「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
Carl Maria von Weber:
Overture "Oberon"


クーベリック バイエルン放送交響楽団 1964年
Rafael Kubelik
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)

録音状態は良い。60年代中期とは思えないほど。カッシリしているし柔軟である。特にホルンの音色に、うっとりしてしまった。
カップリングは下記のとおり。クラリネット協奏曲は、カール・ライスターのソロで、ベルリン・フィル(1968年)

ウェーバー 魔弾の射手他序曲集 クーベリック バイエルン放送交響楽団
1 ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲
2 ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
3 クラリネット協奏曲第1番
4 ウェーバー 歌劇「オイリアンテ」序曲
5 ウエーバー 歌劇「アブ・ハッサン」序曲
6 ウェーバー 劇音楽「プレチオーザ」序曲
7 ウェーバー 序曲「歓呼」(祝典序曲)

歌劇「オベロン」序曲
録音状態は驚くほど良い。すげ〜 これ64年か。信じられないですね。
響きが豊かにとれていて、95年のシノーポリ盤なんか、どっか飛んでいきそうなほどである。勝負にならんのだけど、どーなってるんじゃ。驚くほど瑞々しいんだよねえ。
う〜ん。奥行きもあるし、リアル感もばっちり。分離度も高い。はあ。すげっ!

冒頭から、柔らかい音色で妖精の世界に引きこまれてしまうが、クールな演奏である。
このオベロン序曲、前半は幻想的な夢想の世界で。中間部は舞踏会風だが、重厚な響きのあるフレーズとなっている、最後には、また幻想的なフレーズに戻る ソナタ形式だ。
シノーポリの方が、少し時間が長いが、前半戦はだいたい同じようなタイムである。
で、後半の勢いが、クーベリック盤の方が勢いがあって、雪崩のようになって流れ出ていく。おまけにシャープで鋭く熱い。
聴きどころは、やっぱり幻想的な雰囲気を醸し出すホルン。

で、木管の響きになっている。ホルンは、やっぱ巧いよねえ。うっとりしてしまう2分48秒かな。
その後、弦の動きは、すごく素早く、シャープでキレが良い。ジャンジャカジャンと弦が鳴り響いているが、快活で、まどろこっこしい雰囲気がしない。変なアクセントもつかず、ゴツゴツ感もない。
シノーポリ盤だと、なんだかゴツゴツしてたんだけどなあ。起伏も激しかった。
クーベリック盤は、スマートで、爽やか感があるのだが熱いっ。そのくせ繊細な感じがする。
ホルンだけ飛び抜けて良いって感じもしないけど、弦の響きがまろやかだし。音の形がしまっている。
爽やかな感覚が後に残るところが好ましい。

カラヤン ベルリン・フィル 1972年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

録音状態は良い。ホールトーンも見事に再現されている。
ちょっと高音域がキツメだが、72年という録音年にしては見事だと思う。華麗で優美さがバッチリきまった演奏である。
カップリングは下記のとおり。

ウェーバー 舞踏への招待 カラヤン ベルリン・フィル
1 ウェーバー 舞踏への招待
2 ウェーバー 歌劇「オイリアンテ」序曲
3 ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
4 ウェーバー 歌劇「アブ・ハッサン」序曲
5 ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲
6 ウェーバー 序曲「精霊の王」
7 ウェーバー  歌劇「ペーター・シュモル」序曲

「オベロン序曲」
ウェーバーの作曲した歌劇がこんなにあるとは知らず、従って序曲が7曲も詰まっているとは思わず。
今まで、とんと聴いてこなかった。
(このカラヤン盤も、実は、大昔に買っていたんですけどね)
で、改めて聴くまでは、カラヤン盤とクーベリック盤ともども、お蔵入り状態だったのだが・・・
ようやく、最近、陽があたって聴き始めると、とっても明るくて楽しい曲が、たっぷり詰まっていた。

ウェーバーの序曲集って、さほど多く発売されていないし、ウェーバーって名前は知っていても、どっか、おいてけぼり的のような存在だが〜ホントは、西洋音楽史では、重要なポジションを占めている作曲家のようである。クラシック音楽を聴くなら、もうちょっと音楽史の勉強をしろよぉ〜と言われそうだが、従姉妹が、モーツァルトの妻だとも知らず、あらら〜 同じ世代だったのぉ。という感じだ。
(ホント、不勉強でゴメンナサイ)

さて、カラヤン盤。
とっても華麗な演奏で、まず、この華麗さにびっくり。オペロン序曲も、オペラというよりも、収録第1曲目の「舞踏への招待」のように、ワルツ に感じられるほどエレガントなのだ。
ウェーバーは、イギリスのコヴェント・ガーデン劇場から、ファウストか、オベロンを題材にした歌劇を書くように依頼されて、オベロンを選択。で、英語のオペラとして完成したようだが、ワタシは、この題材も知らなかった。

で、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、
・・・台本はヴィーラントの叙事詩「オベロン」(ユオン・ド・ボルドーの伝説が元になっている)のジェームズ・プランチェ(James Planché)による英訳を基に「夏の夜の夢」と「テンペスト」の内容を付け加えたもので、ドイツ語訳はテオドール・ヘルが担当した・・・とある。

また、ヴィーラント(Christoph Martin Wieland)さんを調べてみたら・・・
1780年発表の「オーベロン」(Oberon)・・・イタリアのスタンツァの韻律によって書かれたもので、カール大帝の騎士ヒューオンが王の命令により、バグダードのイスラムの宮廷まで行き、困難な使命を果たした後に美姫レツィアを伴って帰国するまでの愛と冒険の物語であるが、情緒豊かな情景とヴィーラントによる優美な用語により、多くの人に愛された。
特にゲーテはこの詩を絶賛し、「詩が詩として、黄金が黄金として、水晶が水晶として存在する限り、「オーベロン」は一流の作品として愛好され、尊敬されるだろう」という言葉を残している。・・・とあった。
ドイツとイギリスを股に掛けたような作品なのか〜
とにかく、ファウストを選ばず、オベロンを選んだというところも面白いが、このヴィーラントさんという戯曲家、作家の生涯と、世の中の思想や世相が、浪漫派誕生ってところらしく〜 少し興味が湧いた。

ちょっと脱線しちゃったが、カラヤン盤は、冒頭に、まろやかにホルンが響くと、妖精パックに魔法に掛けられて、まるでシンデレラのように変身する。
劇的というよりも、貴族的な雰囲気が出ているというか、夢のなかの美少女、美少年のようになってしまう。これが、嫌みのない変身ぶりで〜 痛快きわまりないほどに、う〜ん。唸ってしまうほど、嬉しい気分なのだ。
シノーポリ盤も、まずまず良かったのだけど、舞曲風のフレーズが、ちょっと、しゃちこばったイカツサを感じたのに比べて、ハイ、やっぱりカラヤンですねえ。優美このうえない。
で、クーベリック盤とはどう違うか。う〜ん。オケの音色、色艶とでも言いましょうか。あと、フレージングが、きっちり気味の楷書体か、ちょっぴり遊び心ありなのか〜 ぐらいの違い だろうか。
なにせ、カラヤン盤は、ゾクゾクしちゃうぐらい美しいフレージングで奏でられており、やっぱ巧いっ。巧すぎる。
これは好みだと思いますが〜 何と言ってもカラヤン盤のワクワク感は拒みがたいものがあります。
てれっとした遅めの官能的な響きではなく、アンサンブルも文句なく、ちゃんと腰がありながら、背筋が伸びたタキシード姿のスマートな青年が、シャキっと踊っているような雰囲気があり、ワクワクしてしまう。
ホント、格好良すぎるほど格好良い。

チェリビダッケ ミュンヘン・フィル 1985年
Sergiu Celibidach
Münchener Philharmoniker
(Munich Philharmonic)

 

録音状態はまずまず。テンポ設定が独特で、冒頭はやっぱり遅い。風の無いような世界が広がっている。
カップリング:ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲、ワーグナー 楽劇「パルシファル」〜聖金曜日の音楽〜、楽劇「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死〜 ライブ盤(拍手入り)

「オベロン」序曲
チェリビダッケとミュンヘン・フィルとの「チェリビダッケ・エディション」Vol.4 からの1枚である。
オベロン序曲は、冒頭、遅めのテンポで進む。いや〜 ちょっと遅いですよねえ。やっぱり。
眠気が先に立ってしまうんですけど〜(苦笑)
「み〜〜〜ふぁそ〜〜〜〜〜〜」 
「し〜ぃ〜 ら〜 そぉら〜〜 そふぁみれ〜〜〜 し(フルート)」
「そ〜 みしぃ〜  ど ふぁそら〜  し〜〜 ふぁ〜 み みみみみ〜」
この曲は、冒頭、ホルンの柔らかい音色が、うっとりする世界を醸し出して来るのだが、どうも、この遅めのテンポでは引きこまれないのである。やっぱりワタシ的には、遅い。
これだけテンポが遅いと大変だろうな。とホルン吹きの方を思いやってしまう。
夢幻の世界というよりは、音に、柔らかく暖かみはあるものの、冒頭は、死に体っぽく感じられ、魔界のような気がしないでもない。
弦とホルンの「そぉ〜みふぁみ〜 ふぁ〜そふぁみふぁみ〜」というフレーズからは、少し彩りと夢幻感が出てくる。
「しっ!」と、鋭い音がなってから以降は、テンポがシャキシャキ、速めになってきて(これが普通)勢いが出てくるので、ハイ、甦りましたという感じ。
「ふぁみ ふぁみ ふぁみ ふぁみ ふぁらそふぁ れしそふぁ みどしら そふぁそら しど・・・」
「れれ そっふぁみっ れれ そっふぁっふぁみ」という弦のテンポは良い。
だが、クラリネットのフレーズ(← これは、ホルンじゃないと思うが) 冒頭のホルンのフレーズに戻ると、また寝てしまうのである。
「れぇ〜〜そふぁみ〜〜」 これは、眠り薬のようなフレーズなんでしょうかねえ。
誰かのイビキのように、猫がアクビをしているかのような・・・

アンサンブルも音質にも文句はつけられないし、恐ろしく美しいとは思いますが。幻想的すぎて、やっぱりもはや、あっちの世界という感じです。 中間部の弦を主体にした場面では、淡さが感じられるが、どうしても冒頭が、魔界のような、風の動きの全く感じられない、虚無の世界のような〜
その点が気になってしまったし、ワタシ的には、もう少し躍動感が欲しい。
それにしても、オベロンが、ワーグナーの聖金曜日、トリスタンとカップリングされているというのも、う〜ん。内心、えーっ ウッソ〜 オベロンの世界がトリスタンと同じ? って感じなんですが。(笑)  
ウェーバーとワーグナーのカップリングは、音楽史を知ってないと解らないのでしょうが・・・。
素人では、えっ。と驚くばかりなり。ハイ、意図がわかるように、ちょっとは勉強しなくてワ。(苦笑)

シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン 1995年
Giuseppe Sinopoli
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

録音状態は、う〜ん。まずまず。ルカ教会での録音だが、ちょっぴり飽和状態で、かさついた感じが気がする。カップリングは下記のとおり。R・シュトラウスのバレエ「ヨーゼフの伝説」とカップリングされて2枚組BOX もあり。

ウェーバー&R・シュトラウス 管弦楽曲集 シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン
1 ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲
2 ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
3 R・シュトラウス 歌劇「ファイアースノート」 愛の情景
4 R・シュトラウス 楽劇「サロメ」 サロメの踊り
5 R・シュトラウス 交響的幻想曲「影のない女」

「オベロン」序曲
ウエーバーの歌劇って、たいてい「魔弾の射手」しか知らない。「魔弾の射手」って言えば、カルロス・クライバー盤が超名盤だと言われているが〜 これは、残念ながら所有していないし、全曲を聴いたこと がない。しかし、交響曲は2曲あるし、クラリネット、オーボエ、バソンの協奏曲もあるし、ピアノの協奏曲もソナタもある。意外と多才な方なのである。

で、まず歌劇「オベロン」の序曲から。
たまたま、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」(第3楽章)にホルンの三重奏を聴いて、ホルンという楽器を聴いてみたいな〜と思い、R・シュトラウスのホルン協奏曲を聴いたりしていたのだが、ウェーバーのも聴いてみよう〜ってことで、お蔵入りしていたCDを引っ張り出してきた。

オベロンって、シェークスピアの「真夏の夜の夢」(夏の夜の夢)に出てくる妖精の王様の名前である。
オーベロン(Oberon, Auberon)とも表記される。で、ウェーバーさんのオペラは、ヴィーラントの叙事詩を元にしているらしい。 タイトルは、オベロン、または妖精の王の誓いというらしい。
まっ、いずれにしても、妖精パックが出てくる世界が広がっている。

で、この楽曲、冒頭の雰囲気づくりが、命ってところだろうか。
「み〜ふぁそ〜 し〜そ〜ど〜 み〜ふぁそ〜 し〜そ〜らそふぁ〜」
ホルンの和音の音色が柔らかで、うっとりするような夢の世界が広がる。この楽曲、ホルン なにせホルンなのだ〜 そして、フルートの合いの手が、妖精が振りまく魔法の薬のようになっている。
シノーポリの劇的な雰囲気は少し抑えぎみである。さすがにね〜 妖精の国ではソフトだ。
柔らかく手を取られ、舞踏会へとアプローチされている雰囲気がする。
あ〜 別世界だ。
で、2分45秒ほど、夢心地だったのだが、しっ!と、鋭い音がなって、目が覚める。
あまりの大きさに度肝を抜かれる。で、そっから、ヴァイオリンが、勢いよく流れ出してくる。そのダイナミックな流れは、男臭くて力強い。
しそふぁみ チャカチャカチャカチャカ・・・ 語尾の「そ〜」がメチャ強い。荒々しい感じがする。
で、あたりまえのようだが、ドイツ臭いっ。
妖精が飛んでいるようなシャカシャカした雰囲気のする、メンデルスゾーンとは大違いで、あくまで硬いんだもんなあ。ゴツゴツしており、弦が、チャンチャカ チャンチャカ チャンチャンと弾いている。
クラリネットのソロ 「ふぁ〜し〜れふぁ〜 みど どみ〜」ってところは、とろみがついているが、う〜ん。

茫洋としていた幻想的な冒頭は、確かに良いし官能的ですらあるんだけど。
録音状態までもが、茫洋としているようで、ちょっぴり悲しい。幻想的な雰囲気は、やっぱシノーポリ盤が雰囲気あり。でも、曲の構成上、幻想的な場面の後、舞曲風ではあるが、いかにもゴツゴツしたイカツイ弦の響きの対比が 、あまりにも大きくて〜 で、その大きさを、ホールいっぱいに広げていく〜 その力強さには圧倒されてしまう。その差がなあ。ありすぎって感じがしちゃう。
シノーポリ盤は、起伏の大きな、身振り手振りの大きな演奏だと思う。
ちょっと残念なのは、95年の録音のわりには、抜けの良い録音ではないので、線が明瞭ではなく、ちょっぴり、かさついていることと厚ぼったい。録音年は古いが、クーベリック盤の方が、シャープに聞こえる。
1964年 クーベリック バイエルン放送交響楽団 ★★★★★
1972年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★★★
1985年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI ★★
1995年 シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン ★★★
所有盤を整理中です。

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