ベルク ヴァイオリン協奏曲 Berg: Violin Concerto


 ベルク ヴァイオリン協奏曲
Berg: Violin Concerto
フランク・ペーター・ツィンマーマン
ジャンルイジ・ジェルメッティ シュトゥットガルト放送交響楽団 1990年
Frank Peter Zimmermann Gianluigi Gelmetti
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart des SWR
(Stuttgart Radio Symphony Orchestra)

いつまでも、難しい晦渋な楽曲だとは言っておれないのだが、ベルクのヴァイオリン協奏曲は、どうも苦手だ。ヴァイオリンとオケの絡みが、難しくて~ どう聴いたら良いのか、ちょっと困ってしまった。ツィンマーマン盤は、録音状態も良いし、オケとの距離もあって音の分離も良いのだけど、纏わりつくかのような一体となった響きでもなく、つかず離れずの距離感がある。
2楽章では、社会の崩壊というか、世情を背景にした激しさ、悲しみが表出してくるのだろうが、客観的という感じで、曲想がわかりづらい。まあ、もっとも、ワタシの理解力不足という点は、十二分にあるので~もっと修行しなければ。まだまだ、聞き込めていないので、感想は書きづらいです。(謝)

アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲は、1935年に作曲されています。「ある天使の思い出に」(Dem Andenken eines Engels)の献辞が付されているので、副題のようになっています。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、この曲は、ヴァイオリニストのルイス・クラスナーによって依嘱されたものですが、アルマ・マーラー(作曲家マーラー未亡人)が、ヴァルター・グロピウスともうけた娘マノン・グロピウスが急逝したことにより、この協奏曲を「ある天使の想い出に」としたものとのこと。
2つの楽章で構成されていますが、それぞれ2つの部分に分かれています。「アンダンテ」に始まる第1楽章は、古典的なソナタ形式によっており、ダンス調の「アレグレット」が後に続く。この後半部分では、ケルンテン地方の民謡が引用されている。
猛烈な「アレグロ」に始まる第2楽章は、単一のリズム細胞にほとんど依拠している。この部分はカデンツァ風と評されるように、独奏ヴァイオリン・パートが非常に困難なパッセージに貫かれている。
オーケストラはクライマックスに達すると、いよいよ激しさを募らせる。最終部分(第2楽章の第2部、全体的に言うと第4部)は「アダージョ」の速度が指定され、より穏やかな雰囲気に転じる。第1楽章は現世におけるマノンの愛すべき音楽的肖像であるが、第2楽章はマノンの闘病生活と死による浄化(昇天)が表現されているとのこと。十二音技法の詳細については、ここでは割愛します。なかなかにロマンティックな雰囲気を持っているのですが、どうも解りづらい。ワタシ的には晦渋な楽曲です


 ベルク ヴァイオリン協奏曲
Berg: Violin Concerto
トマス・ツェートマイアー ハインツ・ホリガー フィルハーモニア管弦楽団 1991年
Thomas Zehetmair
Heinz Holliger Philharmonia Orchestra of London

ベルク、ヤナーチェク、ハルトマンの3つのヴァイオリン協奏曲が詰まった1枚である。ヤナーチェクのヴァイオリン協奏曲は、未完で、レオシュ・ファルトゥスと、ミロシュ・シュチェドロニュによって補筆された完成版だ。で、オーボエの演奏者として超有名なホリガーさんが、指揮しているということで、ちょっと驚きのCDだ。トーマス・ツェートマイアーさんの80年代から90年代の演奏は、15枚組BOXとしても発売されている。で、ワタシにとっては、とても歯の立たないムズカシイ~楽曲なので、いつも雰囲気だけで聴いているのだが、その雰囲気もねえ。なかなか、つかめないのである。
しかし、ツェートマイアー盤で聴いていると、ヴァイオリンとオケが、綺麗に分離されている感じで、聴きやすい。どう言えば良いのか、う~ん ここはヴァイオリンのフレーズを、ここではオケを、と、別々に、耳が飛んでいくことが可能で、分離して聴きやすいのだ。録音状態も良いし、綺麗に、聞き分けられる~とでも言えばわかりやすいだろうか。糸が絡んでしまったかのように、オケとヴァイオリンが、べったり~ くっついて離れず、混在一体となっているという風ではない。オケはオケで単独行動、ヴァイオリンも同様で、別々に行動しているかのようだが、総体的には、ふわっと柔らかい。
暖かみのある音質なので、ツンツンしていないところが、ど素人のワタシには嬉しいっ。奥行きのある、ふわっとした、半分宙に浮いているかのような、オケとヴァイオリンの距離感も適度にあるし、オケのぶわ~っとした金管の響きにも負けていない。だって、曲には、いろんな楽器が使われているのだ。コーラングレ、アルト・サクソフォン、バスクラリネット、コントラファゴット、バス・チューバ、ティンパニーは4個で2人が必要らしいし、大太鼓にゴング、ハープです。はあ、30分かからない協奏曲で、これだけ必要だそうな。ちょっと不経済だなあ。
で、2楽章の前半部分が、金管、打楽器群が活躍しているのだが、まろやかに、包み込むような雰囲気で、さほど苛烈ではないので、素人のワタシには優しく聞こえてきて、嬉しいって感じでしょうか。はあ~ ホント、美化された楽曲なのでしょうが、分析して聴くには、ワタシには知識がなさすぎ。十二音技法のことを知って聴くべきだし、アルマとベルクの関係など、作曲家の人柄やバックボーンを知って聴くべきだとは思うものの、う~ん、どちらにも知見がないのでなんとも。
確かに、マーラー未亡人のことは、書籍などでは存じ上げてはいるが、ちょっと共感を覚えないのと、バッハのカンタータを引用しているからといっても、聴衆に受け入れやすい楽曲になっているかどうかは、ちょっとわからないです。


 ベルク ヴァイオリン協奏曲
Berg: Violin Concerto
ギドン・クレーメル コリン・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 1984年
Gidon Kremer Colin Davis
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)

ベルクのヴァイオリン協奏曲は、ヴァイオリン協奏曲のなかでも、最も美しい音楽と言われている。クレーメル盤のヴァイオリンは、タイトで、引き締まった音である。硬質感があるのだが、しかし、音に艶があり、力強く、大きくゆったりと奏でられている。
でもねえ~ 楽曲自体が、とっても晦渋で、12音技法っていうことで、避けて通ってしまいがち。この曲は2楽章で成り立っており、30分を満たない長さだが、1楽章は、ヴァイオリンとオケが、バラバラに存在しているようで、よくわからないのである。
マーラーの奥さんだったアルマが、再婚してヴァルター・グロピウスとの間に生まれた娘がマノンである。その娘さんが19歳で亡くなった。その娘を偲んで作った作品が、このヴァイオリン協奏曲。でも、ベルクも追いかけるように亡くなっている。だから、副題が、ある天使の思い出に~とつけられているのだが、あー やっぱり、何度聴いても晦渋。
2楽章のラストぐらいが、まだ、叙情的に聞こえる気がするが、難しい。ハードルが高いっていうか、何が表現されているのか、何を、どう表現しようとしているのか、ワタシには伝わってこない。音階フレーズが気持ち悪いし、どどん どどん。と響くティンパニーが重苦しいし、バッハのカンタータ60番を引用したと言われるフレーズも、それとわかるものの、いきなりとってつけたように別世界の入り口が開かれる。確かに、官能的でもあり、最後は解き放たれた魂の飛翔感を感じるのだが、そこに至るまでが、哲学的というか、宗教学ぽいというか、音を、耳で追いかけてるだけでは、感じきれず、読み切れない。


 ベルク ヴァイオリン協奏曲
Berg: Violin Concerto
チョン・キョンファ ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1983年
Kyung-Wha Chung
Georg Solti Chicago Symphony Orchestra

ベルクのヴァイオリン協奏曲は、「ある天使の思い出に」(Dem Andenken eine Engels)という副題がついている。ベルク、ヴェーベルンと聞くと、無調・12音階・ゲンダイオンガクと連想されて、晦渋で苦手である。耳が受け付けないので聴かないってことになってしまうのだが、このベルグのヴァイオリン協奏曲は、透き通る美しさが感じられる。凍り付くように冷たくもないし、わからないと言いつつ、何度か繰り返していると、まだ耳に馴染む方だと思う。しかし、精神性までは深すぎて、耳に慣れるか馴れないかという、恥ずかしいレベルだ。CDは数枚あるものの、本日、手に取ったのが、チョン・キョン・ファとショルティの組み合わせで、恐る恐る聴き始めたが、夢幻的な世界が広がっている。冒頭より、木管(クラリネットとアルト・サクソフォン)、ハープとヴァイオリンの分散和音的な響きで始まる。「どそれらられそ ど らみしふぁふぁしみら しふぁどふぁし どそれらられそ」
「みふぁどふぁしみ~ ふぁれらそそれふぁ~ ふぁ~ふぁ~み~」↑ 適当な音どりで、雰囲気だけ。で、副題にとらわれるようだが、羽根がついて、ふわふわ~飛翔していくような、とっても幻想的なフレーズが続く。不思議な音楽なのだ。テンポはゆったり~ 響きのなかで遊ぶ感覚に近い。激しくもなり、環境音楽的に聴いてみよう。BGMにというワケにはいかない。とにかく、旋律らしきモノは浮かぶがすぐに沈むし、伴奏のオケも楽器ごとに分散して音が鳴っているだけで、ソロのヴァイオリンにどう絡んでいるのやら。 リズムもあるようで無いような。ぶわぁぶわぁぶわぁ~っと最後にホルンが鳴って終わったという感じだった。(汗)
第2楽章、チューバ、トロンボーン、ホルンかな。が、「ど ふぁ れ~ど~」和音を形成しているらしき音 ← 日頃耳にする和音とは、違う。 わ~っと吹かれて、チャチャチャ ちゃ~っ。ドンっ!
小太鼓と大太鼓が鳴るぐらいで、あとは、また、ぼよよ~と チャララ~っと、ホルン等が鳴っている。ぶ~わっ ぶ~わっ という吹かれているなかを、勝手な感じで、ヴァイオリンの音が飛び交っている。で、 最後に近づいて、ティンパニーが鳴って、らっ パパン らっ パパンっ。メロディーラインが、線になって響かないので、口ずさめるわけでもないし、困った楽曲だと思う。ショルティ盤は、金管ブラスのシカゴ響でなくても良いぐらいだが、録音状態がすこぶる良いので、暖かみのある金管(アルト・サクソフォン)も、まろやかに響く。耳には、ビンビンには突きささらないが、とらえどころのムズカシイっ楽曲である。また、他の盤と比べてみよう。そのうちに、ワタシの耳は馴れてくれるだろうか?


ベルク ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」
1978年 パールマン 小澤征爾 ボストン交響楽団 G 未聴
1983年 チョン・キョンファ ショルティ シカゴ響 Dec ★★★
1984年 クレーメル C・デイヴィス バイエルン放送響 Ph ★★★★
1990年 ツィンマーマン ジェルメッティ シュトゥットガルト放送 EMI ★★★
1991年 ツェートマイアー ホリガー フィルハーモニア管 Tel ★★★★
1992年 ムター レヴァイン シカゴ交響楽団 G 未聴


 

YouTubeでの視聴

Violinkonzert "Dem Andenken eines Engels" (1935)
フランク・ペーター・ツィンマーマン - トピック
Provided to YouTube by Warner Classics
1 Andante - Allegretto https://www.youtube.com/watch?v=yT5tBycWbTw
2 Allegro - Adagio https://www.youtube.com/watch?v=8nUvgMr3d3w

Berg : Violin Concerto, 'To the Memory of an Angel'
トマス・ツェートマイアー - トピック
Thomas Zehetmair - Topic Provided to YouTube by Warner Classics International
本来2楽章だが、4つに区分されている。
https://www.youtube.com/watch?v=m9hMdiIL7dQ
https://www.youtube.com/watch?v=7g8_3dfSRBY
https://www.youtube.com/watch?v=laCv1U8PWYE
https://www.youtube.com/watch?v=yXcKPkVK8DQ

Berg: Violin Concerto "To the Memory of an Angel"
ギドン・クレーメル - トピック Gidon Kremer - Topic
Provided to YouTube by Universal Music Group
第1楽章 https://www.youtube.com/watch?v=5tW51KGQwvM
第2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=c1uAxdFplR0


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