「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ストラヴィンスキー 幻想的スケルツォ、幻想曲「花火」
Stravinsky: Scherzo fantastique, 
Les noces


ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
「幻想的スケルツォ」(作品3)は、1908年、ストラヴィンスキー26歳の時の初期の作品です。
婚約者エカチェリーナ・ノセンコと一緒に読んだ、メーテルランクの「蜜蜂の生活」に霊感を受けて作曲されたとされます。
大まかに3部形式を採っており、第1部と第3部が、働き蜂の営巣活動や羽音を連想させる慌ただしい音型が特徴で、中間部は、女王蜂の婚礼と、牡蜂同士の決闘とを描いているそうです。

自由な創意とのびやかな筆致が見出される反面、より印象主義的でより不協和な次の作品「花火」に比べると、音楽語法は、まだ19世紀ロマン派音楽の延長に留まっていますが、ハープやチェレスタを含めた大規模な楽器編成の巧みな操作、文字通りに色とりどりの鮮やかな音色、拡張された調性と自由な半音階技法への傾斜など、伝統から離れて個性を見出そうとする傾向が表れています。約15分の作品です。

ストラヴィンスキーの「花火」(作品4)は、同じく1908年、スケルツォ形式によるオーケストラのための幻想曲です。演奏に5分とかからない文字通りの小品です。恩師のR・コルサコフの娘さんの結婚のために作曲されたのですが、初演を目前にしてコルサコフが亡くなってしまい、楽譜が戻ってきたそうです。
幻想的スケルツォも花火も、初演は1909年2月、このときグラズノフが、不協和音だけで才能無しとしたのに対して、セルゲイ・ディアギレフは、彼の才能を見抜いて、あの「火の鳥」の作曲を依頼したという楽曲です。

3・4作目で、ディアギレフの目にとまるなんてラッキーというか、なんていうか・・・。
初期の作品というよりも、第1作目が交響曲第1番で、ひとつ飛ばして、この曲ってわけで、いずれも既に完成度の高い作品となっており、まるで「火の鳥」を聴いているかのようです。才能の開花が、すごすぎっ。やっぱ天才は違う。
小品といっても侮れない驚愕の多彩な曲で、繰り返し聞いても飽きません。ホント楽しい曲です。

  インバル フィルハーモニー管弦楽団 1989年、90年
Eliahu Inbal  Philharmonia Orchestra of London

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は極めて良い。 見通しが良く、多彩な音が飛び交って耳のご馳走だ。
カップリング:2枚組BOX
1〜10  ペトルーシュカ1911年版(90年)
11     花火(90年)
12〜25 春の祭典1947年版(89年)
1〜19  火の鳥(89年)
20     幻想的スケルツォ(89年) 

幻想的スケルツォ

金管の「ふぁっらっし そぉ〜っ」っという音から始まる。
弦と木管のフレーズで、蜂が小さな羽根をパタパタさせながら、せわしなく働いている感じが描写されている。
う〜ん この蜂の動く様が、あとの作品「火の鳥」の鳥が飛び交うシーンに、活かされているんだろうなあ〜と思う。

弦の細かい動きと分散和音のなかで、木管の多彩な音色でインパクトを作っていく。
パッパッパ ぱぁ〜 パパパ ぱぁ〜 まるで、プーランクのような木管の使い方みたいで〜
すごくリズム感があり、センテンスの区切りのようにハープのグリッサンドが効果的に置かれいるし、鉄琴も使われているようで、すごく多彩な音がちりばめられている。
聴いてて、なかなかに楽しい。
細かいフレーズを、低音の音がポンポンポンっと降りてきたり、音が交差している。
中間部では、クラリネットが、穏やかなロマンティックなフレーズで登場するが、甘い蜂蜜ができるだろうな〜って感じで、とろけちゃいます。
それにしても、木管の使い方が巧いですね〜 印象的にクラリネットの音を使って、間髪入れず、ミュート付きのトランペットで、鮮やかに色づけをする。
弦なんだと思うけど、耳元で蜂が飛んでいるような、しぃ〜どぉふぁ〜 ←音にならない。かすれた音は、えっ。ホントに蜂が目の前にいるかのようなリアルさ。中間部は、「蜜蜂の生活」っていうが、こりゃ男女の恋物語じゃん。と思ったりするぐらい。なかなかに心情的にも共感を感じる。
インバル盤は、録音状態が良いので、多彩な音色が整理されて、見通しが良い。
細かく動く音と、大きく動く音、そして歌謡風のフレーズを、ゆったりと聴かせてくれる。メチャ楽しい。



花火

フルートのトレモロから始まり、始めは噴水かと思うようなフレーズなのだが、ホルンが、「みそれどっ みそれどっ ・・・」と、繰り返す。あれっ どっかで聴いたようなフレーズだなあ。
ハープも絡んでくるし、すごく速いスピードで、いろんな楽器が集まってきて、パワーが集結する。
で、チューバまで、同じフレーズを奏で始める。
上昇する弦のフレーズだけになって、また終結したと思ったら、ドンっ!
またまた、いろんな楽器が多彩にリズミカルに動くのだが、えっ 何の楽器が入ってくるのか、トロンボーンにトランペット。
静まったところでの美しいフレーズでは、2台のハープが、えっ これ鉄琴、チェレスタもいる。って具合に、たった5分の楽曲なのだが、とっても、もったいないぐらいの大編成だ。

耳のご馳走ではあるのだが、聞き分けられないよぉ〜という悲鳴になる。一度、生で聴いたことがあるのだが、え〜 たったこれだけの短い曲っ! でも、相当のご馳走なので、もっと聴きたいっーっと思ったことがある。
最後は、シンバルに大太鼓があって、らっらそふぁ っふぁっふぁっ っそっそっ らっら しっしっ ・・・と子供向けの楽曲みたいに楽しいのだが、フルートも大活躍で、おもちゃ箱のように、はじけてくれる。
とっても楽しい楽曲なので、CDで何度となく繰り返して聴いても、楽しめると思います。
また、CD向けの楽曲とも言えるんですけどね。ぜひ、良い録音で聴いてください。
この楽曲をテーマにして、全国花火競技大会「大曲の花火」(秋田県大仙市)で使ってよぉ〜って思うんですけど、これだけ細かい動きを、実際の花火師さんたちは、打ち上げられるかと言えば、う〜ん。
とっても無理だよねえ。一発モノの大きな打ち上げは無理だけど、スターマインではどうでしょ。楽しそうなんだけどなあ。


 
ブーレーズ クリーヴランド管弦楽団 1994年
Pierre Boulez Cleveland Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は極めて良い。機能的でかつ色彩的で、音が活き活きとしており、爆ぜて飛んでいく。

カップリング:ストラヴィンスキー
1     幻想的スケルツォ(94年)
2     カンタータ「星の王」(96年)
3〜6  交響詩「うぐいすの歌」(96年)
7〜15 組曲「兵士の物語」(96年)
幻想的スケルツォ

このCDは、ブーレーズ ストラヴィンスキー作品集とタイトルされたもので、4曲が収められている。
ストラヴィンスキーといえば、3大バレエ音楽が有名すぎて〜 その後、カメレオンと呼ばれるほど作風が変わっていくが、ワタシ的には、新古典主義に作風を変化させていった頃の作品は、楽しんで聴いている。

ここで、ご紹介する幻想的スケルツォは、あっという間に終わってしまう小品だが、彼にとっては、まだ3作目なのだ。
それなのに、この完成度っ。すごっ。
で、この楽曲は、ミュート付きの金管のパッセージ、木管の短いパッセージが、すごい組み合わせで作られている。
ブーレーズ盤で聴くと、特に、木管の精緻な響き、機能美が、すごい。巧いっ。
リズミカルで、伸びやかに転がっていくというか、木管独特の伸びが気持ち良く聴ける。
もちろん、スピードもあり、密度が濃く、これでもか〜と、次々に繰りだされていく様は、いつ聴いても、ワクワクしてくる。
音質も良いし、間髪入れず緩むことなく、また中間部では甘く歌われる。

この場面変化も、すっと入れ替わるし、また、録音状態が極めて良く、オーボエやフルート、クラリネット、ファゴットのフレーズが、とてもバランス良く整理されているし、収まるところに、ぴたっと収まっているような気がする。
また、羽根をパタパタさせている様をえがいた弦の動きも、スマートに、よくこれだけ鍛え上げて、パシっと決まるものだな〜と、驚かされる。

金管の音色の残響のなかで、弦の響きのなかで、次々と楽器の音が積み重なってくるのだが、音が濁らないし、弦と木管のフレーズのどちらを主にするかなど、場面ごとにテンポ良く変わるところが絶妙だ。
この各楽器の出し入れが激しい楽曲で、速いテンポで駆け抜けていくところが、やっぱりすごい〜 気持ち良いほどに、精緻だな〜と感じられる。持続する音の上に、違う楽器の色をのせていくところは、さすがっ。
音は、油絵のように、パレットで色を混ぜて、混ぜた色が決まってからキャンパスに描くというわけにはいかない。
音楽は、それぞれの楽器の持つ色が決まっているので、その楽器を重ねていくと、どうしても音が濁りそうなモノなのに、絵の具チューブから、ダイレクトにキャンパスに描いていながら、音が濁らない。
また、それぞれの楽器の音型は異なっているので、長く続く音の響きのうえを、軽やかに違う楽器が、美しく、軽やかに、飛び跳ねて行ったりする。ハイ、これは、とても美しいっ。

1984年 デュトワ(幻想的) モントリオール交響楽団 Dec  
1984年 シャイー(花火) ベルリン放送交響楽団 Dec  
1989年 インバル フィルハーモニー管弦楽団 Tel ★★★★★
1992年 ブーレーズ(花火) シカゴ交響楽団  
1994年 ブーレーズ(幻想的) クリーヴランド管弦楽団 ★★★★★ 
所有盤を整理中です。

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