ベートーヴェン 三重協奏曲 Beethoven: Triple Concerto


 ベートーヴェン ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲
(通称:三重協奏曲 トリプルコンチェルト)
Beethoven: Konzert für Klavier, Violine, Violoncello und Orchester C-dur
Triple Concerto (Concerto for Violin, Cello, and Piano in C major, Op. 56)
ジンマン チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 2004年
David Zinman Zurich Tonhalle Orchestra
ヴァイオリン:ギル・シャハム Gil Shaham
チェロ:トルルス・モルク Truls Mørk
ピアノ:イェフィム・ブロンフマン Yefim Bronfman

当盤は、ソリストの豪華さ、軽妙でワクワクしちゃう演奏だ。こんな良い曲だったとは感動だ。ベートーヴェンのトリプル・コンチェルト 正式に言うと、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲は、交響曲第3番の「英雄」が書かれた後の作品。雰囲気も似ている。演奏会で時に聴いたのが初めてだったが、とても気に入ったので即効CDを購入。重厚だが、楽しいリズム満載の格好いい楽曲だ。チェロ、ヴァイオリン、ピアノと順番でソロを務める。この主題が格好良い。主題の間に入ってくる木管も軽快でリズミカル。ピアノが主題を弾いている時は、ヴァイオリンとチェロは、それに添った伴奏的なフレーズを弾く。オケを従えながらの室内楽が始まるのだ。なんとも贅沢な話である。
どうして、このスタイルで創作したのかはわからないが、チェロとヴァイオリン、それにピアノ。なら、ピアノ三重奏で良いんじゃないのかと思うが、オケ付きなんだもの豪勢だよね。室内楽のような雰囲気と、大きくオケが入ってくるところと、楽曲自体が区分されているようにも感じられるので、協奏曲という感じよりは室内楽とオケだ。ジンマン盤(と代表して言う)は、密度が高く、爽やかで快活だ。音のバランスも良く、録音状態もバッチリなのでお薦め。ヴァイオリンのフレーズも、柔らかく柔軟。チェロも、テクニックは難しそうなのだが、ピアノとよく絡むし、ミリタリー調に感じられるフレーズも、繊細でありながら艶もあり。ピアノが、あまり前面に出てくることはないが、パラパラと気持ちよく動いている。大物(たいてい個性的)ソリストを起用すると、まとまった演奏になるのか心配になるが、当盤はとにかく楽しい。若々しくピチピチ、楽しんで演奏しているのが手に取るようにわかる。
カップリング:ベートーヴェン:三重協奏曲、ベートーヴェン七重奏曲


 ベートーヴェン ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲
(通称:三重協奏曲 トリプルコンチェルト)
Beethoven: Konzert für Klavier, Violine, Violoncello und Orchester C-dur
Triple Concerto (Concerto for Violin, Cello, and Piano in C major, Op. 56)
ラビノヴィチ=バラコフスキー スイス・イタリア語放送管弦楽団 2003年
Alexandre Rabinovitch BarakovskyOrchestra Della Svizzera Italiana
ヴァイオリン:レナード・カプソン Renaud Capuçon
チェロ:ミッシャ・マイスキー Mischa Maisky
ピアノ:アルゲリッチ Martha Argerich

当盤は、アルゲリッチさんの主催するスイスのルガーノ音楽祭のライブ盤だ。ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲 通称トリプルコンチェルトの方は、2003年4月、カップリングされているシューマンのピアノ協奏曲は2002年4月の収録である。トリプルコンチェルトは、チェロがマイスキーさん、ヴァイオリンがルノー・カプソンさん。出演者が超豪華なのだ。喜んで聴いたが、ライブ盤なので、仕方がないのだろうが、ちょっとね。何度か聴き通したのだが、あまり楽しそうに聞こえない。冒頭からのオケからノリ感が少なめ。もわっとした空気感のなかで、チェロが最初に登場し、ヴァイオリンの細身の音と絡む。ピアノも可愛く登場している。しかし、ピアノが終わると同時に入るオケが微妙に遅れて聞こえる。呼吸が合ってないのでは。誰が主導権を握っているのだろう。やっぱりアルゲリッチさんだろうか。最初にチェロが頑張っていただき、ヴァイオリンの音が入ってくる。オケが腰が引けて、恐る恐る出てくるみたいで、ちょっと興ざめしてしまった。豪華なソリストを迎えて、おっかなびっくり演奏しているオケとは、これいかに。みんなご遠慮状態なのかなあ。ライブ盤ならではの熱気も感じられず、あまり歌わないし、柔軟性が低めのようだ。スピード感はあるのだけど、もっと勇壮な広がり感が欲しい。豪華メンバーだから聞きたいのだが、期待しすぎたかもしれない。残念ながら、あまり楽しめませんでした。
カップリング:ベートーヴェン トリプルコンチェルト、シューマン ピアノ協奏曲ライブ盤(拍手入り)


 ベートーヴェン ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲
(通称:三重協奏曲 トリプルコンチェルト)
Beethoven: Konzert für Klavier, Violine, Violoncello und Orchester C-dur
Triple Concerto (Concerto for Violin, Cello, and Piano in C major, Op. 56)
ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1979年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker(Berlin Philharmonic Orchestra)
ヴァイオリン:アンネ=ゾフィー・ムター Anne-Sophie Mutter
チェロ:ヨー・ヨー・マ Yo-Yo Ma
ピアノ:マーク・ゼルツァー Mark Zeltser

この演奏は、オケの厚ぼったい響きが耳についてしまう、こってり系の演奏だ。通常のオケにソリストが3人も必要で、実演を聴くことはあまりないかもしれないが、とても楽しい面白い楽曲である。ヨーヨー・マさんが、カラヤンと共演し、グラモフォンに録音していることは珍しいかもしれない。冒頭、低弦の蠢くフレーズし、オケが、まるで露払いのように登場し、主題を長大に提示していく。この当時の録音の特徴かもしれないが、ベルリン・フィルならではの、硬くて重い音が、がっしりと詰まっている。また、いきなり大見栄を切って登場し、有無を言わせない圧がかかる。オケの恰幅の良さを示して、続いて、個性的なソロ達が登場してくる構図である。三者三様ではあるが、若い時のムターさんのヴァイオリンが、オケに負けておらず目立っている。そして、チェロのマさんの渋くて熱い吐息が絡む。
マさんの擦れ泣き節のチェロと、ムターさんのヴァイオリンでは、ちょっと音色が合わないような気がするが、組み合わせとしての意外性、異色さ、若い時ならではのコラボかもしれない。それに、将来を暗示しているような、若い時から二人とも、やっぱこのスタイルなんだよね~という確認した感じ。ワタシの個性は、これよっ!と言う主張。2楽章は白眉だし、登場人物の個性が集まってくる。また、哀愁漂い、しっとりと歌うところが、綺麗にすっぽりはまっている。チェロ協奏曲としても、ヴァイオリン協奏曲としてもという、なんとも贅沢な楽曲を、これだけソリストとして大成した方の演奏を聴くと、耽溺型のカラヤンの演奏も捨てがたい。第3楽章もアブナイ妖艶さが感じられ、ぶ厚い毛足のながい絨毯の上を、渋いチェロと、軽やかなヴァイオリンが、跳ねまくり。ロマ風の激しい舞踏のように速い速い。熱い熱いっ。ソロの弦は、2つの蝶々のように、くるくる回ってフワフワと飛んでいく。ゴージャスすぎる厚ぼったいオケと、自由自在に跳躍していくソリスト2人の組み合わせ比べて、なんと野暮ったく聞こえるオケなのだろう。天下のBPOに対して失礼か。それにしても、特に2楽章は、これ絶品です。惚れ惚れしちゃいました。
カップリング:ベートーヴェン トリプルコンチェル、トエグモント序曲、序曲コリオラン、序曲フィデリオ


 ベートーヴェン ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲
(通称:三重協奏曲 トリプルコンチェルト)
Beethoven: Konzert für Klavier, Violine, Violoncello und Orchester C-dur
Triple Concerto (Concerto for Violin, Cello, and Piano in C major, Op. 56)
ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1969年
Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker(Berlin Philharmonic Orchestra)
ヴァイオリン:ダヴィッド・オイストラフ David Oistrakh
チェロ:ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ Mstislav Rostropovich
ピアノ:スヴャトスラフ・リヒテル Sviatoslav Richter

当盤は、大御所たちが集まった演奏で、がっぷりパワフルな演奏だ。ワタシが所有しているのは、1996年に発売されたリマスタリング盤である。古い録音だが、結構、録音状態は良い。また、適宜、時代に即応したリマスタリング盤が、発売されているようだ。CDジャケットの右下を見ると、卒業アルバムの撮影日に休んだ生徒のように、別途、指揮者セルさんの顔写真が、添えられている。
カラヤンとBPO、ロストロポーヴィチ、リヒテル、オイストラフという、超豪華なメンバーで、まるで、横綱相撲のような演奏になっている。カラヤン、BPOの組み合わせで、79年のムター、マ、ゼルツァー(ピアノ)盤もあるが、この録音は、まだ若手だった頃のソリストの演奏である。当盤は、既に完成された巨匠たちが登場する。カラヤンのオケも凄いけれど、チェロのロストロポーヴィチさんの太い声(チェロの演奏)が、たっぷり~ 重厚な響きだ。有無を言わせない、良く歌うソリストたちの演奏で、重厚感のあるスケールの大きな饗宴が楽しめる。また、スピード感も半端なく、熱く熱く、燃えたぎってスリリングです。



ベートーヴェン 三重協奏曲(トリプルコンチェルト)
1969年 カラヤン ベルリン・フィル オイストラフ ロストロポーヴィチ リヒテル EMI ★★★
1979年 カラヤン ベルリン・フィル ムター マ ゼルツァー  G ★★★
1990年 トリオ・フォントネ インバル フィルハーモニア管弦楽団 Teldec 未聴
2003年 バラコフスキー スイス・イタリア語響 カプソン マイスキー アルゲリッチ EMI ★★★
2004年 ジンマン チューリヒ・トーンハレ管 シャハム モルク ブロンフマン Arte Nova ★★★★★
2003年 アーノンクール ヨーロッパ室内管弦楽団 ツェートマイアー ハーゲン エマール Teldec 未聴


ベートーヴェンのピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲(ハ長調 作品56 通称:トリプルコンチェルト)は、ヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」、ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」、第23番「熱情」、交響曲第3番「英雄」などが書かれた時期の作品で、1803年から翌年にかけて作曲されています。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、通常は、三重協奏曲と略して呼ばれ、今日ではあまり評価が高くない。ピアノ三重奏を独奏楽器として管弦楽と対置するという発想は意欲的なものであったが、ベートーヴェンはそれを十分に処理しきれずに終わった、というのが一般的な評価で、独奏者を3人も必要とすることから、演奏の機会は非常に少ない。

第1楽章 ハ長調、4/4拍子 協奏風ソナタ形式
冒頭のチェロ及びコントラバスによる重厚な旋律が弱音器で第1主題、そのあとにト長調で、第1ヴァイオリンに現れるのが第2主題である。オーケストラ提示部が締めくくられて独奏チェロが第1主題を演奏し、同じように独奏ヴァイオリン、ピアノの順に変奏される。第2主題も独奏チェロが演奏し、独奏ヴァイオリン、ピアノも加わってさらに華やかに進み提示部を終える。
オーケストラのトゥッティで始まる展開部は、主に第1主題の活用による。再現部もトゥッティから始まり、独奏が第1主題、第2主題と型通りに演奏すると、第2の展開部のコーダに入る。最後はテンポを速め、独奏チェロ、ヴァイオリン、ピアノとオーケストラ共に力強く終わる。

第2楽章 変イ長調、8/3拍子
わずか53小節のみの、短い間奏曲風の楽章。独奏チェロが高音域で主題を歌い始めて、木管、独奏ヴァイオリンが引き継ぐ。ひと通り演奏されると管弦楽は沈黙し、切れ目なくそのまま第3楽章に入る。

第3楽章 ハ長調 4/3拍子。ロンド形式(A-B-A-C-A-B-コーダ)
ロンド・ソナタ形式と捉えることもできる。第1楽章同様コーダが、第2の展開部の役割を果たしており、終楽章としてはベートーヴェンの協奏曲中最長である。やはり独奏チェロが高音域で第1主題を提示して始まり、独奏ヴァイオリンも同様に歌われる。その後オーケストラのトゥッティを経て、独奏チェロが第2主題を提示する。ロンド主題を再現すると、中間部に入る。
ポーランドの民謡であるポロネーズのリズムにのって独奏楽器が動き回る。ロンド主題が再現し、第1主題から第2主題へと型通りに再現されるとコーダに入る。最後は独奏チェロ、ヴァイオリン、ピアノとオーケストラ共に力強く全曲の幕を閉じる。
ワタシ的には、たまたま生演奏で聴く機会があり、オケとの絡みも良く、まとまりの良い演奏だったので、とっても愉悦性の高い、とっても素敵な曲に思えました。でも、ソリストの個性が強すぎるとブツブツ~ オケが前に出すぎるとブツブツ~ 室内楽的だと貧相だし、オケが豪華すぎると、これまたブツブツ~ とても、バランスが難しそうな楽曲です。


 

YouTubeでの視聴


Beethoven Triple Concerto for Violin, Cello and Piano in C Major, Op. 56
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ - トピック  オイストラフ カラヤン ベルリン・フィル
Provided to YouTube by Warner Classics
第1楽章 https://www.youtube.com/watch?v=JVqbzl-SKLw
第2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=VVJ3dcBJSjk
第3楽章 https://www.youtube.com/watch?v=O98HHUxw1Hk

Beethoven: Triple Concerto in C Major, Op. 56
Anne-Sophie Mutter  ムター マ カラヤン BPO
Provided to YouTube by Universal Music Group
第1楽章 https://www.youtube.com/watch?v=_swQY-xxIA4
第2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=4fBudE48Qyw
第3楽章 https://www.youtube.com/watch?v=UWvM7Gcb0xs


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