「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ワーグナー リエンツィ パルジファルほか 序曲&前奏曲
Wagner:
Parsifal & Rienzi Overtures and Preludes


サヴァリッシュ ウィーン交響楽団 1960年
Wolfgang Sawallisch
Wiener Symphoniker
(Vienna Symphony Orchestra)

あんたもやるね〜

録音状態は、あまりよろしくない。ティンパン-はボンボンしているし、金管も爽快には鳴らない。でも、ラストは熱いです。
カップリング:
1 ワーグナー さまよえるオランダ人序曲
2 ワーグナー リエンツィ序曲
3 ワーグナー タンホーザーよりヴェヌスベルクの音楽
4 ワーグナー ジークフリート牧歌
「リエンツィ」序曲

かなり古いアナログ時代の録音なので録音状態は、さほどよろしくないが、熱い演奏だ。
冒頭の木管と低弦で、「しぃ〜〜 しぃふぁそれぇ〜」というフレーズを繰り返して、牧歌的なフルートが奏でられる。
この間合いのゆったりした感じが、すごく緊張を生む。

そして、低弦のどす黒く、ゆったりしたフレーズから、「どれみ〜ぃ れみふぁみ どぉ〜し らぁそみし どぉ〜れ〜 みふぁぁ〜」 「みぃ〜 れみふぁみ どぉ〜しぃ らそみし どぉ〜れぇ〜 みふぁ〜」
弦のフレージングのゆったりとした、身振りの大きい、妙に、しんみり〜した感じが、とっても良いなあと、しみじみ。
大きなうねりとなって、「どぉ〜ら みふぁそっ」と奏でて、慌てず急がず。
たいして恰幅が良いとも思わないだが、大きいと感じるのは、なぜなんだろう〜

ティンパニーの響きと、低弦の音の間合い。最近の演奏って、これだけ、ゆったりと器の大きな演奏が、ちょっと聴けないような気がする。ヴァイオリンの弓をしならせて、大きく、軋んでかすれた音が、すごく力強く感じられる。
まあ、ティンパニーの音と金管の音が、少し貧相に感じられてしまうのが悲しいが、それよりも、旋律の歌わせ方が、とても大きく感じられるのだ。間合いの大きさ、ふわっと大きく感じられるところが、今とは、ちょっと違うようで〜
金管の吹き方とかも、時代と共に、変わっているのかなあ〜
ラストは、打って変わって、ジャンジャン シャンシャンっ なんて派手なの。前につんのめるかのような速さで、熱いっです。


ショルティ ウィーン・フィル 1961年
Georg Solti  Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra) 



録音状態は良い。リマスタリング盤 メチャ格好良くって〜
カップリング:ワーグナー
1 「リエンツィ」序曲 2 「さまよえるオランダ人」序曲 3 「タンホイザー」序曲 4 「タンホイザー」バッカナール 5 ジークフリート牧歌 1〜4までは1961年、ジークフリート牧歌は1965年の録音なのだが、 ハイ、録音状態は抜群に良い。96kHz-24bitのリマスタリング盤。

「リエンツィ」序曲

ワーグナーの楽曲のなかで、リエンツィは、あまり有名ではないのだが、ワタシ的には、メチャ格好良い序曲だと思いこんでて、かなり好きな楽曲だ。
ほとんど、プログレ的な楽曲で、ジャ〜ジャジャ ジャー ジャジャジャジャ・・・
リズミカルで、弦をかき鳴らすような雰囲気が、ギターに持ってこいじゃーないのかなあ。って思ったりしている。素人のワタシが、頭のなかで、ジミヘンっぽく、ポーズを決めているんである。(苦笑)

このショルティ盤は、かなり昔の録音だけど〜 これが今でも、まずまず通用する。そりゃーあまり大きな音で聴くとアラが出ちゃうんですけどね。でも、 ワーグナーって言えば、ウィーン・フィルとのショルティ盤が、ダントツで有名だったし高嶺の花だった。 で、ワーグナーのリング全集は歴史的な名盤とされてて、ずーっと息の長い発売を繰り返している。
管弦楽曲集としても、抜粋されて発売されているCDもあるのだが、なかなか、リエンツィ序曲は収録から、ハミゴにされてしまうことが多い。
で、所有盤をごそごそ探していたら、あーっ ありました。
ジークフリート牧歌と一緒になっていたCDを見つけたのだ。むふふ。

「み〜 れみふぁみ ど〜しらそみしど〜れ〜みふぁ〜」
「み〜 れみふぁみ ど〜しらそみしど〜れ〜みふぁ〜」
「そ そ そ そふぁみれ ど〜し〜 し〜しし し〜」
ひやぁー 小太鼓は壮大に鳴っているし、弦をかき鳴らしている弓から、血が迸るようなキレ。
壮大な、金管パワーっ。ちょっと下品じゃーないかしらん。と思うような、つんざくような音量だ。
かなり劇的で、圧倒されて〜 トランペットが、あまりにも格好良すぎて〜 どひゃーん。 思わず、これ、シカゴ響じゃーないよねぇ〜と確認したのだが、ウィーン・フィルであります。

金ぴかの宮廷音楽家、華麗なるウィーン歌劇場管弦楽団って感じからは、完全に逸脱しているような音で、ガッシガッシに鳴っているので、思わず驚きましたが〜  ハハハ すげっ。これだけ録音されていたら、文句ありません。拍手っ。
こんなことを言ったらクナさんファンに怒られると思うけれど〜 ワタシは、断然っ ショルティ盤である。
格好良すぎて〜 比べものにならないし、今でも、充分に、はまります。


クナッパーツブッシュ ミュンヘン・フィル 1962年
Hans Knappertsbusch
Münchener Philharmoniker (Munich Philharmonic)

録音状態は、お世辞にも良いとは言えない。
社交辞令風に言うと、いやいや、なかなか暖かみのある堂々とした演奏で〜って感じになるでしょうか。
カップリング:ニュルンベルクのマイスタージンガー第1幕への前奏曲、タンホイザー序曲、トリスタンとイゾルデ〜前奏曲愛と死〜、パルジファル第1幕前奏曲

クナッパーツブッシュさんは、昔の、偉大なる指揮者のなかで登場してくる名前ではあるが〜
ワタシにとっては、リアルタイムで聴いてないので、過去の方というイメージなのだ。で、よくは存じ上げないが、一応、2枚だけCDは持っている。

当盤は、ウエストミンスター盤で、62年の演奏である。
カップリングは、ニュルンベルクのマイスタージンガー第1幕への前奏曲、タンホイザー序曲、トリスタンとイゾルデ〜前奏曲愛と死〜、パルジファル第1幕前奏曲 
もう1枚は、リエンツィ序曲 さまよえるオランダ人序曲 ジークフリート牧歌、ローエングリン第1幕前奏曲である。
どちらも日本ビクターから出ていたもの。

LP時代からCDにしてあると思うが、確かに古めかしいし、お世辞にも録音状態は良いとは言えない。
それなりである。きっと、50年ほど前には、レコードをすり切れるまで聴いていた人がおられるんだろうな〜っと思うと、なーんか、ワタシまで懐かしいような気分にさせられる。
マイスタージンガーなんて、テンポが遅い。あらら〜 なんて遅いんだろう。と思いつつ、聴いていくうちに、ハイ おっとり聴いているのが、なにげに良かったりする。堂々としてて、大きくて、びくとも動じないって感じのする演奏だと感じてくる。

タンホイザー序曲

冒頭の「どふぁ〜 どら〜 らしど ど〜れど どし〜」「れそぉ〜 ふぁみ〜 どれみ ふぁ〜れ ど〜らら〜そ」というフレーズは、遅くても、まあ、普通だな。と思っていた。
弦も力強く弾かれているし、金管のボリュームもまずまずである。でも、どこか弱々しいのである。
死にかけてるんか。と思うほど、弱くて〜ちょっと驚き。
威風堂々として欲しいのになあ〜
金管は、まずまずだが、巧いとは言い難いし。う〜ん。どこが、このCD良いんだろ。さっぱりワカラン。
で、聞き進むうちに、活き活きとした感じが、まったく無くなるのである。
「どらら しらら〜 れ れ〜れ〜 どしし〜 そ そ〜ふぁみみ〜ふぁ み〜れどし〜」と、バックで弦が下降線を描く、そしてまた、主旋律が出てくるのだが、枯れて、死にかけているのだ。
うっ なんじゃ〜こりゃ。

テンポが、また一段と遅いし、息も絶え絶え〜って状態である。
更に、盛り上がってくるところでも、「どぉ〜 みそらど み〜 れ〜しそ れ〜しそ」ってところのフレーズに至っては、ご臨終状態なのだ。うっ。なんて遅いの。えーっ ここがイチバンの聴かせどころじゃーないんかい。
どーなっとるんじゃ。てなわけで、ワタシには、さっぱりこの盤の良さは理解出来ませんでした。
うのコーホーセンセイは、なぜか、この指揮者を絶賛されていたように思うんですけど、ワタシ的には、クニャクニャしててつかみ所がないというか、タコ踊り的で〜 だめですねえ。

トリスタンとイゾルデは、この演奏は、良いのではないだろうか。
テンポが遅いだけに、緊張感が、なかなか持続しないのだが、聴いているうちに、コーラスが流れてくるような錯覚に陥ってしまった。さほど官能的過ぎず、ズブズブにならず、最後は切れを良くしながらテンポアップしていく。
パルシファル共々、昔ながらの、大らかな演奏と言えるのかなあ。って思う。
(って解ったようなことを言っているが、自信なし。) 

冷静に言ってしまうと、やっぱ、ワタシ的には、クナさんの信奉者にはなれないようである。
ワーグナーならではの、大きな時空間が欲しいところだが、音響的には、豊かさが感じられず、空間的な広がりがないのが、ちょっと悲しい。やっぱ録音がねえ〜 それに、テンポが遅すぎて、 ちょっとワタシ的にはついていけないかも〜 いや、ハッキリ言っちゃうど、ダメ、ついていけないですね。ワーグナーは、恰幅の良い、広がりのある良い録音で聴きたいと思う。


ハイティンク コンセルトヘボウ 1978年(74年)
Bernard Haitink
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)



録音状態は良い。地味だけど美しい音色に彩られている。
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
「パルジファル」第1幕への前奏曲
「ローエングリン」第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲
「トリスタンとイゾルデ」前奏曲、愛の死
「ジークフリート牧歌」

「パルジファル」第1幕への前奏曲

これは、黙ってじっくり聞きましょうって感じだ。楽曲自体も、そうなんだけど〜
ハイティンク盤では、コンセルトヘボウの音色を充分楽しめる。
当初は地味な選曲だなあ〜って思っていたが、この選曲はナイスだと、180度意見が変わってしまったほどで、これは、涙なしには聴けない。
聖餐のモチーフ、聖杯のモチーフ、なにより信仰のモチーフが最高で・・・。和音の美しさ、神々しさに参ってしまった。神聖さ、神秘さが漂う演奏で、こりゃ〜絶品だっ。

若杉弘 シュターツカペレ・ドレスデン 1984年
Hiroshi Wakasugi
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)



録音状態はまずまず。繊細な演奏である。特に、弦のフレーズが、糸が紡ぎ出され、重なりあい織りなすさまが見えてくるような演奏となっている。
カップリング:ワーグナー序曲集、ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」1985年、マーラー交響曲第1番「巨人」1986年

「リエンツィ」序曲

リエンツィ自体が、ワーグナーの楽曲のなかでも知名度が低いので、収録されているのは貴重だ。
序曲集のなかでも、あまりカップリングされていない。
ちなみに、サブタイトルが「最後の護衛官」である。14世紀ローマに実在した護衛官の名前で、ローマ帝国時代の特定階級から、人民のための政治へと反乱を 起こした悲劇物語である。
クナッパーツブッシュ盤、ホルスト・シュタイン盤ぐらいしか、ワタシは所有していないが、結構格好良い。
若杉さんの演奏も、メチャ良いし、熱いっ。ドラマティックだ。
冒頭、トランペットが角笛のように吹かれているが、深々とした中音域の弦が重なってくる。
で、トランペットが高らかに動機を吹き始める。

「み〜 れみふぁみ ど〜しらそみしど〜れ〜みふぁ〜」
「み〜 れみふぁみ ど〜しらそみしど〜れ〜みふぁ〜」
「そ そ そ そふぁみれ ど〜し〜 し〜しし し〜」
この奥で、弦がカシカシ・・・「タラン タラン タラン タラン・・・」と合いの手を入れて気分を高揚させる。
高らかにペットが吹かれているし、ホルンのまろやかさ。そこに、ちょっと高めの弦の高音域が絡んで、華麗なファンファーレ「み〜ふぁそ〜そら〜」と鳴るところは、迫力は充分だ。
もっと弦が、分厚く重々しいといいんだけど、金管がいたずらに吠えず、線は細いままでも、この力強さ。キレの良さ。勢いの良さ。いや。なかなか良かったです。感動しちゃった。
日本初演が、この方の指揮だったらしいが、あまり有名でない理由はなんでしょうねえ。
長大なオペラらしいし、全曲盤も少ないらしい。(もっとも、長大すぎて全曲は聴けないが)

ホルスト・シュタイン バンベルク交響曲 1986年
Horst Stein
Bamberger Sinphoniker



録音状態は良い。アナログ時代のレコードを聴いているような、ふんわりした空気感がある。地味だけど、豊穣感があり、柔らかくしなやか。
カップリング:ワーグナー「リエンツィ」序曲、ブルックナー交響曲第4番

「リエンツィ」序曲

このシュタイン盤は、ブルックナーの4番とカップリングされており、リエンツィ序曲のみである。
冒頭のトランペットが吹かれているが、メチャ柔らかい音色で、トランペットとは思えないほど。
思わず、ホルンだと勘違いしそうになった。このリエンツィの出だしは、まるで、演奏前にオケが音合わせをしているかのような音が鳴る。

この音は、「A」じゃないと思うんだけど、素人なのでよくわからない。シーのようなファーのような〜
気になるのだが、譜面を見ていないのでよくわからない。
リエンツィ序曲を、若杉盤で聴いたが、ちょっとスマートすぎて、豊穣な感じは受けなかった。
で、シュタインのバンベルク響の盤は、地味なんだけど、まろやかなコクのある演奏で飽きない。
あくまでも柔らかで、豊穣で、木質感があって、ソフトに包まれる音色をしている。ドレスデンは、同じ地味でも、金管はソフトだが、ちょっと弦が硬めに響く。燻し銀と言われているが、ちょっぴり鉱物的なのだ。

さてこの録音は、リマスタリングされているが、アナログ時代の空気感を持っていて、私的には好きである。
冒頭のトランペットから続いて、旋律が、弦のまろやかな響きにとって変わる。
「ど〜れみ〜 れみふぁみ ら〜そふぁみどら〜」 
「み〜 れみふぁみ ど〜しらそみしど〜れ〜みふぁ〜」
テンポは、ゆったりしており、大河の流れのように膨らみ、そして萎む。このフレージングの豊かさ、まろやかさには脱帽状態。
う〜ん。冒頭より、涙ぐんでしまうじゃないか。

「どっら みふぁそ〜 そみ らしど〜 れっし みふぁそ〜 そみっしどれ〜」
弦の豊かな響きが、主旋律を支えており、豊かな低弦が底堅い。
「み〜 れみふぁみ ど〜しらそみし ど〜れ〜みふぁ〜」
「そ そ そ そふぁみれ ど〜し〜 し〜しし し〜」
バックで、3音の軋んだ弦が、なんとも良い音を軋ませて、スネアに入る。
トロンボーン、チューバが悲劇の幕開けを告げるが、う〜ん。ちょっとスマートじゃないけど、なかなかに迫力はあり。田舎臭い感じがして、また、そこが良さげ。
また、トランペットがお告げのように吹かれ、
「どどど らぁ〜 ららら ふぁ〜 ふぁみれど」・・・ 

もう少し欲を言えば、舞曲風に流れる旋律はテンポをあげて欲しいような気もする。
しかし、シュタイン盤は、素朴で、古き良き時代、皇帝陛下がおいでになるような時代を彷彿させる香りがするのだ。
もっと、現代風にアレンジして、格好よく振る盤も出てくるだろう。
リエンツィ序曲は、ガッツのある楽曲で、ビート感もあるし格好良いのだが、何故かあまり人気がない。
う〜ん。もっと人気が出ても良いと思うし、今にも使えそうな曲なのになあ。どこか映画かCMで、BGMに使われたら、一気に人気があがると思う。結構、ハリウッド的に盛りあがれるし、シンプルだし、華やかさもあり。 スポーツタイプの車のCMに良いと思うんだけどなあ。

・・・ と思っていたら、Therion(セリオン)という グループがやっていました。
スウェーデンのバンドらしいです。あれまっ。サイトを放浪していたら、You Tubeで見つけちゃいました。
聴いてみたら〜 うんうん。そうそう。こんな感じっ! 思わず拍手である。
ホルスト・シュタインさんの感想に書いてしまうのは、少し違和感がありますが、クラシックとのコラボも、一度お試しあれ。


サヴァリッシュ フィラデルフィア管弦楽団 1995年
Wolfgang Sawallisch
Philadelphia Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。勢いのある
カップリング:ワーグナー 管弦楽曲集
1 歌劇「恋愛禁制」序曲
2 交響曲ホ長調
3 序曲「ファウスト」
4 ヴェーゼンドンクの5つの詩 (室内管弦楽編曲 ヘンツェ)ソプラノ:マルアーナ・リポヴシェク
5 歌劇「リエンツィ」序曲
「リエンツィ」序曲

サヴァリッシュさんの演奏では、1960年録音のウィーン交響楽団との盤があるのだが、少し録音が古めかしかった。
この95年のフィラデルフィア管弦楽団との演奏は、もちろんっ 録音状態が良いっ。
アメリカのオケで大丈夫なのかしらん〜 なんて心配を少ししたが、それは杞憂に終わった。

冒頭の低弦の不気味さと、フレージングのゆったりしたところは同じ感じがする。
弦の歌わし方も、優美だし、音色だって良いですね〜 やっぱ壮大で、品があって、穏やかさが感じられる。
この楽曲の始めの方は、祈りのような心境に感じるし、音の上昇と、旋律の膨らまし方が、すごい。
膨らませて、いったん力を抜いて、上昇していくので、しなやかさが、すごく感じられる。
それでいて、キーキーキーっと奏でていく、弦の引き締まったボーイングが、的を狙った弓のごとく、しなって、しなって〜 絞っているかのように感じられる。
そして暗雲が垂れ込めて来そうなところも、ドラマティックで〜
そんな派手には演出しないんですけど、時間の経過によって変化してくる。

木管の音質は、明るめだが、内声部においては、スパイスのように効いているように思う。
で、やっぱり、低弦の響きを、しっかりタイトに奏でてて、ぐいぐい〜っとエンジンの回転のように、エネルギーをため込んでいく感じがするので馬力がある。このあたりの雰囲気は、昔の演奏と、基本的に変わっていないように思う。
単に厚いだけではなく、しなやかだし〜 聴いてて、さすがに気持ちが良い。

「れぇ〜 れれれ れぇ〜れれれ みぃ〜みみみ ふぁ〜みれどしっ・・・」「みぃ〜ふぁ〜そぉ〜・・・」
ってところは、さすがにサウンドが明るいっ。
木管も、金管も、ちょっとサウンドが明るめで、ちょっぴり薄さを感じさせるけれど、この楽曲には、みごとにマッチしているような気がしますねえ。
シャン シャンっ 舞曲のように奏でていくし、金管の響きは、すごく綺麗な倍音で〜
ティンパニーの音も、スピードも微妙に変わっているし、開放的な音の響きが、すかっとしてきて嬉しいです。
ブラスバンド風になりそうなキワキワって感じな面が、最後に出てきちゃう感じがしますが、いや〜ワタシにとっては、とても楽しい1枚になりました。


バレンボイム シカゴ交響楽団 1999年
Daniel Barenboim
Chicago Symphony Orchestra

「タンホイザー」第3幕前奏曲
「パルジファル」第1幕前奏曲
「パルジファル」聖金曜日の音楽
「リエンツィ」序曲
「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第3幕前奏曲
「ニュルンベルグのマイスタージンガー」〜優勝の歌「朝は薔薇色に輝いて」(ホルン独奏版)〜
「ジークフリート牧歌」

録音状態は良い。94年版よりずーっと良いかも。
1枚組だと収録されない珍しい楽曲が聴けるのだが、実際にはあまり聴いていない。
全曲をCDで聴くのも大変なので、抜粋版の存在はありがたいのだけど・・・。また聴きます。

アンソニー・ニューマン 1974年
Anthony Newman

録音状態は良い。リマスタリング盤
まあ、オーケストラの演奏で聴くのと、比べてみたら面白いとは思うが、これだけを聴いてワーグナーを聴いた気になるのは、やっぱり〜どうかなあ。と思いますが、オケ盤をご存知の方は、一興かもしれません。

いかすぜっ 

ワーグナー・オルガン・スペクタキュラー
A Wagner Sound Spectacular

このCDは、アンソニー・ニューマンさんのワーグナー・オルガン・スペクタキュラーと題されたものである。
エドウィン・ルメアさんが編曲したワーグナーの楽曲をオルガン演奏したものだ。
録音された年は確かに古いのだが、24bit96kHZ でのリマスタリング盤なので、充分に聴けて満足できるものだ。

1 ワーグナー ワルキューレへの騎行
2 ワーグナー パルジファル 第1幕への前奏曲
3 ワーグナー ニュルンベルクのマイスタージンガー 第1幕への前奏曲
4 ワーグナー ワルキューレ 第3幕 今生の別れだ、勇気ある輝きし子よ
5 ワーグナー ラインの黄金 ヴァルハル城への神々の入城
6 リスト B-A-C-Hの名による幻想曲とフーガ(1969年)

ニューヨーク大聖堂のオルガンを使用して録音されたものらしく、空間の広がりが楽しめ、迫力もある。
パルジファルの幻想的な雰囲気は、とても素敵だ。でも、なんだかモワモワしている。

マイスタージンガーでのオルガンの響きは、ちょっと・・・
冒頭から、右手の旋律が、もっと綺麗に響かないのかなあ〜 なんだか、長く音を伸ばしてくれても良いのに、チャカチャカ弾かれちゃうと〜 せっかくオルガンで弾いているのがねえ。
これでは、ぶつ切りれになって、モッタイナイない。
「どぉ〜 そそそぉ〜 みふぁそ らしどれみ ふぁ〜みれど れぇ〜らぁ〜しど しどれ みれみふぁ そ〜ふぁみ・・・」
それに、音にミスタッチがあるみたいで、あれっ。変です。
ラインの黄金もなあ〜 やっぱホンモノのオケで、しっかりとした演奏を聴くのが、やっぱり一番なような気がします。
リストの楽曲は、オリジナルのLPには収録されていなかったもので、オマケです。
ダニエル・ゴルゼンパさんの演奏と比べてみるのも面白いかもしれません。

2272

ダニエル・ゴルゼンパ 1984年
Daniel Chorzempa

いかすぜっ 

録音状態は良い。使用されているパイプオルガンは、アメリカ ニュージャージー州のウエストポイントにあるカデット教会のオルガンである。
ルメア編曲 パイプオルガンで弾くワーグナーである。

カップリングは下記のとおり。

1 ワーグナー タンホイザー 〜巡礼の合唱〜
2 ワーグナー ワルキューレ 〜ワルキューレの騎行〜
3 ワーグナー ニュルンベルクのマイスタージンガー 〜第1幕への前奏曲〜
4 ラインベルガー オルガン・ソナタ第11番〜カルディレーナ〜
5 ジグー 大合唱の応答
6 ヴェエルヌ 24の自由な形式による小品より第14番 スケルツォ
7 同じく 第19番 子守歌
8 ボエルマン ゴチック舞曲4曲

このCDは、パイプオルガンで、ワーグナーの楽曲を弾こうというものである。
ワーグナーの楽曲って、金管メインのフレーズが壮大なので、ブラスバンドで演奏されるのは、わりと良く見かけるのだが、楽器は、パイプオルガンなのである。
え〜っ まあ、驚きっ。想像つかない。

エドウィン・ヘンリー・ルメア(Edwin Henry Lemare 1865年〜1934年)さんというオルガニストが、編曲したもので、サイトを放浪していたら、サン=サーンスの「死の舞踏」も、この方の編曲版があるらしい。 オルガンのためのトランスクリプション集っていうのを探したら、まだまだあるかも。

さて、このCD ワーグナーの楽曲は、3曲が収められているが、これ、結構聴き応えがある。
まず、1曲目は、タンホイザー序曲だと思ってしまったのだが、いやいや〜 巡礼の合唱らしい。
この曲は、冒頭、弱音から、重厚なフレーズまで、完全に弾ききってて、まるで、元々、パイプオルガンのための曲のように聞こえてくる。
とっても繊細な弱音で、ミサ曲のように聞こえてくるし、ワーグナーの楽劇とは思えないほど。
うっそぉ〜 と、心のなかで小さく叫んでしまった。
金管のフレーズと、「れ〜どれっれ〜ど れっれ〜れ どぉ〜」
弦がカシっカシっと「みれどしらそ」「しらそふぁみれ どしらそ〜」と下降線を弾いているところのフレーズが、滑るように タラン タラン タランっと落ちていくのが、大変気持ち良い。
雲のうえの、タンホイザーって感じですけどね。

ワルキューレの騎行は、「どっどそっそ っれ どっどそっそ れっ どっどそっそ れっ」と、リズミカルなフレーズが命って感じがするが、そこんところは、オルガンでは難しそう。
重厚な音と煌めく装飾音の響きが、あまり絡んではこない。
まあ、和音の響き、そして、長音の残響が魅力のオルガンなので、ちょっと、この曲はツライかも。
どうしても低音お金管フレーズに耳の行くワタシなので〜 ハハハ〜 きっと、この主体となるフレーズは、足ペダルなんだろうなあ。
と思いつつ、聴いていると、贅肉たっぷりのワタシの足も、段々と、突っ張ってきて、こむら返りをしそうになってしまった。しかし、高音域の煌めくフレーズが、ツーンっとしながらも、細かい運動をしているのが印象に残る。

ニュルンベルクのマイスタージンガーの第1幕への前奏曲は、堂々としたオケの響きは聞こえてこないが、とっても繊細な響きで、細かい音符がぎっしりと詰まっている。
テンポこそ遅めだが、どのように演奏しているのか、想像がつかないほど。
ところどころ消え入りそうな音で、弾かれている。
もう少しダイナミックな編曲でも良いかな。と思いながらも、そして、無理してパイプオルガンを使わなくても〜と思いながらも、密やかさのある響きを、楽しみながら聴いてしまった。

ワーグナーの旋律って、金管のフレーズですよねえ。
いつもなら主役を張っている弦のフレーズは、可愛そうに、カシカシカシ〜っと、伴奏型にまわっちゃう。
まあ、この細かい弦の音型と、金管の太いフレーズを一緒に、わずか、10本の指で全部弾こうとしちゃうんだもん。どひゃーん。
足のペダルを踏んでおられて演奏されておられると思うので、これ1人で出来ることだけで、驚異的だ。
そのくせ、たった1人で弾いておられるフレーズが、ワタシの耳は、旋律を全部を聞き分けられないよぉ〜って感じなのだ。
あー 情けないワタシの耳。使い物にならない、ロバの耳みたいである。
まっ 冗談はさておき、ホント、高音域の煌めくフレーズと重低音の響きを聴きながら、オケをパイプオルガンで弾ききってしまう、そのハードな運動を想像して、圧倒されてしまったのでした。

ワーグナー以外の曲は、純粋にパイプオルガンのための楽曲のようだが、ワタシには、初めて聴いた曲ばかりなので、また改めて聴くことにさせていただきます。

デ・ワールト カナディアン・ブラス 1991年
ベルリン・フィルとバイロイト祝祭管の金管メンバー
Edo de Waart
Canadian Brass

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。
ベルリンのイエス・キリスト教会で収録されており、デジタル録音である。
編曲にもよるが〜 改めて、弦や木管の存在が、ありがたく思えちゃう。
このCDは、「ワーグナー・ブラス・セクション」とタイトルされているものである。
文字どおり弦楽器等は参加していない。
セッションには、カナディアン・ブラスに、ベルリン・フィルなどのメンバーが参加しているらしく、ホンマもののブラスなのだ。
かなり上質なブラスだ。若い頃、ジャケ買いをしたものだが、結構、お気に入りだったもの〜。
で、収録されている曲は、次のとおりである。

1 ワルキューレの騎行
2 ジークフリートの葬送行進曲
3 歌劇「タンホイザー」から入場行進曲、4 巡礼の合唱 5 夕星の歌
6 歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第3幕への前奏曲 めざめよ 7 徒弟たちの踊り 8優勝の歌
9 歌劇「ローエングリン」から第3幕への前奏曲 婚礼の合唱 10 エルザの大聖堂への行進
11 「ヴェーゼンドンクの5つの詩」から夢
12 歌劇「リエンツィ」 序曲

編曲は、アーサー・フラッケンポールさんとのことで、いつもとは、違うワーグナーである。
いつもとは、何が違うかというと、う〜ん。弦がいないと、こんなに層が薄くなるのか・・・。という驚きが、まずある。
確かに、ワーグナーって、金管がメインになっており、金管がメロディーラインを吹いてしまって、弦なんぞ、添え物になってしまうものがある。
そのため、曲によっては、ブラスだけでも、あまり印象が変わらないものもあるのだが〜
弦の存在がないことによって、層が薄くなってしまい、あらま〜 どうしましょう。というほど、目を覆いたくなる曲もあるのだ。

ジークフリートの葬送行進曲 これは、ハイ、金管そのものがメインです。
弦がなくったって、最初、まったく問題ありません。

で、「ワルキューレの騎行」は、これも、虹を渡っていくような、吼えるような、上昇音階は、これ〜 金管です。
で、ここは問題ありません。
でも、下降線をたどるフレーズ、細かい弦のフレーズを、ものの見事に金管パッセージに置き換えられているのだが〜
無理しちゃって、細切れに金管が吹いているのを聴くと〜大変だろうなあ〜と思いつつ、アハハ〜
ちょっと笑えてしまう。いや、かなり笑えてしまうのだ。 (ごめんなさい)
まあ、そんなこんなで〜 金管だけの演奏も大変そうだ〜ということが、よくわかるCDとなっています。

編曲にもよるのだと思いますが、意外と、薄い〜 
もっと人数を集めて、分厚く演奏していたら、もっと楽しかったかもしれませんが、上質ではあるけれど、スピード感に乏しい、さっぱり系というか、コテコテ感の少ないワーグナーです。
ワタシ的には、もちっと、こってり味でも良かったかも。(笑)

それにしても、ワーグナーの楽曲も、金管、弦、木管など、なかよく一緒に演奏されてこそ、あの分厚い楽曲になるのだな〜と、いかに金管主体の楽曲であったとしても、改めて、オケ全部の存在がありがたい。
金管だけでは、あの壮大な響きが醸し出せないのね〜と、考えさせられる、皮肉な〜1枚となっております
(あっ 演奏そのものが、皮肉な結果を招いているわけじゃー ありませんので、誤解のないようにお願いします。 笑)


ワーグナー 管弦楽曲集
1960年 サヴァリッシュ ウィーン交響楽団 Ph ★★★
1961年 ショルティ ウィーン・フィル ★★★★★
1962年 クナッパーツブッシュ ミュンヘン・フィル W ★★
1963年 クーベリック ベルリン・フィル ★★★★
1986年 ホルスト・シュタイン バンベルク交響楽団 ★★★
1972年 ショルティ シカゴ交響楽団 L ★★★★
1974年 ボールト ロンドン・フィル EMI ★★★
1977年 レーグナー ベルリン放送交響楽団 DS ★★★★
1978年 ハイティンク コンセルトヘボウ Ph ★★★★
1980年 テンシュテット ベルリン・フィル EMI  
1984年 若杉弘 シュターツカペレ・ドレスデン SC ★★★
1987年 マゼール ベルリン・フィル Telarc ★★★★
1993年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI ★★★
1994年 バレンボイム シカゴ交響楽団 ★★★
1995年 サヴァリッシュ フィラデルフィア管弦楽団 EMI ★★★★★
1995年 レヴァイン メトロポリタン歌劇場管弦楽団 ★★★
1999年 バレンボイム シカゴ交響楽団 ★★★
パイプオルガン 編曲版
1974年 アンソニー・ニューマン SC ★★★
1984年 ダニエル・ゴルゼンパ Ph ★★★
ブラス 編曲版
1999年 デ・ワールト カナディアン・ブラス Ph ★★★★
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「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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