「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

シューマン 「マンフレッド」序曲
Schumann: "Manfred" Overture


シューマンの「マンフレッド」序曲は、バイロンの詩劇「マンフレッド」の上演のために書いた曲で、序曲と15の場面からなる楽曲ですが、現在は、序曲のみが演奏される機会が多い曲です。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
「マンフレッド」(Manfred)は、バイロンによる劇詩で、1817年に発表されていますが、シューマン、チャイコフスキーによって音楽化されています。(チャイコフスキーは、マンフレット交響曲として作曲)
ストーリーは・・・ アルプス山脈のユングフラウの城郭を舞台に、マンフレッドと魔女、聖霊たちの形而上学的対話が展開され、人間でありながら、神ほどの万能感を獲得したマンフレッドは、愛する人を失うという過去を持ちます。
その悲痛な記憶を消してしまいたくて、精霊を呼び出し、「忘却」をくれと要求します。
精霊たちは、それはできないと言います。「獲得」は自由なのに、「喪失」は思いのままにならぬと悟ったマンフレッドは、「喪失」の最高形態である「死」の問題に立ち向かうのでした・・・。というもの。

登場人物は、マンフレッド、狩人、僧院長、アルプスの魔女、ペルシャの邪神アリマニーズ、復讐の女神ネメシス、精霊たち、アスターティの亡霊など。シューマンは、独唱・合唱とオーケストラのための劇音楽として作曲しており、1852年、リストが初演しています。

序曲は、変ホ短調 4/4拍子 ソナタ形式
冒頭1小節の激しい和音打撃に続き、緩やかな序奏が始まり、オーボエの悲痛な旋律に、厚みを増してもりあがると、トランペットの信号とともにアレグロに突入します。3連符とシンコペーションが特徴の第1主題が、弦楽器に提示されます。続いて、嬰ヘ短調で第2主題群が始まり、弦楽器の流れるような旋律と、熱情的に上行する旋律です。
展開部は、第2主題動機と、第1主題の付点リズム動機が組み合わせられたもの。
ほぼ形通りの再現が行われたあと、第2主題が、切れ切れに奏される上で、3本のトランペットが、和声的な暗い旋律を静かに吹き鳴らします。再びテンポを落として、オーボエの悲痛な旋律が回帰したのち終わります。

はあ? なにやら難しそうな劇で・・・。なんで、魔女や精霊が登場するのかも、わからないではマズイでしょうが。
バイロンの戯曲を読まないとダメだけど・・・(書棚には本はなかった。)あーっ でも、こんな難しいことを、毎日ブツブツ思っていたから病むんですよ〜 シューマンさん と、ノー天気なワタクシは思ってしまいました。

バレンボイム シカゴ交響楽団 1977年
Daniel Barenboim Chicago Symphony Orchestra

まっ こんなモン

録音状態は良い。勇壮で劇的で元気の良い、山登りをしているみたいです。
カップリング:
1〜5 シューマン 交響曲第3番
6〜9 シューマン 交響曲第2番
10 マンフレッド序曲
このマンフレッド序曲は、なにやら形而上学の、哲学のような要素を含んだ楽曲だが〜
チャイコフスキーとは違って、劇付随音楽として仕上げた作品のようだ。
とても、全曲を聴く気が起こらないが、序曲だけは、結構取りあげられる機会も多く、ワタシも演奏会で聴いたことがある。
しかし・・・ どうも、ブツブツと悩んでいるだけで終わりそうで、あまり好きにはなれない曲である。

で、バレンボイム盤で聴くと、とっても勢いがあり、元気が良いので驚いた。
そんなことを、ウジウジ悩んでも、堂々巡りでしょう。解決しそうにもないでしょう。だったら、難問には取り組む必要なんぞ、無いでしょう〜 悩むだけ、無駄だとばかりに、突き進んでいく。
この点、ノー天気なワタシと同質かもしれない。(笑)

確かに、冒頭の和音は暗いっ。「そっふぁっみっ」という、印象的な弦の和音から始まる。
しかし、そのうちに気分が変わり、引きずったような、弦のフレーズはあるものの、段々と、「らしどぉ〜」(パンパンパン)
シンコペーションのリズムも、細かいフレージングも、颯爽と風を切っていくかのように、進んで行く。
まぎれもなく、これはウツウツとしていないで、格好良い、風格があって、迷いがない。
えーっ これで良いの?

聴いてて、ちょっと元気が良すぎるんだけど・・・。と思いつつも、そうねえ。バレンボイムさんとシューマンさんの組み合わせで聴くと、この楽曲が、わかりやすくて良いかと、思い直した。
まるで、R・シュトラウスのアルプス交響曲のように、ユングフラウに登っていくぞ〜っと、登山開始っ!と、勇んで歩んでいくみたいなのだ。アハハ〜 力強いっ。
マンフレッドは、恋人を死に追いやった〜という罪悪感をぬぐい去るために、カラダを動かすために山を登っているようで。
歩き疲れて夢を見て、そのなかに魔女たちが出現しているみたいですねえ。
修行僧のように、ココロを空っぽにしないとイケナイのだろうか。彷徨い続けて、いやいや、ずーっと彷徨い続けているんでしょうねえ。
で、夢のなかで魔女たちを見つけた。いやいや恋人の姿を見つけたわけでしょうね。
で、えっ 最後には、マンフレッドは凍死しちゃったの? はあ〜 やっぱり救われないですねえ。
しかし、ストーリーをある程度知っていないと、この楽曲は、理解しづらいです。

ヨハネス・ヴィルトナー ポーランド国立放送交響楽団 1992年
Johannes Wildner
Polish National Radio Symphony Orchestra



録音状態は良い。残響はちょっぴり多め。さっぱりした快速演奏で、コクは少ない。素っ気なく、飛ばしちゃった感じがしちゃうが、初めて聴くには良いかも。
資料的意味合いの強い1枚かと思います。
カップリング:シューマンの序曲集 下記のとおり。

このCDは、シューマンの序曲ばかりを集めたモノで、NAXOS(ナクソス)から発売されている。
シューマンの序曲って、マンフレッドと、メッシーナの花嫁ぐらいしかないと思い込んでいたのだが、序曲集ってあるんですねえ。へぇ〜 とっても珍しい。
さすが、ナクソスっ。目の付け所が違うなぁ〜と買い求めたものである。
シューマンに、オペラ「ゲノヴェーヴァ」っていうのがあるのも知らなかったし、カエサルに、ファウストまで登場するなんて思いもよらず。ひぇ〜 シューマンの扱うモノが大物過ぎて〜 あっけにとられた。
勝手にワタシは、精神的なダメージもあった方だし、内気で小心モノかと思っていたのだが、結構やるじゃん。
作曲された背景までは不勉強のため、わからないが、とにかく、序曲集ってCDが発売されているんです。

で、カップリングされている楽曲は下記のとおりである。
1 序曲、スケルツォとフィナーレ
2 ゲノヴェーヴァ (ゲノフェーファ)
3 メッシーナの花嫁
4 ジュリアス・シーザー
5 ヘルマンとドロテア
6 ファウスト (「ファウスト」からの情景 独唱、合唱、管弦楽のための作品)
7 マンフレッド序曲

ここでご紹介するのは、劇付随音楽「マンフレッド」であるが、一般的には「マンフレッド」序曲のみが演奏されることが多いらしい。
冒頭、「そっふぁっみっ」という、印象的な弦の和音から始まる。
で、この序曲集を聴いていると、シューマンの曲って、なんだか唐突に始まるなぁ。って思う。
ワタシ的勝手なイメージなのだが、ホント突然に始まって、勝手に盛り上がって、すーっと消えるように去っていく感じがする。まるで風のように気まぐれで、よくワカラン方なのだ。

特に、このマンフレッドは、最初の音に、パンチが効いて、そのあと、ふわーっとしたフレーズがゆるゆる〜と続き、で、また唐突に、怒濤のように流れていく。
序奏っていうのが、このモワモワっとした、ウツウツとした緩やかなフレーズなのだが、「しぃ〜〜 どぉ〜 どぉ〜 しぃ〜らぁ〜」「みしそ そふぁ〜 らぁ〜みぃ そふぁ〜」「しぃ〜 どぉ みしそ そふぁ〜らぁ〜」
と、すすり泣くような、悲痛なフレーズで、ため息を、ずーっと引きずった感覚に陥ってしまう。
はぁ・・・。仕事疲れで、まいっている時に聴く楽曲ではないですねえ。

で、「れぇぇ〜 どみ れど しっし〜っら〜ら そ らしど らし どれみれど・・・」と続いて、怒濤のフレーズが流れていく。
疾風感はあるし、渦巻く、んた〜った たたーっ。と不安な心境を表すシンコペーションが続く。
「れれぇ〜ど そらしど しらっどぉ〜」「しっ しぃ〜ら そらしど らどぉ〜」

ヴィルトナー盤は、ちょっと、アクセントの付け方が中途半端っていうか、強く鳴って欲しい弦のフレーズが埋もれているような感じがする。
難しいんだよなあ。この曲って。聴く方も、なーんか釈然としないのだ。
つかみどころが無いって言うか、単にワタシとの相性が悪いだけかもしれないが、するっと流して聴く分には良いのだが、真剣に聴こうとすると、う〜ん。和音の終わり方も、へぇ〜?
複雑なフレーズが、頭んなかで混乱した感じがして、どうも、スカッとしないんである。
それがシューマンの良さだよ。と言われちゃうと、そこで終了っ。しちゃうんですけどね。

「っん たーった たららったら らぁ〜」「みそっ みっ みそみっ・・・」
「そふぁっ らっみ〜 しっそみっ そふぁ らっみ しっそみっ みっどらっ しそっみっ・・・」
素っ気ないぐらいに、快速で飛ばして、ちょっとアラっぽいかなあ。
ホントは、もっと、カチっと鳴らした方が良いように思う。前倒し傾向にあって、チャカチャカ〜っと鳴っているのだが、残響で誤魔化しているでしょ。って言いたくなってしまうところもある。
付点リズムの処理が、イマイチ語尾が、不安な要素を醸し出すというよりは、なんか投げやり的で、音を放り出しているような感じを受けちゃう。
まあ、フレージングが、丁寧ではないのだが、最初に聴くには、聴きやすい方だと思う。 これぐらい、ちょっと素っ気なく、飛ばしちゃった方が良いのかもしれないなあ。
根気が無くなって、もういいやん。途中から、雰囲気だけで聴こうぜ。と、思ったりもするから。(苦笑)
この前、ジュリーニ盤(ロスフィル)を聴いたのだが、テンポ遅めに丁寧で、リズムもキッチリ刻まれているのだが、なーんか最後になっていくと、シツコクなって、うぷぷっ。と、なってしまったもので〜 こんな感想になってしまいました。スミマセン。

ティーレマン フィルハーモニア管弦楽団 1996年
Christian Thielemann
Philharmonia Orchestra of London



録音状態はまずまず。ちょっと、ぼんやり〜 もわっとしている感じだ。
カップリング:
1 シューマン マンフレッド序曲
2〜4 シューマン 4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック
5〜8 シューマン 交響曲第2番
シューマンの「マンフレッド」序曲は、普段、序曲しか聴く機会がないのではないだろうか。
本来は、オペラなのだが、演奏会で、序曲だけ聴いたように記憶する。
へぇ〜 シューマンって歌劇も作っていたんだ。と、驚いたのだが〜 正式には歌劇ではないようで、劇付随音楽って言うのだろうか、独唱・合唱とオーケストラのための劇音楽らしい。
序曲と15場面からなっているらしいが、全曲版っていうCDは、あまり見あたらない。

アルプス山脈のユングフラウの城郭を舞台にマンフレッドと魔女、聖霊たちの形而上学的対話が展開されるらしいが、どうも、かなり哲学的な感じがするストーリーである。
高尚な世界で、まるで禅問答をしているような、ファウストに近いモノがあるな〜という感じだ。
西洋哲学、文学、美術など、西洋の文化に触れると、まあー避けて通れない世界だとは思うのだが、素人のワタシには、昔っから、何度聴いても、なーんか、さっぱり。
シューマン独特の、なーんとも言えない、まどろっこしい逡巡するような言い回しが苦手で、どうも、わかりづらい楽曲である。
ティーレマン盤を聴いても、どうも釈然としないというか、もやもや、弦のフレージング、ティンパニーの響きが、もわっとしているように思う。バレンボイム盤は、とっても元気で、ダイナミックだったのだが、また、この元気すぎるというのも、雰囲気に合わないようだし、アハハ、なんだか中途半端なのである。
まずまず、ダイナミックに演奏されているんですが、ヌケがいまいちで、 実は、何度か繰り返して聴いたのだが、集中できないまま終わってしまって、気がつけば次の曲であるコンツェルトシュテュックの冒頭ホルンのフレーズが始まってしまっているという・・・なんとも、お恥ずかしい限り。

で、チャイコフスキーは、これを同じ題材、バイロンの詩劇「マンフレッド」で、交響曲っていうのを作っているのだが、チャイコの作品も壮大で〜 長いんです。ワタシ的には、長すぎて、ちょっぴり飽きて、うーん。疲れちゃう。
チャイコフスキーは、どちらかというと甘めで壮大な絵巻を、ストーリーに沿って4楽章に仕立ててあるのだが、シューマンは、15場面に仕上げているってことになるようだ。

登場人物が、マンフレッド、アルプスに住む魔女、ペルシャの邪神アリマニーズ、復讐の女神ネメシス、アスターティの亡霊等が多数いるわけだし、う〜ん。ワタシにとっては、これは活字で、本で読みましょうよ。というのがホンネ。
音楽と哲学や思想との融合、美術分野とのコラボなどは、確かに素晴らしいことだが、音楽だけでは、どーも、やっぱり無理があるんじゃないのかなぁ。収まりきらないストーリーを音楽に持ち込んで、題材で満腹しちゃった〜という感じがする。
いくら面白い映画でも、2時間ちょっとが限界なように、詰めこまれても〜
う〜ん。弱ったな〜 困っちゃったなあ。
個人的には、なるべくコンパクトな、交響詩サイズぐらいでしょう。そういう意味では、シューマンの当マンフレッド序曲は、失礼ながら〜 手頃なサイズだと思っているのだが、でも、やっぱわかりづらい。
1964年 クーベリック ベルリン・フィル  
1977年 バレンボイム シカゴ交響楽団 ★★★★
1981年 ジュリーニ ロサンジェルス・フィル  
1992年 ヨハネス・ヴィルトナー  ポーランド国立放送交響楽団 NAXOS ★★★
1996年 ティーレマン フィルハーモニア管弦楽団 ★★★
所有盤を整理中です。

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