がある。
もっと、弦のキレが、カシカシっと急降下するフレーズも強調されているし、インパクトは大きいのだけど。
まっ ちょっと調和が取れてないっていうか、バランス感覚が、微妙にずれているというか。
もっと期待していたのに、う〜ん。少し何か、もの足らない感じがしちゃう。
多分、大雑把な感じがするからだろうなあ。精緻さも欲しいんである。この曲には・・・。

「そぉ〜 そしれ れ〜し み〜みふぁそ み〜みれ れみ みれし」
「れし れみふぁ み〜みれみっ しそ そらし れっしら そらし らそぉ〜」という教会旋法のフレーズも
なかなかに強いのだが、厳かさのような古風な雰囲気を持っていないのだ。
まっ 録音の状態に、さほどのヌケが無いのが原因かもしれないし、大雑把なアメリカ風というワタシの偏見もあるのかも。
音量は充分に満足できるもので、キラキラした金属的なブラスが終わって、最後のオチである銅鑼も、シャーンっという長い余韻を持って終わる。

3楽章 「サンタ・キアラの朝の祈り」(聖クララの朝の祈り)
「そしれ〜 れどれ しどら しどし〜」という、可愛らしいフレーズが流れてくる。
木管の綺麗な音色に、力強く、抑揚もついており、低音の響きが力強く支えているので、のっぺりした平板な感じにはなっていない。女性的ではあるが、力強く、綺麗に聞こえてくる。どことなく切迫感があって、悲しいっ。鐘も軽く入っており、木管の二重奏って感じの「れそし〜しらし そらど れみれ〜」というフレーズは、とても柔らかく広がっていく。この楽章は、なかなかに、まろやかで暖かく、人肌の温かみみたいなものを感じる。ホント、オケの柔らかくて暖かい音質が、効果的だ。

4楽章 「偉大なる聖グレゴリウス」
冒頭に金管の鐘が鳴る。「らぁ〜  らぁ〜 (間合いが空いて)  らぁ どぉ〜 らっ どぉ〜」
「らっ どぉ ふぁぁ〜 らっ どっっ ふぁっ〜」
この最初の呼応する音の間に、銅鑼が鳴っているようだ。この間合いと、静けさ、違う音が、ずれた倍音のように広がるところは、大変面白いし、これは良いっ。
チェレスタの音が、小さく、星空の瞬きのように入ってくる。
おおっ 雰囲気出ている〜 「みっ しっ らっ みっ しっ らっ・・・」というチェレスタが入ってくる。
「ら み ふぁ  れみっ みみっ ら み ふぁ〜 れぇ〜」

それがひとしきり終わると、独特の教会旋法のフレーズが奏でられる。
金管のコラールのフレーズが、厳かに奏でられるし、力強く、ゆったりとしたテンポで、堂々としている。
「れどしっ しらそっ しらそぉ〜 ふぁみれっ」
「しらそぉ〜 ふぁそらら らしふぁふぁ〜」と、段々と高揚した金管が咆吼する。
ティンパニーも強く叩かれているのだが、全体に、ちょっと音が濁り気味傾向かな。

ズドンっと、パイプオルガンが鳴り響くという迫力ある楽章だ。
ここのパイプオルガンは、壊れたかと思うほど、重低音で、ぼわっとした空気感を吐き出してくる。
音そのモノというのではなく、隣の家のマフラーを切ったような車が、車庫前で、ぶわ〜っと、汚い排気ガスを吐き出しているような、音というか振動というか、えっ 何これっ?って感じ。
なーんか、とっても気になる。慣れたら、オルガンの音なんだな〜とは解るのだが、へっ 何これ。どうも変だぞ?
悪くはないんだけど〜 「そぉ〜そふぁ みれど み ふぁみ そぉ ふぁそら しぃ〜らぁ〜」と、しっかり奏でてくる音は、ちゃんと出ているし音も良いのに・・・
余白的に、恐ろしい空気が吹き込まれるので、ちょっと驚かされるかも。
まっ 計算されつくした演奏なら、それでも良いかな。と思う。立体的絵画的みたいなモノで、変って言えば変だが、面白いと言えば変わり種で面白い。
まっ 最後の持って行き方は、さすがに盛り上げてくれるし、凄いたっぷりとしてて執拗すぎ、堂々としすぎ〜って感じがしないでもないが、大迫力、圧倒感には申し分なし。
金管の音が、真っ赤になって吹いているだろうねえ〜 とても長い。

総体的には、う〜ん。完成度が高いかといわれたら、う〜ん。と唸ってしまうかも。
圧倒感はあるし、堂々とした感じはあるので、ダイナミックさを求めて、最初に聴くには良いかもしれません。 でも、どことなく荒いというか、精緻さにはハテナがついてしまう。
録音状態は良いのだが、期待するほどヌケは良くなかったし、金管の厚み、低音の豊かさはあるし、どっぷり感はするのだが、独特の渋い教会旋法のフレーズを、丁寧に聴くという感じではない。


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ジョアン・ファレッタ バッファロー・フィル 2006年
JoAnn Falletta
Buffalo Philharmonic Orchestra

まっ こんなモン

録音状態は良い。さらっと演奏されており、細部の音もよく聞こえて繊細。ガンガンに演奏して欲しい方には、ちょっと不向き。
カップリング:レスピーギ 「教会のステンドグラス」、「ブラジルの印象」、管弦楽組曲「ロッシニアーナ」
 

レスピーギと言えば、ローマ三部作がダントツ人気なのだが、「リュートのための古風な舞曲とアリア」のように、古い時代のフレーズをアレンジしたり、教会旋法を使って作曲している。新古典主義っていうカテゴリーになるのかどうか、専門家ではないので、なんとも言えないのだが、バロック音楽や17世紀頃の音楽を研究した成果が、雰囲気となって香り漂ってくるような楽曲があり、この「教会のステンドグラス」も、そのエッセンスが詰まった楽曲となっている。

ワタシ的には、レスピーギの楽曲が大好きだし、ローマ贔屓なのだ。
で、「教会のステンドグラス」というネーミングに、まず、ぐらっと来ちゃった。なんともロマンティックで、女性に人気がありそうな、雰囲気のある曲なんだろな〜っとイメージしたわけ。このイメージは、ちょっと違ってしまったのだが〜
まっ それはともかくとして、この楽曲についてウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、1925年の作曲となっているので、ローマの松、ローマの祭りの間に作曲されたものである。

ローマの3部作自体が、一気に書き上げられたものではなく、
1915〜16年 ローマの噴水 
1923〜24年 ローマの松  
1928年〜   ローマの祭り
という時間を経て、順番に書き上げられたものだし、そういえば、どことなくローマの教会と言えるような雰囲気を持っている。また、もともとはピアノ曲だったものを管弦楽に編曲しなおして、さらに1楽章を追加して創られているらしい。原曲のピアノ曲は、「グレゴリオ聖歌による3つの前奏曲」と言って、これもCDが出ている。(Tre Preludi sopra melodie gregoriane)

で、4楽章に分かれていて、それぞれに標題っぽいものがある。
1楽章 エジプトへの逃避(エジプトへの脱出)
2楽章 大天使ミカエル
3楽章 「サンタ・キアラの朝の祈り」(聖クララの朝の祈り)
4楽章 偉大なる聖グレゴリウス(聖グレゴリウス・マグヌス)

なんとも、ご大層なネーミングなのだが、最初にぶっちゃけて話をしてしまうと、作曲後に、曲の雰囲気にあわせてつけたネーミングらしい。(あれまっ そうだったのぉ)
また、2楽章の大天使ミカエルは、吹奏楽にも取り上げられ人気を博している。(らしい)サタンの転落と称される銅鑼のバッシャーンっ。という一撃がある。
3楽章は、女性的で、ハープが入って、天空の元で、跪いて祈るような雰囲気がする。
4楽章では、パイプオルガンは入ってくるし、重低音の猛烈な響きがあって〜 はあ。スケールがデカイ。でかすぎ〜という圧倒的な曲である。

まっ こんな楽曲なので、どのCDを聴いても、迫力満点には違いない。
節操がないといえば無いし、下品だっと言われてしまうと下品。宙ぶらりんと言われたら宙ぶらりん。
形式ばった楽曲じゃーないと、落ち着かないと言われたら。やめたら〜と言わざるを得ない楽曲だ。
多国籍というか、無国籍というか、そんな料理を食べているような、西洋風、中近東風、中国風のような混ぜご飯のような楽曲だ。
どこが古風なの?と言われそうだが、フレーズは、教会旋法を使っているので、どこか懐かしい。

1楽章 「エジプトへの逃避」
クラリネットで、「みふぁ〜みふぁそらそら〜 そぉ〜 みふぁそぉふぁ〜み〜」
「らそふぁそみ〜 ふぁ〜そぉ〜ら〜ふぁれみ〜 ら〜そふぁみ〜」
「ら そらそみ ふぁそぉ〜 そそそら〜 ら ふぁ〜 ら〜そみふぁみ み〜れ ふぁらそらぁ〜」
拍感覚の難しい音が流れてきて、メチャクチャ憂いがある。5分の4拍子ってことだが、抑揚の付け方が難しいそう。
「ふぁ〜 タラララらぁ〜  みぃし〜 みし〜」というグリッサンドのような蛇使いフレーズがあって、エジプト風っていう味付けがなされる。
「みぃらぁ〜〜 そらそみ ふぁそぉぉ〜 そらぁ〜 ふぁ〜ら〜 そみふぁそふぁ みぃ〜」
という、ムード音楽さながらのような弦の膨らみが出てくる。 
「しっら〜 しっら〜  ふぁっ みみみ〜(らしら そら〜)」

ホルン等の金管が、ふわ〜っとした空気感を描いてて、乾燥地帯の逃避行って感じなんだろうなあ。
木管が人の歩きを描いているようで、しっかりとしたフレーズになってなくって、ゆらゆら〜と、蜃気楼のような揺れがあって、遠めで、ヘロデ王から逃げていく雰囲気が出ている。
オーボエやクラリネットのフレーズが、何とも言えないエキゾチックさを出してて、広がりのある地平線のかなたへ消えていく、黒い豆粒のような、揺らめく影になった人の歩み・・・揺れる心情・・・ なーんて感じのフレーズが詰まっている。 ただ、旋律の歌わせ方になると、ちょっと抑揚がついていないというか、たれたれ〜っとしているような、間合いの悪さがあって平板な感じは否めない。

2楽章 「大天使ミカエル」
大天使ミカエルと言えば、ワタシが直ぐに浮かべたのが、ヴァチカンのサンタンジェロ城のテッペンにいる方。
まあ、新約のヨハネ黙示録に出てくるんですけど〜 
超有名な天使で、大都市の守護神みたいな方である。
日本で言えば四天王のような、ガブリエル、ラファエル、ウリエル、ミカエルと、何故か、最後にエルがついているのだが〜 
まっ、赤い7つの頭と10本の角を持つ竜と闘うミカエルさまは、長い剣を持っている。
大きな翼を広げて、宙に舞いながら竜を踏みつけ、今にも、剣で刺そうとしているか、ドヤ顔で立っている姿がよく描かれている。(竜=サタン 堕天使)

楽曲は、 ワーグナーのような楽曲で、弦が、激しくのぼりくだって、空中戦の模様を描く。
そこに、「みっそぉ〜 みそらしぃ〜 しらしそ ふぁみ〜 しれしっそ ふぁっどぉ〜 らっそふぁっそ しぃ〜」っと、ぶっといブラスが絡んでくる。
はあ。猛烈な戦いなんですねえ。で、オチは、最後の銅鑼である。
サタンが剣でやられて、落ちていく様だという。
金管で奏でられるドリア旋法のフレーズが、とても印象的である。
「そぉ〜 そしれ れ〜し み〜みふぁそ み〜みっれ れみ みれし」
「れし みふぁみ み〜みれみっ しそ そらし れしら そらし らそぉ〜」

3楽章 「サンタ・キアラの朝の祈り」(聖クララの朝の祈り)
この楽章は、ホント柔らかくて、静かだ。「聖クララの朝の祈り」というタイトルに訳されているCDもあるようだが、クララは英語読みなので、同じ方。
アッシジの聖フランチェスコに帰依した女性が主人公になっている。ハープが絡んでて、つれづれなるままに。という感じでフレーズが柔らかく、静かに抑揚つけて連綿と続く。木管が横笛のように聞こえる。

4楽章 「偉大なる聖グレゴリウス」
冒頭に鐘が鳴る。「らぁ〜  らぁ〜   らぁ どぉ〜」 遠くで、鐘が、違う音を出しながら連鎖して響いているようなそんな感じ。
「ら み ふぁ  れみっ みみっ ら み ふぁ〜 れぇ〜」音にならないような低い音が鳴っているところい、「みっ しっ らっ みっ しっ らっ・・・」というチェレスタが入ってくる。
低い声で、うごめく音が、ずーっと持続しており、ところどころ、警告のように3つの音が鳴る。
「しみふぁ」「らみふぁ」 「れしふぁ」「しどふぁ」
えーっ この音が採れない。耳が悪いっ。
とにかく3つの音が、鐘のように響いて、段々と大きく膨らみコラール風に奏でられる楽章だ。
まるで、映画「未知との遭遇」のラストシーンみたいなんですけどね。(笑)
「れどしっ しらそっ しらそぉ〜 ふぁみれっ」
「しらそぉ〜 ふぁそらら らしふぁふぁ〜」と、段々と高揚した金管が咆吼するなか、ズドンっと、パイプオルガンが鳴り響くという迫力ある楽章だ。
嵐のような音というか、もわっとした音にならない、音圧があるのだが〜
ファレッタ盤では、ちょっと音圧が少なめだが、力任せではない繊細な輝きが感じられるのと、穏やかに、「れっそっしぃ〜 れっそっし〜 れっそっ しぃ〜」
「みしし れれれ どどどぉ しぃ〜 みみみれれれどど ど し〜 そそそ ふぁふぁふぁふぁふぁ・・・」
と、晴れやかに、グレゴリウス1世を讃えるアレルヤ〜っという声をあげてくる。
いったん静まったところの、チェレスタとパイプオルガンの二重奏だと思うんだが、そのフレーズは、とっても綺麗だし、音にならない空気感もあって、雰囲気はとても良いと思う。

楽曲としては、わずか25分程度の楽曲のなかに、4つの小説が詰まっているような感じだ。
ストーリー性があって大変バラエティに富んでいるのと、古式ゆかしきという衣を纏っているものの、壮大なスペクタルで、ダイナミックに描かれている。
ファレッタさんは、女性指揮者だ。
音響によるところが大きい楽曲なので、ホールの大きさとか、録音状態に、かなり左右されると思う。
特に、4楽章は、パイプオルガンが入ってくるので〜 音量のバランスは、超ムズカシイと思う。
その点では、ちょっぴり線が細めなことと、押し出しの強さ、飛びっきり良い録音ではないのが難点だが、演奏としては、まずまず良いのではないだろうか。
イケイケ・ドンドンの勢いが欲しい、重低音のパワーが欲しい、圧倒されたい。という方には、どちらかというと不向きだと思うが・・・。


1983年 キース・クラーク パシフィック交響楽団 Reference ★★★★★
1984年 ジェフリー・サイモン フィルハーモニア管弦楽団 Chandos
1993年 ロベス=コボス シンシナティ交響楽団 Telarc ★★★★
2006年 ジョアン・ファレッタ バッファロー・フィル Naxos ★★★
所有盤を整理中です。  

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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