「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ウェーバー 歌劇「オイリアンテ」序曲
Carl Maria von Weber: Overture "Euryanthe"


クーベリック バイエルン放送交響楽団 1964年
Rafael Kubelik
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)

録音状態は良い。60年代中期とは思えないほど、シャキシャキしてて、突き進んでいく感じがする。
カップリングは下記のとおり。クラリネット協奏曲は、カール・ライスターのソロで、ベルリン・フィル(1968年)

ウェーバー&R・シュトラウス 管弦楽曲集 シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン
1 ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲
2 ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
3 クラリネット協奏曲第1番
4 ウェーバー 歌劇「オイリアンテ」序曲
5 ウエーバー 歌劇「アブ・ハッサン」序曲
6 ウェーバー 劇音楽「プレチオーザ」序曲
7 ウェーバー 序曲「歓呼」(祝典序曲)

歌劇「オイリアンテ」序曲

ホルスト・シュタインさんの振っている「オイリアンテ」序曲と違って、クーベリック盤は、質実剛健って感じの演奏だ。テンポが速めで、ストレートに奏でられている。
まず、ヴァイオリンが、超キビキビとして腰の強い音だし、木管は、ストレートなシンプルな音色だ。
古楽器でも使っているの?と言いたくなるような、広がる甘い響きではない。
で、弦の躍動感あふれるフレーズは、キレ抜群で、怒っているんかい。というほど快速で、ちょっぴり荒々しい雰囲気もあって、勇ましいのだ。
流麗っていうよりも、ふむ。とっても逞しく突き進むパワーがあって、果敢に攻撃するぞぉ〜っと言う感じの勇ましい、カツカツとした弦のフレージングとなっている。

で、ティンパニー、「どぉ〜 どど どっ どぉ〜(ふぁ〜み〜)」と、シャキっとした剛毅な音で、ティンパニーの皮の揺れが見えてくるようだ。
その後、チェロは甘い音色となり、そして女性的なフレーズが出てくる。
「そぉ〜 み〜し どしどら そぉ〜 れ み〜し どしどら そぉ〜」と甘いフレーズに、ころりっと変身しちゃう。ここの変わり身の巧さは、へへっ 面白いし、その場面の切り替えは、毅然とした感じがする。
第2主題の女性的なフレーズだが、流麗にすぎず。また、その後の悲哀の漂う弱音のフレーズも、なかなかに密やかで、陰謀を企てた悪者たちが、公衆の面前で、罰を受ける感じがしてきて〜
勧善懲悪的な劇っぽさが、良くでているように思う。
弦の厚みが、ふくよかではないのだが、良い意味で、キレと、硬質感あふれる演奏で、クーベリック盤の良さは、シャキシャキした、キレのある鋭い感覚だ。
まあ、ずーっと、この調子で長時間聴いていくと、ちょっぴり耳に疲れがでちゃうのだが〜
ゆったりと劇を見ているというよりは、ハイ、ちょっと忙しいし、硬めな表情ですが〜 なにせ8分半ぐらいの楽曲なので大丈夫だと思う。
1964年の録音だが、綺麗に録音されていて、古さは感じない。
まあ、50年ほど前の録音なので、多少表情が硬いかな。とは思うところはあるが、いやいや〜
ウェーバーの序曲って、あまりCDが発売されていないし、また、これだけ、硬めの精緻な響きと、柔らかさが、交互にやってきてくるような演奏って、貴重じゃないだろうか。

ホルスト・シュタイン ウィーン・フィル 1978年
Horst Stein
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)



録音状態は極めて良い。奥行きがあり、優雅なワルツが奏でられている。柔らかく、しなやかでありながら、密度の高い弦の響きが豊かに響く。
カップリング:ブルックナー交響曲第2番、ウェーバー歌劇「オイリアンテ」序曲、舞踏への勧誘(ベルリオーズ編)

歌劇「オイリアンテ」序曲

舞踏への勧誘もなかなか流麗だが、ここでは、歌劇「オイリアンテ」序曲を聴いてみた感想を〜。
なかなかにリズミカルで、活劇風だ。
ロビン・フットと言っても、間違ってなさそうだが〜 いやいや、場面はフランス、ルイ6世時代の貞節な妻オイリアンテが主人公である。

テンポよく、「ふぁらど〜 ふぁ〜ど らふぁどみそど・・・(弦がカシャカシャ)」 耳障りの良い音なのだが、音がとれないし、タタタ た〜っと鳴って導入部が開始。
勢いよく飛び出してくるが、「そっみぃ〜どしどら そぉ〜れ  みぃ〜どしどら そぉ〜れ」
「み〜ふぁ〜れしそ〜 しらそ そふぁっ〜れ」と、優美な音が続く。

弦が、重厚さと躍動感とをあわせもってて、しなやかに動く。う〜ん。すごい。
ぎっしりと音が詰まっているくせに、歯切れ良く優美に流れていく。密度が高いのに、こんなに、しなやかに優美に音が弾む姿は、なかなか出くわさないのだが〜 う〜ん。瑞々しい。
綺麗に植林された木々の間を歩いているみたいで〜 綺麗に枝打ちされた木々の幹部分を見ているようで〜 すっきりと、空間が作られ、光が射しこんで来るような雰囲気がする。
密集しているくせに、見通しが良いというか。なんというか〜

それに、この楽曲の最後、「どぉ ら〜み ふぁみふぁれ どぉ〜」という、音のノビと合間が、ええ〜よろしいわよ。なーんて、ふっと微笑む余裕が感じられて〜なんともニクイのである。
さすがに、中世のロマンスだと思ってしまった。

優美な楽曲だが、今では、オペラの方は、あまり演じられていないようである。
中世フランスのロマンス「ジェラール・ド・ネヴェールと徳高く貞節なオイリアンテ・ド・サヴォイの物語」が、元になっているらしいが〜。はやい話が、横恋慕(よこれんぼ)ストーリーのようである。
まっ それにしても、ウェーバーのオペラって、「魔弾の射手」しか人気がないのか、序曲しか演奏されることがないようだが、弦の分厚さと豊かさ、これぞ、ドイツっ。っていう響きがある。
なんか、この響きは、はまってしまいますねえ〜 ワタシ好きだなあ。

カラヤン盤と比べると地味な存在だし、華麗な豪奢さは、やっぱりカラヤン盤に軍配があがる。
しかし、このシュタイン盤は、低弦と中音域の弦の響きが、ホント豊かで木管の涼やかな音色と軽妙さ、ホルンの優美な音色がついてきて〜 カップリングのオマケには、もったいないっ。
舞踏への勧誘、そして、このオイリアンテ序曲の2曲あわせても、わずか20分足らずの楽曲だが、ワタシの耳にとっては、極上のご馳走でした。嬉しい限りっ。感謝です。
1964年 クーベリック バイエルン放送交響楽団 ★★★
1978年   ホルスト・シュタイン ウィーン・フィル Dec ★★★★★
所有盤を整理中です。

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