「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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バルトーク 管弦楽のための協奏曲
Bartok: Concerto for Orchestra


バルトークの管弦楽のための協奏曲は、1943年の作品で、翌年の44年にボストン交響楽団によって初演されています。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
この頃、アメリカに亡命してきたバルトークは、鬱状態だったそうで、当時ボストン交響楽団の音楽監督だったクーセヴィツキーが、友人たちの意向もあって、破格の1000ドルの小切手を持参して作曲を委嘱したものだそうです。

第1楽章(序章) 序奏付きソナタ形式。
神秘的な序奏に続き、主部はフーガ風な激しい第1主題(ヘ短調)と、オーボエの第2主題が中心です。展開部と再現部が一体化したスタイルで、展開部は第1主題の素材を様々に変容させるもの。再現部は、 第2主題から始まります。展開部の最後で、第1主題と第2主題を繋ぐ推移主題を用いて、全金管楽器によるカノンが奏でられます。

第2楽章(対の遊び) 三部形式
最初と最後の小太鼓のリズムが特徴的で、対になった木管楽器群が旋律を吹き、各パッセージで、対になっている二管の音程は異なっており、例えば、ファゴットは短六度、オーボエは三度、クラリネットは七度、 フルートは五度、トランペットは二度といった具合で、スケルツォのような雰囲気を漂わせますが、中間部では金管の静かなコラールが聞こえます。

第3楽章(悲歌)
バルトークの典型的な「夜の歌」で、アーチ形式(A-B-C-B-A)のスタイルです。Bの主題は、第1楽章の序奏の主題が再帰してくるもの。

第4楽章(中断された間奏曲) 三部形式だが、バルトーク本人の初演プログラム時の解説に従えば「A-B-A-中断-B-A」となるそうです。この「中断」部分は、曲の中盤で乱入してくるショスタコーヴィチの交響曲 第7番の第1楽章の展開部の主題が引用されている部分にあたります。
トロンボーンのグリッサンドによる「ブーイング」と、木管楽器の「嘲笑」が特徴的で、第2主題のヴィオラに始まる旋律は、大変美しいものです。

第5楽章(終曲)三部形式ともとれるが、作曲者自身は、ソナタ形式と述べているそうで、ロンドソナタ形式に近いもの。
ホルンのユニゾンで始まり、ヴァイオリンがジグザグに音階を行き来する無窮動風の旋律を奏します。これが第1主題にあたり、何度も再帰します。中間部では、金管楽器のソロによるフーガ風で、華やかな終曲です。
エンディングは、初演時のコーダの盛り上がりから急速に終結するものと、改訂時に追加された全管弦楽による更なる盛り上がりを見せて終わるものがあります。
バルトークの代表的な楽曲ですが、当時鬱にあった人が、わずか、2ヶ月弱で完成させているとは〜 驚きです。

  ショルティ シカゴ交響楽団 1981年
Georg Solti
Chicago Symphony Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は、良い。ダイナミックで速いっ。金管のパワフルなこと。圧倒されてしまう。
カップリング:管弦楽のための協奏曲、ムソルグスキー「展覧会の絵」 国内盤、輸入盤でカップリングが異なる。ショルティは同曲を3回録音し81年は2回目の録音である。
1楽章
冒頭はおとなしく、そろり〜と出てくる。金管が遠くから、「ふぁ みふぁ〜っ そふぁみれ〜 れれ みれ〜 」と、吹かれているし、フルートは幻想的に奏でられている。
しかし、主題が出てくると、弦、特にヴァイオリンが、いきりたってくる。
冷たい感覚と厳しい感覚があり、ここの弦は強烈なのだ。「そそらそ〜 そふぁみっ みみふぁみっ〜」
ひぃ〜 なんて強いのだろう。紋切り調である。キツイなあ。 ティンパニーが、パンパンっと叩かれ、段々とリズムが速くなっていく。
「れれどれ〜 ふぁみれど〜 しれどし〜 らそふぁ〜」 テンポにも、キレがあり、快速バージョンだ。木管も、尻上がりの強めの音が吹かれている。 う〜ん。運動体としては、リズミカルってことになるのだろうが、とっても荒々しい。
特に、「たったたたぁ〜 たった たたぁ〜」という主題が、すこぶる強烈に、弦が強く協奏されており、さらに金管のパワフルなこと。これも強烈だ。なにせ音量があり、他を圧倒してしまう。
低弦の「たったたた たったたた〜」「れっそ〜 ふぁそら しらふぁ〜ふぁみれ〜」
音が、キツイ、ツヨイ、鋭くカシカシ、ガシガシ、ガーガガガー 音量はそうとに大きく、強烈で、迫力満点で、圧倒されて終わりになってしまう。 チェリビダッケ盤であれば、もう少し幻想的に聞こえたのになあ。
このショルティ盤で聴くと、和音の美しさなどが、完全に、ぶっ飛んでしまって・・・。とほほ。力で押された感じがする。

2楽章
小太鼓のリズム 「タタタ タタタタ ッタタ タッタタ・・・」「みふぁそそっ み そそそっみ れみふぁ そふぁみ れっし〜」と、ファゴットが吹かれる。
この楽章は、なかなかに楽しげで〜 ショルティの振るリズミカルなところが最大限に生きている。
テンポが早めなので、次々に展開していくので、次々とおもちゃ箱を開けているような雰囲気がしてくる。
でもねえ。ところどころ、トレモロが入ってくるようなところは、ぐぐ〜っと遅くなる。
ミュート付きのトランペットは、「パ〜パレ パパパパっ パッパ パーレっ」と、オチャメに吹かれている。
トロンボーンのコラールも、ストレートに吹かれているものの、丸みがあるものだ。
ソロが変わっていくところが、面白い楽章で、そこが妙技なのだが、アンサンブルがなあ。ちょっとイマイチかもしれない。

3楽章
かなり揺らめく様が演出されており、こりゃ〜 別人のようで(笑)  こりゃ良いやん。面白いやん。という感じに変わった。
幻想的にはなっているし、録音が遠くに聞こえる。
ただ、主題が変わって、「ふぁみふぁ〜 そふぁみ れれみれ〜 みれ〜ど」 という、強めのフレーズになると、ティンパニーと金管が強すぎて〜  あーっ せっかくの雰囲気がぶちこわされてしまう。
楽器間のバランスが、イマイチで、金管パワーが強烈すぎるのだ。
せっかくオーボエやフルートなどの木管が、活躍している楽章なのに、これでは、金管パワーにやられてしまう。
木管の音色が、とても良く聞こえる雰囲気抜群の良い楽章なので、ちょっと惜しい感じがする。
いや〜 破壊活動に遭って、ぶちのめされ荒れ地になってしまった後みたい。そういう意味での「悲歌」か?
いや〜 災害にあって泣いているわけじゃーないだろうに、 もう少し静謐で、幻想的に、神秘的な演奏でも良いのかもしれない。

4楽章
「どしふぁ〜そ〜」「ふぁそし〜 ふぁそし〜 ふぁそし〜ししっ」と、クラリネットが誘って、ハープの音色とフルート、そしてホルンの響きがロマンティックに響く楽章。
で、なぜか、ショルティ盤のこれを聴くと、録音状態が、こもっている感じに聞こえる。特に、ハープの低音の響きが悪いような感じがするんだけどなあ。なぜ、この楽章が、ベールに包まれているんだろう。
金管にだけ、マイクが行っているわけじゃーないだろうに、ショスタコ7番をもじったフレーズは、これは、楽しげで皮肉もあって、ハハハ〜と笑えてしまった。

5楽章
いきなり、「そ〜そ ふぁ〜れどら〜 そっらしどれっふぁ〜」
渦巻きが巻いているように、弦が細かく動き出す。
これは、機能的に動いている。運動体としてのシカゴ響は、やっぱ凄いものがあって、速くてパワフルだ。
また、1楽章ではキツイなあ。とぼやいていた弦の強さや鋭さが、この楽章では、快感に聞こえてくるのである。う〜ん。
さすがにテンポが速いが、これが、心地良さを生んでいる。
木管が、「ふぁ〜らら ふぁ〜 ららっ」、トランペット「れられ〜 れみふぁふぁふぁふぁ・・・」 舞曲風なテンポで、テンションがあがっていく。
「どっそどぉ〜 ふぁみ そそそそ そそしそ」 
このフレーズを、弦、低弦が繰り返し、木管が色彩を加えている。
まま。全体的には、弦もテンポよく、コミカルに仕上がっている。このショルティ盤は、ものすごーい運動感覚なんだろう。
ひとくちで言うと「俊敏」で、ノリノリなのだ。 しかし、荒くたいって言えば、荒くたいし、粗雑って言えば粗雑だなあ。
熱気も、あるにはあるのだが・・・。うわ〜 最後には、この楽曲、苦しみを乗り越えて勝利を得ました。解放されました。ってぐあいに 盛りあがってくるのだ。しかし、あまりにも単純すぎません?

単純なストーリー仕立てではないし、一応、協奏曲ってあるにも関わらず、 金管とティンパニーの音を、これほど派手に入れなくても良いのになあと思ったりするが、いや〜開放的に派手になってくるほうが面白いかと思ったり。悩ましい。
各パートのソロが活躍するが、ブラス部分が、 めだっちゃって〜 う〜ん。これって、管弦楽のための協奏曲でしょ。と思ってしまったり。
聴いている分には、とても面白い楽曲で、ショルティ盤で聴くと、相当に豪快な演奏だけに、何度も聴いていると、その個性が解ってきて病みつきになる曲ではある。しかし、ちょっと繊細さが〜もう少し夜のイメージ も欲しいとか、欲が出てきてしまう。それでも、さすがに最後は盛りあがり〜 終わりよければ〜という典型かもしれないと思ったり。

ドラティ コンセルトヘボウ 1983年
Antal Dorati
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

ばっちグー!

録音状態は良い。まろやかな響きで、するり〜と聴けてしまう。しかし、この曲の良さが、いっぱい詰まっているような気がする。カップリング:バルトーク 管弦楽のための協奏曲、「2つの映像」

1楽章
ドラティ盤は、全体的にまろやかな演奏で、シカゴ響のショルティ盤のように、とんがっていない。
オケが、コンセルトヘボウなので、シカゴ響とは、まーったく違う。 まろやかで、深い響きが特徴になっている。こんなに違うなんてね〜 ホント驚きだ。
ドラティ盤は、冒頭から、神秘的で、すこぶる幻想的に、ベールを被って出てくる。和音の響きの広がりもあり、柔らかで、しなやかで上品である。
「そどふぁし みれらしふぁどみし〜どそらみ〜」 不可思議な音の繋がりが、スムーズに流れてくる。
コンセルトヘボウでの余韻として残る響きが、ふんわりしてて〜 バルトークの創った音の響きが、よく伝わってくる。
他では味わえないバルトークの持っている響きが好きなので、私的には、う〜ん。これは良いなあ。って思ってしまった。ショルティ盤だと、味もワカランぐらいの強烈なパワーが炸裂しており、 バルトーク固有の響きが、充分には味わえないのだ。(笑)
ドラティ盤だと、適度に湿気があって、美音すぎるぐらい美音で奏でられていく。
「れれどれ〜 ふぁみれど〜 しれどし〜 らそふぁ〜」
「そそらそ〜 そふぁみっ みみふぁみっ〜」 
強めに出てくるところでも、柔らかい。硬めでドライな風味が好きな方には、モノ足らないかもしれないが、このオケならではの弦のしなやかさ、優美さがある。で、他盤とは、 オケの違いが歴然としている。
コンセルトヘボウは、特に、金管の響きがまろやかなので、クリーミーに仕上がっている。
「らっそ〜 らっそらそ〜」「たった たたぁ〜 たった たたぁ〜」
「ふぁそらしそふぁ〜 ふぁそらしそふぁ〜」
金管が短めにパッセージを奏でており、大きなうねりとしては形成しておらず、弦が、かけのぼって頂点を築いているが、さっぱり〜とした爽やかさで終わる。泥臭い土着系の味わいは少なく、濃密な響きではない。

2楽章
小太鼓の響きをベースにして、各楽器がパートを受け持って、展開していく楽章で楽しい。
トランペットの剽軽なフレーズがあるが、これも、また、うるさくない。
オーボエやクラリネット、フルートなどの響きがまろやかだ。それぞれ楽器が2人で吹かれているのだが、音に、何度の開きがあるのだろう。3度か5度か7度か? 
音の開きが、正確にはワカラナイが、各楽器の和音が楽しめちゃう。全体的には、おとなしめな楽章になっているが、もう少し遊び要素があっても良いように思うが、 上品で上質だと思う。

3楽章
幽霊が出てくるようなチェリビダッケ盤が面白く聴けたが、ドラティ盤では、ちょっとした、なまめかしさも出ていて、うふふ。
横笛的な東洋風イメージも加味されている。
ちょっと、ティンパニーが、うるさいかな。和風小鼓のように鳴ってくれたら〜面白いんだけどなあ。
この楽章は、ワタシ的には、日本人にとって親しみやすく、DNAが反応しちゃう楽章だ。結構、印象的に聞こえると思うなあ。西洋と東洋の和合って感じすらしちゃうところがあり、 特に、木管のフレーズなんぞに、耳がいっちゃって〜
快感にすら聞こえる。
バルトークさんの紡ぐフレーズが、どこらあたりが発祥地なんだろう〜 起源はどこなのかな〜と、東欧・中央アジアエリアの地図を思い浮かべ、想像を逞しくしたりする。
まあ。この楽章だけではなく、バルトークの楽曲全てにおいて感じることなんだけど・・・。

4楽章
「どしふぁ〜そ〜」「ふぁそし〜 ふぁそし〜 ふぁそし〜ししっ」
クラリネットのオチャメで、遊園地風コミカルなリズムが楽しいし、ヴァイオリン以外の楽器が、複合的に絡んでいて、お口直し的な楽章だ。
でも、なかなか。間奏曲って言ってバカにできない楽章で、メチャ面白くて、舞曲風でもあって盛り上がる。
ドラティ盤は、華麗に優美に仕上がっていて、フルートなどは、ふわ〜っと飛び上がっている。
バリバリ鳴らしていたショルティ盤だと、ちょっと味が飛んでしまうのだが、フレーズが綺麗に繋がっており、楽器固有の響きだとか、音色が大事に扱われており、それが巧くブレンドされている。
この楽曲は、ブレンドの巧さが問われるのかもしれない。 弦の響きや、木管のフレーズが美味しいと感じる部分が、たくさん用意されていて、この楽章の面白さが存分に味わえる。あ〜なるほど。もしかしたら、これが協奏曲ってタイトルにした所以かなあ。(って勝手に思っている)

5楽章
ホルンのまろやかな響きで始まる。
その後、16連符が、せわしなーく奏でられていくのだが、ふふ〜 ティンパニーも難しそう。
で、う〜ん。なんと、しなやかに動く無窮動(むきゅうどう)なんだろう。余裕が感じられる。
ここ、ギシギシやられると、ちょっとツライのだが。ジグザグに動いていく音が、ふふふ。これも、聴いているうちに、気分が高揚してくる。
「れっられ〜」という、トランペットがあわさってくると〜 ちょっとしたファンファーレ風に。
ピッコロが鳴って、「どっそっど〜」というフレーズが入ってきたり。かなりアクセントになっている。
ドラティ盤では、しなやかなフレーズの動きが特徴かなあ。即物的に、決して激しく鳴らないところが好ましい。エンディングが、アメリカナイズされているように感じるのも、楽曲としては面白い。

ドラティ盤は、アイロニーは、あまり感じないし、機能性を前面に出した演奏ではないし、これと言った特徴はないのかもしれない。するり〜と聴けてしまうところがある。
でも、この曲、するり〜と聞いてしまっちゃ〜 モッタイナイ。あ〜 この楽曲にしては、歯ごたえが少なく、ヤワイかな〜と思うが、いろんなオケで聴いてみたい楽曲だなあ。って、そう思っちゃった。
聴きやすいことは確かだし、エレガントだ。ショルティ盤のように粗野ではない。
また、ドラティ盤は、この曲には、いろんな風味が入り混じっていること。フレーズとリズムの関係や、個と全体の調和、各楽器間のブレンドなど、いろんな要素を感じさせてくれ る。
かなりの大曲で、よく考えて聴かないと〜っ この楽曲には歯が立たない。 でも、それが楽しかったりするんだよなあ。
ワタシにとっては、親しみやすいが、こりゃ〜何度も繰り返して聴かなきゃ〜と思わせてくれた1枚である。

レヴァイン シカゴ交響楽団 1989年
James Levine
Chicago Symphony Orchestra

いかさねぇ〜

録音状態は良いが、派手にならず、流麗すぎず、クールすぎず。
でも、なーんか中途半端で煮え切らない。最初に聴くのには良いけれど、個性的な盤が揃っているオケコンのなかでは、う〜ん。どうだろう。名盤の誉れ高いんだけど。
カップリング:管弦楽のための協奏曲、弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽

1楽章
「れ〜そ〜ど〜し〜ふぁ〜 そそれ〜」「れ〜 れ〜そどふぁ〜 み〜し〜 どそ〜」
「れそどふぁしぃ〜 みれ らし みしれら〜し そそららみ〜」
レヴァイン盤の出だしは、荘厳感のあるクラシカルな、ゴシック調の雰囲気がする。
そこそこ柔らかく、音が均一して出てきておらず、出てくる音、萎む音が存在してみられて陰陽がついているような気がする。 同じシカゴ響なのだが、ショルティ盤が硬いっ。と思わせるのに比べると、ちょっと柔らかいかなあ。
とんがったツンツンとした感じではないし、かといって、コンセルトヘボウのドラティ盤のような、重厚なしなやかさはない。
低音の響きが、幾分籠もりがちだが、 まるで歌うように、フレーズが凸凹して浮き上がってくる。
温かみのある木管の響きが垣間見られたりする。
スケールの大きい荘厳さは出てくるが、堅牢で、険しいという響きではなく、 もわっとした暖かい響きが特徴になるだろうか。なだらかなフレージングで、きっぱり、くっきりした響きではない。
ティンパニーの響きは大きめに叩かれており、締まった感じもするが、 強烈なパワー炸裂と言うところまでには至らず、う〜ん。他盤と比べると、どっちつかず的な中途半端な感も否めない。

この楽曲は、クールでないと、、、という雰囲気があるので、旋律自体、歌うわけでも、美音でもないのだが、どことなく、暖かみのある乾いた、もごっとした感覚で、ねちっとした暑さを感じさ せてくる雰囲気。
スピードをあげてくるところは、自然な感じがするが、 硬めのドライな演奏というよりは、どちらかと言えば、辺りの空気は暖かめで、ナチュラル感のある演奏だろうか。

うねりのスピード感は、あるほうで、たららら たららら〜っと畳みかけてくるところは面白いし、フレーズの運びはスムーズだが、「どっれぇ〜 どれみ ふぁっど どっそふぁ〜」という金管フレーズは、 もっと力があっても良いんだけどなあ。
明るめの音質に聞こえるのと、「たったぁ〜たらら らったっ らぁ〜」というフレーズが、せっかくインパクトある特徴的な響きなのに、泥臭くもなく、すーっと行かれて、あれっ。
ちょっと腰が弱いかなぁと思う。
ティンパニーの響きが勇壮なのに、肝心の金管が、もっと馬力だして前に出てくれると嬉しいんだけど。
動物的な、低音の「ふぁっそ〜そふぁっふぁ そふぁっ」と、まるで映画「ジョーズ」のようなフレーズも入ってくるのに、ちょっと綺麗な響きすぎて〜、シカゴ響の割には弱いかも。いやいや、ショルティ盤と比べるのが悪かったかしらん。

2楽章
この楽章は「対の遊び」と言われる楽章で、小太鼓の響きをベースにしている。
コミカルで、可愛いし、柔らかい音で綴られている。なーんだろ。明るさ、道化師風のおどけた感じがするが、なーんか楽しくないんだよなあ。もっと、ハチャメチャでも良いのに・・・。
面白いフレーズが絡むし、もっと弾んだら良いのにねえ。オチャメになりきれず、上品ぶっちゃって〜
なんだよぉ〜 もっと、木管が弾んでくれないと、面白くないやん。
ファゴット、オーボエ、クラリネット、フルートの木管群の役者が、揃いも揃って、え〜っ。おとなしい。
そろい踏みなのに・・・。いや〜 弦も弾まないなあ。
レヴァインさんだったら、フレーズの波、震幅の少ない演奏になってて、もっと劇的に演奏されると思っていたのに、どっか期待はずれだ。おどけの金管は、そこそこ面白かったのだが、 斉唱風のコラール旋律が絡んでいくので、まるで、道化師が聖職者をからかっているように思えるのだが〜 コラール旋律は、そこそこ聴かせてくれるのに、もっと両極端の対比があれば面白いのにと、うらめしく思ってしまう。
もっと、コミカルに道化師風にしてよん。と言いたくなってしまった。もう少し遊び要素、キビキビした弾み感があっても良いように思うが。 う〜ん。ワタシだけの好みかしらん。

3楽章
幽霊のような、死者が彷徨うような感じがする楽章である。
チェリビダッケ盤が、まさに幽霊登場って感じがしたのだが、レヴァイン盤は、う〜ん。生暖かさは感じられるのだが、木管の響きに、あまり緊張感が感じられないところが、モノ足らない。
不協和音的な響きや、アルペジオの受け渡しとか、もっと透明感と、隙間のちょっとした間合いがなあ〜感触的にワタシ的にはイマイチだった。せっかくのお楽しみが半減しちゃう感じだ。
シーンとした感覚のなかに、モゾモゾっとした木管が蠢いて欲しい。 「ふぁみふぁ〜 どふぁみれ〜 れれみれ〜」と、弦と金管が絡むのに、打楽器は良いのに、エッジが鋭くないというか、インパクトに欠けてる感じだ。悲痛感もあまり感じないし、不気味さもあまり感じず。 イマジネーションが、さほど膨らんでくれないところが、う〜ん。

4楽章
「ふぁそし〜 ふぁそし〜ししっ どしふぁそ〜 どしっそそふぁ・・・」
戯けた遊園地風のコミカルなリズムが楽しい楽章なのだが、アイロニーが感じられないことと、悲痛感と苦笑いしたような自嘲的な雰囲気が、あまりしない。
親しみやすい歌謡風のフレーズ、「らしど〜 れみふぁ〜 そふぁみ〜 ふぁみ れどれ どしそ〜」というところは、まあ。歌っているんだけど、悲しみのあるフレーズに鳴ってないのだ。 えーっ。単細胞すぎないかなあ。
クラリネット、金管のパロディっぽい演奏は、粘っこく吹いてはいるのだが、プロコフィエフ的な、あざ笑い方も諧謔的であったり、ところどころ面白いものの総体的には緩いかしらん。もっと、あざとくやって欲しいかも。

5楽章
16連符が、せわしなーく奏でられていくのだが、 スピード感は出てくるものの、弦の動きは機敏だし、木管群も金管も、まずまず動いているんだけど。ファンファーレ風に奏でられるところは、巧いのに〜
なーんか、中途半端な楽しい演奏になってて・・・。
チェレスタの響きも良いし、どっそどぉ〜 ふぁれ そそそそ・・・と続くところも、演奏的には不満は、さほど無いのだが、トータルとして見た場合、ちょっと窮屈感のあるタイトな演奏の方が、 バルトークらしく締まって良いのかなあ。最後の最後は、金管が頑張ってくれているので、躍動感が生まれているんだが、最後だけじゃーなあ。と思っちゃった。

劇的なオケコンでもないし、相反するものを呑み込んで、面白く演出された盤でもないし、う〜ん。
最初は、聞きやすいのは聞きやすいとは思うし、とっつきの悪さは感じさせないのだが、何度かこの曲に接していると、特徴の感じられない演奏に思えちゃって、個性盤ではないと思う。
まっ いろんな要素が、ぎゅっとイッパイ詰まった楽曲なので、どっか特筆したモノがあれば良いのだが、その強烈な個性はあまり感じないため、 なーんか面白くないなあ。と思ってしまった。ワタシ的には、う〜ん。ダメ。面白くない。

ブーレーズ シカゴ交響楽団 1992年
Pierre Boulez
Chicago Symphony Orchestra

う〜ん。どうだろ

録音状態はとても良い。良いな〜と思うところと、機械的すぎてついていけないところと両面あって、う〜ん。難しい。カップリング:バルトーク 管弦楽のための協奏曲、4つの即興曲小品(前奏曲、スケルツォ 間奏曲 葬送行進曲)、管弦楽のための協奏曲 バラ売りもあるし、「ブーレーズ・コンダクツ・バルトーク」8枚組BOXも発売されている。

1楽章
「れ〜そ〜ど〜し〜ふぁ〜 そそれ〜」「れ〜 れ〜そどふぁ〜 み〜し〜 どそ〜」
「れそどふぁしぃ〜 みれ らし みしれら〜し そそららみ〜」
ブーレーズ盤の出だしは、ゆるやかに出てきて荘厳感がある。とっても精緻な演奏で、独特のヒンヤリ感を持っている。
木管の音が、「しゅ〜るるるっ」と響き渡り、すごく雰囲気が出ていて、すわ〜っと背筋が凍るように感じる。
音の出てくる空気感が、なんとも言えない雰囲気があり、音の余韻と響きが、感覚を鋭くする。
五感というより第六感を求められるような、不気味というよりも、未来を予知する能力的なモノを求めてくるような、そんな雰囲気がする。う〜ん。なんていうか超能力的な感じというか、魔術というか 。
立体的というよりも、異次元的な、従来の枠を取っ払って聴かないとダメなような〜黙示録的というか、なーんか、そんなご大層な感じなのだ。

でも、ブーレーズ盤が、ことさら難しいワケでもないし、この管弦楽のための協奏曲は、バルトークのなかでも聞きやすい方だから、キチンとした精密機械のような精緻さがあるのが望ましいかも。抽象的だが解りよい。
演奏も透明感があって、無駄を感じさせないというか緩さがないので、金管の響きも、いかにも、こうじゃないと〜というように吹かれているし、響いている。(というか、そうワタシには聞こえるのだ)  まるでジグソーパズルが、隙間なくきちんと収まるべきところに収まっています。という感じ がする。つくづく、納得させられちゃうんだけど・・・。それが、この楽章では気持ち良い。

2楽章
この楽章は 、木管が、もう少し遊び心があってくれれば嬉しいのだが、結構、さっぱり系で、あっさり吹かれちゃって、あれっ。 諧謔的でもないし、道化風でもないし、あちゃちゃ・・・。
ところどころ、テンポをぐっと落として間合いを入れているところが、ちょっと変わっている。
木管は、おとなしい感じを与えてしまうが、弦の跳ねるような響きがアクセントになっており、軽快である。キビキビ感はあるものの、テンポを押さえてタメを創っているところが独創的だ。
遊び心満載とはならず、振幅の大きい、大袈裟な演奏ではない。
奥行き感のタップリあるコラール風旋律に入っていってしまった。
音量もさほど変えずに、大層に盛り上がりもせず〜 う〜ん。つまんないなあ。
と言いつつも、文句が言えないほど、いろんな音がクリアーに響いおり、ハープの音色も、きっちりと入っているので、色彩的にカラフルであり、透き通るほど爽やかに響いて いる。ある意味驚いてしまった。

3楽章
すーっとした、ヒンヤリ感があり、木管の低音の揺れ動くフレーズが凄い。幽霊が彷徨うようなエレジー楽章だが、う〜ん。深海魚のようになった気分で、光の届かないところで、岩陰に隠れているような気持ち悪さがある。
総体的にはネチネチした感覚ではなく、結構、さっぱり系で演奏されてている。木管の音色の変わり目が面白く、ぬめっとした感覚もあり、とても面白い。
唐突に始まる金管の迫力は、呑み込まれてしまうような怖さがある。
もう少し弦が、ぐっと入ってきたら良いんだけど、破壊力というより、極めて客観的なので、ぐさっと入ってくるものが少ない。精緻さは感じるものの、う〜ん。なんでしょ。2楽章同様に、 理知的なのだが、面白くないっていうか。ひと味足らないというか。
木管は芸達者という感じがするのだが、金管との組み合わせバランスが悪いのかん。
弦の「らしらし、らしらし どしどし・・・」と続くところは、ふふふっ、抑制が効いてて面白いし、不協和音の響きも良いんだけど。
部分的には面白いものの、トータルでは、イマジネーションが、あまり湧かないというか。肌で感じない演奏で・・・ハイ 頭で考えて〜と言うタイプのようで。
アンタの想像力次第さ〜と言われているような気がする。

4楽章
「どしふぁそ〜」「ふぁそし〜 ふぁそし〜 ふぁそし〜ししっ」 クラリネットのオチャメで、遊園地風コミカルなリズムが楽しい楽章だが、遊び心ってモノが少なく。
う〜ん。 跳ねるようなワクワク感の少ない楽章になっている。う〜ん。何じゃこりゃ。淡泊すぎませんかねえ。
なんか、アッサリし過ぎて、コミカルさやパロディさが影を潜めており、民族的な舞曲風が削がれてしまっており、この楽章の面白が半減してしまって・・・とってもツマラナイ。う〜ん。ツマランぞ。

5楽章
速度は速いのだが、ノリノリ感が少ない。
音符だけが走っているような気がして、聴き手の情感と感覚が、おいてけぼり〜を食らわされているような気がする。
キビキビした感覚も少なく、即物的というか、何を表現したいと考えているのか、わかんない。
聴いててつまんない感じの音楽になっているような気がする。
ぶーぶーっと吹いているチューバも底力なく、木管のフレーズも、金管の細かい刻みフレーズも綺麗なのだが、楽しく吹いている感じが受けないし、華やかに鳴ってくる場面でも、開放感をあまり感じない。
え〜 なんか機械的すぎませんか。

ブーレーズ盤は、総体的には良い録音状態なので、いろんな音が聞こえてくるのは、とっても嬉しいのだが、少し淡泊すぎるような気がする。
1つの場面、場面で切り取って聴くと、とっても洗練された 、ひんやり感のある現代的、スタイリッシュで精緻さ抜群の盤である。 確かにこれは言えていると思う。でも・・・ なーんか足らないって感じがするのは、何故なんだろ。
まるで機械的に演奏されてて〜 演奏家が聴くなら良い盤なんでしょうか。う〜ん。
1楽章は良かったんだけどなあ。ワタシの感覚も、楽章が進むにつれてなんだか、わかんなくなっちゃった。

それにしても、レヴァインとシカゴ響の89年の録音と比べちゃうと、どーしてこんなにも違って聞こえるだろうか。同じオケだし、同じレーベルなのである。う〜ん、全く別のオケのように鳴っているのだ。 これが指揮者の違いなんでしょうかねえ。
自分の感覚に合う演奏を見つけるっていうのも、なかなかムズカシイものだと思ってしまった。

  チェリビダッケ ミュンヘン・フィル 1995年
Sergiu Celibidach
Münchener Philharmoniker
(Munich Philharmonic)

ふむふむ。    ひぇーぇぇ〜 ←  特に3楽章は幽霊登場って感じ。

録音状態は、まずまず。ライブ盤で、最初と最後に拍手が入っている。テンポは、いつもどおり遅めで、幻想的な世界が拡がってくる。
まるで幽霊なんだけどなあ〜。
カップリング:管弦楽のための協奏曲、リハーサル風景

1楽章
「れそど ふぁし〜みれらしふぁ〜みそれ〜 みし〜らみ〜」
ちょっと変わったフレーズで、そろり〜と出てくる。冒頭から、チェリビダッケのテンポで遅め。
超スローだとは言わないが、波に乗る感じではない。 で、チェリビダッケ盤では、木管の音があまり浮かんで聞こえてこない。
「ふぁふぁみふぁ〜 らそふぁみ〜 れれみれ〜 ふぁみれど〜」
「れれどれ〜 ふぁみれど〜 しれどし〜 らそふぁ〜」
この和音が、絶妙で大好きなのだ。でも、ノリが悪いというか、感情を揺さぶってくるようなダイナミックな、うねりが少ない。大きな波が寄せてくるような、そんなうねりが欲しいのだが・・・。
「ららしふぁ〜そふぁみ ふぁふぁみふぁ〜 みれどしどれみ〜」
弦と金管が、大きなフレーズとして捉まえられており、そこにティンパニーが絡んで良い和音だ。
特に、弱音部分が綺麗だが、クラリネットやフルートなどの木管フレーズが、もう少し、くっきりと浮かンできてくれたら良いのだが、録音の関係なのか、ちょっとモノ足らない。
「ふぁそらしそふぁ〜 ふぁそらしそふぁ〜」と低弦が絡むところなど、聴きどころは多いけどね。
で、弦のフレーズが多層的に、同じ型で動いているのだが、その和音の響きが、かなり幻想的に聞こえる。この幻想的な感覚は美しいのだが、なにせテンポが遅く、同じテンポで進むため 、リズムのうねりを感じるという面白みには欠けている。
「たったたたぁ〜 たった たたぁ〜」 
う〜ん。この繰り返しのリズム感が、好きなんだけどねえ。
でも、フレーズの大きさ、つかみ、和音の響きに美しさがあり、ティンパニーの叩き方が壮烈で、退屈はしない。歯切れの良い音ではあるのだが、キツクないし。最初に聴くのはどうかと 思うけれど、分解したくなるタイプの人には良いかも。

2楽章
オチャメな楽章で、小太鼓のリズム 「タ タタタ タタタタ ッタタ タッタタ・・・」
「みふぁそそっ み そそそっみ れみふぁ そふぁみ れっし〜」と、ファゴットが吹かれるのだが、なんだか、尺取り虫が歩いているようだ。
この楽章は、とーっても面白くて、クラリネットやミュート付きのトランペットなどが活躍する。
小太鼓とミュート付きのトランペットのフレーズが、間奏部分というか、合いの手の役割をしてて、各パートがソロを受け持って、繋がっていく。
テンポが遅めなので、ちょいとノリが悪いのだが、ミュート付きのトランペットの音が面白い。
で、うってかわって、トロンボーンが、お告げのように吹かれている。
オケの音色がよく分かる楽章なので、どれを聴いても興味がつきない。
でも〜 チェリさまの盤にも、もちっと遊び心があれば良いんだが。オチャメ感が、他と比べると、やっぱ少ないかなあ。あまり転がってくれないんだよねえ。

3楽章
コントラバスの低〜い響きに、オーボエとフルートが乗っかってくるのだが、なにやら、幽霊が出てくるような雰囲気だ。特に、ピッコロの音だと思うのだが、ホント、足のない幽霊が登場しました。という感じ。
ここだけ聴くと、ラヴェルかなあ〜って思ってしまう。 チェリビダッケ盤で聴くと、かなり幻想的で、静謐感バッチリ。ホルンの音色を聴いていると、森深くに迷い込んだ感じがする。
で、ティンパニーが鳴り出すと、これが、怖いのだ。深刻な状況に、いきなり追い込まれてしまう。
副題が「悲歌」とついた楽章なのだけど。ちょっと雰囲気は違うかも。もっと緊迫感がある。 悲愴感に近いかなあ。

4楽章
「どしふぁ〜そ〜」「ふぁそし〜 ふぁそし〜 ふぁそし〜ししっ」と、クラリネットが誘う。
ハープの音色とフルート、そしてホルンの響きが、かなりまろやかで、おとなしいのだが、コミカルさもあり。
「らしど れみふぁ〜 そふぁみ〜 ふぁみれどれどしそ〜 らしど〜」と、ハープを伴ったチェロかヴィオラの音色が甘い。
へえ。チェリ盤でも、こんな甘いフレーズが奏でられるんだねえ。ちょっと意外。
おもちゃ箱のような、遊園地のような、いろんなモノが詰まった楽章で、コミカルでもあり、通俗的要素も含んでいるのだが、そこに皮肉があるかと言われたら、あまり〜 それは感じない。
ただ、ショスタコ7番を模したフレーズ(ちちんぷいぷい)があるが、綺麗にまとまっている。
う〜ん。チェリビダッケ盤では、美しいという美意識が棄てきれないようで、綺麗にまとまっているけれど、もちっと、毒も含んでいいような気がする。無いモノねだりで、ゴメンなさい。

5楽章
ホルン「そ〜そ ふぁ〜れどら〜 そっらしどれっふぁ〜」と、ファンファーレのように吹かれた後、超忙しく、弦が、「ふぁそらし ふぁそらし〜」が細かく弾かれている。ここは、普通のテンポだっ。
舞曲風というか、オブリガートになっていて、低弦とティンパニーが豊かに響いている。 弦は綺麗だねえ。
で、熱気を帯びてきてくれたら良いのだが、ちょっとクールかな。
「ふぁそらし ふぁそらし・・・」と弦が鳴るなか、金管パートが主人公のようで、まっ 変わった楽章だ。
民族的なフレーズが満載だし、ドイツ風とは違って、ちょっと毛色が変わっているけれど、これが聴けば聴くほどに、味がでてきて〜 聞き飽きない。
チェリビダッケ盤は、全体的には、弦が綺麗で、幻想的な雰囲気が出ている。
勢いだけで演奏するタイプではないので、よく練られているように思う。私的には、もう少しコミカルで、オチャメで、皮肉も入ったタイプが好きだが・・・。それにしても、テンポを揺らさず、この楽曲を、 丁寧に、端正に演奏しているのって、珍しい盤ではないかな〜って思う。 聞きやすいし、わかりやすい。
が〜っとテンションをあげていかないし、(そんな楽曲でもないが)、かといって、クールにも過ぎないし、即物的にもなってないし、このバランスは良いかな。と思う。
熱気が欲しい時には、モノ足らないかもしれないけど・・・。最後は、さすがに盛り上がって強奏している。

アンドリュー・デイヴィス ロイヤル・ストックホルム・フィル 1996年
Andrew Davis
Royal Stockholm Philharmonic Orchestra

う〜ん。どうだろ


録音状態は極めて良い。推進力があり、柔軟度が高く、楽しい演奏だ。スマートで格好良く、残響が柔らかいので聞きやすい。原盤は、フィンランディア(Finlandia)
カップリング:
1〜5 バルトーク 管弦楽のための協奏曲
6〜8 ルトスワフスキ 管弦楽のための協奏曲
1楽章
このバルトークの管弦楽のための協奏曲は、まだしも、弦チェレは畏れなしには聴けないので、あまり好みではない。
乾いた音で、猛烈に崖っぷちに追い込んでくるような演奏は、げに怖ろしきもので〜 バルトークは、どうも〜と逃げ腰状態になっており、トラウマ化しているような状態だ。
しかし、このアンドルー・デイヴィス盤は、少し残響が多めだが、とても録音状態が良い。
ちょっと邪道だとは思うが、この楽曲が、まろやかに聴けるので、あまり強烈な盤に躊躇しちゃうときは、逃げ道として、このA・デイヴィス盤を手にすることがある。(苦笑)

確かに、険しさ、シャープさには、少し欠けており、残響の豊かさがアダとなっているかもしれない。
ガツンっと入ってこないと〜というとこも柔らかく、しなやかすぎる。
もっと、直線的に押しの強い方が、きっと、バルトークらしくなるんじゃーないかなあ。って思ったり。
乾いた音は嫌だ〜 怖いのはヤダーっと言っているわりには、我が儘言い放題なのである。(スミマセン)
ドラティ盤のコンセルトヘボウも優美な演奏だし、ヤワな演奏が好きなワタシとしては、好みなのだ。
ロイヤル・ストックホルム・フィルの演奏も、よく似た傾向にはあるけれど、弦の厚みというか、ギッとした強いタッチの演奏のパワーというか、気迫というか、 ザッザッとした押しの圧というか強さが少ないように思う。

粘りというか、油絵のタッチのような分厚さが少ないかも。どっちかというと、水彩画に近い描き方に感じてしまうのだ。
でもね、馬力はあるんですよ、ティンパニーの響きや、低弦の響きも、結構聞こえてくるし。
フレージングだって、キビキビした感じはあるんです。リズミカルだし、金管の和音だって綺麗だし〜 最後のカノン風のところの倍音も美しい〜っ。

2楽章
小太鼓の響きのなかから、コミカルな木管楽器のフレーズが奏でられる。
コミカルさと諧謔なところ、ニヒルな要素は、ちょっと遠いかもしれない。いひひ〜っと、意地悪っぽく、ワルぶるというか、負の感覚が少ないというか、金属っぽさというか、 都会のすえた匂いとか、鄙びた感覚とかがあれば、もっと嬉しいかも。
中間部のコラールは、とっても美しいので、その対比がねえ〜 同質化しちゃうと、差が大きくできないので、痛いかも。
音の響きが、綺麗すぎるのかな。響きが丸すぎて〜ってところでしょうか。

3楽章
バルトークらしいというか、深海魚になってみたり、幽霊になってみたり〜 面白い楽章だ。
東洋風夜の風景〜って感じの3楽章で、フルートが邦楽の横笛に思えたりする盤もある。
A・デイヴィス盤も、雰囲気は良くでているが、甘い夕暮れ時の風景って感じで、張り詰めた空気感がなく、少し緩め。
靄がかかった、ふわーっとした空気感ではあるが、悲痛な叫びをあげる場面では、金管の音は、まるで、滝壺に落ちていくかのような大きな音量で、迫力があった。

4楽章
「どしふぁそ〜」「ふぁそし〜 ふぁそし〜 ふぁそし〜ししっ」 優美でもあり、ゆったり、穏やかに演奏されている。
弦のフレーズは、とっても優しい。クラリネットのオチャメで、メリーゴーランド風というか、オルゴールを聴いているかのようなキュートさがある。おちゃめ感のある演奏で、のびやかに楽しんで、 シャンシャンっとシンバルも鳴っており、そこそこ派手さがある。しかし、一筋縄でいかないのが、バルトークなんだんだけどなあ。
A・デイヴィス盤で聴くと、トロンボーンの鳴りっぷりとか、アミューズメントパークで、子供が遊園地で楽しんで笑い声をあげてるように聞こえるんだけど〜 単に喜んで笑っているんじゃーないように思うのだ。 こりゃ〜 ニヒルな笑いなんだよね。
おとなの社交辞令というか、大衆のなんていうかイヤミな、嘲笑風の乾いた、口が横に歪んだような笑いには、なってないように思う。(あ〜聴いているうちに、性格が歪みそうっ)

5楽章
ホルン「そ〜そ ふぁ〜れどら〜 そっらしどれっふぁ〜」と、ファンファーレのように吹かれた後、細かい弦のフレーズが出てくる。16連符が忙しく奏でられて、渦がグルグル〜まわっていくかのような、めまぐるしさ。
ジグザグジグザグ・・・ ほとんど機械的に、トルクを全開にして走って行くのだが、「そふぁそれ そふぁそれ・・・」とフーガ風に奏でていく場面や、木管の沈み込んだフレーズなど、多彩な楽章である。
ジグソーパズルのように放り出されて、ピースごとに組み合わせていくような、それで1枚に収めなければならないところがあるのだが、A・デイヴィス盤は丁寧で、素朴だ。1つ1つの場面が丁寧に描かれており、それなりに納得できちゃう。
アンサンブルも綺麗だし、まろやかに包まれて〜 ソフトだ。

A・デイヴィス盤は、純朴で素朴で、イヤミなところなんぞ無い人みたいで〜 悪い人じゃ〜ないねえ。という印象を受ける。しかし、暗黒の闇みたいな〜 社会的に、どうにも成らない矛盾や、非情感があるように思う。 軋みみたいなモノが、もっと、エグミや苦みがあれば、純粋さがクローズアップできたんでしょうけど。
ハイ、いやらしさが無い演奏なんだろうなと思います。そこが良いところと言えば良いところなんですが・・・ それだけでは、ちょっと〜 というところでしょうか。

1955年 ライナー シカゴ交響楽団 R  
1973年 クーベリック ベルリン・フィル  
1980年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec ★★★★★
1983年 ドラティ コンセルトヘボウ Ph ★★★★
1987年 デュトワ モントリオール交響楽団 Dec  
1988年 プレヴィン ロサンゼルス・フィル Tel  
1989年 レヴァイン シカゴ交響楽団 ★★
1992年 ブーレーズ シカゴ交響楽団 ★★★
1995年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI ★★★
1996年 A・デイヴィス ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団 Fin ★★★
2005年 P・ヤルヴィ シンシナティ交響楽団 Tel  

「頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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