「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ウェーバー 舞踏への勧誘(舞踏への招待)
Carl Maria von Weber: Die Aufforderung zum Tanz (the invitation to dance)


ホルスト・シュタイン ウィーン・フィル 1978年
Horst Stein
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)



録音状態は極めて良い。奥行きがあり、優雅なワルツが奏でられている。柔らかく、しなやかでありながら、密度の高い弦の響きが豊かに響く。
カップリング:ブルックナー交響曲第2番、ウェーバー歌劇「オイリアンテ」序曲、舞踏への勧誘(ベルリオーズ編)

ウェーバー 「舞踏への勧誘(舞踏への招待)」

ウェーバーの「舞踏への勧誘」というタイトルは知らなくても、一度は曲を耳にした方は多いと思う。
新年の幕開けに聴くのにふさわしい、華麗で、大変楽しげな楽曲である。
ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでも、常に取り上げているのかと思っていたのだが、さにあらず。
シュトラウス作曲ではないためなのか、調べてみたら、2003年のアーノンクールさんの時に、初めて演奏されたらしい。ワタシにとっては、へえ〜っと意外だった。 だって、典型的な、ウインナーワルツの曲だと思いこんでいたから。
で、この曲が、ベルリオーズ編曲の〜と書いてあることを見て、改めてウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、あらら〜 元はピアノ曲だったのだ。

・・・「舞踏への勧誘」は、カール・マリア・フォン・ウェーバーのピアノ曲で最も有名な作品。1819年作曲。ベルリオーズ編曲による管弦楽版でも広く知られている。 「舞踏への招待」などの訳もある。
随所に一対の男女の姿を描写する部分があり、標題音楽を得意とするオペラ作家の作風があらわれている。

ベルリオーズの管弦楽編曲版 1841年、パリ・オペラ座で「魔弾の射手」が上演された際、当時のフランス・オペラ上演の慣例により挿入されたバレエのために編曲されたもの。
ベルリオーズはウェーバーを崇拝しており、「魔弾の射手」のパリ上演もその尽力で実現した。
ベルリオーズは最初「ウェーバーに対する冒涜に当たらないか?」と、なかなか筆を進めなかったが、結局後世に残る名編曲に仕立て上げた。管弦楽を考慮してニ長調に変えている。 ・・・とあった。

元は、ピアノ曲っていうのも、聴けば、なるほどなぁ〜 そうかもしれないな〜とは思うが、編曲したベルリオーズの手腕にも脱帽してしまう。やっぱ天才です。
残念ながら、管弦楽版でも、あまりCDに収録された盤がなく、ワタシの所有しているのは、今のところ、カラヤン盤と当盤のホルスト・シュタイン盤だけだ。
後に、この曲を使って、バレエ「薔薇の精」が作られ、ニジンスキーがバラの精の役を演じているらしいし。
結構、後に影響を与えた曲だと思うのだが〜 クラシック初心者向け楽曲って扱いになっているようで、ちょっと残念だ。

さて、舞踏への勧誘(招待)の冒頭は、チェロの甘いフレーズとフルートで始まる。
「ししぃ〜し みそしみそぉ〜ふぁ みれ〜 みふぁそしらぁ〜」
「し〜らそ そ〜ふぁみ みみれど〜ふぁっし」
「しど〜し みそしみそぉ〜ふぁ みれ〜 みふぁそしらぁ〜」
「し〜らそ そ〜ふぁみ れどしら そみふぁみ〜ふぁみれそ〜ふぁみ〜」
チェロが男性で、フルートが女性で、踊りませんか。と誘っている部分である。内気そうな誘い方だが、女性の方も奥ゆかしい。適度に甘く、そっと 囁くように演奏されている。

その後、踊る承諾を得て、華やかなワルツ、舞踏が始まる。
「しぃ〜みそしみっ そぉ〜ふぁみれ れどどしら れ〜」 
「し〜そふぁみっ し〜そふぁみっ・・・」 ん〜タララッタっと、ワルツが続いていくのである。
弦の響きが優雅で、ふわ〜っとした夢幻的に膨らみ、弾む。ひそやかな感じがして良い。
カラヤン盤のように、堂々としてて甘いゴージャスな演奏はなく、シュタイン盤は奥ゆかしい。
特に、シャボン玉が膨らんで、消えていくような、木管の音色は絶品だ。
華やかで艶のあるフレーズと、そっと奏でてくるフレーズと、弦が、しっかり使い分けられており、品の良さを感じさせる。

とろみ感のある官能的な演奏ではない。世紀末的で、ちょっと怪しげな危険な(笑)勧誘ではない。
あくまでも、上質で上品、清楚で、つつましやかで、木質的な演奏だ。
弦の響きが、ハープのように心地良い残響があるし、人肌暖かい、音がころころと浮かんでは、消えていく。甘すぎない甘さで夢を見せてくれ、質の良さ。これは、耳のご馳走である。
う〜ん。こうでなくっちゃ〜
「しっらっ しっみっ」「そっふぁ そっみっ どしど み そ〜み れどしら〜」
「らぁ〜 ふぁみれっ みっ みっ みっ〜」

このシュタイン盤を聴いちゃうと、カラヤン盤が、強引な成金オッチャンの勧誘みたいに聞こえちゃうよなあって思う。確かに、ゴージャスさではカラヤン盤に負けちゃうが、かなり誠実そうだし、清潔な人柄が出ているというか、暖かいというか。ワタシ的にはシュタインさんの方の舞踏への勧誘(招待)を、間違いなく選択しちゃいます。(笑)
カップリングされているブルックナーの2番が聴きたくて買ったCDに、オマケについてきたモノなので、あまり偉そうなことは言えませんが・・・。ワタシの耳にとっては、極上のご馳走でした。感謝です。
1978年   ホルスト・シュタイン ウィーン・フィル Dec ★★★★★
所有盤を整理中です。

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