「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ヴォーン・ウィリアムズ グリーンスリーヴスによる幻想曲 、タリスの主題による幻想曲ほか
Ralph Vaughan Williams: Fantasia on Greensleeves


バルビローリ シンフォニア・オブ・ロンドン 1962年
John Barbirolli  Sinfonia Of London

録音状態はまずまず。アナログ時代の優雅さ、穏やかさを彷彿とさせる演奏だ。
カップリング:ホルスト「惑星」ボールト ロンドン・フィル 78年
エルガー「威風堂々」1番・4番 バルビローリ フィルハーモニア管弦楽団 1962年 ヴォーン=ウィリアムズ「グリーンスリーヴスによる幻想曲」
バルビローリ シンフォニア・オブ・ロンドン 1962年
1962年の録音年なのだが、録音状態は心配したほどには悪くなく、良いと思う。
もともと、おっとりとした楽曲だが、昔懐かしいアナログの世界というか、柔らかい響きが、目の前に広がっていく気持ちよさがある。
フルートの「そぉ〜〜〜〜 ふぁみ れぇ〜どぉ そぉ〜」という持続音と、「それみそ しれそし れみそら し〜」と柔らかいハープの音が奏でられる。
ハープのパラン パラン という、フレーズがリズムを奏でて、「そし〜ど れ〜みれ ど〜ら ふぁそら〜」
「し〜そ そ〜ふぁそ ら〜ふぁれ〜」のフレーズが続く。

「ふぁ〜 ふぁ〜みれ ど〜ら ふぁ〜そら」 「し〜そ そ〜ふぁそ ら〜ふぁれ〜」
「ふぁ〜 ふぁ〜みれ ど〜ら ふぁ〜そら」 「し〜らそ ふぁ〜みふぁ〜そそ〜」
フルートの太い響きを、波紋の広がりのようなハープの音の適度な太さが、大変気持ちが良い。

個人的には、透明度の高いクリアーな録音が好きなのだが、アナログ時代 LP時代の音が懐かしい。
素直にそう思える音だ。温かみのある、穏やかで渋くて、太い音の束の響きが、ゆったり感を醸し出す。もちろん低弦のチェロの音質も同じように、まろやかだ。素直に受け入れられる。
  プレヴィン ロンドン交響楽団 1971年
André Previn    London Symphony Orchestra



録音状態は良い。
EMIに収録した10枚組BOX「グレート・レコーディングス」からの
1枚。この盤は、アンドレ・プレヴィンさんが、2009年に生誕80歳を迎えることを記念に発売されたEMIの10枚組BOXで、タイトルは、「グレート・レコーディングス」 である。

10枚組BOXの7番目のCDに、ウォルトンの「ベルシャザールの饗宴」、エルガーの「エニグマ(謎)」、V・ウィリアムズ(RVW)の「グリーンスリーヴスによる幻想曲」が 、カップリングされている。

いずれの盤も、さほど、大きく変わる楽曲ではないと思うし、短い平易な曲なので、カップリングの良さで買い求めたら良いと思う。のどかな田園風景が広がるような〜そんな魅力が収録された盤が、CD1枚で満喫したい。そんな盤はありませんか?と、言われても、ちょっとツライのだが〜
(実は、ワタシも探そうとしたが、1枚では無理ってなものである)
V・ウィリアムズの管弦楽集として、ワタシ的に気に入っているのは、ブライデン・トムソン指揮、ロンドン・フィルの1枚である。

イギリスのクラシック楽曲って、ワタシにとって、懐かしさにあふれているのだが〜 なぜ、これほどまでに親しみを感じて、涙腺が緩みそうになるのだろう。
う〜ん、草木の香りがたっぷり染みこんでいて、風のそよぎを感じることのできるフレーズが多い。
ゴツゴツした、縦線のシッカリ描かれた、構築されているようなフレーズではない。流れるフレーズが多いんだよなあ。ベートーヴェンを初めとした、ドイツ臭い楽曲とは大違いなのだ。
ちょっと、小学校唱歌のような感じもするし〜
あっ もしかしたら、学校で教えてもらった音楽が、イギリスの民謡、フォークソングの原典のような楽曲だったのかもしれないですねえ。
(あっ あんまり根拠なしに、勝手なことを書いちゃったらマズイですけど・・・)
マリナー アカデミー室内管弦楽団 1972年〜94年
(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)

Neville Marriner    Academy of St. Martin-in-the-Fields



録音状態は良い。ふんわり、暖色系、たっぷりめ。
素朴な演奏である。
カップリングは、下記のとおり。2枚組

ヴォーン・ウィリアムズ 管弦楽集  マリナー 2枚組
CD1
1  グリーンスリーヴズによる幻想曲
2  イギリス民謡組曲 3曲
3  オーボエ協奏曲 全3楽章
4  コンチェルト・グロッソ 全5楽章
5  ロマンス
6  揚げひばり 
CD2
7  「富める人とラザロ」の五つの異版
8  ノーフォーク・ラプソディ第1番
9  二重弦楽オーケストラのためのパルティータ 全4楽章 ボールト指揮 ロンドン・フィル
10 交響的印象「沼沢地方にて」
11 タリスの主題による幻想曲

この盤は、ヴォーン・ウィリアムズの管弦楽と協奏曲が収録された、マリナーさんの2枚組のお得なCDである。いかにも英国の音楽というか、まったり系、癒し系の音楽が満載 で、田園風景が広がってくる。
休日の午後の昼下がり、ほっこりした曲が聴きたくなったら、このCDを手に取っていることが多い。
グリーンスリーヴスによる幻想曲は、作曲家ヴォーン・ウィリアムズの名前を知らなくても、どこかで耳にしたことがあるかも・・・。

フルートとハープが冒頭に奏でられる。
「そし〜ど れ〜みれ ど〜ら ふぁそら〜」 「し〜そ そ〜ふぁそ ら〜ふぁれ〜」
「そし〜ど れ〜みれ ど〜ら ふぁそら〜」 「し〜らそ ふぁ〜みふぁ そ〜」
「ふぁ〜 ふぁ〜みれ ど〜ら ふぁ〜そら」 「し〜そ そ〜ふぁそ ら〜ふぁれ〜」
「ふぁ〜 ふぁ〜みれ ど〜ら ふぁ〜そら」 「し〜らそ ふぁ〜みふぁ〜そ〜」 

中間部は、「し〜しど れ〜 ふぁ〜 らそふぁみれみ〜・・・」
ノーフォークで採集した民謡「ラブリー・ジョーン」というものらしく、簡単な旋律だが、妙に懐かしい気分にさせ、もの悲しくもあるフレーズである。
両サイドに冒頭のフレーズ、真ん中にラブリー・ジョーンのフレーズ、短い曲で、わずかに4分半程度。

ふわ〜っした暖かいフレーズであり、風と草の香りのする歌だと思っていた。簡単に言うと、ほのぼのとした田園風景、草原風景、牧歌的だと。
で、ワタシ自身、昔、どこかで聴いたのだが、ずーっと思い出せずにいたのだが・・・。
ある日、webを放浪していて、ひょんなことから。あっ!

1962年の映画作品に「西部開拓史」というのがある。
当時のハリウッド、オールキャストの豪華メンバーが出演している作品で、文字通り、西部劇っぽい、歴史映画だが、まあ、今から思うと、開拓史ってことは、原住民感情を逆撫でしている映画なんだけど〜。
で、この映画のワンシーンに、グリーンスリーヴスが歌われていた箇所があるのだ。
アメリカが、イギリスからの移民〜という意味で、この曲が使われたのかもしれないが、ワタシの耳には、残っていたようである。まあ、もっとも、映画そのものよりも、ストーリー、映像や俳優よりも、派手だけど力強い、オープニング音楽の方が、印象に残っている映画なのだけど。
(ワタシのなかでは、西部開拓史のオープニング曲と、木枯らし紋次郎の主題曲が、カブッている 笑) 

ヴォーン・ウィリアムズのことを、ほったらかしにして、脱線して喋ってしまったが〜
「グリーンスリーヴス」は、本当は、なかなか、牧歌的とは言えないバックボーンがあるようである。
グリーンスリーヴス = 緑色の袖 = 草の色 = 草のなかで寝っ転がる? = 娼婦
え〜っ ウッソ〜 なんで、そうなるの? と言いたくなるが、どうもそうらしい。
スラットキン セント・ルイス交響楽団 1981年
Leonard Slatkin  Saint Louis Symphony Orchestra

ふむふむ。

録音状態は、まずまず。少しヌケが良くなく、低音がもわっとしてて重い。
カップリング:
1 ヴォーン・ウィリアムズ タリスの主題による幻想曲
2 サティ ジムノペディ第1番
3 サティ ジムノペディ第3番
4 バーバー 弦楽のためのアダージョ
5 フォーレ パヴァーヌ
6 グレインジャー:デリー州のアイルランド民謡 (ダニー ボーイ)
このCDは、オムニバス盤になっており、今日は、タリスの主題による幻想曲を聴いた。
しみじみ〜とした曲で、優美でありながら、弦楽合奏のみという編成なので、穏やかな楽曲である。
靄のかかった大地を思わすような序奏部分から、古代の雰囲気すら漂うような感じで〜弦のボンボンボンという響きが大きく響く。
深い息遣いではあるが、録音状態は、う〜ん 透明度の高いものではなく、暖かみはあるが、太い。
オケの上に、弦楽四重奏団が被さっているのだが、弦のトレモロのうえに、弦楽合奏が、ゆったり〜たっぷり〜奏でられるが、低音の弦が、ごわごわしてて、分厚く、あまり滑らかとは言えない。
通奏低音のイメージとしては、良いのだろうが、これではゴツすぎるように思う。ワタシ的には、もう少し、スッキリした響きの方が好きだ。
テラークの録音なのだが、期待していたよりは、ヌケが良くないように思う。
ブライデン・トムソン ロンドン・フィル、ロンドン響  1986〜87年
Bryden Thomson
London Philharmonic Orchestra



録音状態は良い。教会での録音らしく、残響が幾分多めで、ふんわり〜とした膨らんだ、まろやかさがある。
 
トムソン盤は、V・ウィリアズ(RVW)の管弦楽集を6曲収録している。

1 ノーフォーク・ラプソディ第1番
2 交響的印象「沼沢地方にて」
3 タリスの主題による幻想曲
4 「富める人とラザロ」の五つの異版
5 「グリーンスリーヴズ」による幻想曲
6 揚げひばり

他の演奏家CDもあるとは思うが、V・ウィリアムズの楽曲は、誰の演奏でも、さほど変わらないかもしれない。(ちょっと乱暴な言い方だけど〜)
ふわーっとした、水彩の風景画のように、嫌みなく聴けるし、懐かしさがこみあげてくるような曲なので、眉間にシワも寄らず、休日の昼下がりにBGMにして、午睡するにも適しているかもしれない。
このトムソン盤は、カップリングが良いのと、録音状態が良いので、お薦めできちゃうと思う。

ワタシ的には、以前、生コンサートで聴いた タリスの主題による幻想曲が入っているので、喜んで買い求めたCDだ。
ちょっと残響が多めなのだが、1〜5曲については、教会で録音しているので、ふんわりした感じが残る。
ノーフォーク・ラプソディ第1番は、小太鼓付きのマーチングバンドのような、民謡フレーズが入ってくるが、メチャメチャ 日本風のフレーズのようで〜 思わず、田舎に帰りたくなるかもしれない。
NHKのドキュメンタリー番組のBGMに、うってつけのような楽曲である。

タリスの主題による幻想曲は、「トマス・タリスの主題による幻想曲」というタイトルが正式かもしれない。
「ら〜そぉ〜みぃ〜れぉ〜ど〜」
「みそそし ららしぃ そししし ふぁそらし」
「みししし そららし しし〜どらし〜 みふぁそぉ らっ〜」
透き通るようなヴァイオリンの音色から、チェロに主題が移る。
「らど どれ〜みぃ〜 み〜ふぁみ〜 らみ どれ みぃ〜」
教会のフレーズをモチーフにしているようで、すこぶる美しく、弦楽合奏曲としては、う〜ん。綺麗すぎるほど綺麗で、心が洗われちゃうようなフレーズなのだ。特に、主旋律を歌う弦も良いのだが、中音域より低い音が、オルガンの響きのように、まろやかに空間に広がっていく。
フレーズが何層にも流れてきて、和音の美しい音色に、うっとり〜 この点は、小規模のオケと、大きな編成のオケでは違うが〜 ワタシ的にはロンドン・フィルの厚みのある音色が好きである。

ところで、トマス・タリスのことを、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、
トマス・タリス(Thomas Tallis)は、16世紀の作曲家で、オルガン奏者だったという。
「1567年に書かれた「大主教パーカーのための詩編曲」の第3曲の旋律は、後にヴォーン・ウィリアムズが「トマス・タリスの主題による幻想曲」に用いたため、特に有名になった。
また、この第9曲は「タリスのカノン」という別名を持っている。」と書いてあった。

また、タリスの主題による幻想曲は・・・
本作は、楽曲構造においてエリザベス朝の「ファンシー」または「ファンタジー」に似せられている。
「タリスの主題」は、全曲を通して3度にわたって聞こえるが、楽曲の大部分は主題の構成素となる断片ないしはモチーフを基礎としており、従ってそれらに変奏も依拠している。
楽曲が、3分の1ほど進むと、主題に基づく副次的な旋律が最初ヴィオラ独奏で現れる。
この副次主題が、最後の5分間におけるクライマックスを形作るのである。

トマス・タリスのフリギア旋法による原曲は、英国国教会初代カンタベリー大主教マシュー・パーカーのために捧げた、1567年の9曲の詩篇のうちの1つである。
ヴォーン・ウィリアムズは、1906年に「イングランドの賛美歌 English Hymnal 」を校訂した際、その詩篇を第92曲として取り上げた。
はあ〜 なるほど。讃美歌風なワケだ。詩篇か〜 ここでは割愛してしまうが、歌詞があるのだ。
元々のフレーズが、教会で歌われることが想定されているわけで、ワタシ的には、この曲だけを取り出して、何度も繰り返して聴く。
その都度、目頭が少し熱く、悲しくなってしまうのだが、気持ちがリラックスするうえに、少し懺悔したような気分で癒される。この曲を、癒しに使うのって、いささか下品だとお叱りを受けるかもしれないんですけど、 高尚すぎるワケでもなく、わりと素朴で、庶民的で〜落ち着く。

ちなみに、この「大司教パーカーのための9つの詩篇歌」(Tunes for Archbishop Parker's Psalter)
は、タリス・スコラーズさんが、アカペラでも歌っておられてCDも発売されている。

グリーンスリーヴスによる幻想曲の方が、知名度は高いが〜
いやいや、このタリスの主題の幻想曲の方が、う〜ん。ワタシ的には好きだしイチオシである。
ロンドン・フィルの音色は、温かみがあって、よく響いているが〜その分、石造りの教会のなかで響く、冷たく透るような凛とした空気感や、玲瓏さには欠けているかもしれない。
マリナー盤も、温かみのある録音状態だが、広がり感は、幾分少なめ。まっ その点、聴き手の好みに左右するかもしれないが、トムソン盤は、壮大というか、荘厳というイメージを受ける。

2曲めの交響的印象「沼沢地方にて」、4曲めの「富める人とラザロ」の五つの異版も、メチャメチャ日本の田舎風景が広がっているのだが、すぐに口ずさむことのできる優しいフレーズが詰まっており、ゆったり〜としたフレーズが、連綿と流れていく。
なんたって、古風な旋律をモチーフにしているとはいえ、ゲンダイに作曲された作品なんだから〜 本当は、フレーズの織り込みを分析して聴かなければならないと思うが、耳にご馳走すぎて、聴いた感覚だけで終わってしまいがち。
結構、奥が深いようなので、ホントは、もっともっと、聞き込まないと〜 と思っている。
まっ しかし、80歳になってもマーラーを執拗に聴いているかと言われたら、う〜ん。と唸ってしまうかもしれないが、このV・ウィリアムズの楽曲たちは、年齢を重ねて聴く方が良いかもしれな い。
まっ 心配しなくても、、、と、楽曲同様、暢気に構えている。(笑)
なお、「グリーンスリーヴスによる幻想曲」と「揚げひばり」は、ロンドン交響楽団との録音である。
1962年 バルビローリ シンフォニア・オブ・ロンドン EMI ★★★
1971年 プレヴィン ロンドン交響楽団 EMI ★★★★
1972年〜94年 マリナー アカデミー室内管弦楽団 Dec ★★★★
1981年 スラットキン セント・ルイス交響楽団 Telarc ★★★
1989年 トムソン ロンドン交響楽団 Chandos ★★★★
所有盤を整理中です。

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