「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

シベリウス 交響詩「トゥオネラの白鳥」、弦楽合奏曲アンダンテ・フェスティヴォ
Sibelius: Tone Poems


ユハ・カンガス オストロボスニア室内管弦楽団
1993年〜95年

Juha Kangas
Keski-Pohjanmaan Kamariorkesteri
(Ostrobothnian Chamber Orchestra)

録音状態は良い。曲自体静かな曲が集まっているので癒しには、もってこいだが、じっくり聴かないと〜 細身だが瑞々しい室内楽の響きが詰まっている。
原盤はFINLANDIAだが、廉価版のWarner Apexからも販売されている。

シベリウス 弦楽曲集 ユハ・カンガス オストロボスニア室内管弦楽団

1 シベリウス メロドラマ「孤独なシュプール」
2 シベリウス モノドラマ「伯爵夫人の肖像画」
3 シベリウス 劇付随音楽「とかげ」組曲
4 シベリウス プレスト
5 シベリウス アンダンテ・フェスティヴォ
6 シベリウス 組曲「恋人」
7 シベリウス ロマンス
8 シベリウス 田園組曲
9 シベリウス 即興曲
10 シベリウス ヴァイオリンと弦楽のための組曲ニ短調

アンダンテ・フェスティヴォ(祝祭アンダンテ)

シベリウスの管弦楽曲は、たくさんあるのだが〜 交響曲全集にカップリングされたものぐらいしか、ワタシは聴いてこなかった。代表的な曲は、もちろんフィンランディアだけど〜 他にも交響詩も多い。
すぐに思い浮べることのできる曲だけでも、タピオラ、トゥオネラの白鳥、エン・サガ、大洋の女神(波の娘)等、結構、素敵な曲があるのである。
お恥ずかしいことに整理ベタで〜 なかなか取り出して聞く機会が少ないのだが、交響曲とのカップリングだけでも、結構、 交響詩や小品が収録されているのではないだろうか。

さて、このカンザス盤は、弦楽合奏曲ばかりが集められている。
交響詩も聞き込んでいないのに、これらの弦楽合奏は初めての曲ばっかりで、ちょっととまどいもあったけれど聞き進むにつれて、ヒンヤリしてくるし(冬に聴くと一層冷えるのだが 笑)、とっても可愛らしい曲もある。後期の交響曲になると、難しくて、どっか堅物になってくるような気がするシベリウスさんの一面が、垣間見られるようだ。皆さんにご紹介するには、知識不足で、まだまだ聞き込めていないのだが〜 聴いていきたいと思う。

1番目と2番目に収録されているメロドラマ「孤独なシュプール」と、モノドラマ「伯爵夫人の肖像画」は、スウェーデン語の語りが入った曲である。何を言っているのか、さーっぱり解らず 、ちょっと困ってしまったのだが、アンダンテ・フェスティヴォ、組曲「恋人」、ロマンスになると、とってもお薦めである。
特に、アンダンテ・フェスティヴォは、チャイコフスキーの弦楽セレナードが好きな方には、いっぺんに大好きになるような曲だと思う。
澄み切った冬の晴れ間に聴くと、更に、清々しい気分になるのは、間違いなしっ。
弦の動きがキラキラしてて、そこに儚い気分と、淡い夢心が重ねて歌われているようで、す〜っと、走馬燈のように過ぎていく。
「そぉ〜〜 しら〜 そみどれ〜 みふぁ〜みしど〜 しら そらし〜」
「みどら し〜 どれ〜ど そらし〜」
スケートをしているような、トレースを描くようなフレーズと、弾むような爽やかさ、燻し銀のような高音域のヴァイオリンのフレーズが特徴だ。
アンダンテ・フェスティヴォは、「祝祭アンダンテ」という名前でも、クレジットされている盤がある。

なんでも、シベリウスが、1922年、サイナトゥサロ製作所という会社の創立25周年記念の祝賀会で披露するために作曲したらしい。シベリウスの弦楽四重奏曲もあったよな〜と思いながら、この曲を聴いていたのだが、どうやら当初は、弦楽四重奏曲だったらしい。
作曲のきっかけとなった会社は、お菓子の会社だったのかしらん。とイメージしてみたのだが・・・。(笑)
まっ、これは当たっていないだろう。
祝祭ってつくのに、ちーっともフェスティバル雰囲気はなく、涼しげな静かな楽曲である。
ファンファーレでも鳴ってくるのかと思うのだが、派手じゃーないのだ。

それにしても、組曲「恋人」にしても、「ら〜しど し〜らら ふぁらし しどどれ〜  どしら〜 そ〜ふぁふぁ〜」と、弦の美しい調べが流れてくるし、いずれにしても、弦の美しい響きが、たっぷり詰まった盤なので、繰り返し聴いたりBGMにして流しても、すんなり入ってきて、さらりとしてて聞きやすい。
ちなみに、ネーメ・ヤルヴィとエーテボリ響のグラモフォン盤も所有しているが、これはスケールがデカイ。
このカンザス盤は、オストロボスニア室内管弦楽団という室内楽専門のオケらしいので、線が細身だが、それだけに瑞々しい演奏である。

ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 1996年
Neeme Jarvi
Göteborgs symfoniker
Gothenburg Symphony Orchestra)



録音状態は良い。96年の割には、透明度の高い録音ではないし、飛びっきり良い演奏とも言えないのだが、そつなくセットになっている感じ。全体的には、スケールの大きさを感じるものの、なんか1つ足らない気もする。

この盤は、ネーメ・ヤルヴィさんとエーテボリ響のシベリウスの交響詩をはじめとした管弦楽集で、3枚組である。
今をときめく、パーヴォ・ヤルヴィの父、パパの方である。
85年録音のBIS盤もあるので、一部の曲は、再録されていることになる。グラモフォン盤も、これは3枚セットだが、バラ売りもしているため、ワタシの場合、一枚ダブってしまった。
まあ〜 シベリウスの交響曲を除く作品が、交響詩だけじゃなくって管弦楽曲集として、まとまってセットになっているのは、他にあまり見かけないので、安く手に入れることができれば〜 お得セットかもしれない。

アンダンテ・フェスティヴォ(祝祭アンダンテ)

以前、ユハ・カンガス/オストロボスニア室内管弦楽団での演奏を聴いたのだが〜 パパ・ヤルヴィの盤では、室内楽的ではなく、当然、普通のオケなので響きに厚みがある。

「そぉ〜〜 らし ら〜そそ そ みそらら し〜どぉ〜 しらそそ〜 ふぁ〜みみ〜」
「そぉ〜らし ら〜そそ そ みそらら し〜どぉ〜」
「しらそぉ〜 ふぁ〜そそ〜」
「らら〜 し〜 どれ どしし〜 そぉ〜らし らそそ そ〜ふぁ〜そそ〜 ら〜し」
どうも、ワタシの耳は、かなり悪いらしい。カンザス盤とは、音が違うと思ってしまった。
はあ。絶対音感が無いと、こうなるのかぁ〜(涙)
で、フレーズが、どこで切れるのか解らないほど、延々に続くようで〜 フレーズが、自然にグルグル回っている感覚に陥ってしまった。ヤルヴィ盤では、オケの下支えの低弦の響きが、 イマイチ入っておらず、和音としての響きが、いっけん重厚そうに思うのだが、う〜ん。さほどでもない。
低弦の響きが、中途半端な音量になっている。
カンザス盤を聴いた時には、ヤルヴィ盤の方が、スケールがデカイと思っていたのだけど、これは、最後の盛り上がりのところで、ティンパニーのロールが入っているからだと思う。
う〜ん。もっとコントラバスが、しっかり聞こえていたら、また違った感想になっていたかもしれないが。

冒頭のヴァイオリンの響きが綺麗だったので良いなあ〜と思ったのだが、総体的には、さほど透明度の高いモノではないし、フレーズの間合い、フレーズが下ってくるところと、 新しくフレーズが始まるところの微妙な隙間で、ずれている。音が被さってしまっている。
縦糸が、ピシッと合っていないというか、フレーズ最後の語尾が、どうも、てれっとしている感じがするのだ。
テンポは、ゆったりしているし、厚みもあるのに、なーんか緩いなあ。なんだか気持ち悪い。
キレがないというか緊張がないというか、綺麗な和音を形成していない。

静謐さという点では、カンザス盤の方が、もっともっと、氷のような透き通った綺麗さがある。
ホント、この楽曲は静謐さが命だ。
単調と思えるほど、弦を主体にしたフレーズは、まるで、讃美歌のように聞こえる。だから、ゆったり感は持ったままで、ぴしっと襟を正して礼装姿で拝聴したくなるような曲なのだ。(←ワタシの勝手なイメージ)
その点、ヤルヴィ盤は、何度か繰り返して聴くと、やっぱり緩く感じる。
ワタシとは、多少息づかいが違う。息継ぎの間合いが速めで、もうちょっと呼吸が欲しい。
あら探しばっかりしているみたいでゴメンナサイ。でも、この盤は、この楽曲では凡庸かなあと思う。
それにしても、原点の弦楽四重奏曲で聴きたくなる曲だ。
小品だがお薦めの楽曲です。んじゃ、もっと盤を探さないと・・・。


カラヤン ベルリン・フィル 1965年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音された時期が古いので、どうか思ったが、とてもクリアーで巧い。
やっぱり、カラヤン&ベルリン・フィルって、いいな〜って感じる。文句なし。
カップリング:
1〜4 シベリウス 交響曲第5番(65年)
5 シベリウス トゥオネラの白鳥(65年)
6〜9 シベリウス 交響曲第6番(67年)

トゥオネラの白鳥

カラヤンのシベリウスは、無駄のないタイトな演奏で、このベルリン・フィルとの60年代の演奏は、硬い響きと共に無駄が感じられない。交響曲第7番でも感じたのだが、最初に聴くにはどうかとは思うものの他盤と比較すると唸ってしまう。
唸りながらも、引き込まれてしまう凄みがある。
これだけ、無駄のないスリムな響きを聴かされると、さすがに息が詰まってしまうかもしれないが、やっぱり透明度の高さがあり、トゥオネラの白鳥でも、チェロとオーボエのフレーズは、鳥肌ものだと思う。
オーボエのフレーズは、巧いっ 巧すぎ〜っ。1ミリの狂いも許さないって感じの端正な響きだ。わずか8分程度の楽曲だが、表面張力がめいっぱい〜という感じの緊張感がすごく伝わってくる。

このトゥオネラの白鳥は、何を言っても、オーボエでしょう。このソロは、すごい。これにつきる。と、思わず絶賛してしまった。これは、気を引き締めて、息を詰めて聴かないと・・・と感じる。 オーボエとフルートの問いかけというより、こりゃー禅問答でしょ。とは思うんですけどね。
カラヤン盤は、磨き抜かれた芸術品そのものという感じがするし、反発も感じちゃうところもあるが〜 でも、正直なところ、巧いものは巧いっと、思うんです。まるで、凍り付いた湖の表面を、 恐る恐る歩いているかのような、クリスタル系の素敵な白鳥でした。(えっ?) スミマセン、ど素人の感想でした。


アンダンテ・フェスティヴォ(祝祭アンダンテ)
1993〜95年   ユハ・カンガス オストロボスニア室内管弦楽団 Apex ★★★★
1996年 ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 ★★★
トゥオネラの白鳥        
1965年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★★★
所有盤を整理中です。

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