「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

サン=サーンス 交響詩「死の舞踏」
Saint-Saens: Danse Macabre


アレクサンダー・ギブソン ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 1972年
Alexander Gibson
Royal Scottish National Orchestra



録音状態は極めて良い。歯切れは良いのだが、独特の軋んだカサカサした不気味な感じがしないで〜さらりと演奏されちゃった感じ。雰囲気が出てないよぉ。
カップリング:デュカス「魔法使いの弟子」、サン=サーンス「死の舞踏」、レスピーギ「風変わりな店」

まず72年の録音だというが、ホント? って驚くほど、録音状態の良いシャンドス盤である。
ワタシ的には、「死の舞踏」と言われたら、ホルバインの版画を思い出すのだけど〜
サン=サーンスは、フランスの詩人アンリ・カザリス(Henri Cazalis ジャン・ラオールJean Lahor)の詩にインスピレーションを受けて作曲したと言われている。
カザリスさん(←これは本名)は、1804年生まれ。マラルメと親交があったお医者さん兼詩人である。

改めて、サン=サーンスの「死の舞踏」を、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、
「フランスの詩人アンリ・カザリス (Henri Cazalis) の奇怪で幻想的な詩に霊感を得て、1872年には歌曲として作曲され、74年に管弦楽曲としてまとめられた。
午前0時の時計の音とともに骸骨が現れて不気味に踊り始め、次第に激しさを増してゆくが、夜明けを告げる雄鶏の声が響きわたるや墓に逃げ帰り、辺りが再び静寂につつまれるまでを描写的に描いている。スコアの冒頭には、カザリスの詩から数行が引用されている。 」(以下は引用された部分)
ジグ、ジグ、ジグ、墓石の上
踵で拍子を取りながら
真夜中に死神が奏でるは舞踏の調べ
ジグ、ジグ、ジグ、ヴァイオリンで

冬の風は吹きすさび、夜は深い
菩提樹から漏れる呻き声
青白い骸骨が闇から舞い出で
屍衣を纏いて跳ね回る

ジグ、ジグ、ジグ、体を捩らせ
踊る者どもの骨がかちゃかちゃと擦れ合う音が聞こえよう

静かに!突然踊りは止み、押しあいへしあい逃げていく
暁を告げる鶏が鳴いたのだ

とあった。それに丁寧に、詩とサン=サーンスの曲との比較表が載っている。
↑ ホルバイン(Hans Holbein)死の舞踏
カザリスの詩 サン=サーンスの曲
夜中の12時、死神が墓場に現れる ハープが12回、Dの音を奏でる
死神がヴァイオリンを弾く 独奏ヴァイオリンがAとEsの不協和音で死神らしい雰囲気を表す
骸骨の踊る不気味なワルツ フルート、後に弦合奏で、「怒りの日(Dies irae)」に基づく主題が奏される
カチャカチャと骨の擦れる音 シロフォンを用いる(当時は音楽で用いられることは殆どなかった)
朝を告げる雄鶏の鳴き声 突然曲が止みオーボエの旋律が現れる。
そして激しく踊っていた骸骨たちは墓場へ帰り、曲は静かに終わる。
まあ、ここまで情報があると〜 曲に親しみを持ちつつ、不気味さもパワーアップする。イマジネーションも相当に膨らんで来るはずだ。

しかし、このギブソン盤、やっぱり明るい。あまり断言するとマズイが、ワタシ的には、フランス系っぽい演奏だと思う。華麗すぎる。
高音域の音のヌケは良いし、綺麗には聞こえるのだけど、不気味さが足らない。
死神的ヴァイオリンの演奏でもなく、ふわっと、さらり〜っと流されて終わってしまった感じだ。
ギブソン盤は、デュカスの「魔法使いの弟子」と、レスピーギの「風変わりな店」は、とても好感が持てたのだけど、う〜ん。死の舞踏はねえ。ワタシのイメージとは、そぐわなかったですね。

イメージが固定化しているのかもしれないが、いかに、フランス人のサン=サーンスの作曲とはいえ、個人的には、ドイツ臭い、ガシガシした不気味な「死の舞踏」の方が好きだ。
ホルバインの木版画のイメージが、個人的に強すぎるのかなあとは思いますが・・・。

いかに権力者であろうとも、貧富の差なく、誰もが、こうやって骸骨になることには変わりなし。って感じで、皮肉っぽく社会を痛烈に批判して、隣り合わせの死と生を、きわどく諧謔的に描いた作品だと思うんですよね。忍び寄る避けようのない死生観が描かれていると、絵画や木版画の「死の舞踏」を見てきたので〜 これだけ明るく、華麗にさっぱりと、「死の舞踏」を演奏されちゃうと、ちょっと、わかんなくなっちゃいますね。リストと違って、サン=サーンスだと、これぐらい軽快であってもよいのかな。
変に、おどろおどろしくなくても、これで良いのかなあ。と思ったり。いや違うだろう。と思ったり。その点、迷ってしまうところなのですが・・・。
やっぱり、ワタシ的には、レーグナー盤のような、柔らかいけれどカッシリしてて、軋んだ甘さが好きです。

ちなみに、ホルバインの「死の舞踏」41点の木版画は、「巧妙に構想され、優雅に描かれた「死」の像と物語」と言います。ワタシは専門家ではないので〜 興味をもたれた方は、どうぞ専門書とか専門的なサイトで調べてくださいませ〜

レーグナー ベルリン放送交響楽団 1977年
Heinz Rögner
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)

録音状態は良い。奥行きがあり柔らかな余韻があり、甘美に魔の世界に引き寄せられてしまう。
カップリング:ミヨー バレエ音楽「世界の創造」、エネスコ「ルーマニア狂詩曲第1番」、サン=サーンス「死の舞踏」、ファリャ「火祭りの踊り」

レーグナーさんが録音した、寄せ集めのような作品集なのだが、これが良いっ。
こいつは〜 唸ってしまう。ホールいっぱいに広がる音響の響きといい、熱さといい。これは良いっすね〜。
オムニバス的に扱うのはどうかと思っちゃうほど、こりゃ拍手だっ。

あーっ もったいない。
こんな良い作品を1枚のCDに集めちゃって〜 片隅にて売っているなんて罪ですよぉ。 
最初の12時を告げるハープは、奥ゆかし過ぎて、ホントに奥まって聞こえるんだけど、響きがぼわ〜としてて幻想的に響くんだよなあ。
で、その後、悪魔的なヴァイオリンの音色なんて、えへへ〜っと苦笑いしちゃうほど、軋んでいる。
「ふぁ〜っしぃ〜 ふぁ〜ふぁっ しぃ〜しっ ふぁっふぁっしっ ふぁっふぁっしっ ふぁっし ふぁっしっ らぁ〜」
このヴァイオリンだけのフレーズで、何度聴いたことか。

この軋んだヴァイオリンの音色の後に出てくる弦が、メチャ柔らかで、ソフトタッチなのだ。あ〜美しいっ。
あ〜 悪魔の囁きに近いよねえ。軋んだ音の後の、甘みととろみ感覚、そして甘く美しい音色。
思わず、とろりとさせられる。ヴァイオリンの奏でる甘くて、恐ろしいフレーズ、そして、フレーズのダメ押しのような、っん パっ!
甘いだけじゃーなくって、切るときは切られる怖さ。これもきっぱりと演出されている。
甘さの代償の怖さ。間合いの後の、うんっパっ。と広がる音色には、あ〜やられてしまった。

旋律だけの美しさだけじゃなく、この間合いの厳しくて、冷たくも美しいことっ。
歌心だけじゃーなく、この間合いの美しさ。あ〜 ワルツも、当然のことながら流麗で厚みがあって、二律背反そのもののだ。えへへっ。この甘くも、怖い背筋の凍る美しさが、アナタにわかりますか?
えへへっ〜 判らないっ、んじゃー 聴くのを止めるんですなっ。
あ〜 甘美な代償は大きいのです。甘美なのは甘美、甘くて美しい。
メフィストのように払う代償は大きいっすよね。そのこと判って聴いてますか? うひひっ〜っ。
まっ ちょっと悪魔的に書いてしまったけれど、代償は大きいっすよね〜 きっと。
狂気じみてるんだけど、あくまでも美しさを保っているところが、レーグナーさんの威力なんだと思う。
で、熱いっ。ホント熱いのだ。こんな小作品だけど、メチャ、感情が籠もっている。

う〜ん。これは職人芸という以上の評価をしてあげないと、ダメなような気がする。
日本人じゃ、なかなか判らないことかもしれないけれど、悪魔に心を売って、その後、どーなりますか? 勧善懲悪の世界ではないけれど、それに近い部分が音楽にもあるんですね〜教訓なんですねえ。
ホント、低弦の響きが、なんて美しいんだろう。このワルツ怖いっすよ〜 甘美なだけじゃーないもん。
この作品の裏にある、どす黒いダースベーダーの住むような世界があるわけっすよ。
引き替えなんですよ。何でも〜 (あっ いけない脱線しちゃった・・・)

木琴の音色のデカイこと。骨がぼきぼき、ぶつかっているって音じゃーないんですけど、美化されてますよね。でも響きが甘いです。ぎすぎすした世界が、何を象徴しているのか、この甘い音色が、何を象徴しているのか。やっぱよく聴かないとダメ ですかね。
そして音楽のあるバックボーン、これを知らないとダメだな〜って自戒を込めて思います。
黒くて暗くて、渦巻いている陰湿な世界 この世界に入ってらっしゃい〜っと誘われているワケです。
単に甘いわけじゃーない。甘い音色で〜 うひひっ。甘い世界には、裏がある?!
まさしく、そうですよね。
西洋の聖なる世界と、俗なる世界 この2つが背中合わせあるわけで、二律背反の世界で、実際に、ホント、どうして律すれば生きて行けるのか。考えないとダメなわけ。
日本人だとあまり気づかないかもしれないけど、しっかり2つの世界が屹立して存在しているわけで〜
曖昧なことは許されない。生き方として曖昧なのはダメなんすよね。どっちかの世界に属すると誓い、それに従って生きていく。ハッキリと色分けされちゃう。

日本人って曖昧なのが好きですけど〜 好きっていうより、曖昧にしちゃいがちな気質なんでしょうけど。灰色なのは政治の世界だけで〜 ハッキリ生き方を示さないとダメなのです。ホントは。
ハッキリさせないと〜 生き方のポリシーを問われるわけで、何、あんた〜何を指針にして生きているの。宗教は何んなのさ。えっ 無い〜 うっそ〜って、驚かれちゃうワケです。
宗教観がなきゃ〜 良い悪いの基準を持ってないっってことに等しいワケで〜 ホントは。まっ 相当脱線しちゃいましたけど、レーグナー盤の「死の舞踏」 なかなかにダークサイドからの甘い囁きが聞こえて来ます。だからこそ甘さに負けない〜モノが必要なんでしょうね。
(あっ また思いっきり脱線しましたが)
でも、レーグナーさんの演奏 ホント良いです。拍手大喝采っ。

デュトワ フィルハーモニア管弦楽団 1980年
Charles Dutoit
Philharmonia Orchestra of London

録音状態は良い。あか抜けした「死の舞踏」で、ちょっと華麗すぎるかも。オケのアンサンブルは良いのだが、死の舞踏というよりも、シンデレラの夜会風 のように感じちゃった。

カップリングは、下記のとおり。

サン=サーンス デュトワ フィルハーモニア管弦楽団など

1 交響詩「死の舞踏」op.40 フィルハーモニア管弦楽団 1980年
2 交響詩「ファエトン」op.39 フィルハーモニア管弦楽団 1980年
3 交響詩「オンファールの糸車」op.31 フィルハーモニア管弦楽団 1980年
4 序奏とロンド・カプリチオーソイ短調op.28 ヴァイオリン:チョン・キョン・ファ コンセルトヘボウ 1975年
5 ハバネラ ヴァイオリン:チョン・キョン・ファ コンセルトヘボウ 1975年
6 交響詩「ヘラクレスの青年時代」op.50 フィルハーモニア管弦楽団 1980年
7 英雄行進曲op.34 フィルハーモニア管弦楽団 1980年

デュトワ盤の「死の舞踏」は、録音状態が良い。
音色が明るく鮮やかで、ワルツが軽やかに美しすぎて〜 ちょいと華麗な感じがし過ぎるんだけど。まあ、許せちゃいますねえ。
12時の鐘を告げるハープの音は、よく聞こえるし時計の振り子より、ちょっと速めだけど。軽やか。
幕開けとしては良いと思う。
で、続いて、ヴァイオリンが、「ふぁ〜し〜 ふぁ〜っふぁ し〜し ふぁふぁっし ふぁふぁっし しっみ しっみ しっみっらっ」 と奏でてくるが、これが、う〜ん。あまりに、さらり〜と奏でられて、ちょっとガックリ。不気味じゃないんだよなあ。
今風のサラリとした、醤油タイプの顔って感じで、サラダ風味的で、う〜ん。
その後のワルツの旋律も、う〜ん。明るくて色彩的で、カラフルって感じなのだ。軽妙で、軽やか華麗なワルツを奏でてくる。まあ、歌い方も良いし、のびやかだし、乗れるんだけど。
ホント、これで良いんですかねえ。

中世の暗黒の時代、ペストが蔓延してて死の恐怖に怯えるというイメージで聴くと、デュトワ盤の死の舞踏は、あれまっ 超ノー天気な感じがしちゃう。
あの〜 なんかアプローチが違うんですけどねえ。楽曲を知るという面では、良いんですけど。
初心者向きだと、とても親しめるし、聞きやすいんですけど、やっぱ〜 内容を知ると、ちょいとイメージが狂っちゃう。大太鼓が鳴って、骨がガシャガシャとぶち当たっているイメージの木琴の音が、大きめ(音量)に収録されており、良く聞こえる。コミカルなんだけど、アイロニーを醸し出しているという感じ ではない。

コインの表裏両方を描いているわけでも、二律背反的なところもなく、片方しか描けていない一面的な演奏に感じてしまう。
なんだか、楽しげに聞こえるって、これマズイんじゃーないかしらん。
と、思いつつも、録音状態が良いし、サン=サーンスの作品なので、まっ いいかぁ。って感じになっちゃうのである。どこか洗練してて、ワクワクしちゃって〜楽しげなワルツで、あか抜けしすぎた演奏で、ホント、これは困っちゃった。
ワタシ的には、アプローチが深くないって感じだし、ちょっと違うんじゃーないかしらん。と、意に染まらない演奏なのだけど・・・。さすがに、オケは巧いし、ガチガチのドイツ風情でもないし、さら〜っとしつつも、きっちり聴かせてくるのである。せめて、ヴァイオリンが、もっと主体性を持って、バラバラになりかけのギクシャクした骸骨風情を、もっと出して欲しかったですけどねえ。
申し訳ないけど、役者不足のような気がしちゃいました。もっと、ドスがきいて、アクがあって、くらーい演奏家の方が良いですよねえ。

う〜ん。デュトワ盤は華麗にすぎるけれど、もし、ケーゲルさんとか、エッシェンバッハさんとか、アーノンクールさんとか振ってないですかねえ。もちっと、狂気じみた、くらーい演奏をしてくれる指揮者で聴きたいデスね。プラッソン盤よりは、洗練されてて優美なシンデレラの夜会風で、まっ ある意味お見事ですけど。

バレンボイム  パリ管弦楽団 1981年
Daniel Barenboim
Orchestre de Paris

録音状態は良い。ヴァイオリン:ルーベン・ヨルダノフ
カップリング:交響曲第3番 シカゴ響 1975年、歌劇「サムソンとデリラ」〜バッカナール〜パリ管弦楽団75年、オラトリオ「ノアの洪水」〜前奏曲〜 パリ管78年、交響詩「死の舞踏」パリ管81年

12時の鐘を告げるハープの音は、幾分遠めで響かず、ハープという感じがあまりしない。
続いて、ヴァイオリンが、「ふぁ〜し〜 ふぁ〜っふぁ し〜し ふぁふぁっし ふぁふぁっし しっみ しっみ しっみっらっ」 と奏でてくるが、すご〜い、だみ声のヴァイオリンだ。で、ボーイングが強めで、荒い音がして、硬いっ。確かに汚い音色なのだが、不気味かと言われたら、何か足らない感じがする。
その後、ワルツを奏でてくるが、柔らかい雰囲気がせず、歯ごたえが充分な弦で、弾き方が強め。
ソロ・ヴァイオリンは、う〜ん アクセントがしっかりついてて、メリハリがあるようなのだが、ブンチャッチャ風の伴奏のリズムに、イマイチ乗らない。
微妙なニュアンスが無いというか、幾何学的というか、ぶっきらぼうというか、ンチャッチャと刻んでいるだけでは・・・。
う〜ん。どういう方向性で奏でられているのか、あまりよく伝わってこない。
ワルツ特有の粘りが、少ないのかもしれない。タメが少ないというか、間合いが、どこなくせわしい感じがする。でも、低弦の響きは充分あるし、厚みもあり、木琴の響きも、なかなか良い。
ちょっぴりテンポが遅めかな。フレージングが硬めかなと思ったのだが、後半、ヴァイオリンの高音域の音が入ってくると、綺麗な感じがしてきて、哀愁が漂ってくる。

骸骨の踊りとは遠い雰囲気で、ポコポコポコした木琴、弦の響きだが、歌うところは充分に歌っている。
木管のフレーズなどは、結構聞こえてくるし、内声部の響きは充分に伝わってくるが、総体的に皮が硬いって感じ。風が吹いてくるような、さーっとした流れも、あるにはあるんだけど〜
小気味良い感じのうねりが少ないというか、全体が重い感じがする。重厚な油絵的なタッチで、フランス風の軽妙なタッチが少ないのだろう。

演奏は巧いと思うのだが、カラカラ乾いた骸骨じゃーなく、湿気た重みのある骸骨で、宙を舞うように、飛び跳ねるようには踊ってません。この骸骨、一撃を食らわすと、バラバラになっちゃう筈なんですけど。
吹けば飛ぶような、そんな儚い感覚や、ギクシャク、パラパラと動いている感覚がない。う〜ん、どちらかというと、ドスンっとした足腰の強さが感じられる骸骨です。
なかなか安定感のある、重量感のある「死の舞踏」だと思う。

プラッソン トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 
1994年〜95年
Michel Plasson
Orchestre National du Capitole de Toulouse
(Toulouse Capitol National Orchestra)
ヴァイオリン:マルコム・スチュワート



録音状態はまずまず。ちょっと開放的、明るすぎて唖然としちゃう。死の舞踏というよりは、シンデレラの舞踏会って感じ。
カップリングは下記のとおり。

魔法使いの弟子 フランス名交響詩集
プラッソン トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団 

1 デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」
2 フランク 交響詩「呪われた狩人」
3 ラッザーリ 交響詩「夜の印象」
4 デュパルク 交響詩「レノール」
5 サン=サーンス 交響詩「死の舞踏」
6 デュパルク 交響詩「星たちに」

サン=サーンスの「死の舞踏」は、フランスの詩人アンリ・カザリス(Henri Cazalis)の詩にインスピレーションを受けて作られている。
「死の舞踏」って作品は、リストも作曲しているんだけど〜 このページでは、サン=サーンスの作曲版である。プラッソン盤で、6分53秒という小品である。

冒頭、12時の鐘を告げるハープの音から始まる。
続いて、ヴァイオリンの不気味な音〜
「ふぁ〜し〜 ふぁ〜っふぁ し〜 ふぁふぁっし ふぁふぁっし しっみ しっみ みっらっ」
この冒頭のヴァイオリン・ソロは、調律から違っているらしい。半音をあげるのか、さげるのかは解らないんだけど〜 なにせ、相当に変わった楽曲で、いひひ〜っという悪魔的な要素が詰まっている。
しかし、プラッソンさんの演奏は、不気味〜って感じじゃなくって、なんだか壮大な曲になってしまって。
ちょっと、あんぐりしちゃった。
なんとも甘く、華麗に描かれており、気宇壮大、ハデハデである。
夜中の舞踏会と間違ってるんじゃないのかなあ。録音状態は良いし、他のフランスものの交響詩がカップリングされているので、とても嬉しい盤なのだけど、なんか、死の舞踏にしては、軽くて甘美すぎると思う。
グロテスクな甘美さ、二律背反的な浪漫であれば良いが、少し音色がカラフルすぎて、音に重みがなく、軽妙にすぎているようだ。粘りも少ない。
ワルツ風に奏でられる「み ら〜ら そ〜そ ふぁ〜ふぁ み〜み ふぁらそ ふぁ〜ふぁそ〜」
木琴がカチャカチャ鳴るのは、骸骨、骨がぶつかる音なんだけど、ちょっと音量が大きく元気すぎかなあ。
それに、金管が明るい音で、豪快に開放的に鳴っているし、弦のシュルシュルシュル〜と落ちてくるフレーズは、崩れ落ちてくれないし。あちゃちゃ〜。

骸骨がヴァイオリンを持ちながら、夜中に踊っているというイメージなのに。お元気な骸骨さんで〜
夜遊びを楽しんでいるみたいだ。滑稽で、皮肉っぽく描く必要もあるけれど、オチャラケでは困る。
もっとクールで、ヒンヤリした感覚がないとなあ。
最後なんぞ、大円団になっており、ちょっと安価なシンデレラの舞踏会なみの華麗さだ。
(デュトワ盤は、高級なセレブな舞踏会だ)
シンデレラは、12時になったら帰らないといけないが。これは、12時からスタート。
悲しい骸骨が、明け方まで踊っているというお話である。う〜 こんな骸骨に取り憑かれたくない〜という雰囲気で演奏してもらわないと。イメージが違ってました。むむっ。超がっくり。
1972年 ギブソン ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 Chandos ★★★
1977年 レーグナー ベルリン放送交響楽団 Berlin Classics ★★★★★
1980年 デュトワ フィルハーモニア管弦楽団 Dec ★★★★
1981年 バレンボイム パリ管弦楽団 ★★★
1994年 プラッソン トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団  EMI ★★★
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