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シベリウス 交響詩「タピオラ」
Sibelius: Tone Poems"Tapiola"


シベリウスの交響詩「タピオラ」(作品112)は、1925年に完成された曲で、シベリウス60歳頃の作品です。
シベリウスは90歳を超えての長寿だったのですが、1923年の交響曲6番、24年の7番、25年のこのタピオラを作曲されて以降は、主だった作品は、なぜか書いておられません。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

交響詩「タピオラ」は、交響曲第6番、7番と、ほぼ同時期に作曲され、緻密な構成と完成度から、シベリウスの交響詩の最高傑作とされています。
タピオラとは、フィンランドを代表する叙事詩「カレワラ」に登場する、森の神タピオの領土という意味です。
ただし、この神は、「カレワラ」のなかに直接登場するわけではなく、呪いや呼びかけの対象としてのみの存在です。
したがって、「タピオラ」は、「4つの伝説曲」、「ポホヨラの娘」のように「カレワラ」中の物語を表現した作品ではなく、より抽象的な、フィンランドの森の雰囲気を表現した作品とみるべきとのこと。

出版譜には、ドイツ語・英語・フランス語で、4行の散文が掲げられているそうです。
Wide-spread they stand, the Northland's dusky forests,
Ancient, mysterious, brooding savage dreams;
Within them dwells the Forest's mighty God,
And wood-sprites in the gloom weave magic secrets.

冒頭に提示される「森の主題」は、装飾音を除いて4度の音程内を行き来する単純なモティーフです。
それが、音程を変えて何十回も繰りかえされ、次いで、フルートで奏でられる「タピオの主題」も、やや長いものではあるが、音程の変化は少ないもの。
この2つの主題と、その派生形により進行し、途中、「タピオの主題」から派生した「タピオの副主題」が、金管と打楽器によって強奏されるのが、クライマックスで、神の一撃のような効果をもたらすもの。
最後は、弦楽器の荘厳な和音により静かに曲を閉じます。
約18分〜20分程度の小品で、抽象的で神秘的で、森に神が宿るかのような雰囲気のする楽曲です。

アレクサンダー・ギブソン スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 1977年
Alexander Gibson
Scottish National Orchestra

う〜ん。どうだろ

録音状態は残響が多めで、お風呂場的に聞こえる。演奏時間は短いのだが、緩く感じられてしまう。
← シベリウス交響詩全集と銘打たれた2枚組BOX レンミンカイネン組曲(4つの伝説曲)は、収録されていない。
ディスク1
1 交響詩「エン・サガ」(伝説)
2 交響詩「ルオンノタル」(大気の精) ソプラノ:フィリス・ブリン=ジュルソン Phyllis Bryn-Julson
3 交響詩「フィンランディア」
4 交響詩「春の詩」
5 交響詩「吟遊詩人」
6 交響詩「森の精」

ディスク2
1 交響詩「ポヒョラの娘」
2 交響詩「夜の騎行と日の出」
3 交響詩「大洋の女神」
4 交響詩「タピオラ」

シベリウスの交響詩全集ということなのだが、レンミンカイネン組曲(4つの伝説曲)が収録されておらず、有名な、トゥオネラの白鳥がない。
最高傑作とされる交響詩「タピオラ」を聴いてみたのだが、生暖かい雰囲気がしている。
冒頭、ティンパニーが叩かれ、「どぉ〜 しどれど どどぉ〜しぃ〜 みぃ〜 どぉ〜 しどれ れど どどぉ〜しぃ〜 らぁ〜」というフレーズが繰り返される。
録音の関係なのか、ちょっと録音されたのが1977年であり、シャンドスなので、ちょっと残響が多め。 お風呂場的だ。
タピオラを聴く前に、交響詩「フィンランディア」を聴いたのだが、なんとも〜迫力の欠けた、ぶよぶよした音に聞こえて、とても残念に思ってしまった。
この楽曲も、う〜ん。この生暖かい、うすぼんやりした演奏が良いのかどうか。これは好みが分かれそうだ。
弦の渦巻くような 「どぉ〜 しどれ れど どど どぉ〜」「みぃ〜 れみふぁみ みみぃ〜れどぉ〜」
この弦のフレーズには、キレがあって、素速い。

「どぉ〜しどれど どど  みぃ〜 れみふぁみみ れどぉ〜」 
木管が入ってくると、ふわーっとした空気感が、余計に感じられてくる。とても、柔らかな空気に包まれた幻想的な雰囲気があり、あさぼらけ〜というような、春の薄曇りの世界のようだ。
ギブソン盤で聴くと、凍りつくような世界、凜とした冷たい空気感の漂う世界ではなく、ぼわ〜んとした幻想の世界が広がっている。
で、意外と速い。テンポが速くて〜 CDのブックレットを拝見すると15分39秒というクレジットになっている。
ヴァンスカ盤は17分22秒、オラモ盤は15分43秒なので、A・ギブソン盤は、それよりも速いってわけでだ。あらま。
それでも、ゆったりした感があるのは、録音のせいなのだろうか、鋭さがなく、緩い。
後半、 鋭い咆吼が鳴るのだが、低弦の響きが籠もっているので、アフリカの大地で動物が咆吼しているみたいで・・・。
なんだかなあ。ワタシのイメージしている世界は、広がってこなかった。
それでも、幻想的な雰囲気はあるし、ラストの弦の入り乱れた旋律と不協和音は、切迫感があり良かったのだが。
しかし、総体的には、もっと張り詰めた、無駄を削ぎ落とした、もっと、キリキリとした空気感が欲しい。

ヴァンスカ ラハティ 1997年
Osmo Vanska,
Lahti Symphony Orchestrar

ほぉ〜良いヤン

録音状態は極めて良い。音のパワースポットという感じがする。
もしかしたら、霊感が宿るかもしれない・・・。(笑)
カップリング:シベリウス 交響曲第6番、7番、交響詩「タピオラ」
冒頭、「どぉ〜 しどれど どどぉ〜しぃ〜」というフレーズが繰り返される。
ヴァンスカ盤は、とても録音状態が良く、透明感があり、金管や木管のフレーズが発した残響が美しい。
また、よく通る音が、ずーっと続く。
弦の渦巻くような 「どぉ〜 しどれ れど どど どぉ〜」
「みぃ〜 れみふぁみ みみぃ〜れどぉ〜」 というフレーズの合間が、ふっと音が消えるのだが、とても緊張感がある。
この神秘性は、精霊が息づいているかのようでもあり、大きく息を吸って吐いたときの、なんとも言えない、ふわっとした安堵感を生む。
このフレーズを繰り返すなかで、空気が段々と暖められるかのようでもあり、深く沈んで、さらに、鎮静化してくようでもあり、命を生み出し、何かを蘇らせるような前触れを感じさせるようでもある。
このイメージは、人それぞれに違うかもしれないが・・・ まず、感じなければ〜と訴えてくるようでもある。

森林のなかで、動くものが見えてきそうな細かい木管フレーズが登場する。
とても感覚的に研ぎ澄まされるヴァンスカ盤の演奏で、静けさを感じながらも、どこか、沸き立つものがある。
オラモ盤で聴くと、まるで蜃気楼のような空気感があり、靄のような期待を感じた。
ヴァンスカ盤でも、同様に、ぬくもり感があり、穏やかな気持ちになれるが、少し静かで、ヒンヤリ感がある。
ふわーっとした空気感は同じだが、なめらかに滑るように、フレージングが柔らかく描かれている。

鋭い咆吼が鳴って、何かが瞬間に生まれたような・・・ そんな、光輝く瞬間がある。
鋭く、嶮しく、巨大な生き物のようでもあり、偉大なるパワーのようでもある。歴史的な建造物で感じられる、神秘な、太古からのパワースポットに立って、朝の日射しを一瞬浴びたような感じだ。
アハハ〜 さしずめ、この楽曲は、音のパワースポットなのだろうか。

で、すっと音が瞬間的に消え・・・ えっ と思わせておいて、弦が、不気味な空気を奏で、軋んだ音が闇に浮かぶ、魔界を見せるかのように、ぱっくりと見せるものの、す〜っと、また消えていく。
ラハティ盤で聴くと、17分22秒の楽曲だが、う〜ん、これは音楽という枠を超えちゃっているかのようだ。ゆったりと演奏されており、 まるで、霊感を感じさせるような音楽というか、自分の目の前で超現象が起こったかのような雰囲気がする。
また、聴き手の第六感をひきだすかのようでもあり、う〜ん、とっても不思議な現象を見たかのような感じだ。

サカリ・オラモ バーミンガム市交響楽団 2003年
Sakari Oramo
City Of Birmingham Symphony Orchestra

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。透明度は高くないのだが、神秘的なふわっとした感覚があり、暖かく包まれるかのような感じがする。
カップリング:シベリウス 交響曲第6番、7番、交響詩「タピオラ」
交響詩「タピオラ」

パパンっ 「どぉ〜 しどれ れど どどぉ〜 しぃ〜」というフレーズが繰り返される。
弦の渦巻くような 「どぉ〜 しどれ れど どど どぉ〜」「みぃ〜 れみふぁみ みみぃ〜れどぉ〜」
フルートでは、「そぉ〜ふぁそ らそ そぉ ふぁ〜みぃ〜」と奏でられるが、これが何度となく繰り返され、とても神秘的な雰囲気が漂う。
木管群のフレーズは、とても短いモノが次々と繰りだされてくる。
楽曲の構成は、う〜ん とても複雑というか、どこが、どう描かれているのか、一筋縄ではいかないようだが、解す必要のないものかもしれない。オラモさんの演奏は、すわーっと風が吹き、ふわーっと蜃気楼のように立ち上がってくる靄のようなものが感じられる。
弦の動きが柔らかく、しなやかだし、ふわっと浮き上がる感じがする。
ティンパニーの叩きは、さほど強烈ではないし、金管も、パワフルではないが、それが良いのかなあ〜 
リズムが出てくるところも、木管の動きと、弦の動きが、ふわふわしてて、ある一種の気体のように動いている感じがする。
フルートの強い吹きも、神の息吹のようで〜 鋭いが柔らかいし、なんかこう〜 神宿りのような曲で、森の精霊たちが、蠢き囁きあって、生きているって感じがする。
最後の柔らかい和音を、すーっと聞いていると、怖いという感じではなく、ぬくもり感があり、穏やかな気持ちになれ、すっと〜腑に落ちた感じになる。オラモ盤は、自然の神秘性を、暖かく、充分感じられるものとなっている。

まあ、この楽曲は、聴いて、どこまで耳を澄ませて、聴けるか、感じられるか・・・ ワタシたち次第って感じだろうか。
シベリウスの楽曲は、人の愛とか、人生を謳うような、人の気配のするような、エモーショナルな楽曲ではないが、ここに来て、う〜ん、とても神秘的で、来るとこまで来ちゃったか〜という感じがしますね。
クレジットでは、15分43分となっている。

1977年 A・ギブソン スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 Chandos ★★
1997年 ヴァンスカ ラハティ交響楽団 BIS ★★★★★
2003年   オラモ バーミンガム市交響楽団 ★★★★
所有盤を整理中です。

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