「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
Beethoven: Violin Concerto


ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(ニ長調 作品61)は、1806年作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
ベートーヴェン中期を代表する傑作の1つで、同じ頃に交響曲4番、ピアノ協奏曲第4番があり、メンデルスゾーン、ブラームスのヴァイオリン協奏曲と共に3大ヴァイオリン協奏曲とも言われています。

第1楽章 ニ長調 協奏風ソナタ形式
オーケストラ提示部による序奏が長く、ティンパニによる微かに刻むリズムで始まります。このモチーフは、楽章のいたるところに現れます。牧歌な第1主題を木管が歌い、シレジア民謡による第2主題が木管楽器で演奏されます。
提示部が終わると、ソロヴァイオリンが登場し、第1主題を奏で、第2主題では、ソロヴァイオリンのトリルのうえで、木管が演奏します。展開部は、オーケストラの合奏から始まり、第2主題を木管から全奏に展開します。
再現部は、オケが第1主題を奏でて、ソロヴァイオリンがこれに加わわります。型通りに再現して、オケが締めくくるとカデンツァとなります。その後は、弦楽器がピッチカートで奏するうえで、ソロが第2主題を静かに奏で、最後は強奏の主和音で力強く終わるものです

第2楽章 ト長調 変奏曲(あるいは、変奏曲の主部を持つ三部形式とも)
穏健な主題が、弱音器付きの弦楽器により提示され、第1変奏では、ホルンとクラリネット、第2変奏では、ファゴットが主題を担当します。第3変奏で、管弦楽と続いてソロ旋律を歌い始めて中間部に入ります。この旋律はG線と、D線のみで演奏するよう指定されています。弦楽器が重厚な響きを出すと、ここからソロヴァイオリンの短いカデンツァとなり、そのまま第3楽章に入っていきます。

第3楽章 ロンド アレグロ ニ長調 ロンド形式
ソロヴァイオリンがロンド主題を提示して始まり、オケがこれを繰り返します。次に、ソロが朗らかな第1副主題を奏でたあと、経過句を経てロンド主題を再現します。
オケが、ロンド主題を繰り返すとソロが変奏し、感傷的な第2副主題となります。
ソロヴァイオリンは、装飾音からロンド主題を再帰させ、オケが繰り返し、ロンド形式で演奏していきます。
カデンツァでは、ソロはロンド主題の再現もかねて、オケと一緒になってクライマックスを築きます。

シェリング イッセルシュテット ロンドン交響楽団 1965年
Henryk Szeryng Hans Schmidt-Isserstedt    London Symphony Orchestra

録音状態はまずまず。ふくよかな安定した演奏で、おふくろさま的な癒される演奏になっている。シェリングさん2回目の録音で、その後、ハイティング、コンセルトヘボウカップリングとの録音がある。
カップリング:ベートーヴェン ロマンス第2番
1楽章
ティンパニーが、パンパンパンパン・・ 「し〜ど〜 しら〜そ ふぁみれみふぁ〜」パンパンパンパン・・・
「ふぁふぁふぁふぁ みみみみ れ〜どどどど〜」
テンポはゆったりめ。さほど壮大には始まらないが、落ち着いて安定感がある。
「そ〜どみそっ ふぁ〜しれみっ みーらど し〜ふぁしっ そ〜み〜しっ」
イッセルシュテットさんのロンドン響の音は、尊大ではなく、穏やかで、のびやかである。
ティンパニーも意外なほど柔らかい。かといって、低音部分もきちんと聞こえてくるので、腰砕けにはなっていない。へえ。ピアノ協奏曲5番の「皇帝」バックハウスのバックを務めていた雰囲気とは、えらい違いだ。
まあ。オケが違うって言えば違うんだけど・・・。
カシカシ・・・ 「み〜 しそみ ど〜らみど しそみし そふぁれし」
しなやかな厚みを持って演奏している。シェリングのヴァイオリンも、慌てず騒がず。高音域にのびていくところも、ふわ〜っとした感じがある。
「しっれふぁ〜 らしれ ふぁら〜 そふぁみふぁ ら〜 そふぁみふぁれら〜」
「し〜ど しら〜そ ふぁ〜そみ れ〜どれみ ふぁ〜」
「ら〜そらし しど〜し ら〜そらふぁしそふぁ〜」 
超高音域であっても、つーんとした音ではなく、まだまろやかさが残っている。
ワタシ的には、この冒頭に出てくる超高音域のヴァイオリンの音は苦手で、ひぃ〜っと鳥肌が立つところなのだ。シェリングさんのヴァイオリンだと、汗をかかないで済む。

オケのフレーズに乗って、几帳面な声で歌い始めている。さほど声を震わせず、しなやかに1本の線が描かれていくが、ちょっと柔らかい感覚がして、わりと女性的で、しなやかなのだ。
で、テンポがゆったりしているので、厳格さとかは感じない。
ベートーヴェンって言えば、硬い。厳格だ。なーんて思っていると、ちょっと違うんじゃーと感じるかも。
「れみふぁ〜 そらし〜ふぁ みれどれしど〜ふぁ」と、オケが鳴っている間、ヴァイオリンは 主役になれない。オケの音色が、段々と濃厚になって、まったりとしてくる。段々と大きく、幅が広くなってくる。
「ど〜みそ らしどれど し〜 ど〜みそ らしどれど し〜 どっし どっし・・・」
ふふふっ。夕焼けの空を眺めているような気分に。
シェリングさんのヴァイオリンは、柔らかく いったん音が途切れたかと思うほどの弱音になって、また、ふわ〜っと、出てくる。ガシガシの歯切れのよい、ゴリゴリ鳴るコワモテのヴァイオリンとは、ぜーんぜん違っており、おっ。こんな歌うベートーヴェンもあるのか。と驚いてしまう。
つめたーい音色で、エキセントリックに奏でられるヴァイオリンを耳にすることがあるが、シェリング盤は、こりゃ 暖かい暖色系の音色なんだもん。 全く違うアプローチである。
カデンツァ部分は、ちょっと、ふわっとしすぎている感じもするが、美音で聞き惚れてしまう。
総体的に、怖い親父的演奏ではなく、お袋的演奏なのだ。シェリング+イッセルシュテット盤は、黙って身を委ねて聴くことができる。
あ〜 暖かい。柔らかい布団に包まれたような気分で、あーっ シアワセっ。
えっ これじゃーベートーヴェンじゃないって。まあ。そうかもしれないけど。わたしゃ〜好きです。
ベートーヴェンの音楽で、癒されるんだもん。

2楽章
弱音機付きの弦で、「らしど〜 らしど〜」 深々と穏やかなフレーズが流れてくる。
この穏やかなオケのフレーズに、伴奏的というか、装飾するためにヴァイオリンが寄り添ってくる。
「ら〜し〜 らどみ みれ〜どしれどら (ホルン)ら〜ら ししど〜(ソロヴァイオリン)しそし どみらどみ〜」
この息づかいの長くて深いこと。
オケの木管や金管の音色を引き継き、更に、天上的な音色で囁いていく。
シェリングさんのヴァイオリンが、これが、また柔らかいくせに腰があって、絹糸のように、ぴーンと張ってて。
テンポは遅めなのだが、綺麗だ。高い音から低い音まで、こりゃ美しいと唸ってしまう。
オケの弦だけで響く、その深みのある音の響きも。艶っぽいわけじゃないけど、素朴で誠実に感じる。
ソロヴァイオリンだけが、浮くというか、主張するのではなく、オケと一体化しているところが、とても嬉しい。

3楽章
明るいロンドで、軽快だっ。
「れっら〜 れふぁら れっら〜 れふぁら そみ〜 ふぁれ みっどっどれどれみ〜」
ぱぱっ〜ぱぱっ。のリズムが快適だ。オケが柔らかすぎる感じもするが・・・。
モーツァルト的かなあ。
で、ヴァイオリンのソロ 「し〜みっ し〜み〜 らそふぁみ ふぁらそふぁそ〜」と跳躍の綺麗なこと。
5度の跳躍が、まるで、体操選手の着地が決まったような瞬間のように、綺麗な姿だ。
線が細いし、しなやかだし、こりゃ〜 オリンピックに出てきた10代の若い少女の床の演技だねえ。
で、続いて主題がかわって、ちょっと東欧風なノスタルジックなフレーズが奏でられる。
「そみ〜 そふぁみれ〜 みふぁ〜ふぁ らそふぁみ〜 みどらしそみ らしどれみふぁ みれみしれそふぁ〜」
う〜ん。こりゃ やられてしまうなあ。フレーズの流れが、なんたって良いもん。
で、最初の主題に戻ってくる。

録音の状態にもよるのだとは思うが、オケの音色もシェリングのヴァイオリンの音色も、ふくよかで、まろやかで暖かい。
ホント、ベートーヴェンの楽曲で癒される。意外なほど・・・。
録音は多少古びて聞こえるが、最近にはない暖かみのある音で、貴重な一枚だと思う。
その後のハイティンクとの録音盤も、いつか、聴いてみたいと思っている。
グリュミオー アルチェオ・ガリエラ ニューフィルハーモニア管弦楽団  1969年
Arthur Grumiaux    Alceo Galliera    New Philharmonia Orchestra

昇天しちゃいました

録音状態は良い。とても滑らかで優美なフレージングだ。テンポはゆったりしているが、品の良さがあり、典雅な演奏だ。
カップリング:
1〜3 ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
4〜6 ヴィオッテイ ヴァイオリン協奏曲第22番
(デ・ワールト コンセルトヘボウ 1969年)
グリュミオーさんのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、57年のベイヌム、69年のガリエラ、74年のC・デイヴィスの3種類があるらしい。この盤は、69年の演奏である。
いや〜 この、ゆったりとした優美なフレージングには、恐れ入る。
録音状態も良く、とっても嬉しい。高音域の線の美しい響きには、ひゃ〜 なんという艶のある音なのだろう。
細くもなく太くもなく、ぴんっと張り詰めた音で、フレージングは優美で、典雅なのだが、このピンっと張り詰めた音なので、だれることなく、意思の強さを感じせる高貴な音がしている。

最近の演奏だと、もっとテンポが速いように思う。
また、ガツンっと、がっしりした演奏も耳にしたりするが、とってもフォルムの美しい中庸の美という感じ。
中庸というと、イマイチ良いイメージには思えない言葉になっているが、均整がとれていて、バランスが良い。

カデンツァのところも、余裕があって〜 朗々と歌われている。
恰幅の良い、見栄を切ったような旋律ではなく、なんていうか、滑らかで、とってもクリーミーといえば良いのだろうか。
ほどよい甘さの、舌触りのよい、上質のアイスクリームを頂戴したような感じだ。
まあ、これが、高貴な音っていうのか〜っと、ホント、貴族的な立ち振る舞いのようだ。

このフレージングの優美さは、聴いたことがないような気がする。
ふっと、タッチの柔らかい音の始まりと、すっと消える音の終わり。でも、音そのものは、芯のしっかりした音なのだ。
余計な力が抜けてて、聴いてて、とってもリラックスできる。
で、息遣いとか、音の間合いの美しさとあいまって、音の出し方とは、こういうものなのかと、聴き惚れた1枚である。
クレーメル マリナー アカデミー室内管弦楽団  1980年
(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ) 
Gidon Kremer    Neville Marriner    Academy of St Martin in the Fields

録音状態は悪くはない。クレーメルさんのヴァイオリンの高音域の音色が、ワタシとは肌合いが合わず、首のあたりが寒くなってしまう。後に、アーノンクールとの再録音がある。

1楽章〜4楽章
ティンパニーが、パンパンパンパン・・ 「し〜ど〜しら〜そ ふぁみれみふぁ〜」
木管が穏やかに出てきて、「ふぁふぁふぁふぁ みみみみ れ〜どどどど〜」
マリナーのオケは、穏やかで、段々と大きくなって膨らんでいく。
「そ〜どみそっ ふぁ〜しれみっ みーらど しふぁしっ そ〜み〜しっ ふぁそらしそ らそふぁみれ・・・」
強弱をしっかりつけているが、あまり尊大な感じがせず、音色は柔らかめ。
でも、しっかり腰があり、「み〜そし どれみふぁみれ〜 み〜そしどれみふぁみれ〜」
フレーズがレガート気味で繋がりも柔らかいが、弦が硬めに弾かれており、ティンパニーも硬めに叩かれ、厳格な雰囲気を含んでいる。

で、序奏の後、クレーメルのヴァイオリンが登場してくる。
「しっれふぁ〜 らしれ ふぁら〜 そふぁみふぁ ら〜 そふぁみふぁれら〜」
機械的な音かと思ったのだが、まあ。そうでもない。
でも、非常に高音域が、きっ〜っとした音と紙一重に聞こえてしまう。
綺麗な音色というよりは、ちょっと、ワタシ的には肌が合わない、ちょっと擦れ声だ。

で、高音域では、寒気がしそうなほどの細い硬めのひ〜っという声である。
「れみふぁ〜 そらし〜ふぁ みれどれしど〜ふぁ」とオケが鳴っている間、ヴァイオリンは、バック的な和音とふにゃふにゃ〜と演奏しているが、「そそふぁ みらふぁ れらふぁ れふぁら〜」と強めに絡んでくる。
マリナーのオケは柔らかくて、ちょっと引きずり気味なのに対して、クレーメルさんのヴァイオリンは、歯切れが良く、すーっと硬い細い線である。
オケとヴァイオリンの相性があっているのか、悪いのか、ちょっとわかりづらい。
少なくとも、音色がなあ。あまりマッチしていないと感じる。
特に、高音域が、あーーっ 超音波的に響いていて、首が寒くなり〜 ついには、きーっと血圧があがり。そして、最後には首が痒くなってしまった。
弱音でも、ヴァイオリンのラインが綺麗に浮き出てくるのだが、どーもワタシとは相性が合わないような気がする。
筆の運び(ヴァイオリンだから弓の運びだろうか)が強めで、タッチが多少きつく感じることと。
音色は、寒色系の音色で、寒々しく感じてしまうこと。で、完全にクール系だと烙印がついちゃう。
絵画で例えるなら、抽象画を見ているような気分で、直感でわかりづらいこと。
このベートーヴェンの楽曲としては、う〜ん。 どうなんだろう。ちょっと唸ってしまったが、かつて聴いてきた盤との感覚的で、曖昧な記憶のなかでの比較である。あくまでもイメージ・・・なのだ。

さて、オケが、「し〜れふぁしっ どみそど しみそ らどふぁ れ〜し ふぁっ」 ティンパニーを伴ってのフレーズは、力強く迫ってきており、ヴァイオリンより、オケの方が ずーっと聞きやすい。(笑)
で、この盤では、カデンツァは、シュニトケ版を使っていることで有名だ。
実際に聴いてみると、うへっ なんじゃー これって感じがする。
「しふぁっ れみれみ〜 パンパンパン・・・ みみっ れみっ そら しっしっしっ」
まるで蚊が飛んでいるような、切れ切れの音が鳴っている。
「たたた〜たたた、たたた たたた」という音型しか残っていないような。
「れどしどれ らそふぁそら れどしどれ そふぁみふぁそ ふぁふぁ・・・」 重音が鳴って、フレーズ内部でも装飾音が鳴っているのだが、ベートーヴェンの時代から、いっきに新しい時代が飛んで、違和感 を感じてしまった。
うへっ ゲンダイオンガク風かよぉ。こりゃ、びっくらこいた。という感じで、一般的には、そぐわない。
不協和音じゃん。これじゃー。マリナーのオケもティンパニーを怖く〜 空恐ろしく叩いている。
なんで〜 こんな恐怖、不安を、途中で与えるように演奏するのだろう。どーしてシュニトケなのだ。という印象を受けるのではないだろうか。
↑ もっとも、ワタシ的な個人の感想だが。
でも、普通にやらないところがクレーメルで・・・。意欲的なアプローチだとは思うが。どうなんだろう。
天才のすることだから奇抜なんだけど。シュニトケ版を持ってきた理由や必然性が、よくわからない。理解できない私が悪いのだろうが。まっ 他盤との比較が出来て、この楽曲を聞き込んだ方には、一聴なんだろう。

2楽章などに、ところどころ、あれ?と思うフレーズが出てくる。どうやら、自分でアレンジしているらしい。
う〜ん。ワタシには、好ましく聞こえてこない。
1992年に、アーノンクールとの録音がある。これは旧録にあたる。
マリナー+クレーメル  アーノンクール+クレーメル。

中庸の代表格のようなマリナーさんでさえ、クレーメルに引っ張られているのに、アーノンクールねえ。
鋭角でツンツン、バシバシ、冷たく叩かれ、凍っててとんがった氷の柱、そう、つらら〜で串刺しにされそうな、恐怖がイメージ的が湧いてくる。想像するだけで、恐ろしく、臆病な私はご遠慮させていただこうかな〜という感じである。
当盤では、マリナーさんに、もっちっと中庸を保って欲しかったなあと思う。
ゲンダイオンガク風にするなら、オケのイメージとは、そぐわないし、マリナーさんも困惑したかもしれない。
まっ この盤を聴いてマリナーさんが振っているとは思えないほど〜 頑張って変貌している。
この努力は、大いに拍手すべきかもしれないが、それにしても、ワタシにとって、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が難しいモノだと・・・トラウマになってしまった盤である。
ミンツ シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 1986年
Shlomo Mintz    Giuseppe Sinopoli   Philharmonia Orchestra

こまちゃったなぁ

録音状態は良い。極めて線の細い、クリスタルグラスのような演奏だ。美しい。
美しいのだが、でも、ほとんど、盛り上がらない。
カップリング:
1〜3 ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲(1986年)
4 ベートーヴェン ロマンス第1番(1987年)
5 ベートーヴェン ロマンス第2番(1987年)
1楽章
冒頭から、綺麗なフレーズが流れてくるのだが、おだやかというより、クールというか、感情がこもってないというか、なーんか、共感を覚えない演奏だ。
かなり落ち着いた静謐で、冷静な演奏だと思う。
下手すると、えっ 気乗りがしないの? 何、これ? って否定的に見られるのではないかと思う演奏だ。 
こんな感じのアプローチは、聴いたことがなかったような〜 そんな気がする。
クール過ぎるのではないかしらん。

ティンパニーの4つのタンタンタンタン・・・ ふぁふぁふぁふぁ ふぁふぁふぁふぁ・・・ 文字通り、ホント、淡々と叩かれている。
シノーポリの振るオケは、おとなしいというか、オトムライ風の演奏で、
「そ〜どみそっ ふぁ〜しれみっ みーらど しふぁしっ そ〜み〜しっ ふぁそらしそ らそふぁみれ・・・」と歌う。
いや、歌うというより、しんみり〜しており、ひとことで言うと、えっ クライ・・・ なんで〜こんなに暗いの?
演奏する時に、疲れていたのだろうか。全体に、全く覇気が感じられないのだ。

で、長い提示部のあと、ミンツさんのヴァイオリンが登場する。 「しっれふぁ〜 らしれ ふぁら〜 そふぁみふぁ ら〜 そふぁみふぁれら〜」 とても線が細めで、繊細で、丁寧で、几帳面だ。
フレージングが、クールに描かれている。たいてい、勇壮に、雄渾に主題を朗々と歌う演奏を聴いてきたように思うのだが、現代的な演奏というか、理知的というか、スマート過ぎるほどスマート。
カデンツァはクライスラー版だが、落ち着き払って、テンポをゆったり気味にとっており、とっても抒情的だ。
っていっても、感情を込めて、ううっ〜っと気持ちをもりあげて歌うわけではなく、極めて客観的であり、形が整いすぎるほど整っている感じがする。

2楽章
驚くほど、テンポが遅めで、弱音で 「らぁ〜ら しぃ〜し どぉ らぁ〜ら しぃし〜どぉ」「らぁ〜ら しぃ〜し どぉ〜」とホルンが奏でていく。ホルンとクラが入ってくるのだが、ヴァイオリン協奏曲といいながら、添え物的存在になっている。
大変美しい演奏で、穏やかで、まどろみ、夢想的だ。
この2楽章は、文句なく、ミンツ盤の白眉で、この2楽章だけでも、相当に聴き応えがある。
なんだか、天上的な音楽になっており、全くの別モノという感じで、存在するかのようだ。
ふわっと、暖かみのある、慈愛に満ちた包まれた感じではなく、美音で流麗だが、朗々とは歌わず、儚げで、脆そうなクリスタルの薄いワイングラスのようだ。
聴き手を引き込んでいくのだが、とても緊張感を強いられる。
ワタシ的には、美しいのだが、手を触れられない感じがして、遠い存在というか、透明感のすごさ、別世界から降りてくるかのような音のようで〜 あらら〜 息を押し殺して聴いてしまって、息苦しくなってしまった。(笑)

3楽章
ここは、 明るいロンドで、楽しそうに演奏されるのだが〜
「みっし〜 みそし みっし〜 みそし らふぁ〜 そみ〜 ふぁれ みっし〜」
あのぉ。綺麗過ぎて・・・ 楽しい雰囲気がないのだ。(無いと言い切ってしまうと、ちょっと誤解を生むかもしれないが)
ワタシの耳で聞く限りでは、開放的で、春が来た〜という感じの喜びに満ちあふれた表情が見られない。
う〜ん なんと、冷静に演奏されてしまうのだろう。
ウキウキした感覚とか、晴れやかな雰囲気とかは、あらら〜 なんということでしょう。
あまりにも、淡々と、さらっと演奏されちゃて〜 がっくし。
線の細い音で、颯爽と演奏されているのだが、はあ。感情がこもってないというか、情感が薄いというか、淡泊というか。
あっけにとられてしまうほど、美しいのだが、デリケートで壊れそうなロンドなのだ。
はあ、これはこれで美しく、丁寧で、落ち着き払った大人の演奏だと思う。

きっと、ワタシが、分厚い厚みのある、豊満で、濃厚で、太めの音で、この曲を聴いた印象が残っていたのだろう。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、雄渾でなければならない・・・。 そういった先例の演奏が、どうも印象強く残っていたのだろう。なんと、線の細い、ベートーヴェンだ。と、呆気にとられた。
ある意味新鮮な演奏で、ミンツさんならではのヴァイオリン演奏なのだ。そして、オケも、それを壊さないように伴奏にまわっているんだろうと思う。端正で、クリスタルガラスのような、美しすぎる演奏で〜 細やかなカデンツァ・・・
しかし。あまり盛り上がらず・・・ そのまま終わってしまった。ええ〜っ 終わり?
全くといっていいほど、盛り上がらないので、う〜ん、これは、困ってしまった。どうしましょ。

ナイジェル・ケネディ テンシュテット 北ドイツ放送交響楽団 1992年
Nigel Kennedy Klaus Tennstedt
Hamburg North German Radio Symphony Orchestra
(NDR Sinfonieorchester Hamburg)



録音状態は悪い。ボコボコな音である。演奏は、かなり個性的。
カップリング:バッハ ヴァイオリン協奏曲ほか ライブ盤(拍手入り)
後に、ポーランド室内管弦楽団での録音がある。
録音状態が良くないので、演奏に対しても、う〜ん。なんとも言えないような状態。
ライブ盤で、拍手、音合わせから始まっている。
テンシュテットの伴奏、ティンパニーが、パンパンパンパン・・・ 「し〜ど〜 しら〜そ ふぁみれみふぁ〜」
「ふぁふぁふぁふぁ みみみみ れ〜どどどど〜」
テンポは、遅め。また、おとなしめでスタート。
「ど〜れ〜 み〜しそみ ど〜らみど・・・」というフレーズにあわせて叩かれるティンパニーの音の貧相なこと。あまりのボコボコ音に、絶句っ。ひで〜っ こんなの通常価格で売るなよぉ。
ライブ盤であるとも知らなかったし、絶句っ。怒り心頭になってしまった。

まあ〜気を取り直してヴァイオリンを聴くが、いたって普通。 昔は細長いフェイスにあどけないスマイルだったのに、今や、奇抜なスタイルになっているケネディさん。 でも、最初は、いたって普通っぽいのだが、変化があって、ところどころテンポを落としたり、変化している。 高音域が、特にのびて、線は細いけれど、レドレドレドレド・・・・ と続いており、綺麗だ。
テンシュテットのオケは、まあ。インテンポでやっているが、協奏曲であることと、ソリストが奇抜な方だということで、ここでは抑え気味なのか、アクが強く出ていない。
ケネディさんも、テンポをゆったり弾いており、ぱっと聴く分には、ベートーヴェンという雰囲気がしない。
堅牢な演奏が好きな方には、ゆるゆるじゃん。と言われそうだ。
カデンツァ前にさしかかってくるところで、はっ? この揺らめきは、へっ? 変わっているなあ。
それまで、普通だと思っていたのだが、突然、ぬめっとした感触に、思わず、げほっ。
冒頭のフレーズ 「し〜ど〜 しら〜そ ふぁみれみふぁ〜」が、戻ってこなければ、締まらないと思うが、それが、揺れ始めるのだ。 どこからっ・・・と言われても、ちょっと、その変化が言えない。う〜ん。

聴きどころは、カデンツァだと思うが、これが超遅い。
クライスラー版だと思うが、「パンパンパン ひょ〜っ パンパンパン ふぁしぃ〜」
これオリジナルなのか。どうかもワカランっ! なんだか形が変わっているみたいだし。う〜っ 唸ってしまう。
それにしても、テンポが、ぐぐっ〜っと遅くなっており、止まるかと思うほど・・・落としてくる。
ひえ〜 こんなカデンツァの遅い盤って、あるんだ。と、これまた絶句。
でも、演奏自体は緩くはない。すごい緊張感を、こっちにも伝わってくるので、長い間、ちょっと金縛り状態に陥ってしまう。

2楽章
この楽章も、メチャ遅い。倒れそうになるほど、遅い。
あのぉ〜 もう少しテンポアップしていただかないと、音楽にならないんですけど。う〜ん。困ったな。
「ら〜し〜 らどみ みれ〜どしれどら (ホルン)ら〜ら ししど〜(ソロヴァイオリン)しそし どみらどみ〜」
他の盤でも、ここは、息づかいが深くて長い。しかし、これじゃー ホルンの息が持たないよ。
とは言っても、ヴァイオリンの音色は確かに絶品。ここは天国ですと言われても頷いてしまいそう。
「みそし どみらどみ〜 ら〜そふぁふぁみれ しそ〜 そらそらそらそ〜」
「みそふぁ ふぁふぁらどふぁ〜 れふぁみ みみそしみ〜 れふぁみ どみれ ふぁどし・・・」
ケネディさんのヴァイオリンは、ちょっと硬めだがフレーズはソフト。
ほそ〜い糸が、ぐび〜っん。と伸びてて、切れそうになっているが、これが切れないっという、なんとも限界に挑戦って感じになっている。 まあ。背筋が凍りそうなほどの怖さにはならないが、これを聴いて、ほっとする。とか、癒されるってことはなく、ましてや、解き放たれたような開放感や、ゆったり感は皆無に近い。
音的には天国的に聞こえるのだが、テンポが遅いので、ここまで滞空時間があると、聴く方の息も続かないってわけ。適度に音が流れないと、快感にはならないってことになる。
と〜っても疲れることは確かだ。

3楽章
軽快なロンドで、テンポは普通に戻りました。
「れっら〜 れふぁら れっら〜 れふぁら そみ〜 ふぁれ みっどっどれどれみ〜」
ほっ。ケネディさんのヴァイオリンも、通常のテンポになっている。
で、キレも良いし、小回り自由、跳躍も充分っ。安心して聴いてられるし、超軽やかだ。
ヴァイオリンのソロが、メランコリックなフレーズを奏でる箇所があるが、そこは、やっぱ美しい美音だ。
「そみ〜 そふぁみれ〜 みふぁ〜ふぁ らそふぁみ〜 みどらしそみ らしどれみふぁ みれみしれそふぁ〜」
リズム感は、ヴァイオリンはさることながら、オケの方が、う〜ん。アクセントをつけないと踊れないと思うのだが、ちょっと平板すぎるかも。
で、カデンツァは、ケネディ版のようで、ちょっぴりゲンダイ風である。
小節がコロコロしているが、旋律は不協和音で、抽象画を見ているみたい。
音が採れないので、ここでの掲載はできない。「ししふぁふぁししれれれ・・・ ふぁふぁふぁ・・・」
声を震わせて、家畜を呼ぶ笛のような響きが続くっていうか、のど笛的なカデンツァになっている。

いずれにしても、超変わり種の演奏だと思う。
録音が悪いのを承知したうえで、ケネディか、テンシュテットが好きな方は、買い求められると良いが。
う〜 それ以外はなあ。どうでしょ。かなり個性的な盤で、ワタシ的には・・・ ちょっとツライです。
こういう風に演奏したい。ってことで、当初から、テンポ設定をされておられるのだと思うが、ワタシのような凡人には、どうも耐えられないようです。
ムローヴァ ガーディナー オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック 2002年
Viktoria Mullova John Eliot Gardiner
Orchestre Révolutionnaire et Romantique

 

録音状態は良い。古楽器使用の演奏だが、オケが、ソロヴァイオリンの音より大きく、ムローヴァの良さが消えているし、新鮮ではあるが、どうもワタシ的には馴染めない。
カップリング:メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲

1楽章
冒頭、「ら〜し らそ〜ふぁみれどれみ」 木管の音色が綺麗に出てくる。
透明度の高い音色で、みみみみ・・・ ティンパニーが、トントントントン・・・
まるで、湖面に薄い氷が張っているような、ひんやり鎮まった空気が広がってくる。
で、気持ちよく聴いていたのに、ガーディナーさんの振るオケが、「れぇ〜しれふぁ! み〜らどれっ!」
「れれれれ そっし らららら みっふぁ ふぁ〜れ ふぁっ!」
メチャ、大きな音量で出てくる。はあ? なんで、こんなにデカイの。
金管とティンパニーのデカイこと。
静謐な音色と雰囲気だったのだが、なんとも無神経な金管の音で、がっくし〜 
木管の音色が綺麗だなあ〜っと思っていると、っららら れれれっ ノー天気そうな金管の音に驚かされる。弦のフレーズも、細かく刻まれているのになあ。
長い序奏が終わり、ようやくムローヴァさんのソロヴァイオリンが登場してくるのだが、あのバックの音量からすると、線が細すぎる。
せっかく耳を澄ませて聴いているのに、また、無神経なバックが割って入ってくるのだ。
「れれれれれ・・・ れみふぁそらしどれ れれ〜」 あ〜 どっか行ってくれ〜っ このティンパニーっ。

ムローヴァのヴァイオリンは、透き通っているというか、冴えているというか、冷え冷え〜としたなかに、凛とした音色が通っている。神経質そうな音色で、壊れてしまいそうな、繊細さもあって・・・。
う〜ん。ベートーヴェンの楽曲としては、ちょっと、どうかとも思うけれど、結構、新鮮に聞こえてくる。
特に高音域の音色が、響き渡るわけじゃーないのに、線の細さを、繋いで繋いで、フレーズを作っている感じがする。う〜 これは、すごいっ。思わず息をのんでしまった。
オケの木管のフレーズも、ホント綺麗なのだが、リズムを刻む金管とティンパニーの音質が、ぱぁ〜っと開放的で、音量もデカイのだ。
おまえたち主役じゃーねえょ。出しゃばりっ。(← 言葉が荒くて恥ずかしいが、相当に怒っている。)
ってなわけで、文句を言いつつも、カデンツァまで来たが、このカデンツァが、はあ?
オッタヴィオ・ダントーネさんのカデンツァを使っているとのことだが、ムローヴァさんには、ちょっと似合わないような、平板な感じのするフレーズで、あまり華がないのだ。
華麗なるテクが、聴きたいわけじゃー決してないのだが、平板で地味で、シンプルすぎ。

2楽章
この楽章は、オケのバロック風味を楽しみましょうって感じになっている。
大変美しい。オケの弦や木管の声色を楽しむ。で、ソロヴァイオリンの音色を壊さないので、大変ありがたい。
ムローヴァさんの音色が、う〜ん。ちょっと擦れ声にも聞こえるが、これが生な、レアな声なのだろうか。
モダン楽器とは違うので、音の広がりは充分ではないため、ストレートの、すーっとした細い声。
まだ大人に成長できない、成熟されていない女性の声って感じがする。
喉の細い、首が長めの少女的というか、可憐だけどね。ちょと、まだ青い甘酸っぱいリンゴ風味だ。
シェリング盤のような、成熟したまったりした声と比べると、う〜ん。少しモノ足らない感じがするが、これは、比較しちゃダメですね。別の次元で考えないと・・・。(汗)

3楽章
明るいロンドで、メチャ軽快で快速バージョンになっている。
「れっら〜 れふぁら れっら〜 れふぁら そみ〜 ふぁれ みっどっどれどれみ〜」
おっそろしいほどに、オケもソロヴァイオリンも、速いっ。
「れぇら〜 れふぁらっ れぇら〜 れふぁらっ」 アクセントがついているので、それなりにオモリも感じるのだが、まるで、蝶々が飛んでいるように、ひらひら〜と飛んでいってしまう感じがする。
しかし、この演奏の白眉じゃーないだろうか。
ここでのオケは、うるさく鳴ってないし、恐ろしいほどオケもヴァイオリンも新鮮で、ピチピチしている。
跳躍フレーズなんて、綺麗な曲線を描いて着地するというより、すっかり跳ねてるんだよなあ。

ちょっと東欧風なノスタルジックなフレーズが奏でられるところがある。
「れしそ〜 らふぁれそ〜 らしどれみふぁそみれ〜 しれ〜そらふぁれそ」
ここは、まったりして欲しいところなのだが、なんだか素っ気ないほどに通過。儚げさは充分なのだが、テクが勝ってしまっているのか、メチャ速い。
「そみ〜 そふぁみれ〜 みふぁ〜ふぁ らそふぁみ〜 みどらしそみ らしどれみふぁ みれみしれそふぁ〜」
ただし、メチャ儚げで脆そうなくせに、美しいことは、このうえない。

新鮮だ。とにかく新鮮に聴ける。ムローヴァさんのヴァイオリンは、高地 そう、空気の澄み切ったアルプスにでも登った地点で聴いているかのような雰囲気がする。
ガーディナーのオケが、決して世俗的というワケではないのだが、オケが、ちょっとノー天気風に、明るくて快活なのは、いただけない。これ、どーしたものか。
なんか、ムローヴァさんのヴァイオリンと、ガーディナーさんのオケとは、雰囲気違いすぎるかもしれない。
最初に聴いた当初は、さすがに新鮮なのだが、何度聴いても、どーも、しっくりこない。う〜ん。
何度か繰り返して聴いてみたが、どーも、馴染めないのだ。
違う組み合わせで、また録音して欲しい気がする。もっと木質的に柔らかく響くオケと・・・。
ルノー・カピュソン ヤニック・ネゼ=セガン ロッテルダム・フィル 2009年
Renaud Capuçon   Yannick Nézet-Séguin   Rotterdam Philharmonic Orchestra

満足っ満足っ

録音状態は良い。高音域の安定した美音に、やられてしまった。
カップリング:
1〜3 ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
4〜6 コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲
1楽章
R・カピュソンとネゼ=セガンという、1970年代生まれのコンビで演奏されたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲である。
冒頭、「しぃ〜どぉ〜 しらぁ〜そ ふぁみれみふぁ パンパンパンパン・・・」
「らぁ〜そぉ〜 どぉ し らそふぁ しらそ〜ふぁ パンパンパンパン・・・」
さほど重くならず、ピリオドに近いアプローチでもなく、でも、さらっと奏でられている。
「そぉ〜どみそっ ふぁ〜しれみっ みぃ〜らど しあ〜ふぁしっ そ〜み〜しっ ふぁそらしそ らそふぁみれ・・・」というフレーズは、豪快に鳴らしてくる。
このメリハリ感は、ちょっと驚かされる。テンポは普通って感じだが、低弦のゴリゴリ感もあって、蠢く感じも伝わってきて、音の層は厚い。イマイチ、ヌケがよくない録音なのだが、ティンパニーの豪快な鳴りっぷりには、いささか驚かされる。
しっかりと硬めなのだが、ゴリゴリ、ガシガシという感じではなく、柔らかさもある旋律だ。また、オケの方も、金管の音が強く、個性的な音だ。は? もしかしてピリオドなの? と思っちゃったのだが、ホントのところは、どうなんだろう。

楽器はモダンを使用しているのだと思うのだが、この金管の吹き方は、ピリオドを意識したオケの演奏だと思う。
こりゃ〜 ピリオドでしょう〜って感じなのだ。(← はっきりとはわかりません。)
で、カピュソンさんのヴァイオリンは、う〜ん、とっても高音域のフレーズが安定してて、透明度の高い音だ。
するするする〜っと昇っていって、ノビ感を持って、揺るぎなく、すーっと通る音で、これはかなりの美音だと思う。
すごく安定してて、ホント、ずーっと通る音を持続していくので、とっても驚かされる。ひぁ〜 これはびっくり。
また、歌い方が、すごく、ゆったりしているのだが、緊張感を保ってて華がある。

2楽章
すごいっ。これだけ、高音域のみの音で歌われたら、嬉しくなってしまう。
しっとり、弱音で 「らぁ〜ら しぃ〜し どぉ らぁ〜ら しぃし〜どぉ」「らぁ〜ら しぃ〜し どぉ〜」と、オケも歌い上げていくし、ヴァイオリンのフレーズも、とても透明度が高いし、繊細で、シルキーな音色だ。
甘く歌われているが、とろけるモノではなく、品のある、抑制の効いたものでもある。しばし、うっとり。

3楽章
「みっし〜 みそし みっし〜 みそし らふぁ〜そみ〜・・・」
低音と高音とのフレーズの掛け合いが、楽しく、とても美しい音色で奏でられている。
オケの方は、相変わらず録音状態はよろしくないのだが、ティンパニーは大きめに叩かれている。
リズミカルすぎないし、レガートすぎず、とにかく高音の音色に耳が行ってしまって〜 その他が、おろそかになりそう。
なにぶんにも、美音にやられる。美しく、華があり、優美な音色だ。
で、ぐっとテンポを落として〜 ちょっとした間合いをとって、すっと入ってくるところもあって、ニクイ演出もある。
久々に、うっとりと、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴くことができて〜 嬉しかった1枚である。
1940年 ハイフェッツ トスカニーニ NBC交響楽団  
1955年 ハイフェッツ ミュンシュ ボストン交響楽団  
1952年 オイストラフ アーベントロート ベルリン放送交響楽団 Scribendum  
1959年 コーガン シルヴェストリ フィルハーモニア管弦楽団 EMI  
1965年 シェリング イッセルシュテット ロンドン交響楽団 EMI ★★★★
1969年 グリュミオー アルチェオ・ガリエラ  ニューフィルハーモニア管 Ph ★★★★
1974年 グリュミオー C・デイヴィス コンセルトヘボウ Ph  
1980年 クレーメル マリナー アカデミー室内管弦楽団 Ph ★★
1980年 パールマン ジュリーニ フィルハーモニア管弦楽団  EMI  
1986年 ミンツ シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 ★★★
1987年 ズスケ マズア ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 DS  
1989年 チョン・キョン・ファ テンシュテット コンセルトヘボウ EMI  
1993年 ケネディ テンシュテット 北ドイツ放送交響楽団 EMI ★★
2002年 ムローヴァ ガーディナー ORR Ph ★★★
2004年 テツラフ ジンマン チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 ARTE NOVA
2009年 ヤンセン P・ヤルヴィ ドイツ・カンマーフィル Dec  
2009年 R・カピュソン ヤニック・ネゼ=セガン ロッテルダム・フィル ★★★★
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