「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ヴァレーズ イオニザシオン(電離)など作品集
Varèse: Ionisation, Arcana etc


エドガー・ヴァレーズは、1883年フランス生まれの、アメリカに帰化した作曲家です。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
最初の頃は、ドビュッシーなどと親交を持ち、、後期ロマン派や印象主義の影響を受けた作品を書いていたそうなのですが、初期の作品を全て廃棄し、ブゾーニやストラヴィンスキーの影響を受けて、打楽器を多用した作品を発表し、第二次世界大戦以降は、電子音楽も取り入れた作品を発表しています。

セリー技法によらない作曲法、多数の打楽器の使用、電子楽器の使用など、それまでの音楽とは、はっきりと一線を画した、斬新な音響空間は後の現代作曲家達に大きな影響を与えたとのこと。
残された作品は少ないが、一つ一つが個性的、色彩的でエネルギーに満ち、完成度が高いとのことです。
弟子にアンドレ・ジョリヴェ、周文中、ウィリアム・グラント・スティルらがいます。
馴れないと、騒音音楽っぽく、斬新すぎて〜 凶暴すぎて、呆気にとられてしまいます。
ストラヴィンスキーは1882年生まれなので同世代になるでしょうが、クセナキスやシュトックハウゼンなどは、1920年代生まれだったと思います。時代の先端を行っていたというより、飛び抜けていたと言えるかもしれません。
ワタシの場合、リズム音痴だし、絶対音感はないし、う〜ん まだまだ、耳を馴れさせているような状況です。(謝)

メータ ロサンジェルス・フィル 1972年
Zubin Mehta  Los Angeles Philharmonic Orchestra

いかすぜっ


録音状態は良い。叩くモノを持って、飛び入り参加したくなるような楽しさを感じる。
カップリング:
1 ヴァレーズ アルカナ
2 ヴァレーズ アンテグラル(積分)
3 ヴァレーズ イオニザシオン(電離)
イオニザシオン(電離)

ヴァレーズのイオニザシオン(電離)は、1931年、西洋音楽史上初のパーカッション・アンサンブルだとされている。
このメータさんの振る72年のCDは、長らく廃盤になっていたもので、ワタシは中古で買い求めた。
CDには、 20世紀の音楽シリーズ騒音音楽の元祖、エドガー・ヴァレーズの代表作を収録、レコード・アカデミー賞を受賞した名盤がついにCDで復活!と、帯に書かれてあった。
・・・ことに13人の打楽器によるイオニザシオンは、西洋がそれまでもっていた音楽観を全く180度転回するような衝撃的な作品でした。このCDには、その曲をはじめ、彼がもっとも創作活動の盛んだった20年代から30年代にかけての作品が収められています。・・・と書いてある。

メータ盤で、今、聴くと、少し素朴な感じがする。
最初は、のけぞって、これは何?これが音楽? うっそぉ〜 と言っていたサイレンの音も、さほど驚かなくなってしまった。
だって、慣れたということもあるだろうが、聴いていると、とても楽しそうなのだ。

それに、72年の録音だが、とてもクリアーで、音がはっきり聞こえてくる。目の前の舞台で打楽器が叩かれているかのようなリアルさがある。 これは、参加したくなっちゃうなあ〜 
なんか、叩くモノはないかしらん。と、部屋の小物を探し、叩くモノを持って飛び入り参加したくなるような〜 楽しさを感じる。そう、子供に戻ってパンカ パンパカ・・・したくなる気分なのだ。
これだと、 騒音音楽って感じがしませんね〜。

アルカナという楽曲も、「しどれっ しどれっ しどっ れぇ〜」 ぱぁ〜っ! 「しどれっ しどれっ しどっ れぇ〜」 
ティンパニーの音も柔らかく、トロンボーンをはじめとした金管群や木魚のような音が鳴るが、やっぱり、口々に叫ぶような金管のフレーズが楽しそうだ。チューバの低音の響きなどが、結構、勇壮だ。
CDのブックレットには、冒頭の3音のモチーフからなる全音階的な11音の旋律が、この作品の構造を支える低音主題である・・・などと書いてあった。
あっ そうなのか、と解説を読ませていただいて気づいた点も多い。まあ、これ以上は引用は控えるが、重く感じる筈の音が、硬く響くのではなく、ふわっと広がるところが、なんとなく、下に向かった重量感から解放されて、前の方に、体重移動するかのような推進力を感じる。
結構、この曲は編成の大きなもので、約40種類の打楽器だと書いてあった。

アルカナっていう意味は、ラテン語らしく、神秘、秘密などという意味らしいが、野蛮なジャングルの奥地にいるようでもあり、空中に浮かぶ不思議な物体、マグリットの絵画、海に浮かぶ岩、宙に浮かぶ岩のような感じでもある。
どうも、これら楽曲は、聴く人のイメージを膨らませ、いろんな風に思い描かせてくれるらしい。

アンテグラル(積分)は、 弦楽器なしの室内オケと打楽器のために書かれた作品で、17種類の打楽器で構成されている。 木魚のような音と、ローマ史劇に出てくるような長いトランペット そら れっれぇ〜っ みそ らっらぁ〜
ぽわ〜ん。という青銅の小さな釣り鐘のような音が聞こえてくる。
クラリネット、オーボエ、ホルンとトランペットが旋律を出すというか、どうもワタシには、小さな釣り鐘のような音が耳に残ってしまう。ぽわーん、ぽわ〜ん。という音が、除夜の鐘みたいで・・・
いや、お寺の木魚の横に置いてある、大きなお椀のような磬子(きんすORけいす)が、鳴っているような感じだ。
音が鳴るたびに、ぼよよ よぉ〜んと、音の波が、生まれ出てくるような気がする。

メータ盤だと、アルカナが18分39秒、アンテグラルが10分36秒、イオニザシオンが5分9秒で、わずか35分ぐらいのCDだが、正直言って、これ以上演奏が収録されていても〜ちょっと困ってしまうかも。
これぐらいの長さが、ちょうど飽きさせないのではないかなあ。楽しめちゃいましたね。

ケント・ナガノ フランス国立管弦楽団 1991、92、96年
Kent Nagano  Orchestre national de l'ORTF
(Orchestre national de France)



録音状態は良い。 バランス良く配置されている感じがして聞きやすい。
妙に隙間があいてスカスカしているわけでも、硬すぎず、ソフトすぎず〜冷たすぎず。音響の響きの良さもあり、迫力もあって嬉しい。
カップリング:下記のとおり。ヴァレーズ作品集2枚組BOX
イオニザシオン(電離)

CD1
1 アメリカ 2 オフランド 3 ハイパープリズム 4 アルカナ
CD2
1 デンシティ21.5 2 イオニザシオン 3 エクアトリアル 4 ノクターナル 
5 インテグラル(質量) 6 デセール(砂漠)

ヴァレーズの音楽って、ゲンダイ音楽である。
1883年〜1965年のフランス生まれの作曲家で、ワタシ、最初に聴いたのが、この「イオニザシオン」なのだが、メチャクチャ変わっていて、斬新すぎて、とても、ついていけなかった。
だって〜 救急車の「うぅ〜っ うぅ〜」というサイレンが、いきなり流れてきて、空襲警報発令っ! 逃げろぉ〜って感じがしたものだから。

チャイコフスキーのように綺麗な旋律が入っているわけでもなく、心地良い響きとか、共鳴しあって美しい和音が響くってことのない曲なのだ。電子音や打楽器しか聞こえてこず、普段、騒音としか聞こえてこないような音やデジタル臭い音が、イッパイ詰まっているのである。
はじめて聴くと、うへっ!  なんじゃーこりゃ。これが音楽かい? って、のけぞってしまったのである。
今でも、わりと、そうなんですけどね〜(苦笑)
まあ、許容量は、昔よりは大きくなってるんだけど、久々に聞くと、ハハハ〜 やっぱ、斬新っ。

サイレンの音の後に、うぅ〜 わぁ〜 チャカチャカ チャッチャンっていう小太鼓の音、パコパコ、パパっ。という小さな木魚風音が聞こえたり、パーカッション群の多彩な面白い音が入ってくる。
拍子木のような音や、お寺で聞くような、チンっ。
ハワイアンのギーシギーシ、ギザギザした音のなるような楽器を思い浮かべる。また、鈴の音のようなモノとかが、重層的に奏でられている。 ワタシの聞いている耳には、サイレンと、木魚風の音が興味深いのだが、最後にはピアノも入ってくるし、 チューブラベルの鐘の音が聞こえてくる。

わずか6分程度の曲だが、最後には傷つき倒れそうになって、うぅ〜っと、サイレンのように、犬の遠吠えのように、唸ってしまう羽目になるけれど、それでも聞いているうちに耳に馴染んで、環境音楽風にも聞こえてくるので不思議だ。
騒音オンガクって感じはしませんね。
で、今回、ケント・ナガノさんのCDをご紹介したのだが、この作品だけでなく、ヴァレーズの作品については、なかなか、演奏が、どうこう〜 言えないな。と思う。 音響にも左右されそうだし、楽器そのものの音にも左右されそう。
このCDは、響きは良く、明瞭さにも欠いていない。ハッキリ、クッキリ、スッキリ、クール系の録音状態ではないのだが、結構な音量で、ジャーンっと響いて迫力もあ る。
ご紹介している盤は、かつて、分売されていたCDを、ヴァレーズの作品集として2枚組BOXにしたもので、お買い得感はある。

それにしても、 ケント・ナガノさんって、幅の広い指揮者である。
いろんな楽曲を、こうして指揮してCD化されているのは、とても喜ばしいこと。でも〜 ワタシが所有しているCDには、録音年が記載されていない。(泣) 調べてみたら、91年らしいのだが、 作品自体、これは、単に耳で聞くよりも、見て楽しむ方が面白さが増すように思う。ブーレーズさんの演奏が、You Tube に掲載されていたので、興味を持たれた方は、検索されてはいかがでしょうか。



シャイー コンセルトヘボウ 1992年
Riccardo Chailly  Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

録音状態は良い。ゆったりとした空間に広がる原初的な楽曲。
カップリング:
1 モソロフ 鉄工場(1992年)
2〜5 プロコフィエフ 交響曲第3番(1991年)
6 ヴァレーズ アルカナ(1992年)



← シャイーとコンセルトヘボウのヴァエーズの作品集CD2枚組

チューニング・アップ、アメリカ、ポエム・エレクトロニク、アルカナ、ノクターナル、
暗く深い眠り(アントニー・ボーモン編曲 管弦楽版)
暗く深い眠り(オリジナル版)、オフランド、ハイパープリズム、オクタンドル、アンテグラル、エクアトリアル、イオニザシオン、密度21.5、砂漠、バージスの踊り
ヴァレーズ アルカナ

このCDは、「20年代のアヴァンギャルド!」と、タイトルされたもので、モソロフの鉄工場と、プロコの3番、ヴァレーズのアルカナが収録されている。
発売された当初は、びっくり仰天となってしまって、ワタシのCD棚の奥に、速攻でお蔵入りになってしまったものだ。
まあ、ど素人のワタシには、ついていけない楽曲の1つで、ヴァレーズさん? 凶暴すぎて、アハハ〜 困ったなあ。というのが、正直なところなのだ。
そりゃ、うるさいわ、騒音じゃん、こんなもの・・・。って感じなのだ。
そりゃ〜 アヴァンギャルドだからでしょ。って言われそうなのだが、何が前衛的なのやら。
さっぱり、定義も調べてないし、わかんない・・・。

で、恐る恐る取り出して、久しぶりに聴いてみることにしたけれど、なにやら、全く受け付けないという範疇ではないようだ。
ストラヴィンスキーの春の祭典に、馴染んで耳にしていると、聴けないこともないかな。
という程度だ。
ハルサイは、もはや古典である〜とまでは、ワタシには言えないが、よく似た雰囲気の部分が散見され、シャイー盤で聴くと、音の構成がわかりやすい気がする。(まっ あくまで、気がする・・・という感じなのだが)

「しどれ しどれ  しっどぉ〜れ  しど (パッパ ぱぁ〜)」と、ティンパニーと金管が吹かれている。
この「しどれ しどれ・・・」というティンパニーが、象徴のように繰り返して叩かれており、多彩な打楽器が、そこに連なってくる。
ムチがしなるかのような、ポンポコっと鳴る打楽器もあるし、打楽器好きな人には、面白いんだろうなあ。
途中で、人の声じゃーないの? 「ぶ ぶ ぶ〜ん」って言う、声でしょ。これっ! ってな音も入ってくるし、繰り返して聴くと、なにやら、ケッタイな音楽なのだが、耳には馴染んでくるし、マーチングバンドのような軽やかな雰囲気も入ってくる。
銅鑼も大きく響いており、アハハ〜 ストラヴィンスキーハルサイ第2番って感じの様相が出てくる。

多少は、おもしろがって聞ける楽曲にはなるが〜 夜に、大きなボリュームであげて聴くと、そりゃーダメです。
シャイー盤では、18分30秒というクレジットである。
フランス語版のウィキでは、オケの構成は、ヴァイオリンとヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、ピッコロ、ファゴット オーボエ、クラリネット、バスクラ、ホルン トランペット トロンボーン、チューバ、トライアングル、ギロとあったが、
シャイー盤では、これ以上に、楽器は使われているように思う。
素人の耳では、わかんないが、特に、打楽器は、もっと、いろんな種類を使ってるよん。って感じだろうか。  
1972年 メータ ロサンジェルス・フィル Dec ★★★★
1977年 ブーレーズ アンサンブル・アンテルコンタンポラン CS
1991年 ケント・ナガノ フランス国立管弦楽団 ★★★
1992年 シャイー コンセルトヘボウ Dec ★★★★★
所有盤を整理中です。

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