「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

チャイコフスキー 弦楽セレナード(セレナーデ)
Tchaikovsky: Serenade for Strings


チャイコフスキーの弦楽セレナード(ハ長調 作品48)は、1880年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
チャイコフスキーが40歳頃に書いた代表作の1つで、モスクワ音楽院に着任した時からの親友コンスタンチン・アルブレヒトに捧げられています。ハ長調という最も単純明快な調性で書かれ、第2楽章がその属調であるト長調、第3楽章がそのさらに属調であるニ長調、第4楽章の序奏が再びト長調、主部でハ長調に戻るという、五度関係を用いた、ゆるやかなアーチ状の構成を成した楽曲です。各楽章には、特徴を端的に表した章題がつけられています。

第1楽章 ソナチネ形式の小品
展開部を欠くソナタ形式で、ハ長調でありながら、イ短調の主和音で開始される重厚な序奏は、きわめてメランコリックで印象深いもので、序奏の雰囲気を保ち、広々とした第1主題と、細かい音符による軽やかな第2主題となっています。提示部が終わると、リピートするように見せかけて、再現部を始めるというユニークな書法をとっており、コーダで序奏主題が再現されるものです。

第2楽章 ワルツ
チャイコフスキーの常套手段のワルツで、このリズムに乗って、第1ヴァイオリンが奏するメロディーは親しみやすいもの。

第3楽章 哀歌
ホモフォニックで印象的な序奏に始まり、3連符のリズムに乗って、各声部で淡々とした歌が奏されるもの。
倍音を響かせた終止の和音から、直接第4楽章に入っていきます。

第4楽章 ファイナル
第3楽章から続いた和音によって開始され、穏やかだが、感動的で何かが起こりそうな序奏となっています。
主部のモティーフが示され、主部に流れ込み、「ロシアの主題によるフィナーレ」とあるように、両主題は、ロシア民謡を基盤としているもの。終結部に、第1楽章の序奏主題が再現されて、堂々と全曲を閉じます。

スウィトナー シュターツカペレ・ドレスデン 1969年
Otmar Suitner    Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。いぶし銀という言葉が、ふさわしい音色で格調高く渋い演奏。
カップリング:
チャイコフスキー「弦楽セレナード」、ドヴォルザーク 「弦楽セレナード」

チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」と言えば、その昔、人材派遣会社のCMに使われていて、のけぞってしまった記憶がある。 なんだか通俗曲に貶められてしまったようで・・・。とても悲しく情けなかった。

マーラーなどの旋律が絡み合ったような曲に疲れた後、そっと聴くのがいい。
スウィトナー盤は、それは、それは、透き通った音色で神々しい。いぶし銀と喩えられるシュターツカペレ・ドレスデンの音色が楽しめる。
「ど〜 し〜 ら〜 そらどそ〜 そ〜ふぁみ〜」
「みみらそ〜 ふぁみれ〜 れ〜 みみ〜 み〜 どれみふぁそらしど〜」

チャイコフスキーは、この旋律をどこからイメージしてきたのだろう。すごくシンプルだから、とても印象に残る。
ウィキペディア(Wikipedia)には、「ハ長調でありながら、イ短調の主和音で開始される重厚な序奏は、きわめてメランコリックで印象深い」との記載があるが、ホント 、すこぶる単純な和音なくせに、ここまで心に沈みわたるとは。
この出だしだけで、う〜 涙しそうだ。
スウィトナー盤は、ルカ教会での録音なので残響がいい。また、それ以上に間合いがいい。余韻を漂わせ、幸せ感に浸る。冒頭部分などは、教会での宗教音楽的に聞こえ、敬虔な気持ちになる。
弦楽セレナードなので、もちろん、金管の咆吼がない。残響を楽しみながらの合奏だが、一糸乱れないといえるアンサンブルもすごいと思う。
録音も極めてよく、ホールトーンを感じながら、これを聴かないと、もったいない〜 そう思う。
リズミカルな旋律は、力を入れて最後の音を、くいっとのばしているところも印象的。力強い。へなへなした感傷的な音には、決してなってない。
仕事に疲れた夜、1楽章だけ取り出してでも、何度となく繰り返して聴きたい曲である。

2楽章
ワルツ どこかで聴いたことのあるワルツ・・・ あっ 昔、N響アワーの冒頭の曲だったっけ。
チャイコの交響曲には、ワルツが多い。
メランコリックなワルツ 本当に踊るわけではないと思うが、、、大人の哀調のおびたワルツで、コントラバスのリズムや、ヴァイオリンにうっとりしてしまう。ドレスデン の音色に参った〜。

3楽章〜4楽章
冒頭は和音を楽しむ。同じリズムで、膨らんだり縮んだり 讃美歌を聴いている気持ちになる。
ゆったり〜歌える旋律だ。
いったん静かになって、元にもどって和音を楽しむ。今度は、もっと静かで寂しい。
エレジーだからな。低音の響きを楽しんでほしい。少しひんやりした音色で、荒涼とした雰囲気で、しずかに雪でもふってきたような。あ〜 消えるようなPPP・・・雪が解けるかのよう だ。
それを受け継いで4楽章が始まる。
あ〜 この残響 穏やかというか、はかなげで 小さくでいとおしい。消えてしまおうかというときに、軽やかなリズムが始まる。民謡的な旋律で、チェロが甘い。う〜 力強い。でも下品にはなっていない。
最後は、1楽章の冒頭に戻り、再現されて、最後を閉める。
スウィトナー盤は、かなり格調が高く、渋い。中年以降の大人のセレナードだと思う。

ジンマン オランダ室内管弦楽団  (ネーデルラント室内管弦楽団) 1974年
David Zinman  Netherlands Chamber Orchestra
(Nederlands Kamerorkest)



録音状態はまずまず。ちょっと色気がなく、さっぱりし過ぎって感じがするが、74年の録音にしては今風である。ワタシ的には弦楽セレナーデは、ふくよかであって欲しい〜。
カップリング:チャイコフスキー交響曲4番 (ハイティンク/コンセルトヘボウ79年)
1楽章
華麗・絢爛豪華という風合いのカラヤン盤、大人のセレナーデというスウィトナー盤と比べると、なんとも色気のない、素っ気ない演奏に聞こえてしまう。
「ど〜 しっ ら〜 そ ら ど そ〜 そ〜ふぁみ〜 みみら そ〜ふぁみれ〜 みみ〜 み〜」
「どれみふぁそらしど〜 し〜ら〜 そらど そぉ〜 ふぁみ〜 みみら そぉ〜ふぁみれ〜 そ どっど どっ」
どうも、どこかで隙間風が吹いているようだ。冷えた空に、ぽつんという雰囲気で、おいおい寒いのかい。
と言いたくなるような感じが免れない。演奏者が少ないのかもしれないのだが、う〜ん。
余韻の少ない、うねりも、盛り上がりにも欠いてており、これが、この盤の特徴と言えばそうなのだが。
紋切り調に聞こえちゃうのである。
オケの厚みが少ない分、弦の響きのまろやかさに欠けている分、素っ気ないと思うのかもしれないが、どこから、響きにが薄いというか、幅が少ないというか、ふんわりした感覚を生まないので、耳のご馳走的楽曲なのに、ちっとも楽しみがないのだ。
ジンマンさんのファンには申し訳ないのだが、う〜ん。モノ足らないなあ。ワタシの好みではない。
でも、演奏する方や細かいフレージングを聴いて、頭のなかで再構成する方は楽しめるかもしれない。
「れ〜そ れ〜み み〜ふぁ そ〜そら そ〜ふぁ・・・」 
確かに裏の響きも、きっちりと入っているのは嬉しいし、楽譜を見て演奏を聴くには良いと思う。
だって、キビキビしてて快速バージョンなので、運動能力の高さで、一気に聴くには快適なのだ。
まっ ホント、耳が慣れれば、弦のボーイングそのものが見えてくるようで面白いし、スピーディなので現代風。これが74年とはなあ。驚きの演奏である。

2楽章
このワルツの楽章は、細身だが流麗で、結構ノリノリで聴けてしまう。
キビキビ感があるのとスピーディなので、すっと耳に入ってしまう。まずまず、雰囲気もあって、この楽章は良いんじゃーないだろうか。
オケの音質や音色で聴かすというよりも、サッパリ系の演奏で、フレーズの流れが主眼がおかれているようで、ボンボンっという響きと、幾分乾いた弦の音が鳴っており、哀愁を帯びた雰囲気というよりも、どこか楽しげである。

3楽章〜4楽章
「ふぁ〜そら しどれみ ふぁ〜そ らそらっ そふぁみ ふぁ〜」
「ふぁ〜そら しどれみ ふぁ〜そ みふぁそ〜 みらそ〜 ふぁ」
あまり優美な身のこなしとは言い難いし、特徴あるフレーズでは歌わない。う〜ん。ドライだなあ。と思ってしまった。同じフレーズのなかでの膨らみ感が少ないのだ。
雰囲気は解るんだけど、情感があふれるというところまでは至らないので、う〜ん。
チェロの甘い響きが、もっと、もっと欲しいような気がする。
甘さはあるのだが、もっと前面に出てきて欲しいし、熱い気持ちは判るんだけどなあ。切ない気持ちも解るのだが・・・。なんか足らない。
もっと録音が良ければ感動するんだろうか。う〜ん、どうだろ。良い演奏ではあるのだが、せっかくのセレナーデなのだ。色気がなあ、無いよなあ。密度の高い響きを期待していただけに、音質と響き、余韻などが、ちょっとモノ足らない。

ジンマンさんは、スピードのある楽曲で、キビキビと動く、運動能力を求められる楽曲の方が良いかも。
そういう意味では、現代風の演奏だ。しかし、他盤の方が、もっと、じわっと、じっくり、情感に訴える力があり、また、優美に聴かせてくれているので、ジンマン盤は、この楽曲では、ちょっと分が悪いように思う。
ワタシ的には、もっと、まろやかに、ふくよかであって欲しい。

ムーティ ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1978年
Riccardo Muti  Philadelphia Orchestra



録音状態は、まずまず。70年代の録音で、少し乾燥ぎみだが。とても溌剌とした演奏である。EMI原盤のブリリアント(Brilliant Classics)レーベル盤 7枚組BOX
ムーティさんの古いCDだが、とても溌剌としており、若々しい演奏だ。
これで、録音状態が良かったら〜と思うが、こればっかりは致し方ないかもしれない。
弦ばかりで演奏されているので、厚みがあるのは当然として、中音域の音も、しっかり、うねりながら細やかに動いているのがわかるし、そうかといって、全体的に大きく、うねっている感じがある。

弦楽セレナードを聴いていると、改めて、クラシック音楽って、足し算で成り立っているのが、わかる。
アハハ〜 そんなの、アタリマエやん。と言われそうだけど、各声部が、踊りながら間髪入れずに、寸分違わず、綺麗に音を奏でていくのが、あらためて〜 すごい。面白いって感じちゃう。
特に、1楽章の第2主題の細かい、リズミカルな主題を聴いていると、はあ〜 やっぱ、チャイコさまは、すごい。
また、ムーティ盤で聴くと、このうえなく爽快だ。
厚みのある弦で構成された音の大きな幅が、そのなかで、プチプチ、パチパチ、ポンポンっと、音を立てて、リズミカルに、弾けていく。弦にキレがあり、そのキレは、次の音へと体重移動しながら、優雅に飛んでいくかのようで〜
その動きが、とっても、すばしっこい。

また、改めて、調性を考えた時、なるほどなあ〜 五度圏をイメージして考えると〜
ハ長調から、5度まわってト長調、つぎにニ長調、で、戻ってくるわけか。シャープ1つ、シャープ2つ・・・

チャイコフスキーは、豊かな和音をつくり、歌謡風フレーズで、ハートをがっちり〜なのだ。
もちろん、ムーティさんの3楽章は、切々と歌いあげる。
で、ラストの第4楽章になると、とても熱い。音としては、録音状態がイマイチなので、ちょっぴり貧相で、もっと豊かな音で、艶っぽく奏でてもらうのが嬉しいが、まあ、若々しいというか、キビキビしてて、ぐぐーっと一気に盛り上げて行く。
この演出力や、やっぱり、たいしたもの。
カラヤン  ベルリン・フィル  1980年
Herbert von Karajan  Berlin Philharmonic Orchestra



録音状態は、悪くはないが〜 ソフトフォーカスすぎて、ちょっと驚き。豪華絢爛な演奏で、分厚く、色気にあふれかえって、ムンムンしており、濃厚すぎて圧倒される。
なにも、ここまで、しなくても・・・66年の録音もある。
カップリング:チャイコフスキー「弦楽セレナード」、ドヴォルザーク「弦楽セレナード」
1楽章
わっ 太くて、ごっつう〜 華麗・絢爛豪華という風合いで、まるで、ぶ厚い音の絨毯のようだ。
スウィトナー盤を聴いた後に、カラヤン盤を続けて聴くと、世俗的なアプローチに聞こえる。
まっ これだけ取り出して聴いたら、さほどでもないのだろうが・・・。 ものすごいうねりが生じており、ウネウネと弦が奏でられている。オケ全体が波が立っているようで、弓のしなりが見えてきそうだ。
声を潜めて、密やかに呟くという雰囲気ではなく、ほとばしりが見えてきそうで、愛の囁きが、これでもか〜と言うほどに、立て続けに流れていく。

よく喋る男が、愛の言葉を、まくし立てるように喋っているようで、ワタシ的には、ちょっと興ざめ。
ホント、よー喋るなあ。というほど、この楽章では、フレーズの間合いがほとんど無い。 テンポも速めで、せっかちな感じがして、何度か聴くと疲れる。ちょっと、感情がムンムンしすぎ。はっきり言うと、オマエ暑苦しいんだよなあ。(って感じ)
楽章最後に、冒頭のフレーズが戻ってくるのだが、う〜ん。ホント、もうどっか行ってよぉ〜という気分に。

2楽章
音色は良いのだが、録音状態も関係しているのか、分厚く豊満だ。
てれてれ〜っとフレーズが流れて、ワルツとしては良いのだが、ゴージャスというか、なーんもしないで遊んでいるような豊満貴族的な雰囲気、けだるさ、退廃的なムードさえ 、漂っているような気がする。
良く言えば花魁風。悪く言えば、化粧しすぎのオバサン風なのだが〜 カラヤンなので花魁ですかね。

3楽章
この楽章は、カラヤン盤の白眉だと思う。艶やかに膨らんでいく。
スウィトナー盤は、かみしめるかのような雰囲気がしたが、カラヤンは、ゆったり〜まったり〜芳醇な香りがする、いいワインを味わっているようだ。
ロミオとジュリエット版の弦楽「セレナーデ!」という感じがする。歌いながら、口説いているような。甘い声で 耳元で囁かれているような気がしてくるのだ。かなりエロティック。
濃厚な甘口で、会いたい。せつないよぉ〜 と、アプローチしているような。すごく訴える力が強くて〜あっっぷあっぷしそうである。スウィトナー盤は、大人というか中年風の枯れた風合いになっており、かなりのストイックな情感だったが、カラヤンは、もろ、ワカモノ風である。かなりの下心が見える。(笑)
響きが、どこか靄がかかっているようなので、さらに雰囲気がアップしちゃって、ノックアウトされちゃう。

4楽章
レガートがかかっており、伸びる〜伸びる〜
スウィトナー盤は、小刻みにリズムが刻まれていくが、カラヤン独特のレガートがかかっているので、好みがわかれるかもしれない。
低音部分は、少し濁ってきこえるが、切り替えが速い。すばやく弱音に切り替わる。
最後の音がのびるので、テンポがいいとはいえないが、「泣き」はカラヤン盤の方が味わえる。
男前の、いかにも甘いめの顔の男性が、あまいテナーの声で、ちょっと切なそうに忍び寄ってくるような音楽に仕上がっている ようだ。私的には、スウィトナー盤の方が好きだが・・・。たまには、こっそりと聴くには良いかもしれません。

マリナー アカデミー室内管弦楽団 1982年
(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)
Neville Marriner  Academy of St. Martin-in-the-Fields

録音状態は良い。ほどよく品があって聞きやすい。でも、これが中庸的って言われる所以だと思う。
カップリング:チャイコフスキー「弦楽セレナード」、ドヴォルザーク 「弦楽セレナード」
1楽章
とても歯切れのよい、スピーディな演奏で歯切れの良さがあり、 全体に、すっきりしており見通しも良いし、端正で軽やかな演奏である。
「ど〜し〜ら〜 そらどそ〜そ〜ふぁみ〜みみらそ〜ふぁみれ〜 れ〜みみ〜み〜どれみふぁそらしど〜」
「そらどそ〜」が速く、「みみらそ〜」と重いが、その後、すーっとのぼっていく。
メランコリックではあるが、さほど重くならずに品が良い。 弦の音色に艶があるし、ほどよく華麗さがあって、聞きやすい。

その分、深みが足らないって感じもするけれど、カラヤン盤のようなコテコテよりは、ずーっと聞きやすいだろうか。
堂々としすぎなカラヤンか、渋いスウィトナーか・・・ 極端な盤を聴いてしまったが、マリナー盤は、これらの中間に位置している。深い響きがもう少しあれば〜とは思うが、決して軽いわけではない。
中音域が、すっきりしているので、厚ぼったくなっていないのだが、特に、チェロが軽快に聞こえる。
リズミカルなところは、好ましい。

2楽章〜3楽章
マリナー盤は、ワルツが良い。流麗でトリルが可愛く、室内楽っぽく、息づかいが手に取るようにわかる。
微妙な間合いが心地良く、軽快感を持ちながらも、響きの余韻を楽しむことができる。
3楽章の演奏は、エレジーというよりは、少し若さを感じるけれど、それでも響きは良いし、歌心もあるし。何度も聴きたくなる演奏だと思う。なんたって、のびやかだ。
女性的な旋律で、若い、ほっ とした溜息が聞こえる。ちょっとした憂いなのだ。
決して生活臭い溜息でないところが、救いで・・・微笑ましい。

4楽章
流れるようなフレージングが心地良く響いている。ロシア風ではないが、低弦の響きに支えられたヴァイオリンの音色が気持ちよい。ロシアの舞曲風ではあるのだが、エキセントリックにならず、躍動感もそこそこ。決してシャープでもないし、まったりしすぎでもないし。
ほどよく〜中庸としか表現しづらいが、ちょうど、頃合いっていう表現が難しい。
ビールのCM風に表現すると、のどごし、すっきり。となるだろうか。(笑)

弦楽合奏だな〜という感じが、マリナー盤では、イチバンよく表れているような気がする。
カラヤンなんぞ、ムンムンして聴けねぇやっ。という時には、これは良いんだけど。かといって、スウィトナー盤のように格調高く〜というところまでには至らない。
でも、室内楽っぽくって、親しみやすくて良いのかもしれない。 弦のちょっとした擦れ気味のボーイングや、タッチがよく聞こえてくるし、コンパクトだが、暖かみある心地よさ、まとまりのよさ、癖の無さという点は良いですね。
冒頭と最後の和音の、堂々とした雰囲気が好きというのであれば、ちょっと〜モノ足らないかもしれません。

  ビシュコフ ベルリン・フィル 1991年
Semyon Bychkov Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

ばっちグー!

録音状態は良い。見通しの良い演奏で、もちろんアンサンブルはバッチリっ。珍しい楽曲がカップリングされているのでお薦め。少しボリュームをあげて聴いて。
カップリング:
1〜4 チャイコフスキー 弦楽セレナード
5       ヴォルフ イタリア風セレナード
6〜7 エルガー 序奏とアレグロ
8       バーバー 弦楽のためのアダージョ
1楽章
チャイコフスキーの弦楽セレナードは、名曲である。
名曲だし、冒頭のフレーズなんぞ、誰でも知ってるでしょ〜って思うほど有名なのだが、ワタシ的には、これっ!というCDが、なかなかに見つからないように思う。
もちろん、スウィトナー盤が、ワタシにとってはお宝なのだが〜 なにせ1969年の盤である。
あれから、いったい何年経っているんだろう。あのねえ〜半世紀近いんですけど。その後、もっと良い演奏が出てきてもよさげなのだが、う〜ん。

で、このビシュコフ盤は、ベルリン・フィルだし、とっても贅沢なオケを使っての演奏となっている。
91年だし、録音も申し分はないのだが〜 なーんかインパクトがないというか、もっと個性的でも良いのに、おとなしい。
もちろん、アンサンブルは申し分ないし、録音状態だって良いし、細かい弦の動きも見えてくるかのように繊細に録音されている。息づかいも深めで、彫りの深さを感じるし、穏やかだが、弦フレーズのノビが、勢いよく感じられる。

もう少し低音の響きが、ぶあつく〜って思っていたのだが、見通しのよいものとなっている。
あっ そうか、カラヤン盤の分厚くて濃厚なイメージが、ワタシのなかから、消え去っていないだけかもしれないな〜っと、もう少しボリュームを上げてみたら、あらびっくり。音が違うやんっ!
このCDは、少しボリュームをあげて聴かないと、低弦の響きがわからないと思う。少し大きめにしたら、なんと、芳醇な音が、いっぱい聞こえてくるのだ。
う〜ん どうしてなのぉ〜? まあ、うちの装置が悪いのかなあ〜 CDを装置の相性もあるかもしれません。
で、ビシュコフさんって、結構アクが強くて、豪快というイメージがあったのだが、あらら〜意外と繊細ではありませんかと、結構、感心して聞き入ってしまった。 弦のピチカートだって、綺麗に決まっているし、ピシャッとキレの良さもあって、やっぱり巧い。さすがっ。

2楽章では、各声部の絡みというか、くっついたり離れたり、呼応したりしている様子は、とーってもよくわかるので、玄人好みなのかもしれない。

3楽章では、チェロにたっぷり、歌わせており、おおっ 濃厚さが滲み出てきたようだ。
1楽章では、ブツブツ思っていたところが、あらら〜一気に不満解消って感じだ。この楽章は、歌う、歌う〜 
そのくせ、ちゃんと、主体となる旋律だけではなく、他の旋律にも、神経が行き届いてて、巧く絡めていく。
えっ こんなに繊細な楽曲だったのぉ〜っと、思わず驚いてしまった。
セレナーデ特有の濃密で、密やかさも存分にあって、これは良いっ。

4楽章では、結構、アグレッシブに快速に飛ばしていくし、力強さが出てきて、一糸乱れぬ的に弾いて行くというパワーが出てくるので嬉しくなる。愉悦性というところまでにはいかないが、上品にまとまっており、ワタシ的には、もっと低音の響きが欲しかったかな〜とは思うが、やっぱり弦楽合奏は、美しい〜と、再確認させていただいた。
いやいや、これって、結構ナイスなCDだと思う。

特に、演奏する人だと、もっと聞き込める盤なのではないだろうか。
とても、バランスの良い演奏で〜 これだけバランスの良い演奏って、なかなか見られないと思うのだ。透明度も高いし、旋律の動きが見えてくるように感じられ、また、3楽章は陶然としてくる場面もあって〜 とっても好きになりました。
あまり、国内盤では売ってないかもしれないのだが、珍しい楽曲もカップリングされており、楽しめる1枚となっている。

1969年 スウィトナー シュターツカペレ・ドレスデン Berlin Classics ★★★★★
1974年 ジンマン オランダ室内管弦楽団 Ph ★★★
1978年 ムーティ ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 Brilliant ★★★
1980年 カラヤン ベルリン・フィル ★★
1982年 マリナー アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ Ph ★★★
1986年 C・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 Ph  
1991年 ビシュコフ ベルリン・フィル Ph ★★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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