バーバー チェロ協奏曲 Barber: Cello Concerto


 バーバー チェロ協奏曲
Barber: Cello Concerto
ヨーヨー・マ デイヴィッド・ジンマン ボルティモア交響楽団 1988年
Yo-Yo Ma David Zinman Baltimore Symphony Orchestra

バーバーのチェロ協奏曲は、かなり難易度の高い楽曲らしい。1楽章を聴くと調性の妙というか東洋風の和声というか、イギリスの楽曲を聴いている感じがする。弦楽のためのアダージョとヴァイオリン協奏曲は有名だが、チェロ協奏曲は、どこか風のように流れて、すっと去ってしまう曲想と言えるだろうか。つかみづらいのひとこと。半音イッパイのフレーズで、不可思議でラビリンス。
歌曲風のフレーズがイギリスの楽曲っぽいが、木管フレーズは現代風。主題はどれなん?チェロが出てきたら、ん? 前衛的で無機質の感覚だ。ヴァイオリンの歌曲風フレーズは何度も顔を出すが完全に歌いきれず、木管の涼しいフレーズに行く手を止められて続かない。チェロが軽やかに伴奏にまわっていると歌曲を歌うし、中盤の7分過ぎから、オケが止まりチェロのソロ状態。素人の耳でも難しそうな重音と、ヴァイオリンの領域に達しているような高音。ショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番で耳にした、ハーモニクス奏法がバーバーの楽曲にも登場しているようだ。ひぃ~っと鳴る音が登場。こりゃ難しい。素人ではわからないがテクだが、チェロでないとダメなのだろうか。
第2楽章は、抒情的でオーボエとチェロで奏でられる。悲しみの漂うフレーズだが、ふにゃふにゃ。プロコフィエフのような浮遊感覚ではなく、彷徨っている感じで、荒涼とした大地に野辺の草が、夕暮れ時に風になびいているかのよう。虚無的に彷徨う。
第3楽章は、打って変わって力強い。金管と弦の強奏で始まり、すかさずチェロが加わっていくが、甘いのか酸いのか、けったいな舞踏風の音を奏でる。明るい音と暗い音が隣り合わせにおり、リズムは軽やかだが乗り切れない。えっ 長調なの短調なの? ♭と♯が同居しているかのような雰囲気で、アタマは反応してくれない。このケッタイな感じが面白そうなのだが、むずそう。
ノスタルジックなのだが、不協和音たっぷり。他盤を聴いてみないと解らない。

「200CD ヴァイオリン 弦楽器の名曲・名盤を聴く」という本を見てみると、バーバーは初演者となるガールヴゾウアを自宅に招いて、重音の可能性、アルペジオやハーモニクス奏法の響きなどを、みっちりとヒアリングしたらしい。本作を「前世紀にブラームスのヴァイオリン協奏曲と同様の役割を、20世紀において果たすだろう」とクーセヴィツキーさんが予言したらしいが、その当否は、いつわかるのだろうかと書かれてあった。じゃ~ この執筆者は、そうは思ってないらしいことだろう。
もう21世紀なんだけどね。
カップリング:バーバー チェロ協奏曲、ブリテン チェロ交響曲



バーバー チェロ協奏曲
1988年 ヨーヨー・マ ジンマン ボルティモア交響楽団 SC ★★★★
未聴:1994年 イッサーリス スラットキン セントルイス交響楽団 R

バーバーのチェロ協奏曲(イ短調 作品22)は、1945年に作曲されています。ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、なんでも、ボストン交響楽団から、ロシア人女性チェリスト、ラヤー・ガールブゾヴァのためにチェロ協奏曲を依嘱されたそうです。作品は、徐々にチェリストのレパートリーに入ってきていますが、技術的な要求が極度に高いため、未だに主流になってはいません。しかし、チェロのために作曲された最も優れた協奏曲の一つであるそうな。3つの楽章から構成されています。
1楽章 アレグロ・モデラート、2楽章 アンダンテ・ソステヌート、3楽章 モルト・アレグロ・エ・アパッショナート
独奏チェロ、フルート2、オーボエ1、イングリッシュホルン1、クラリネット2、バスクラリネット1、ファゴット2、ホルン2、トランペット3、ティンパニ、スネアドラム、弦楽五部の編成です。


 

YouTubeでの視聴


また、調べて聴いてみます。



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