「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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 スメタナ 連作交響詩「わが祖国」
Smetana: Symphonic Poems Má Vlast


スメタナは、1824年生まれのチェコの作曲家です。74年〜79年にかけて作曲された6つの作交響詩「わが祖国」が有名です。特に、第2曲の「ヴルタヴァ」(モルダウ)は、音楽の授業で習った方も多いかもしれません。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
第1曲:ヴィシェフラド「高い城」
 吟遊詩人のハープで始まり、詩人が古の王国の栄枯盛衰を歌うというもの。
第2曲:ヴルタヴァ「モルダウ」
 この曲は、ヴルタヴァ川の流れを描写しています。
第3曲:シャールカ
 シャールカとは、プラハの北東にある谷の名であり、チェコの伝説に登場する勇女の名だそうです。
第4曲:ボヘミアの森と草原から
 チェコの田舎の美しさを描写しており、後半は、国民的舞踊でもあるポルカが盛大に続けられます。
第5曲:ターボル
 この曲と次の「ブラニーク」は、15世紀のフス戦争におけるフス派信徒たちの英雄的な戦いを讃えたもので、ターボルと
 は、南ボヘミア州の古い町で、フス派の重要な拠点であったそうです。ボヘミアにおける宗教改革の先駆者ヤン・フス 
 は、堕落した教会を烈しく非難して破門され、コンスタンツ公会議の決定で焚刑に処せられますが、その信奉者たち
 が、フス戦争を起こします。
第6曲:ブラニーク
 ブラニークは中央ボヘミア州にある山で、フス派の戦士たちが眠っており、また讃美歌に歌われる聖ヴァーツラフの率い
 る戦士が眠るという伝説もあります。「ターボル」にも使われたフス教徒の讃美歌「汝ら神の戦士」が高らかに響き連作
 の最後を飾ります。

前半は風景を描写していますが、後半は宗教戦争の歴史を描くため、とても熱く、苛烈な楽曲でもあります。モルダウだけを聴くというのではなく、やはりチェコの歴史的背景を、熱く聴いていただくのがよろしいかと〜思いますが、ワタシ的には、あまり熱すぎて火柱が立つような演奏は、とてもとても・・・恐怖の坩堝に〜陥れられるようで聴けませんっ。

クーベリック ボストン交響楽団 1971年
Rafael Kubelik
Boston Symphony Orchestra

満足っ満足っ

録音状態はとても良い。均整のとれた熱い演奏だ。

やはり、お国モノとしてクーベリック盤が、昔からの名盤として有名である。
で、クーベリックさんが振っているCDは、一般的に、このボストン響、ライブのバイエルン放送交響楽団、90年プラハの春で振ったチェコ・フィルとのライブ盤の3種類の演奏が、甲乙つけがたいとの巷での言われている。

ワタシが、今のところ所有しているのは、このボストン響とバイエルン放送のライブ盤で、一緒に聞き比べをしてないので、どちらが良いか〜とは、なかなか言えない。
が、この71年盤は、録音状態も良く、筋肉質で、引き締まった感じがする。
前半は、自然の風景を、ゆったり〜 穏やかに描いているのだが、後半は、宗教戦争を描いた歴史絵巻ものという感じで、メンタル面で、かなり厳しい楽曲だ。そのため、後半の楽曲は熱い。ホント、長い楽曲で〜約75分なのだ。

昔は、ノイマン盤を聴いて、モルダウに聞き惚れていたのだが、聞き比べに聴いたインバル盤と、スメターチェック盤が、もう恐怖の坩堝〜って感じで、目の前で宗教戦争が勃発したかのごとく描かれており、その演奏が、トラウマとなっている。
軟弱モノのワタシは、まあ、そうそう頻繁には〜この曲は聴けません。
久々に、ボストン響のクーベリック盤を聴いたのだが、鳥肌を立てて〜 関西風に言うと「サブイボ」を立てて、ぞぞーっとすると、いうまでには至らないし、繰り返し聞ける盤ではあるのですが、しかし、やっぱ〜ちょっと・・・。
2回程度聴いただけで、ホント疲れたので、詳細な感想は書けません。すみません。

周りを海に囲まれた我が国は、美しい自然もあり、歴史的に宗教戦争が行われていないように思いますが、やっぱり大国に囲まれた国は凄まじい。特に宗教が絡むと、えげつない〜っ。のだろうと、想像を遙かに絶する感じがします。
で、当盤は、初めて聴くには、静かに、適度に、愛国心に燃えている〜と感じると思います。
まあ、抑制の効いた熱い演奏で、初めて聴くのには、お薦めです。
録音状態は、71年とは思えないほど良く、特に、金管の音色が美しく、奥行きもたっぷりしていますし、宗教的な和音が、美しく響き渡ります。
また、熱く、燃えて燃えて、もえあがる〜っという、破綻しかけているようなアブナイ演奏ではないし、静かに燃える演奏だと言えるかと・・・美しくバランスのとれた演奏です。で、昔っから、名盤とされているものです。
最近も、リマスタリングされた盤が発売されているようです。


0420

スメターチェック チェコ・フィル 1980年
Václav Smetáček
Ceska filharmonie
(Czech Philharmonic Orchestra)

ひぇーぇぇ〜

録音状態は良い。少しこもった感じもするが、お酒で例えると、端麗辛口。すこぶるシンプルな表現で、さっぱりしているが、ひえ〜というほど精緻極まりない。なんていうのか、余計なモノは足さない式で、計算され尽くしており、控えめながら熱いし歌う。隙がなさすぎて窮屈だが、思わず息をのんでしまう超絶的な演奏である。

1 ヴィシェフラド(高い城)
ハープから始まる冒頭のテンポは、ゆったりめ。
弦と木管のバランス、精緻なアンサンブル。ホルン、木管の響き、そして、弦があわさってきた時の少しくすんだ音色を聴いて、渋いな〜っと感じる。 木管のフレーズが丁寧で、清潔で、巧い。
ハモっているのが心地良く、アンサンブルの良さを感じる。 低弦の響きは充分あるし、地を這うような、タイトで、太めのうねりが生じている。
「どど どっふぁ〜みどぉ〜ふぁ〜みど れ〜どらっ れ〜どらっ ど〜しらそ」
金管の音は横に広がっていくし、アクセントも強めだが、こりゃアク強そう。と思いつつ、金管のアンサンブルも精緻が、和音も綺麗に決まっているし、シンプルなフレーズなのだが、 黒光りした美しさを放つ。
「ふぁ〜どぉ ふぁ〜どぉ」 1音目のアクセントが強ったり、語尾が強かったりしているし、1音1音、硬く、噛みしめて演奏しているところもある。
ジャーンっと裏でシンバルは、めちゃ派手に鳴っていたりするが、しかし、このオケの音色が渋いんで〜 少々派手になっていても、さほど気にならない。なにせ、口調がハッキリしているので、こりゃ、強いわぁ。 特に、弦部が気持ちよいほど硬めだ。
録音状態はクリアだとは言い難く、少し曇りを感じるのだが、いや〜 この迫力のある押し出しの強い演奏を聴き始めると、そんなことは、ぶっとんでしまう。

特に、弦の響きが渋く、強い。低弦が奥の方で呻いており、結構、立体感も出ている。
ヴァイオリンが「ふぁっ そ〜ふぁ ふぁっし〜 そ〜ふぁ」と、擦れた声でカシカシと鳴っているところを聴くと、弓の引き方が強いのか、がっ〜っと、火花が出ているようなパワーを感じる。 ティンパニーもパワー炸裂、怖い叩き方だし、序奏の部分だけでも相当に圧倒される。
畳みかけてくるスピードもあるし、ひぃ〜 こりゃ大変だわ。 こりゃ、最後まで楷書体でキッチリした明確さと、硬い鋼が続くのだろうな〜と、覚悟を決めることになる。
で、硬いかと思ったら、この楽章最後は、かなり歌っており、のびがたっぷりあるのだ。 行間もたっぷりあって、おもわせぶりなこと、このうえない。
「らしど みれど みれど れみふぁ〜 そふぁみ そふぁみ ふぁそら そふぁみ そふぁみ」
「ふぁそら しらそ しらそ ふぁみど れどし れどし〜 どれみ れどし れどし どれみ」と、のぼって頂点を極める。
ひ〜 この力強さ、他を寄せ付けない弦の響き、そのアンサンブルのみごとさ。
そのくせ、歌っているのである。う〜ん。すごい。どーなってるんだ。どーしたら、こんな演奏になるのだろう。
「どっふぁ〜 みど〜 (ハープ) らっれ〜 どら〜(ハープ)」
もう1曲目から圧巻で、首根っこを押さえつけられ、あっけにとられて終わる。
げっ カロリー消費度の高い演奏で、ヘトヘト。 スメターチェク盤の「高い城」は、堅牢このうえなく、断崖絶壁に建っているような、仰ぎ見て絶句するような、難攻不落の城塞って感じのヴィシェフラド(高い城)なのだ。

2 ヴルタヴァ(モルダウ)
初めはフルートが軽やかに、例のフレーズを奏でる。 まあ、隙がないっていうか、窮屈すぎるほどのアンサンブルで、速めのフレージングで、優美という言葉は無用です。って感じ。
もう少し余裕があっても宜しいのデワ?と思うほど、キチンとしてて、ハープの弾いた音は硬いし、ピンっとタイトな響きで、血が飛び出しそう。
渦巻きになったフレーズが、窮屈なほどにクルクルと動く。ひぇ〜 こんなモルダウ初めて聴いた。
目が回るほどリズミカルで、鳴門の渦潮のようなモルダウで、渦に引きこまれて窒息しちゃいそう。

3 シャールカ
「れっ らどぉ〜しらっ どみ〜れどしらっ れそぉ〜 ふぁっ しぃ〜」
冒頭から、悲鳴をあげてて、カシカシっと、メチャ歯切れよく、弦が弾かれている。
カチカチの演奏で、硬い、硬いっ。表情が厳つく無駄のない、もう少し優美でも、余裕があっても宜しいのデワ。と、またまた言いたくなるような、神経質なほどカッチリした構築性の高い演奏である。
「みみ ら〜 どしらっ みみ〜 ら どしらっ」 まるで軍隊調のフレーズで、軍隊が行進していくような格調の高さと、一糸乱れぬ、よそ見ダメ的なアンサンブルだ。
そのくせ、木管 クラリネットだと思うけれど、また、チェロの甘いが、とっても渋い音質が入ってくる。
まあ、叙情性とは無縁のような演奏だが、熱いし、歌うんだよなあ。
あーっ 昔気質のおじさま風で、まるで、高倉健さんのようだ。笑いもしないが、怒りもせず、背中で泣いているっ。って感じの雰囲気なのだ。う〜 これは、ちゃっちい演奏じゃーないです。
思わず泣けてくるほど渋い。

4 ボヘミアの森と草原から
「らぁ〜 みれみ どれみ どれみ みれみ どれみ・・・」
弦の揺れるフレーズと、「らー ふぁ〜っ」という金管のフレーズが、双方に絡みつきながら、澄み切った鋭利な刃物のように、鋭く奏でられている。
インバル盤は、この冒頭のフレーズは、地獄の釜が開いたように熱っぽく、ぐらぐらしていた。
籠もった熱気の熱帯雨林のような世界だったのだが、スメターチェックさんの演奏は、暗くてタイトだ。
でも、サッパリした演奏で、すぐに、フルートが鳥の鳴き声のように天上の響きに近いモノとなって、超高音域の弦のフレーズは、ひぇ〜というほど、澄み切った音を出してくる。
ホルンの有名なフレーズ 「れぇ そぉ〜そ らそらそぉ〜 れ ら〜しどれ らぁ〜 れ そぉそらそら し〜どしら そぉ〜そ・・・」というフレーズは、とっても柔らかい。
で、ホルンだけでなく、弦の響きも、キチンと入ってくるし、幻想的なフレーズと化している。
スタイリッシュで、民族的なフレーズではなく、キチンとした襟の立った都会的な雰囲気も持ち合わせており、硬質的だ。でも、熱っぽく、柔らかく、朗々と歌いあげていくんである。
まるで、白黒映画を見ているようで、蝶ネクタイをした堅物の校長先生が、生徒を前に、説教しているかのようで、明治時代の斉唱風だ。う〜 時代がかりすぎるけれど、立派っ。

5 ターボル
「み〜〜 みみみっ〜みぃ〜  みみみっ〜みぃ〜」
スメタナのわが祖国 ほんと、国土が荒れてたんだね〜という凄い世界でありまして、柔らかいモルダウのイメージなんぞ、ぶっ飛びなんですが。
スメターチェック盤も、このターボルは、ぶっとい金管がガッチと演奏されてて、とても硬いんである。
開放的な、色彩の明るい金管とは、まったくご縁がなく、暗くて硬くて、ガッチガチ。
凍った直線的な、息の詰まるような演奏だ。
ティンパニーが、また、バンバンバンっ。と硬く叩かれてて、ただごとではないっ!
「みっどっどぁ〜 らっっふぁふぁふぁ〜 みどっどぉ〜し しぃ〜 らぁ〜らぁ ごろごろごろ〜」
弦のアンサンブルは、ホント一糸乱れず、ゴリゴリ鳴り響く。
「れしっし〜 れしっし〜 れしっし〜」 ← いったい、このフレーズは、何度繰り返されるのだ。
超硬いっ。耳に突き刺さるかのような、「みどっどぉ〜」
確かに和音は美しいし、ゴシック式の教会のように聳え立っている。
それにしても、スメターチェック盤で聴くと、神さまは、特段怒っているわけではないのだが、畏れて、ひれ伏したくなるのだ。
感情が無いに等しい世界というか、近寄りがたさがある。そう、超絶とした、宗教的世界って感じ。

6 ブラニーク
「そみみ〜み〜 そみみ〜み〜 そみみ〜み そみ〜み〜 どら ふぁっふぁ・・・」
力強いフレージングで、息を呑み込んでしまった。
硬いけれど、しなやかさがあり、ふわっとした余韻もそこそこにある。
キレがあって、チャッチャッチャ・・・と、音を刻んでいく。弦のうえに、木管が、そろっと寄り添っていく。
軍隊調の硬さという感じではないけれど、それでも、硬くて統制のとれた音だ。
静まったのちに、弦と木管が、美しい讃美歌を元にしたフレーズを描くのだが、オーボエの硬さと、ツーンとした響きが、とても痛々しい。
平和というよりは、救済の世界だろうな〜という、痛みを堪えたあとの、一瞬の神秘的なフレーズだ、
余韻のただよう、ふわっとした世界ではなく、巨大な宗教絵画を見ているような感じで、突き刺さるモノがありながら、あぁ〜っとため息をつきつつ、解き放たれる。

セカセカした主題が出てきて、弦が、タタタ タタタ タタタ タタタ・・・。と繰り返す。
そこに金管が、ところどころ合わさってきて、そして、同じように、パパパ パパパ・・・
「そそそ ららら そそそ ららら・・・」と繰り返していく。
「れぇ〜ふぁそらぁ〜ふぁ れれれ み どぉ〜」
「そぉ〜しどれぇ〜し そそそら しらぁ〜」
いいですねえ。この教会フレーズは、豊かな気持ちに切り替わる。
最後は、コラールのフレーズが、荘厳に奏でられて、魂が救済されていく感じがする。 ひとことで言っちゃうと、とても凄い演奏です。熱狂的に盛り上がっていくワケではないのだが、キチンと統制の取れた、すごい緊張感のある演奏で、窮屈極まりない。 しかし、歴史的な重みがあるというか、格式の高い、とってもノーブルな演奏で、燕尾服を着て聴かないとイケナイような。そんな雰囲気だ。
ハハハ〜 すごく格式のたかい荘厳さを持っている演奏である。
あまり、聴くことを強いないのだが、呑み込まれてしまって〜 最後は、立派な教会のなかで、儀式に臨んでいるかのような雰囲気があり、そして、立派な方に救済していただきました〜という凄いっ。演奏です。

ちなみに、原盤はスプラフォン、1984年の日本コロムビアが製造・発売元の国内盤である。
3800円って書いてあった。うわっ。メチャ高価な時代のCDだ。で、日本語、英語、ドイツ語、チェコ語らしき4ヶ国語表記の説明書付きのCDである。

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インバル フランクフルト放送交響楽団 1988年
Eliahu Inbal  Radio Sinfonieorchester Frankfurt
(hr-Sinfonieorchester、Frankfurt Radio-Symphony Orchestra)

ひぇーぇぇ〜   倒れました。

録音状態は良いのか悪いのか。最初はこもっている感じがするのだが、途中からド迫力になっていく。かなりストーリー性の高い演奏で、劇的で、ねっばっこく、どろ〜っとしており、血を血を洗うかのような、グロテスクで熱い演奏。
今まで、のんびり聴いてたが、こんな楽曲だったとは・・・。絶句っ。

1 ヴィシェフラド(高い城)
ハープ 「どふぁ〜みど ど〜(ぱららら〜) られ どらぁ〜(ぱららら〜) ふぁら ど〜(ぱららら〜」
インバル盤は、ものすごく遅い。ゆったり、ゆったり ハープのところだけでなく、ホルンの旋律も、ゆったり。
う〜ん。初めはなんと遅いのだろう。と思ったのだが、この調子に終始やられてしまう。
昔、昔、あるところに・・・という語り口調で、始まる昔話を聞くような感じで、この冒頭だけで、中世時代の茶色い古ぼけた城をイメージさせられてしまった。
完全に、タイムトリップしちゃんだよな。このハープで。
録音状態は、少しこもり気味。で、奥の方からハープが聞こえてくる。
弦のボーイングも、ちょっと緩めに聞こえるし、ホルンも、まったりした響きで、緩い。
「どぉっ ふぁぁ〜みどぉ。ふぁぁ〜みどぉ。れぇ〜どら れぇ〜どら どぉ〜しらそぉ らしらしどれぇ〜」
フレーズが、緩めで、この世のモノとは思えないほど、輪郭がないというか、影がないというか。
間合いが長いというか、ゆらめいているというか、幻影的に響いている。これが凄い。

で、なんとなーく、インバル盤では、暗くて、ちょっと陰気で、じめっとしてて〜
領地争いの戦いがあって、血が流れて、専制君主がいて圧政に苦しめられて〜ってな感じで、おどろおどろしい話も1つぐらい聞かされるんじゃないか。という感じが漂ってくる。
まあ、あくまでもイメージなんですけどね。でも、この緩めっていうのが、この楽曲だと効果的に聞こえる。
弦や木管が、細かく動く場面でも、なんだかフワフワしてて。
吟遊詩人が、蜻蛉のように語っているというか、城自体も蜻蛉のように見えてくるようだ。
「れっ ふぁら〜 そ〜ふぁ れっ ふぁら〜 そ〜ふぁ ふぁられ〜 そ〜ふぁ」
「どっふぁ〜みら〜 れ〜ど どっふぁ〜みら〜 れ〜ど れ〜どふぁら〜そ らみふぁそらそらし〜どっ!」
普通なら、高らかに歌いあげていくフレーズも、なんだかスカッとしてない。
「らしどし らしどし らっ〜そ〜ふぁれ〜 そ〜ふぁれ  どれみれ どれみれ そ〜ふぁれ」
えっ 壮大に盛り上げていくところだと思うんだが、拍子抜けしそうなぐらい腰が無い。

え〜 こんなん城じゃないやん。と言いたくなるほどなのだが、そのうち、メチャ、金管やシンバルは、派手に鳴ってくる。
ひ〜っ、夢か幻かと思っていたのが、どうやら争いをイメージしているらしい。
で、結構悲愴な戦いのようで、大変だったようだ。一節が終わると、抜け殻のように弱ってしまう。
弱音過ぎて聞き取れないほどに、衰弱。
再度、冒頭の主題が戻ってくる。この時のフレーズは、また弱々しく〜 儚げで、夢幻のように美しいっ。
「れどし れどし〜どれみ ふぁみれふぁみれ そらし・・・」
「どっ ふぁ〜みみどっ (ぱららら〜) らっれ〜どら〜(ぱっららら〜)
「ふぁ〜 れ〜  ふぁ〜 どしら〜」
音が、空中に散ってしまった感じで、消えてしまう。
で、また弦が戻ってきて、ホルンが鳴って、ハープが鳴って、ティンパニーが連打され、しずかーに終わる。
う〜ん。こりゃ〜やられたなあ。これは、かなり、ストーリー性を感じさせる1楽章になっている。
幻想的でもあり、リアル感も取り入れた歴史絵巻風にもなっており、イメージを膨らませてくれる。
ここだけでも、聴く価値あると思う。

2 ヴルタヴァ(モルダウ)
初めはフルートが軽やかに、例のフレーズを奏でる。ハープのはじいた音がアクセントになっている。
ちょっと速めだが、2本のフルートが巧い。チェロの甘いフレーズも、幾分速めで揺れている。
弦が入ってくると、緩やかに変わる。ささやきのような弦のフレーズが巧い。
低弦の響きが、重りとなって揺れてくる。ちょっと短めのフレーズに仕上げていて、テレテレとはしていない。
ティンパニーの連打も、よく響いている。ホルンの響きは、合いの手のフレーズが鳴っているのが良くわかるし、柔らかく響いている。
楽章の中間部分 「ふぁふぁ ふぁふぁ どどどど どししみ みれれど しれれみっ みれれ〜」
ちょっと速めにテンポがあがる。
層の厚さがあるわけではないのに、わりと立体的には聞こえてくるし、さほど録音状態も良くないのに、う〜ん。わりと聴かせてくれると思う。見通しは良い。特に木管のフレーズが、綺麗に聞こえてくる。
音色は、濃厚でも薄味でもなく、渋く、暗く、光っている。
インバル盤は、冒頭は清楚だが悲しげなモルダウで、楽章最後は、怒り狂うモルダウになっている。

3 シャールカ
「どっ らど〜しら ど〜みれどっしら ら〜そ ふぁっ し〜 らそふぁみれ どしら・・・」
冒頭から、いきなり悲鳴をあげて、しゃかりきに鳴ってくる。
チューバとトロンボーンの響きがごつい。ティンパニーもセカセカと叩いている。
キレが良いというのではなく、どどどっ〜っと、どろっとした音の出し方で、弦が粘っこい。金管も。
で、ティンパニーのロールで煽っている感じがする。
これで、録音が良かったら、どうなのだろう。録音がなあイマイチだ。
で、いったん嵐が静まり 「み〜み れどしら そふぁ〜 しどふぁ〜 みしどふぁ〜」と弦が美しいフレーズを奏でるのだが、頂点で、フルートの「ぴーっ!」という音色が。うぐっ。
「みっ ら どしら みっ ら どしら そっ ど みれど・・・」
この間にトライアングルが入って、チンチンと鳴っている。
「う〜 パッパパ」 クラリネットのねっちっこいフレーズ。チェロの悲しいフレーズ。
「れ〜 みふぁ〜 そ〜ら〜みそふぁ そ〜らどし みらそ そふぁ〜」
「そら〜どし ど〜れ れ〜 ふぁそっれ〜 ふぁみみ〜 れど〜しら〜れ どしらそ」
「れ〜 どしみれれ〜 どれど どれみふぁそ〜 ふぁ〜し〜し〜どらそふぁみれどしそれど・・・」
かなり歌い。もりあげて歌い込んでくる。
う〜ん。インバルの歌かあ。渋いけれど歌っているなあ。熱っぽい。こりゃ宴会シーンなのだな。
「ふぁふぁふぁ ふぁふぁふぁ〜 らっしっ らっし らっれ らっれ!」
また、更にヒートアップ 低弦がゴリゴリ鳴って、迫力もあり、みっし みっし・・・とシコを踏んでくる。
音色は悪いし、音の響きも悪いが、熱っぽく唸りながら、メッチャ暗い情念で、嵐のような舞曲を奏でる。
殺戮シーンのようだ。これは怖いっ。
因縁の果たし合いのようで、ぐらぐら〜っと熱き思いが伝わってくる。女性って怖いっ。

4 ボヘミアの森と草原から
「ら〜 みれみ どれみ どれみ らしど しどら・・・ 」
うっ これも、なんとも言えない。
地獄の釜が開いたような、熱っぽく、ぐらぐら〜してる。
「どふぁあ〜 どぉぉ〜 らぁぁぁ〜 ら〜らぁぁ〜 どぉどぉどぉ〜 れぇれぇぇぇ みぃみぃい〜らぁらぁ〜」
火を使った恐ろしい拷問が始まるような雰囲気で、メチャ恐い。
これ、ホントに、ボヘミアの森と草原からってタイトルなんだよねえ。
どろどろ〜 ぐらぐら〜 れれれ〜 青ざめそうな恐怖体験が出来る演奏になっている。
ここのオケの金管の吹き方って、らぁぁぁぁ・・・ぶわぁぁぁぁ〜っと鳴ってくるし、弦が、どれみれみどれみれみどれみ らしどしどらしどしら・・・ ティンパニーも、どろどろどろどろ〜っと鳴ってくるし、う〜ん強烈。
「みー どーれみどー しら しどしらぁ〜」 
「み〜れみふぁみれど どっどど れどれ れっれどし・・・」 ← このフレーズから明るくなる。
木管のフレーズが綺麗に奏でられてくるのだが、だが、ボヘミアの森って、どんな森なんだ。
インバル盤で聴くと、空恐ろしい怖い森で、入ったら出て来られない死の森って感じがする。
冒頭なんぞ、熱帯雨林系だし、灼熱地獄で毒蛇に食われそうな感じだ。
で、木管が登場し、幾分明るくは鳴ってくるが、それでも、湿気ムンムンで、およそボヘミアン〜っと、ノー天気には歌ってられない気分だ。
その続きで、ホルンで「れ〜そ〜 らそらそ〜 れ〜ら〜 しどれら〜」と歌われても、恐怖で、凍り付いちゃって・・・。まっ これは冗談としても、陰鬱で深い黒い森で、牧歌的には歌うが、怖れ多くもかしこくも。
畏怖の念を抱かなければならない状態だ。
総力戦で「れそ〜 らそらそ〜」と歌ってきてくれるが、すかっと抜けた爽快さには至らず。 賛歌として歌っておられるようでもあり、まるで、恐怖政治の軍歌のようでもあり。
ピーヒャラ ピーヒャラ 踊れど言われても、それだけ煽られたら・・・。およよ〜状態である。
狂った舞曲は恐ろしい。背筋が凍って、しゃちこばって拝聴しました。

5 ターボル
「み〜〜 みみみっ〜みぃ〜  みみみっ〜みぃ〜」
怖い演奏のあとに、また、こんな怖い楽曲が続くと思うと・・・ ぞぞぞっ。
今度は、どんな演奏なのだろう。凍ったような姿勢で、このターボルの出だしを耳にする。
「ふぁふぁふぁ〜ふぁ〜 (みみみ み) み〜ふぁれれぇ〜っ」
すごい音量だっ。で、ここから以降、クリアーに聞こえてくるので、更に凍り付く。
「みどどぉ らふぁふぁ れどど らふぁふぁ れしし れしし れっし ふぁふぁふぁ〜 ららら〜ら」
金管とティンパニーがあわさって、おどろおどろしい。
ミュート付きのトランペットだと思うが、遠くから鳴ってくるが、これが、無表情のわりには、昔からの怨念を湧き起こすようで、極めつけは、トロンボーンとティンパニー そしてチューバだ。
ここに、マイクが立ってるんでしょ。
いったんは、穏やかなフレーズが弦と木管で奏でられるが、低弦が、目覚めるようにと揺り起こす。
「れしっし〜 れしっし〜 れしっし〜」 ← いったい、このフレーズを何度奏でるのだ。しつこ〜い。
ここは、オルガンの和音のように響いてくるが、しかし、すげ〜怖い。
「みみみ〜み〜 み〜み〜 みっみみ〜みふぁれれぇ〜」
「みどどぉ〜 みっど〜どどし〜しら(そみふぁ〜)」
恐怖で塊のようになりながらも、オルガンではないくせに、オルガンのように響く金管に圧倒される。
「そぉ〜しどれぇ〜し そそそらふぁ〜ら〜(そふぁそ〜)」
「そしどれ〜し そそそら ふぁ〜」 迫力満点の揺るぎないコラールの和音で、息をのむ。
怖くて畏れながらも、ひぃ〜綺麗すぎるっ。ふわっした感覚なんぞ一切無し。突き詰められた感じ。

主題が変わって、「そそそらふぁ〜 そそそらふぁ〜 そそそら しししど どれれみど〜」
弦のカシャカシャ音と、木管の合いの手と、ティンパニーの音と、金管の急ブレーキと。
また、「ど〜みふぁそ〜み どどどれし〜 どどどれし〜 どどれれみ ふぁふぁそふぁ〜」
ホルンの短い音の持続音のなかで、弦が走り回っていくが、ここは、金管が圧倒的迫力がある。
文句を言わせないほどのスピード感と、緊張感と、錯綜感と・・・
文字通り血みどろ状態に突入っ。
そのくせ、旋律は宗教的な和音という恐ろしい楽曲なのである。頑固で圧倒的な迫力、強い意志力と、何者にも屈しない恐ろしいパワー 「みみみ〜み ふぁれれ〜ふぁ ふぁれれ〜 れれど〜し〜」 6 

6 ブラニーク
前楽章で終わったと思う旋律が、いやいや〜 またまたこの楽章でも登場する。
「そみみ〜み〜 そみみ〜み〜 そみみ〜み そみ〜み〜 どら ふぁ〜ふぁ・・・」
いったん鎮まって、弦と木管が、美しい讃美歌を元にしたフレーズを描く。
それに対して、低弦と金管が、刻みを入れていく。「みみみ〜み らふぁふぁ〜」というフレーズが遠くで鳴っている。まるで、間奏曲のようになっているが、これが最終楽章である。
「ど〜ららふぁふぁ〜そそ〜 どそそ〜 そ〜ど〜 られ〜し そそらら〜」
木管とホルンの平和的なフレーズが聞こえてくる。
ようやく平和が訪れたらしい。ほっ・・・。
しかし、一時休戦だったらしく、また、厳しい弦のフレーズが出てくる。
「ふぁそそれ れみみふぁ ふぁそそれ れみみふぁ・・・」 また慌ただしい気配が漂い初める。
「れれれ みみみ ふぁふぁふぁ・・・」 同じ音型が、長く続く。
「ららら そそそ ふぁふぁふぁ みみみ・・・」
う〜ん 同じ型というのは、すごい畳みかけができるらしく、効果抜群。
インバル盤は、底から起こる突き詰めた勢いがあり、直線的にわき上がってくる。
ホルンとトランペットが、パパパ パパパ・・・ 「そそそ ららら そそそ ららら そそ・・・」
パッセージを吹いているが、そのなかから、ホルンのふわっとした音が聞こえてくる。
「れ〜ふぁそら〜 れ〜ふぁそら〜  れ〜ふぁそら〜ふぁ れれれみ ど・・・」
「そ〜しどれ〜し そそそらしら〜」

ここは、雲の切れ間から太陽が射し込んできたかのような雰囲気だ。
木管が、ようやく平和的な行進曲風を吹いてくる。ホルン・・・ これが最後の決めてらしい。
「そしどれ〜し そそそらふぁ〜 そらしっ そらしっ そらしっ ・・・っ」弾んだフレーズに変わる。
で、最後は、大円団になって終了。キンキン声の木管が聞き苦しいが、熱狂的な演奏として聴けないこともなく。ここまで来たら、圧巻としか言いようがないです。はあ。お疲れ様でした。

インバル盤の場合、モルダウまでは、まだ自然に聴けるのだが、シャールカ後半で暗い情念にと殺戮シーンに遭遇し、ボヘミアの深い森で、地獄の釜を見て、あとは血みどろの戦場となる。
インバル盤は、ねちっこく、おどろおどろしく、火のように熱く、文字通り血で血を洗う様相を呈しており、血の気が引いて、身の毛がよだつ。

1272

ズデニェック・コシュラー チェコ・ナショナル交響楽団 1994年
Zdeněk Košler
Czech National Symphony Orchestra

う〜ん。どうだろ

録音状態は良い。端正な音だな〜と思うが、少し音の密度が薄いかもしれない。熱くならず、終始美しく、いたって穏やかな演奏。
 

 

1 ヴィシェフラド(高い城)
ハープの音色から始まる「どふぁ〜みど ど〜(ぱらら〜) られ どふぁ〜(ぱらら〜) らし〜っ ど〜」
なんとも、品のない文字での表現してしまったが・・・ ↑ 
コシュラー盤は、大変美しい出だしで、心に染みるような穏やかさの持った演奏である。
柔らかく、優しく、素直な〜っという演奏だと思う。これは、このハープの冒頭フレーズより、すぐに感じる。
で、これが終始続く。こりゃ〜 冒頭より、なんとはなしに演奏されていないな、と感じるのだ。
どーしてだろう。
音と音の間合いが、まず充分なこと。単にテンポがゆったりしている。という話ではなく、丁寧な喋り方で、考えて喋っているな〜と感じさせる人っているが、そんな具合なのだ。
音が大事に出てくる。で、思わず聞き入ってしまったという一枚である。
決して緊張を強いる演奏ではなく、でも、フレーズの最後の高音域には、メリハリ感のあるハープ、そして、優しく引き継がれて、ふわ〜っと出てくるホルン。
「どどど どっふぁ〜みど ふぁ〜みど れ〜どら れ〜どら ど〜しらそ し〜ふぁふぁ〜」 このフレーズが、フルートに引き継がれていく。音に丸みがあり、ゆったりと手渡しで音が出てくる。
ホント、何度繰り返して聴いても、しみじみ〜と染み渡るフレーズの受け渡しで、ここだけで感動してしまう。決して声高に言う主張の強い演奏ではないのだが、耳を傾けてみると、じわーっとくる。
しかし、吟遊詩人が、王国の伝統を格調高く歌いあげていくものの、弦はうねりが出て良いのだが、音に厚みがない。
「らしどし らしどし らっ〜そ〜ふぁれ〜 そ〜ふぁれ  どれみれ どれみれ そ〜ふぁれ」と、壮大に盛り上げていくところでは、低弦があまり出てこず、いまひとつ重厚な響きに欠けている。

2 ヴルタヴァ(モルダウ)
有名なモルダウのフレーズは、意外と速め。初めはフルートが軽やかにせせらぎを表し、弦がうねっている。ハーモニーとしては、ホルンのフレーズがよく聞こえていることと、中間の音の見通しが良い。
ごっつい感じの河というよりは、総体的に清流的に終始している。
楽章の中間部分 「ふぁふぁ ふぁふぁ どどどど どししみ みれれど しれれみっ みれれ〜」
フレーズに強弱をつけて、幾分テンポを揺らしている。室内楽的な響きで揺れている。ティンパニーの響きも軽やかに響く。フルートの音色を初めとして、音色が優しく、ハーモニーも柔らかく揺らめいているところが特徴だと思う。激流と化しているところでも、決して荒々しくなっておらず落ち着きがあるというか穏やか。
でも、響きはやっぱり薄い。大太鼓があると思うのだが、そこれは良いとして、なぜか中音域が薄く感じるのだ。音量がう〜ん。イマイチだなあ。音色は渋い色調ではなく、中庸的な色彩で近親感を覚える。

3 シャールカ
「どっ らどーしら ど〜みれどっしら ら〜そふぁし〜 し〜らそふぁみれ どしら・・・」
ここのキレは悪い。ヴァイオリンが甲高く聞こえるのだが、下支えしている筈の音の層が薄くて。う〜っ 悲しい。チェロとかコントラバスの音もあると思うんだが、イマイチ音を拾えていないように思う。
腰高になっており、厳しさがイマイチ。
「みっ ら どしら そっ ど みれど・・・」 この間に、トライアングル入ってくる筈だが、う〜っ小さいっ。
聞こえないぞ〜っ。と思っていたら、チェロだけが良く聞こえている部分もあるし、総体的に弦は良いのになあ。音のバランスが悪いのかなあ。よくわかんない。
「らっどっみっれっどっ!」と活気のあるフレーズは、他の盤と比べるとパワーが少ない。

4 ボヘミアの森と草原から
「ら〜 みれみ どれみ どれみ らしど しどら・・・ 」 アンサンブルが、ちょっと ん?と思ったところもあるが、ここでは、金管の重厚さが出ている。テンポはゆったりめ。音のバランスがイマイチなのだろうなあ。
手慣れたという感じがしないので、まだ新米って感じがする。でも、まあ〜素朴感もあって良いです。
で、ここのオケのフルートとホルンだけ、なんだか目立ってる。
「れ〜そ〜 らそらそ〜 れ〜ら〜 しどれら〜 れ〜そ〜 らそらし〜 どしら そ〜らそらしどれ〜」
ソロ部分のようなところは巧いのだろうが、全体的なバランスになると。う〜って感じなのだ。惜しいっす。
私的な好みとしては、もう少し低弦などの厚みが欲しいところ。でも牧歌的な雰囲気はよく出てる。

5 ターボル  6 ブラニーク
「み〜〜 みみみっみ みみみっみ〜」 
初めて聴いた人だった、はあ? 蝉じゃーないんだけど。と思うようなフレーズが、ずーっと続く。
遠い奥の方から、ずずず〜っと、しつこく続いて出てくるフレーズである。
で、金管とティンパニーがあわさって、おどろおどろしく、厳しく鳴る盤もあるのだが、コシュラー盤は優しい。
う〜ん。ここは、もちっと粘って、厳つくして貰わないと、宗教戦争を描いたモノとしてはイマイチかもしれないし、フス教徒の確執が出てこないんだけど・・・。
こりゃ〜 優しさがアダとなっているかもしれない。低弦がやっぱ、優しすぎるんだ。
金管の太さい響きもあるにはあるのだが、音が明るくて柔らかいっ。ひぉ〜綺麗すぎる。
あ〜 アカンで、この宗教戦争、血みどろだったんじゃー ないのかよぉ。
「れっししし〜 れっししし〜 みみみっ ふぁれれ〜 み〜み〜 みれれ〜」
綺麗すぎるんだぁ〜 
「そ〜しどれ〜し そそそらふぁ〜 みみ〜どしどぉ〜」 コラールの和音が綺麗すぎるっ。
涙でそうなぐらい美しい。コシュラー盤では、この楽章はレクイエムのように演じているようだ。
主題が変わって、「そそそらふぁ〜 そそそらふぁ〜 そそそら しししど どれれみど〜」
テンポが、いきなりあがってきた。おっ こうでなくちゃ〜と思ったら、落ち着いた主題に変化。
で、また「ど〜みふぁそ〜み どどどれし〜 どどどれし〜 どどれれみ ふぁふぁそふぁ〜」 嵐のようなフレーズに突入する。
ホルンの短い音の持続音のなかで、弦が走り回っている。
カトリックとフスとの対立を描いたモノだというが、あまり歴史的な背景は存じ上げない。しかし、宗教的なコラールが出てくることと、和音の美しさ、優しいなかでの激しい意思力は感じる。
単なるバトルではないのだから・・・。そうだなあ。血みどろじゃーダメかあ。
血の気の多い演奏もあるが、このコシュラー盤は、熱くなりすぎず、テンポをあまりいじらずに演奏している。素朴で素直、端正な演奏だが、ちょっと素直すぎるかも。

熱い盤も多く、それを期待するところもあるので、ちょっと、このコシュラー盤は、分が悪いかもしれない。
しかし、熱狂的にも感じたいと思うけれど、穏やかで聞きやすい盤である。
本来ならば、歴史的背景を知った上で、この楽曲は聴かないといけないとは思うが、なかなか理解するところまでには至っていない。
オクニモノの代表のような楽曲である。なかなか良し悪しなんぞ、言いづらいな〜というのが、私のホンネである。だが、そういいつつ他の楽曲だって、それぞれオクニモノであることも確か。(苦笑)
この楽曲の難しいところは、やっぱ最後2楽章の演奏を、どう受け止めるか。ってところでしょうか。
そうなると、このコシュラー盤は、緩いと言わざるを得ないかなあ。自然体で良いのだが、、、


1971年 クーベリック ボストン交響楽団 ★★★★★
1975年 ノイマン チェコ・フィル Sup  
1978年 ベルグルンド シュターツカペレ・ドレスデン EMI  
1980年 スメターチェク チェコ・フィル Sup ★★★★
1982年 ノイマン チェコ・フィル De  
1984年 クーベリック バイエルン放送交響楽団 Orf  
1986年 ドラティ コンセルトヘボウ Ph  
1986年 レヴァイン ウィーン・フィル  
1988年 インバル フランクフルト放送交響楽団 ★★★★
1994年 コシュラー チェコ・ナショナル交響楽団 V ★★★
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