「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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バルトーク ピアノ協奏曲第1番
Bartok: Piano Concerto No.1


バルトークは、現在のルーマニア(当時はハンガリー)で生まれた作曲家で、多くの管弦楽曲や協奏曲がありますが、このピアノ協奏曲第1番(Sz.83, BB 91)は、1926年の作品です。

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
バルトークの新古典主義時代の幕開けを告げる作品で、バロック音楽への関心が増してから着手されたもの。
対位法が多用されていますが、特有の苛烈さも依然として残されており、ピアノが、打楽器的に扱われている一方、管楽器を主体とする管弦楽法には、ストラヴィンスキーからの影響が感知されます。

第1楽章は、導入部の後ピアノに登場しますが、オスティナート主題が、さまざまに変形・展開されて作品全体を支配しています。(オスティナート主題そのものも、導入部の太鼓連打の変形と見なしうる)
ソナタ形式によりますが、古典的な協奏ソナタ形式は採用せず、普通のソナタ形式を用いています。
第2楽章は、静謐で異国的ですが、第3楽章は、驀進する楽章で、この2つはアタッカによって連結されています。

確かに、ところどころ新古典主義〜と感じさせるフレーズも見えますが、全体的には、ゲンダイオンガクそのまま的な楽曲で、ワタシ的には、難しく、約25分の嵐に耐えなければならないような楽曲です。何度か聴いて慣れてくることができると、この荒々しさが痛快に変わるのですが、ちょっぴり根気が要ります。

ゲザ・アンダ フリッチャイ ベルリン放送交響楽団 1959〜60年
Géza Anda   Fricsay Ferenc
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)

ばっちグー!

録音状態は、リマスタリングされており、透明度が高い。すっきりして、ひんやりした空気感は良いんだけど、でも、ムズカシイ。カップリング:バルトーク ピアノ協奏曲第1番〜3番(全曲)

1楽章
初めてこの楽曲を聴いたのが、この演奏で、かつてLP盤で聴いていた。 古い録音年なので、どうかな〜っと心配したけれど、かつての名盤は、なかなか良い録音でCD化されている。
リマスタリングされている盤なので、白黒ジャケットでも心配なく聴ける。 透明度の高いヒンヤリした演奏が、そうそう、そうだったとLP時代を思い出して喜んだ。やっぱ良いな〜っと思う。でもね・・・
ワタシ的には3番がイチバン好きなのだが、この1番を最初に聴いた時は、ピアノが打楽器として使われていたことに、大ショックっ。なんだぁ〜これっ。 綺麗な旋律が無いではないか。と思ったものだ。

1楽章の冒頭、金管が、「ら〜そふぁ〜らそふぁ〜」 不可思議なフレーズを合図にして、ピアノが打楽器のように短いフレーズを、タンタンタン・・・と刻んで叩いていく。
「ンチャンチャ・・・」「らそ〜ふぁらみ〜 そふぁみ そふぁみ〜」
付点のついた変なリズムで、とても違和感を覚える。シンコペーションの繋がりばっかりじゃん。
たらり〜とした、まったりしたフレーズが無いのである。「ンジャンンジャン」
ところどころ拍子は変わるし、追えないっ おてあげ〜
この楽曲を聴こうとする時は、毎度、BGMのつもりで、何度か繰り返して流す。で、耳を慣れさせる。
馴染んだ後で、再度聴く。しかし、しばらく聴かないでいると〜 すっかり忘れてしまい。
再度、この手順を繰り返して聴く羽目になり、ワタシ的には、とても面倒くさい楽曲なのである。(笑)

ペトルーシュカのように、「れどしーど れみれどししーど みれどしーど ふぁみれどしーど」と、聞こえ来る。
ここのフレーズだけは可愛い。
全体的に、この打楽器のようなフレーズは繰り返しがある。単調なフレーズが積み重なって出来ており、オブリガートなのだ。これが、段々と熱を帯びてきて、狂ったように繰り返していく。
音符が、それこそ跳ね回っていて、とらえどころがないのだが、快感に変わってきたら、しめたもの。
でも、それには忍耐が必要なのである。
「ふぁらど〜 しらふぁ〜・・・ れれれっ ふぁみれ〜」 なんか怒ってるんか?
アンダさんのピアノは、切れが良いな〜としか聞こえず、他の盤と比べて、どうのこうのと言えない。
ポリーニ盤より、すっきりしているかしらん。という程度。これじゃーお話にならない。とほほ。

2楽章
「みみみっ どどど〜 ふぁふぁふぁ〜」 不可思議な和音
シャープも、フラットも、いっぱいついているに違いない譜面なんぞ見たくもない。
「みふぁ〜そみ〜」 つぶやきフレーズも出てくる。ティンパニーが、ごろごろ鳴っている。
わけのワカラナイ楽曲なのだが、アンダ盤では、かなりの間合いの取られた演奏である。
行間が、わりと空いているため、結構、聞きやすい。 でも、やっぱ、わかりづらいことには代わりなく・・・ 
シャーンと、シンバルが鳴って「ふぁれど みみみっ・・・」 う〜ん。音がとらえきれない。
「ボンボンボン・・・」 打楽器   「ふぁふぁふぁ・・・」 ピアノ
「ふぁ〜ボン ふぁ〜ボン ぐえっぐえっぐえっ〜」 なんだ〜、これだとまるで蛙じゃん。
「そふぁみ〜ふぁ ボンボンボン・・・」「られ〜し られ〜し られし」
ストラヴィンスキーの春の祭典のような雰囲気が出てくるところがあって、おおっ。原初的!3拍子なので、わかりやすいような気になるが、蛇遣いのような木管の音色に、ぞっ。

3楽章
たらら〜っとピアノが流れて、「ふぁ〜ふぁふぁふぁふぁ〜」「ら〜そら そふぁ〜 ど〜どどどど」 「れれれれ みみみみ・・・」
あ〜 しんどっ。綺麗な感じがするフレーズもあるのだが、煌めいて、綺麗って感じもするのだが、細かいフレーズが繋がっているものの、抑揚のついたフレーズとして見えてこない。あ〜っ。ここまでがやっと。 疲れたあ。
最後、「ふぁ〜みれ どれら らしどそれ〜ど」「れみふぁ〜 れみふぁ〜 そーらしれーっ」
ティンパニーの響きがあり まだ転がっていく。どこまで転がれば良いんだろう。そろそろ止まってくれっと悲痛な声をあげてしまう。 そういえば、木管群が、あまり登場していないような気がするが、もしかしたら、聞き逃していたかもしれない。

最後には、少し明るくなって終わるのだが、やっぱこの楽曲、相当に疲れてしまって。
何に対して怒っているのか、怒りをぶつける相手がわからないのか、八つ当たりしないで〜っ。と思ってしまいますね。
何度か聴いているうちに、なんとか、慣れてくることができると、この荒々しさが、痛快に変わるのですが。
そこまでがね〜根気が要ります。

ポリーニ アバド シカゴ交響楽団 1977年
Maurizio Pollini
Claudio Abbado
Chicago Symphony Orchestra

ばっちグー!

録音状態は良い。まずまず。ちょっぴりドンシャリ気味なのが、惜しいけれど〜
カップリング:バルトーク ピアノ協奏曲第1番、2番

1楽章
弦の出番は、全くなし。ピアノは、まるで打楽器の一部で、パーカッションと一緒になって走り回っている。
まったくせわしない音楽で、次から次へと旋律が移動するし、音圧的にも強烈に迫ってくる。
ポリーニ盤も、なんだ〜これっ。硬いっ。硬すぎっ。と、のたまうしまつ。
初めての人だと、げっ! 何だぁ これ〜と言いたくなるかもしれない楽曲なのだ。
でも、トランペットのリズムに惹かれてしまう。えへへ〜 このトランペットが、なかなか格好良い。
えっ。でも、これピアノ協奏曲だよなぁ。
ポリーニ盤でも、楽曲そのものに馴染めないし、他の盤との違いが、ワタシ的には理解できないし〜とほほ。
でも、背筋がぞーっとするような怖さに息をのみ、唖然としつつ、このスピードに圧倒されて終わることは確かで、その跳躍感、圧倒的迫力には、ひれ伏す以外ない。

2楽章
1楽章には、弦が登場していなかったが、反対に、今度は金管が登場しない。
で、いっぺんに静かになってしまって、眠気に襲われる。1楽章が凄まじいだけに、一度に、静かで緩やかになって、がくんといった感じで、緊張感が落ちてしまう。 静かな中に、ん? しんみりした感覚に襲われる。

3楽章
前楽章での眠気が、ティンパニーの乱打で、いっぺんに目が覚める。
そこから、ピアノが猛烈に、打楽器群と一緒になって駆け回っていく。 目を覚まされて、一気に緊張感が走るのだが・・・ しかし、聴いているうちに、駆け回るリズムが心地よくなってくる。
トランペットが、ファンファーレ風の旋律を吹いて おり、弦・金管が、一同に会している。

いかにも、ローマの競技場(たとえばコロッセム)のなかに、ほりこまれて、野獣にでも追いかけられるかのような、さあ〜これから、がんばれ〜とでも言われているような。
そんな気持ちにさせられて、野蛮さとか、恐怖心とか、不安さをかきたてられる。焦燥感に煽られてというべきかな。
ぎゃ〜と、これは、忙しい。汗が出そうで、 音楽に、追いかけられているっていうのも、変な気分なのだが。

バルルトークのこの楽曲には、旋律美っていうものが、ほとんど感じられない。フレーズを、くちずさむというより、リズムに身を浸して快感〜と感じられたら、まあ良い方では ないだろうか。 どんなフレーズだったかな〜と、最後になって振り返っても、駆け抜けてしまうので、さっぱり覚えていない。いや〜 これは、覚えられないなあ。
最後には、はぁ〜ようやく終わった。追いかけられていたのが終わって。助かった〜って感じ。
わりと唐突に終わってしまって、唖然としてしまうのだが。
ポリーニ盤は、やっぱ硬いっ。
ピアノの音も、ちょっぴりドンシャリ気味に聞こえるのだが、テンポよく。っていうか、快速なので、気にしている間が無いって言うのが実情かもしれません。鋼鉄のように振り落とす音が心臓に悪いのだが、繰り返し聞くと、これが、ちょっぴり痛快になるかも。 ポリーニさんのピアノは、硬いので好き嫌いがわかれてしまうかも。ワタシ的には、もう少し録音状態をなんとかして欲しいですね。ちょっと、ボコボコしてました。
もしかしたら、リマスタリング盤が出ているかもしれません。ワタシが所有しているのは、古いので〜 ごめんなさい。

ピーター・ドノホー ラトル バーミンガム市交響楽団 1992年
Peter Donohoe  Saimon Rattle
City Of Birmingham Symphony Orchestra

ばっちグー!

録音状態は良い。見通しが良く、さすがにリズミカルで、時間を刻んで行くかのような勢いの良さがあり、格好が良いというと語弊があるかもしれないが、スマート。
カップリング:バルトーク ピアノ協奏曲第1番〜第3番 現在は、バルトーク作品集として4枚組BOXが発売されている。
1楽章
ティンパニーが、パパパパ・・・と序奏をつけ、「ふぁぁ〜 ふぁぁ〜そぉ ふぁ〜らぁ〜 そふぁ〜らっそ ふぁ みふぁそらぁ〜」
と金管が吹かれてる。木管でも同じフレーズを吹いていく。
この不可思議で怪しげなフレーズを合図にして、ピアノが打楽器のように短いフレーズを、タンタンタン・・・と叩いていく。
そこからは、スピードをあげていくのだが、ピアノも打楽器同様に扱われる。
「どれみっ どれみっ ふぁそらっ (タタタン)  ふぁそらっ しどれっ・・・」と、シンコペーションのリズムなどを刻み、ホント、旋律というよりもリズムである。

ラトル盤で聴くと、スピード感があるので、爽快感があるというか、ノリを感じる。
他盤よりスマートだし、やっぱり打楽器の音に勢いがあって、キレがあるし、格好良い。
だが、やっぱ楽曲自体が、とっても斬新というか、バルトーク本来の持ち味である抽象画のようなタッチで、何を表しているのかを知るのは、とっても難しい。で、難しいなあ〜って思っているうちにも、もちろん、音楽なので時間が経過する。

ピアノを初めとしたパーカッションに勢いがあり、見通しの良いモノとなっている。
そのスピードも、がらっと一瞬で変わるので、機能性が要求される楽曲だが、 もちろん、スムーズに自然に加速・減速しているので、自然と、オケ全体のノリ感を感じ、聴き手にもノリ感を与えるのではないだろうか。
淡々と進んで行くが、金管のパッション、打楽器のリズムは、間髪入れず、隙間なく刻まれていく。
リズムが時間を埋め尽くしていくかのようで、時間を刻む象徴のような・・・音だ。
スネアのリズムも気持ちの良いものだが、大きくフレーズを膨らませる場面がないので、気持ちが膨らまない。
リズムによって、縦がぎっしり刻まれていくが、淡々と ホント淡々と演奏しているかのようで、その振り幅は、音量で、勢いや迫力を測っているようにも思える。

2楽章
いきなり、海の底に連れてこられたような雰囲気で、弦が登場しなくなる。
ポンポンポン・・・ パパパっ。シンバルのシャーンっ。
全てが断片的になって、ぷか〜っと浮いてしまうかのような、気持ちの悪さ。

3楽章
ピアノが、打楽器軍団と一緒になって、「ふぁ〜ふぁふぁふぁふぁ〜」「ら〜そら そふぁ〜 ど〜どどどど」 「れれれれ みみみみ・・・」と、細かい音を連打していく。
グリッサンドを交えて、チャチャチャチャ・・・と刻んで行くのだが、焦燥感を煽るというよりも、情感は不要という感じで、情感を排除されてはいるのだが、綺麗さが感じられる。
金管のフレーズは、警鐘を鳴らしているかのようでもあるのだが、まあ、さほど苛烈ではない。
ピアノは、後年に作曲されるピアノ協奏曲の第3番のように、襞を付けたようなトリルを交えたフレーズが、ところどころ顔を覗かせており、装飾的でもあって古典的だ。やっぱり一筋縄ではいかなくって、多彩な要素をパッキングしている。

とてもシンプルだけど、とても複雑でもあるという、なんか、マクロとミクロの世界に放り込まれたような感じがするし〜
1つ1つは小さいけれど、集まれば、旋律になるというような〜 実験的な作品なのかなあ。と思ったり。
う〜ん ラトル盤で聴くと、録音が良いため、顕微鏡を覗いているかのようで・・・。
1つの音は小さいけれど、アメーバーのように動いてるんだ。と、見えちゃうみたいで、ちょっと不思議な感じがする。
一応、日曜日の半日かけて繰り返し聴いてみたんだけど。
う〜ん やっぱり、とっつきづらい曲で〜 へばりました。凡人には、ついていけません。(涙)

1960年 アンダ フリッチャイ ベルリン放送交響楽団 ★★★★
1974年 パスカル・ロジェ ヴァルター・ヴェラ ロンドン交響楽団 Dec  
1975年 コヴァセヴィッチ C・デイヴィス ロンドン交響楽団 Dec  
1977年 ポリーニ アバド ベルリン・フィル ★★★
1984年 コチシュ フィッシャー ブタペスト祝祭管 Ph  
1992年 ドノホー ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI ★★★★
1994年 ブロンフマン サロネン ロサンジェルス・フィル SC  
1996年 シフ フィッシャー ブタペスト祝祭管  
2001年 ブーレーズ ツィメルマン シカゴ交響楽団  
所有盤を整理中です。

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