「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ストラヴィンスキー 交響詩「うぐいすの歌」
Stravinsky: Le Chant du rossignol


ケーゲル ドレスデン・フィル 1983年
Herbert Kegel
Webpräsenz der Dresdner Philharmonie
(Dresden Philharmonic Orchestra)

いかすぜっ


録音状態は良い。すっきりした、見通しの良い演奏である。
カップリング:
1〜8 ストラヴィンスキー プルチネルラ(1949年改訂版)(1981年)
9 ストラヴィンスキー 交響詩「うぐいすの歌」(1983年)
ストラヴィンスキーって交響詩も書いていたの?ってわけで、興味を持って聴いたのが、この「うぐいすの歌」である。
まあ、「うぐいす」という表記が、すっかり定着しているようだが、実はナイチンゲールの方が正しいように思う。

で、あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
「ナイチンゲールの歌」「うぐいすの歌」(仏: Le Chant du rossignol )は、ストラヴィンスキーが自作の歌劇「夜鳴きうぐいす(ナイチンゲール)」を、再構成して作った交響詩であり、また、1幕もののバレエ音楽だという。
ストラヴィンスキーは、1908年に、アンデルセンの「小夜鳴き鳥と中国の皇帝」をもとに、3場のオペラを創ろうと思っていたらしい。モスクワ自由劇場の委嘱によるものだが、どうやら劇場が倒産したらしく上演は中止された。

で、3幕の歌劇「夜鳴きうぐいす」の第1幕は、1907年〜9年に、残り部分は、1913年〜14年にかけて作曲されており、その間に作風は変わってしまったのだが・・・ そりゃーそうだよなあ。
1幕のR・コルサコフやムソルグスキーの影響を受けた作風で、2幕以降は、バーバリズム つまり、春の祭典のようなドンスカ、バンスカっという、ちょっぴり野蛮な打楽器を使うような作風となった。
作曲家ご本人は変化しているのだが、作曲様式の違いは、あえて統一しなかったというのだ。

後のストラヴィンスキーの曲を聴いているためか、ピカソのように青の時代、ばらの時代、キュビズムの時代、シュールレアリズムってな感じで、作曲家も画家も作風が変わっていくのは、ある意味、成長の過程を拝見するようなモノなので、それはそれで、大変嬉しく感じるものだと思う。また、興行師ディアギレフとの出会いがあったからこそ、今、ワタシたちが、ストラヴィンスキーの音楽を、たっぷり聴かせていただいているわけなので〜 それは感謝すべきことなのだろう。
で、せっかく創った楽曲を、交響詩にしようと考えていたところ、バレエにしたら、どう?と、言われたらしく、バレエ音楽としても創ったらしい。
はあ〜 多才な方はちがう。交響詩もつくり、バレエ音楽もつくったというわけだ。才能あるかたは器用なのだ。
で、一応、作曲者によるピアノ編曲版の序文によると、この交響詩も、3つにわかれているらしい。

第1部:中国の宮殿の祭
第2部:2羽のうぐいす(本物のうぐいすと機械仕掛けのうぐいす)
第3部:中国の皇帝の病気と回復

オケの構成も大きくて、オペラバージョンより縮小されているとはいえ、打楽器群は豪華である。タンブリン、シンバル、銅鑼、バスドラ、スネア、チェレスタ、ピアノに、ハープ2台が必要だそうで、まあ、相当に豪勢なのである。オペラだと40分以上らしいが、交響詩は約20分である。

ついでに、超簡単にストーリーを説明しちゃうと、とある漁師が、森のなかでナイチンゲールの歌を聞いている。
夜鳴く声が美しいと評判となり、それを聞きつけた中国の皇帝が、ナイチンゲールの歌を聴きたいと所望する。
で、ナイチンゲールが、宮廷にやってきて鳴くと、その美しさに、みんなが聴き惚れた。

そこに、日本からの使節団が到着する。かれらのお土産は、機械仕掛けのナイチンゲールだった。
ホンモノと機械仕掛けのナイチンゲールの声を聞き比べしようと思ったが、ホンモノがいなくなった。
そのため、仕方なく、皇帝は、機械仕掛けのナイチンゲールを寝室に運ばせて、毎夜、その歌声を聞いていた。
何年か経って、皇帝は病気になってしまった。
悪霊を音楽で追い払おうとするが、肝心なときに機械仕掛けのナイチンゲールは壊れてしまう。
途方に暮れている皇帝のもとに馳せ参じたのは、ホンモノのナイチンゲールで、悪霊(死に神かな)を相手に歌い、もっと歌ってあげるので、宝物を返して〜といい、また、憂いに満ちた歌を歌っては、悪霊を追い払ってしまった。
で、すっかり皇帝は元気になりましたとさ・・・というストーリーである。

まあ、シンプルなストーリーなのだが、楽曲はオリエンタルチックで、なかなかに面白い。異国情緒たっぷりの楽曲に、聴き手の方が、今度は虜になってしまいそうなほど。
ロシア、ヨーロッパで活躍している作曲家が、よくこんな中国風フレーズが創れるものだと、かなり感動しちゃった。

ヨナ抜きだと思うのだが、特に、木管の音がステキだし、パーカッションも大活躍している。
西洋音楽にはない、日本人のワタシでも、おおっ こりゃ中国風スパイスが効いているわい。と思えるほどの異国情緒たっぷりの楽曲で、不思議な旋律、和音なのだ。

う〜ん、ストラヴィンスキーは、どこかで、このような和音、フレーズを、実際に耳にしたのだろうか。
どうやって、どこかで調べたのだろうか。今のご時世だと、ネットで調べるってことは朝飯前だが、ストラヴィンスキーさんが作曲したのは、20世紀初頭なのだ。ネットなんぞ、あるわけないしなあ。
結局、バレエ音楽は、3大バレエのようにもならず、オペラの方も、さほどヒットしなかったそうだが〜
東洋人のワタシたちにとっては、結構、馴染みやすい、親しみやすい、ちょっとコミカルさが感じられるのだが、きっと、向こうの方々には、斬新すぎたのでしょうねえ。

シャイー ベルリン放送交響楽団 1984年
Riccardo Chailly
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)

ばっちグー!

録音状態は良い。ホール感があり、劇場でみているような雰囲気があり、色彩的だ。でも、楽曲自体が、どうもイメージしづらくて・・・。
カップリング:
1〜3 詩篇交響曲
4 幻想曲「花火」
5 カンタータ「星の王」
6 交響詩「うぐいすの歌」
交響詩「うぐいすの歌」は、初めて聞いたら、ん? ハルサイと、火の鳥と、どこか雰囲気が似ているなあ〜って思う。
ばんっ!と打ち鳴らされたあと、金管の咆吼があり、弦が忙しく動くもので、細かい音で、ピアノの音があり、弦と木管が、ピコピコっと鳴っているなか、金管の線の細い、ケッタイな和音のフレーズが出てくる。
「み〜そられ しれらし み〜そらど ふぁれらし・・・」
「らぁ〜そみ みれふぁみ しぃ〜れし み〜れし そふぁれ〜し」って感じのフレーズである。
あのぉ、もちろん和音を構成しているので、音は正確ではありません。

金管のウパウパっとしたリズム、オルゴールのような音色が混じって、とっても色彩的だが、派手さはなく、そのうち、ナイチンゲールの鳴き声のようなフルートが登場する。
いったん静まったなかで、ひょろひょろ〜っと、鳴き声が出てきます。
で、また、ケッタイな賑々しい音と、金管の「ぱぉ〜ん」と消える音が、きっと場面の展開を意味しているのだと思う。

で、今度は機械的な音がでて、かしげた音が進んできます。
木管の金属音のなか、機械が動いてくる感じで、「そっらしれみっ しっれ しっそ れみれどっ」
中国風フレーズと、パンっバンっ と大きくなってきます。機械仕掛けのナイチンゲールの登場かな?
で、オルゴールのような音、きっとチェレスタだろう。
「そらしれ みっそ み れっしらそっ・・・」てなフレーズ、コミカルな金管フレーズ、「みそみれ み〜っ みそみれ みぃ〜」というような民謡風の踊りのフレーズなど、まぜこぜになって聞こえてくる。
ささやかなお祭り騒ぎ的なフレーズで、「そらしれみ そらしれみぃ〜」「らぁ〜そぉ〜 みぃ〜そみれれ ら ら ら そぉ〜らみぃ〜」って感じの、どことなく、盆踊りでも見ているかのような、耳慣れたような民謡風フレーズが登場。

まっ これは舞台が日本じゃ〜ないんだけど。
日本人作曲家の作品ですと言われても、まんざらでもないかも・・・。

フルートで、不気味さの感じる風が起こるが、そのうちに華やかなピアノが登場し、「らそ しぃ〜れし」 パンっ ウパウパ・・・ オルゴールが響き、ピアノが弾かれ、ききき〜っ と軋んだ音や、金管のプラッター音が忙しく鳴る。
う〜ん、今、どこの場面なんだろ?よくわかんないなあ。映像が欲しいっ。
トロンボーンが鳴ったりしているところから、「ふぁそらし れみれっどっ」
ファゴットが、ボコボコ〜 「ふぁっそっらっし しれしら ぴぃ〜」

こうやって書いてて、段々、情けない感じがしてくるんですけど〜(泣)
ティンパニーが鳴って、ハルサイのような雰囲気が漂い、チューバが鳴ってくるあたりから、皇帝がご病気ってところなんでしょうか。皇帝がご病気風ってところから、きっと死霊がやってくるのでしょうし、死霊は、やっぱチューバが担当でしょうか。

まあ、イマジネーションを駆使しても、想像を超えてる楽曲なので〜 なんとも。
どなたか、解説して欲しいわあ。映像でありませんかねえ・・・。
と、ぼやいていたら、バレエバージョンが、YOU TUBEで、拝見することができました。でも、著作権に問題ないのかどうか、わからないので、ここにはペッタンしません。かなりシンプルで動きの少ない、象徴的な画面ですが、 まあ、雰囲気だけでもつかめると思うので、どうぞ、ご興味のあるかたは、Le Chant du Rossignol で検索してみてください。
鶯、ナイチンゲールというより、どうみても、ニワトリじゃん。って感じなんですけどね。
こんなカブリモノで、バレエを踊るのは、ちょっと気の毒で〜 笑えませんでした。

マゼール ウィーン・フィル 1998年
Lorin Maazel
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

う〜ん。どうだろ

録音状態は良い。まろやかで繊細な響きを持っているが、どことなく、音像は明瞭さに欠いている。
カップリング:
1〜4 ストラヴィンスキー ペトルーシュカ(1911年オリジナル版)
5〜8 ストラヴィンスキー 交響詩「ナイチンゲールの歌」
9 ストラヴィンスキー 幻想曲「花火」
マゼール盤は、録音状態が柔らかく、まろやかな響きで彩られている。
多くの旋律が寄り集まってくるのは、とても感じられるのだが、でも、どことなく、ぼんやりした感もあって、どうなってるんだろう。

冒頭は、ちょっとした悲鳴があがり、ひょろひよろぉ〜っと木管が鳴ったあと、
チェレスタの音と、「みれ〜ふぁみ〜しぃ〜みれ みれ〜そらみぃ〜し〜」っと、ちょっと風変わりなチャイナ風の旋律が出てくる。あきらかに中国風っていう音階なのだが、ふわっとした感触があり、落ち着きがない。
でも、これが飛びかうフレーズになっているし、柔らかいフルートの音色が、夜鳴き鶯って感じで可愛いところもある。

そこに、ジャンっと機械が登場する。
ギィエンっ ヒェンっという軋んだ弦、ドンっ ドンっ という打楽器、ピアノやチェレスタ、金管などで奏でられていく。
「そらしれ みそみ れしらそ・・・ そらしれ みそみ れしらそ そらしれ みそみ しられら そ・・・」
このフレーズは、淡々と奏でられる。
もう少し、大胆に描いてくるのかと、変な期待をしちゃったんだけど〜 いがいと、まっとうだ。
中国風フレーズを、もっと太めに、くっきりと隈取りのように描き、打楽器を、バンっと打ち鳴らして、締めてくるのかと思ったんだけど、う〜ん、そうでもないようだ。

マゼール盤には、もっと、エグミのある、個性を爆発させた演奏かと期待したんだけど、弦に特に軋み感はないし、暗くてヒンヤリして不気味でもないし、滑稽でもないし、レアな機械的な雰囲気があるわけでもないし。
弦の弾きが緩めというか、悲鳴に近い音で、バンっ ひぃん!と、出て来てくれたら、インパクトがあるのにねえ。
中国風音階が、もっとカラフルでも良いし、もっと強めに軋んでも良いように思う。無機質でもないし、う〜ん。どこか、中途半端な感じがしちゃったのだが、どうだろう。

音質が、柔らかく、弾力性は感じるが、もっと音だしの強い、癖の強い中国風フレーズを期待していたのに、ちょっと裏切られてしまった。
録音状態は、ホールの奥行きはあるのだが、イマイチ、歯切れはよろしくない。
それぞれの楽器は、キレがあるようなのだが、なんだか全体になると、明瞭ではないっていう、とても不思議な感じのする録音で〜 ホールの後ろの方で、うすぼんやりしたステージを見ているかのようだ。 えっ ライブ盤? 違うよねえ。

1983年 ケーゲル ドレスデン・フィル Schallplatten ★★★★
1984年 シャイー ベルリン放送交響楽団 Dec ★★★★
1994年 ブーレーズ クリーヴランド管弦楽団  
1998年 マゼール ウィーン・フィル ★★★★
所有盤を整理中です。

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