バッハ ブランデンブルク協奏曲 J.S. Bach: Brandenburg Concertos BWV1046~1051

 バッハ ブランデンブルク協奏曲 第1番~6番 BWV1046~1051
クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1984年
Christopher Hogwood Academy of Ancient Music

とっても快活で、シャキシャキして爽快な演奏だ。ブランデンブルグ協奏曲は、有名な楽曲である。古楽器演奏、ピリオド奏法が流行した際に毛嫌いした経緯があり、そこから先に進めなくなった。バッハ、ハイドン、モーツァルトを敬遠して、もっぱら後期ロマン派をウロウロ聴いてきた。どうも肌に合わないと思ったらダメですよね。ひとさまとのおつきあいも音楽も。今も好きか嫌いかと問われたら、どうだろう。楽曲にもよるが感覚的に好みではない。当時活躍されていた面々も既におられないし、クラシックを聴く人が確実に減っているだろうから、なんとも言えない。ホグウッド盤は、初期稿で6番まで収録されている。オワゾリール(L’Oiseau-Lyre)の録音は、極めて優秀で、そりゃ~とびっきり良い。が、聞き慣れた曲はたったの1曲。そう~第5番の1楽章だけ。想像以上に気持ちが良く聴けた。音の弾み方が気持ちが良く、木管のフレーズが伸びて、ハープシコードの響きがシャキシャキ感があって爽やか。タタタタ・・・と続く音のなかに、たまに長い曲線が織り込まれるタイミングが良いんでしょう。ほとんど、初めて聴くような曲なのだ。「通常版」とホグウッドの演奏する「初期稿」との違いについてもさっぱり解らない。CDを断捨離しようというタイミングで、これではダメじゃん。食わず嫌いをやめて、ボチボチ機会を見つけて聴く(とも、なかなか言い難く、困っている。)


 バッハ ブランデンブルク協奏曲 第1番~6番 BWV1046~1051
ニコラウス・アーノンクール ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス 1981年
Nikolaus Harnoncourt Concentus Musicus Wien

ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(Concentus Musicus Wien)は、オーストリア・ウィーンを拠点する古楽器オーケストラで、アーノンクールと奥さんであるアリス・アーノンクールを中心に、ウィーン交響楽団のメンバーによって設立されたオケだ。ちなみに、奥さんはヴァイオリンを弾いておられる。もちろん、古楽器使用の演奏。実は、初めて聴いた時、トランペットの音に、はあ? のけぞって絶句してしまった。CDの代金を返して欲しいと怒り心頭になったように記憶する。それほどの拒否感。
あれから、ある程度の時間が経過して、ピリオド楽器についても、ワタシ的には、まあ、馴れた気がするが~ それでも、今もって違和感は、それなりに残っている。そうそう、アーノンクールさんの演奏は、1964年のCDもあって、世界初の古楽器によるセンセーショナルな演奏で、記念碑的録音だそうだが、未聴である。認知されるまでに時間が必要だったに相違ない。アーノンクールさんは、チャレンジャーだったんだなと改めて思う。この気概は解るが、ワタシには、トラウマのように違和感が残ってしまっている。
ブランデンブルグ協奏曲は、第1番から第6番まである。アーノンクール盤は、管弦楽組曲とカップリングされてCD2枚として発売されていた。古楽器、ピリオド演奏に耳が馴染んできたのか、改めて聴くと、意外と尖ってないおとなしい演奏だと感じる。全力で、ガッシガシと演奏するのかと思ったが意外にもソフトな感触もする。対話するフレーズが、A、次はBと強弱の旋律が入れ替わって、織り目が浮かんでくる解りやすい曲もある。思ったほど軋んだ感じは受けない。もっと攻撃的、グイグイとアグレッシブに演奏されるかと思ったのだが、その心配は無用だったようだ。ワタシのトラウマは、雲散霧消・・・(とはいかないが)


 バッハ ブランデンブルク協奏曲 第1番~6番 BWV1046~1051
カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 1967年
Karl Richter Münchener Bach-Orchester (Munich Bach Orchestra)

ある意味、杓子定規のような演奏だが、正調って感じで恐れいる。昔っからの定盤中の定盤的存在。おそらく、リヒターが残したバッハ演奏史に、燦然と輝く歴史的名盤っていうフレーズが、相応しいCDの1枚だと思う。昔っから、バッハの演奏ならリヒター盤ということで、評論家のみなさんが太鼓判を押していた演奏である。有無を言わさない演奏で、迷わないでこれだけ聴いていたら間違いないという演奏だと思う。1960年代の録音だが、時代を経てもマスタリングされ、その都度に発売されている演奏である。カッチカチの堅牢さ、厳格さ、愉悦性よりもキッチリ。杓子定規のような演奏に聞こえるが、他盤に浮気しても戻ってこられる演奏でもある。情感よりも理論、観念という感じの理性派の演奏だが、聴いているうちにぴったりしたスーツを着ているような感じの気持ち良さ。自然と背筋が伸びてピシっとなってくる良さ。窮屈ではない繰り返して聴いているうちに、自然と不思議と同化して、ビート感覚にノルことができる演奏だ。
低音の響きが充実しているので、ぐいっと押してくるような圧があり、アクセルを踏んだら、ぐい~っと伸びていく勢いがあり、Gがかかったような気持ち良さを感じる。これはすごいっ!と、きっと感じるんじゃーないだろうか。それに、2番のトランペットは、怖いぐらいの音が出ている。バルブなしで演奏しているのだと思うが、直接口で吹いて、出る? こんな高音が? と、まあ、驚いた演奏でもある。う~ん、これは、ホント名盤だと思う。黙ってありがたく拝聴するのみ。


 バッハ ブランデンブルク協奏曲 第1番~6番 BWV1046~1051
カール・ミュンヒンガー シュトゥットガルト室内管弦楽団 1958年~59年
Karl Münchinger  Stuttgarter Kammerorchester

ガチョウのような鳴き声の楽器は、これはいったい何なのだろう。オーボエのリードが壊れているような割れ音が気になってしまった。ブックレットを拝読すると、第1曲第2楽章は、オーボエの悲痛な旋律がビィオリーノ・ピッコロ、通奏低音へと受け継がれ、やがてカノンを形成すると書いてあった。ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴァイオリンより小さく短3度または完全4度高く調弦される。ヴァイオリンで完全に代用可能なため廃れてしまっったらしい。オーボエの音色に慣れてくれば、まどろっこしい旋律が悲哀漂う楽曲に感じられる。3楽章は活気のある演奏で、ヴィオリーノ・ピッコロが登場する。小型ヴァイオリンは、か細いかすれ声だが、オーボエと奏でられる音は、古楽器ならではの風合いが強くでている。第3番は、3挺のヴァイオリンとチェロ、ヴィオラとチェンバロで奏でられる。通奏低音は、穏やかなテンポで精緻なアンサンブルで歯切れ良く進んでいく。
総体的に、かっちりした演奏で丁寧だが、なんとも滋味だ。第5番を聴いてみると柔らかいが、力強くカッシリとした楷書体で描かれている。フルートの柔らかい音に驚かされ、チェンバロが控えめに弾かれている。古式ゆかしきという誤解を恐れず、あえて言うなら雅楽の演奏を聴いているような雰囲気とでも言おうか。深々とした演奏で聴き応えがある。木訥として媚びるところなく淡々とした演奏だ。滋味で解りづらいけれど、現代まで生き残った演奏は、それだけで新鮮なのかも。こちらには、ごあいさつなどを記載してください。


バッハ ブランデンブルク協奏曲
1958~59年 ミュンヒンガー シュトゥットガルト Dec ★★★
1967年 カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 Archiv ★★★★★
1981年 アーノンクール ウィーン・コンツェントゥス Teldec★★
1981年 アーノンクール ウィーン・コンツェントゥス Teldec★★
1982年 ピノック イングリッシュ・コンサート Ar 未聴
1984年 イ・ムジチ Ph 未聴
1984年 ホグウッド エンシェント室内管 OL ★★★★


 

YouTubeでの視聴

J.S. Bach: Brandenburg Concerto No.3 In G, BWV 1048
ミュンヘン・バッハ管弦楽団 - トピック  カール・リヒター 
ブランデンブルク協奏曲第3番-1
https://www.youtube.com/watch?v=em67D0ro7Zk


J.S. Bach: Brandenburg Concerto No. 5 in D Major, BWV 1050a
エンシェント室内管弦楽団 - トピック   ホグウッド エンシェント室内管
Academy Of Ancient Music - Topic
Provided to YouTube by Universal Music Group 5番のみ掲載します。
1楽章 https://www.youtube.com/watch?v=F5wXaauiEpo
2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=xNHshSLq7Ts
3楽章 https://www.youtube.com/watch?v=40dzqkYR1C8


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