「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

バーバー チェロ協奏曲
Baber: Cello Concerto


バーバーのチェロ協奏曲(イ短調 作品22)は、1945年に作曲されています。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
なんでも、ボストン交響楽団から、ロシア人女性チェリスト、ラヤー・ガールブゾヴァのためにチェロ協奏曲を依嘱されたそうです。作品は徐々にチェリストのレパートリーに入ってきているが、技術的な要求が極度に高いため、未だに主流になってはいない。しかし、チェロのために作曲された最も優れた協奏曲の一つであることには変わりない。とのこと。

3つの楽章から構成されている。
1楽章 アレグロ・モデラート
2楽章 アンダンテ・ソステヌート
3楽章 モルト・アレグロ・エ・アパッショナート

独奏チェロ、フルート2、オーボエ1、イングリッシュホルン1、クラリネット2、バスクラリネット1、ファゴット2、ホルン2、トランペット3、ティンパニ、スネアドラム、弦楽五部の編成だ。

  ヨーヨー・マ デイヴィッド・ジンマン ボルティモア交響楽団 1988年
Yo-Yo Ma
David Zinman
Baltimore Symphony Orchestra

ほぉ〜良いヤン


録音状態は良い。ちょっぴり歌曲風のフレーズもあるが、調性がつかみきれず、ちょっぴり難しい。マさんは、難なく演奏されているようだが。
1〜3 バーバー チェロ協奏曲
4〜7 ブリテン チェロ交響曲
1楽章
バーバーのチェロ協奏曲は、かなり難易度の高い楽曲らしい。
でも、1楽章を聴くと、どこか和風で東洋風の和声というか、フレーズの流れは、イギリスの楽曲を聴いているかのような感じがしちゃう。
アンタ、あほかいな・・・。と言われちゃいそうだが、何故なんでしょうね。そう感じてしまった。
バーバーっていえば、弦楽のためのアダージョとヴァイオリン協奏曲は有名だが、チェロ協奏曲は、聞きづらいわけではないが、どこか、風のように流れて、すっと去ってしまうところがある。
曲想が、つかみづらい〜という感じだろうか。

冒頭は、弦で、一斉に「しらしっ しらしっ ししら ししら しっ!」と気持ち良く出てくる。
そこからのフレーズが、とても不思議。
木管で、「みぃ〜 そみぃ〜 しれど らふぁ そふぁれ どぉ〜らどぉ ふぁ〜どら みどし しれぇ・・・」と、半音イッパイのフレーズが流れてくる。え? すごく調性が不可思議で、ラビリンスの世界だ。
ヴィオリンは、「しぃみぃ〜ふぁそ らぁ〜ふぁれら〜 しそら しぃ〜どしら・・・」と歌いかけては、木管フレーズが、また不思議な音を出してくる。
この歌曲風のところが、イギリスの楽曲っぽいのだが、木管フレーズは、現代風というか。
いやいや、主題はどれなん?
で、ソロのチェロが出てきたら、ん? 前衛的で無機質ぽく、先程でてきた木管と同じ主題になる。
ヴァイオリンの歌曲風フレーズは、何度も顔を出すのだが、完全に歌いきれず、木管の涼しいフレーズに行く先を止められているかのようで、続かない。

オケは、冒頭の主題、「そふぁそ そふぁそっ そそふぁ そそふぁ そっ!」
「どぉ〜どみ どぉ〜どそ しぃ〜らふぁ れ みれし しぃ〜そし れ〜ふぁれ どしど みそみ そぉ〜 み〜どみそぉ〜」
アハハ〜 この妖しげなオケで奏でられる調が、不思議さを呼ぶ。
ピチカートで軽やかにスキップするようなフレーズが続いたり、そうなると、ゲンダイオンガクのようになる。
チェロが、軽やかに伴奏にまわっていると思っていると、歌曲を歌うし、で、中盤の7分過ぎあたりから、オケが止まり、チェロのソロ状態だ。

素人でも難しそうな〜と、重音だし、高音域では、えっ。と思うようなヴァイオリンのような音域に達しているようだ。
ショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番で耳にしたハーモニクス奏法が、ここでも登場しているようで、ひぃ〜っと鳴る音が登場したりする。う〜 こりゃ、難しい。

でも、わかりやすい〜と錯覚させられるのは、しらしっ しらしっ という、音型と、歌謡風フレーズが混じっているからだろう。ソロの部分は、晦渋そう。
テクニック面では、どの程度、難易度が高いのかは、素人ではわからないが〜 チェロでないとダメなの?と言ってしまいそうな面がある。チェロの音域、チェロの特質みたいなものは、充分にでているのかどうか、ちょっと、わからない。
いっけん、歌謡風旋律が垣間見られるところが、ロマンティックだが、ひやっとしたクールな面がある。
決して、リズミカルではないので、わかりやすさは感じるが、この調性のとらえどころのなさは、何度も繰り返して、噛みしめないとわかりづらい。

2楽章
とっても抒情的な楽章で、オーボエとチェロの旋律で奏でられる。
「らぁ〜ど らぁ〜ど ふぁ〜れ ふぁ〜れ」
「みぃ〜そみぃ〜ら らぁどぉ〜〜 しらぁ〜 どし れふぁ らどぉ〜しらぁ〜」
悲しみの漂う、ふわっとしたフレージングで、これまた、はあ? 調性がとらえられず、ふにゃふにゃ〜としている。
プロコフィエフのような、ぷわっとした浮遊感ではなく、水面に漂う浮いた感覚ではなく、あてどもなく彷徨っている感じで、荒涼とした大地に、数本育っている野辺の草が、夕暮れ時に、風になびいているかのようだ。
どこか、少し虚無的だ。
えっ もしかしてコーラングレ? てなことないよなあ。
チェロのフレーズが前に出てきて、甘さが加わってくるものの「らぁ〜どら ふぁぁ〜らど みぃ〜どら みぃ〜そみ〜」って感じで、ずーっと、さまよってしまう。

3楽章
ラストは力強い「そぉ〜 そふぁっー ふぁ そっ みっしっらぁれ〜パパパぁ〜」という、金管と弦の強奏で始まる。
で、すかさず、チェロが加わっていくのだが、甘いのか酸いのか、けったいな舞踏風の音を奏でる。
明るい音と暗い音が、隣り合わせにおり、リズムは軽やかだが、乗り切れない。
えっ 長調なの短調なの? えっ、わからん。
♭と♯が同居しているかのような雰囲気で、アタマのなかは、わからん。としか、反応してくれない。
このケッタイな感じが、面白そうなのだが、面白とは言い切れず・・・ 曖昧な印象は否めない。完全な無機質という感じはしないし、幾分ノスタルジックな音なのだが、音型は、ゲンダイぽいし〜
不協和音たっぷり。金管も大事な役割をしており、短いフレーズを、弦と一緒になって紡いでいく。

また、他盤を聴いてみないといけないと思う。
「200CD ヴァイオリン 弦楽器の名曲・名盤を聴く」という本を見てみると、バーバーは初演者となるガールヴゾウアを自宅に招いて、重音の可能性、アルペジオやハーモニクス奏法の響きなどを、みっちりとヒアリングしたらしい。
で、本作を、「前世紀にブラームスのヴァイオリン協奏曲と同様の役割を、20世紀において果たすだろう」と、クーセヴィツキーさんが予言したらしいが、その当否は、いつわかるのだろうか。と書かれてあった。
ん? じゃ〜 この執筆者は、そうは思ってないらしいってことだよねえ。

1988年 ヨーヨー・マ ジンマン ボルティモア交響楽団 SC ★★★★
所有盤を整理中です。

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