「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ワーグナー 「ローエングリン」 前奏曲
Wagner:
"Lohengrin" Preludes


クーベリック ベルリン・フィル 1963年
Rafael Kubelik
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

録音状態は良い。(リマスタリング盤) 上品で静謐で、弱音がことのほか美しい演奏である。
カップリング:「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲、「ローエングリン」第1幕への前奏曲、「ジークフリート牧歌」
「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲、愛の死

「ローエングリン」第1幕への前奏曲
私が持っている盤では、3幕への前奏曲が無いので、ちょっと悲しい。
カップリングによっては、第3幕前奏曲が収録されているものもある。(バイエルン放送響)
で、特筆すべきなのは、弱音で続くフレーズが緊張感があり、大変美しいこと。それにつきる。
ヴァイオリンのボーイングが長いし、弦の高音域が、「聖杯の動機」を、神々しく醸し出している。
このヴァイオリンの音が、めちゃくちゃ繊細なのだ。主旋律である動機より、弦の方に耳が行くぐらいで、それだけでも、たいしたモノだと思う。
最後、「みみっ し〜どっど〜 れ〜み〜ふぁ〜 そっそっ〜」
「そー ふぁれふぁみ〜 れ〜どしし〜ら そそ〜ふぁれふぁみ〜れ〜」
静かに盛り上げている。おみごとっ。

ハイティンク コンセルトヘボウ 1978年(74年)
Bernard Haitink
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)



録音状態は良い。地味だけど美しい音色に彩られている。
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
「パルジファル」第1幕への前奏曲
「ローエングリン」第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲
「トリスタンとイゾルデ」前奏曲、愛の死
「ジークフリート牧歌」

「ローエングリン」 第1幕への前奏曲
前のパルジファルの延長線のように、ローエングリンの第1幕への前奏曲が入っている。いきなり3幕に飛ばないところが、センスの良さを感じる。(笑)
弱音での奏でる音が、格調高く、まろやかに響いていることと、和音が良い。
ローエングリンって、こんな美しく、荘厳な楽曲だったっけ。
「ふぁ〜 そ〜 ら〜 ら〜っ れれっ〜 ら しっし〜 れみふぁふぁ〜 そそ〜 そ〜ふぁれふぁ〜み」
「れ〜どしれど そそ〜ふぁれふぁみ〜れどしふぁ〜」
永遠に続いて欲しいって思うほど、祈りに近い恍惚感が味わえる。で、緊張感を強いないところが、ハイティンク盤の良さで、ああっ ハイティンク恐るべしっ。

「ローエングリン」 第3幕への前奏曲
で、3幕は、蛇足に思えちゃうほどなのだが・・・。
3幕への出だしは、「そしられ〜みれっ れそ〜ふぁみれ れどどっし・・・」と、勢いよく滑って出てくるような冒頭である。しかし、ハイティンク盤は、滑るようには出ない。
わりと、カシカシ律儀に、弦が細かく動いている。金管は、申し分なく。
まろやかで〜 気持ちよいこと、このうえなく。
シンバルも派手に鳴らず。まあ。勢いが無いわけではなく、上品で極上だと思う。
(もう、ここらあたりまでくると、充分、満腹状態〜 心地良い疲れに突入する。)

若杉弘 シュターツカペレ・ドレスデン 1984年
Hiroshi Wakasugi
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)



録音状態はまずまず。繊細な演奏である。特に、弦のフレーズが、糸が紡ぎ出され、重なりあい織りなすさまが見えてくるような演奏となっている。
カップリング:ワーグナー序曲集、ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」1985年、マーラー交響曲第1番「巨人」1986年

この盤は、2009年に若杉さんが亡くなったあと、メモリム・アルバム「シュターツカペレ・ドレスデンの芸術〜若杉弘 〜」(3枚組BOX)として出されたもの。燻し銀と言われたドレスデン歌劇場管弦楽団の音色が収録されているのは嬉しい。

「ローエングリン」 第1幕への前奏曲
「ローエングリン」 第3幕への前奏曲
う〜ん なんて繊細な音なのだろう。
こんなに透明度が高くて、見通しが良く、透けてきそうな演奏ってあったっけ。
なんだか、権力主義的で、どわ〜ん、ぐわ〜んと鳴るワーグナーしか聴いてこなかったような気がする。
確かに、耽美で、とろける楽曲もあるし、退廃的で、麻薬的だし。
そこが好きってところもあるんだが、若杉さんの演奏は、ど派手じゃないのに、しっかり手堅く、聴きどころを知っているかのような、じわーっと揺れ動かすモノがあるんだな〜。
落ち着いた演奏だなあって思う。
シャーンとなるシンバルは、ちょっと大きすぎるんだけど、音は、深々としてて渋い。
渋すぎ〜っと思うけど、でも、なんか聴き終えると、じんわり熱くなっている。
テンポは、ゆったりしているが、ホルンを初めとした金管セクションは、やっぱり美しい。チューバも巧いっ。
ローエングリンの3幕なんて、ほぉ〜 うっとり〜 絶句。涙目になってしまう。
あ〜やっぱり ドレスデンの音なんだぁ。

ちなみに、この若杉さんのワーグナーの序曲集は、ルカ教会(Lukaskirche in Dresden)で収録されている。燻し銀と例えられた、ドレスデンの音が好きな方には貴重な盤ではないだろうか。
私的にも、この音色には、うるうるきちゃった。ブロムシュテットさんの「英雄の生涯」(DENON盤)も84年の録音だし、ほぼ同じ時期に録音されているようだ。

レヴァイン メトロポリタン歌劇場管弦楽団 1995年
James Levine
The Metropolitan Opera Orchestra

「さまよえるオランダ人」序曲
「タンホイザー」序曲とヴェーヌスブルグの音楽
「ローエングリン」第3幕への前奏曲
「ワルキューレ」〜ワルキューレの騎行〜
「ニュールンベルグのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死〜

「ローエングリン」 第3幕への前奏曲
これは、完全にあけっぴろげ〜 ノー天気と言えば、そのとおり。でも、祝典という雰囲気なので、これで良いと思う。金管類が、少し遠目に感じ、もう少し迫力が欲しい感じがする。
たたた〜 たたたた〜っというところを、もちっと粘ってもらってもいいかも。弦が薄いのかなあ。
勢いのあるところは、聴けるんだが、ゆったりしたテンポになると、なんか弛緩してしまう。
テンポを、しっかり刻んで欲しい・・・ 

バレンボイム シカゴ交響楽団 1994年
Daniel Barenboim
Chicago Symphony Orchestra

「さまよえるオランダ人」序曲
「タンホイザー」序曲
「ローエングリン」第1幕への前奏曲
「ローエングリン」第3幕への前奏曲
「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
「トリスタンとイゾルデ」前奏曲、愛の死

録音状態は、ボリュームをあげて聴きたい。ボリュームをあげないと、ぼそぼそ〜として、低音が籠もって聞こえてくる。ゆったりと大音量で鳴らす大型スピーカー向きだと思う。

「ローエングリン」 第1幕への前奏曲
聞こえるか聞こえないほどの弱音で始まる。ここまで弱音でやられると、耳を澄ませて聴かないと。という感じだが・・・。木管とか細いヴァイオリンの音色だけで、まあ。そこそこ歌っていると思う。

「ローエングリン」 第3幕への前奏曲
冒頭、たらら〜ちゃちゃちゃーん ちゃーんテンポが速すぎたのか、弦があわなくってアンサンブルが乱れている。シンバルが速いのか、弦がとろかったのか。うぐっ。
1963年 クーベリック ベルリン・フィル ★★★★
1978年 ハイティンク コンセルトヘボウ Dec ★★★★★
1984年 若杉弘 シュターツカペレ・ドレスデン SC ★★★
1995年 レヴァイン メトロポリタン歌劇場管弦楽団 ★★
1994年 バレンボイム シカゴ交響楽団 Tle ★★★★★
所有盤を整理中です。

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