「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ブラームス ピアノ協奏曲第2番
Brahms: Piano Concerto No.2


ブラームスのピアノ協奏曲第2番(変ロ長調 作品83)は、1881年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
ピアノ協奏曲第1番より、22年後の47歳頃、交響曲第2番やヴァイオリン協奏曲と同じ頃の作品で、2回目のイタリア旅行から帰国後に、一気に書き上げたと言われています。イタリアで受けた印象を基に書かれているためブラームスにしては 明るい基調で貫かれているとのこと。
楽曲構成上は、ピアノ・ソロが単独で自由に奏するカデンツァ的な部分がなく、ソリストの超絶技巧を派手に見せるものではないのですが、現実に要求する桁外れの難技巧は、ピアニスト泣かせだそうです。

通常、協奏曲は3楽章なのですが、この作品は交響曲のように4つの楽章で構成されています。
1楽章 変ロ長調、ソナタ形式
2楽章 (スケルツォ)、ニ短調、複合三部形式
3楽章 変ロ長調、複合三部形式
4楽章 変ロ長調、ロンド形式

スケルツォ楽章を備えた4楽章からなり、その性格から「ピアノ独奏を伴う交響曲」とも呼ばれるほどで、当時に書かれた協奏曲としては最も長い楽曲です。また、2楽章が、とても情熱的で、その存在は、ちょっと異例なのだそう。
スケルツォ入りの協奏曲としては、アンリ・リトルフの5曲の「交響的協奏曲」、フランツ・リストのピアノ協奏曲第1番という先例があります。
3楽章では、(ヴァイオリン協奏曲第2楽章のオーボエのように) 主題提示をピアノではなく、チェロ独奏が行うことなども通常のピアノ協奏曲とは異なっています。
約50分を要する長大で、ラフマニノフの第3番と並ぶ超難しいピアノ協奏曲として有名です。

 

バックハウス ベーム ウィーン・フィル 1967年
Wilhelm Backhaus Karl Böhm
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)



録音状態は、67年にしては良い。幾分擦れ気味、痩せ気味なのだが、演奏は上品で優美、かつ熱く、オチャメに楽章ごとにアプローチが違う。古き良き余裕のある、大きな演奏で、包まれるような愛情の籠もった暖かい演奏。器が違うわ・・・。と感動。
カップリング:ブラームス ピアノ協奏曲第1番、同2番
最近の市販されているCDは、モーツァルトP協27番とのカップリングである

1楽章
さすがに録音が古いので、ひなびた感じもするし、今風じゃないんだけど、ホントに優美なんだなあ。
ちょっと音が痩せているように思うが、それでも、67年にしたら録音は良いんだなあ。
それに、どこか、余裕があって、雰囲気に呑まれてしまった。冒頭のホルンは、さほど良い音じゃないのだ。
高らかに朗々と歌われず、こっそり〜吹かれているのだが、その後のピアノだって、パラパラ〜っと勢いよく弾かれた和音ではない。 ミケランジェロの彫刻のように、きっちりした綺麗さのポリーニ盤と比べたら、ハイ、完全におじいちゃんのピアノだと思う。
だって、やっぱ豪快さは無いし、ゆったり〜っと歌っている。
バックハウスさんのピアノって、がちっとしてて、強烈だと、 ゴンゴン、ガシガシと行くのかと思っていたのだが、意外と、しなやかさがある。 まっ オケも、ベーム、ウィーン・フィルだからかもしれないんだけど。しかし、驚くほど優美。エレガントっ。
で、反対のことを言うようなのだが、フレーズは流麗ではない。細切れ風で、歯切れ良く奏でている。
そのくせ、ホント、優美で上品なのである。
(なんでだろ〜 どうして、こう言う印象になるんだろ〜 良く解らないのである。謎なんだなぁ)

「どっ そっ ふぁ みれ み〜」 というフレーズが、ピアノも高い弦のフレーズも切れているんだが、低弦の響きが伸びていて、和音の響きとして、オルガンのように響く。 ほぉ〜 こんな風に細切れに奏でていても、低弦が響くと、和音の綺麗さは、意外にオルガン的に聞こえるなんて〜と、超驚いてしまった。
他のフレーズも、隙間だらけ的に聞こえるし、重厚さは感じないのだけど、暑苦しくならずに、1つ1つの和音の組み合わせが、お披露目されるような感じだ。
へえ〜 他の盤だと、重厚すぎて辟易しちゃうぐらいなので、和音が、次々と繰り出されて、 う〜ん。すごい。
もちろん演奏も良いんだけど、ブラームスの曲って、へえ。和音の繋がりなんだな〜っと再認識させられたのである。

音質は、枯れ気味。擦れ気味と言っても良いかもしれないが、高音域の弦は、艶もある。
驚くのは、フレーズの流れより、1つ1つの音が極めてクリアーであること。 というか、見通しが良いというか。
いたずらに、フレーズが流麗に流れていかないため、横の時間列より、縦の構成美を感じさせるというか、音が縦に並んでいるのが、解るというか。(あ〜っ うまく言えない・・・)  横の流れより、しっかり、音に縦に並んでいるというか。
串に刺されたお団子1本1本が、目の前を、順番に並んで、目の前を通過していく。という感じ。
(ワタシの言いたいことが伝わるかしらん。変な例えなんだけど〜 もちろん、団子1個が音です。)

2楽章
「みふぁ みふぁ そっしっみ しぃ〜 (み〜れど〜)」
「らっそ らっそ ふぁ ふぁそ し〜ら らし れ〜ど し〜ら そ〜ふぁ・・・」
この楽章は、バックハウスさんのピアノは、切ないくせに、迸る熱いモノを感じる。
まるで、初恋をしたみたいに、胸熱く、語ってくるのだ。 これだけ愛しているのに、あ〜解ってくれ〜とでも言いたげなほど。お爺ちゃんの演奏だと1楽章では感じてしまったのがウソみたいに。あらら〜 熱いやん。
タララ ラッタッタ・・・ タララ ラッタッタ・・・ オケともども、ピアノも熱いっ。
畳みかける勢いと、丁寧な和音のフレーズと、歌うフレーズと、う〜ん。これは、ロマンティックだ。
ポリーニさんの弾いた盤は、メチャクールで、冷え冷えとしていたのに、バックハウス、ベーム盤は、この楽章は、迸る情熱を感じさせてくれる。
これは、悶えちゃうなあ。もぇ〜っ。 ホント、この2楽章は、甘酸っぱい初恋の熱っぽさがある。

3楽章
チェロの甘いフレーズをサポートする弦楽が、う〜。これは、貴族的な、品の良い、ホントにクラシカルな優美さで、ころりん。やられる。
オケが、また品が良すぎるほど良いんだなあ。息づかいというか、間合いというか。
ピアノの呟きが、間合い良く、するり〜っと入り込まれて、心の隙を突かれるというか、ころり〜。
鷲づかみにするような、そんな下品なモノじゃ〜ないですねえ。
教養豊かな女性的が、エレガントに、緑豊かな庭園にてお茶をしている。という感じの演奏だ。
う〜ん。フランス映画でも見ている感じで、時間的にも、精神的にも、余裕を持って、いや。ドイツ映画でも、イギリス映画でもよいんですけどね。(笑)
古い録音のCDなんですよ。決して状態の良い録音ではないんだけど。しかし、これは侮れないなあ。
優美で、柔らかい雰囲気たっぷりで、絵画なのである。
ワタシがイメージしたのは、印象派モネの「日傘をさす女」ですねえ。子供ちゃんが左に描かれている絵なんですけどね。ベールをした白い女性が、柔らかい陽射しのなかで佇む。という構図。
いやいや、そんな具体的なイメージを描かなくてもよいですけど。
これは、ころり〜 やられました。

4楽章
この楽章は、オチャメに弾かれており、ちょっぴり擦れ気味の録音なのだが、オケの変拍子風にリズムが変わるなかで、陽気さと、翳りとを映し出してくる。
人柄なのかなあ。ベームさんとバックハウスさんの。暖かい人柄が滲み出てくるような、やっぱ。印象派の絵画のように、自由で、爽やかであり、伸びやかさを感じる。
他人にも、自分にも、押し付けない感情というか、聴いてて楽しいのだ。
オケの弦の引きずるようなフレーズが、オチャメで、じゃれているかのように聞こえて楽しい。
軽やかに飛ぶんだよねえ。ピアノが・・・。
う〜ん。バックハウスさんって、ガッツリ、堅牢な演奏をすると思いこんでいたワタシは、バカでした。

この前に聴いたポリーニ盤が、厳めしく、眉の間に縦じわを立てて、イライラと苦虫をつぶしたかのような雰囲気だったのに。バックハウス盤は、なんと〜 柔らかく、爽やかに、愛おしそうに演奏されているんだろう。えらい違いや。同じ曲とは思えないですねえ。 まったく、違うアプローチで・・・絶句。
このバックハウス、ベーム盤は、ワタシ的には、大拍手ですっ。
ブラームス 厳めしく、重厚な作風ばかりだ思い込んでいたんですけど。いや〜 なかなか。
バックハウスさんの演奏を聴いて、この曲、大好きになりました。★5つじゃー足りませんっ。追加したいぐらいデス。(笑)

エミール・ギレリス ヨッフム ベルリン・フィル 1972年
Emil Gilels  Eugen Jochum
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

う〜ん。どうだろ

録音状態はまずまず。ちょっと淡々としてて、堂々としすぎてて〜 もう少し歌っていただければ嬉しかったかも。カップリング:ブラームス ピアノ協奏曲第1番、2番 2枚組BOX
2番には、ヨッフム指揮のコンセルトヘボウとのライブ盤 (73年)もある。
1楽章
冒頭、有名な美しい旋律でホルンとピアノがデュエットする。
「どぉ〜れ〜み〜 ふぁみれ みそぉ〜  どぉ〜そ〜ふぁ〜みれど れぇ〜」
録音は72年で古いのだが、しっかりリマスタリングされているので、少し細身になって、多少艶が抜けてはいるが、美しい音色である。昔っからの、名盤として有名な盤で、改めて聴いたけれど、美しさと怖いぐらいのしっかりとしたタッチ、 そう。鋼鉄のピアニストというニックネームのとおりだと、再認識させられた。
しかし、1番とちがって、どことなく柔らかく、テンポもゆったりしている。
「どれみ ふぁみれ みそぉ どそふぁ どそふぁ ふぁ〜 どれぇ〜 れみぃ〜 ・・・」と、畳みかけておいて、すっと音が抜けていく。
しかし、ピアノが、突き刺すように音を立てて行くところは、やっぱ、オケも一緒になって迫力がある。
「どっれみ どっれみ どれみっ そぉ どっそっ どっそっ・・・」

で、叙情性のあるフレーズにさしかかあると、絶妙に力が抜けて、風がそよぐように歌う。
この力の抜け加減というか、さらっと流れていくところも、風情があって〜
相反する要素が、矛盾なく同居している様が、ホント、すごいな〜っと思う。
ちょっと、ゆったりしすぎて、今のようなスピード感がないので、ふわっとしすぎ、遅い。緊張感が途切れる。と感じる場面もなきにしもあらずだ。オケも、低音のごごぉ〜という響きと共に、強いピアノも随所に聴けて、なかなかに分厚い響きが屹立するものの、 どこか陽炎的で。う〜ん。どうしてだろう。

2楽章
「みふぁみふぁ そしみ しぃ〜(みぃ〜れど) らそぉ〜 らそぉ〜 ふぁ ふぁそ しぃ〜ら らし れぇ〜ど しぃ〜らそっ」
オケの音は、すこしくぐもってしまっているのだが、高音のピアノの音が力強い。
「みふぁみふぁ そっしみ しぃ〜 らそぉ〜 らそぉ〜ふぁ ふぁそしぃ〜ら らし れぇ〜ど しぃ〜 ら そぉふぁ〜 そっらぁ みみ れれっ どれみっ・・・」
大づかみで階段を上っていくような、力強さのなかに、しなやかさがある。
このシンプルなフレーズのなかでの体重移動が、ホントしなやかだな〜って感じるのだ。音が、ぶつぎり、細切りにされていないし、次に叩かれる音が、自然に予測できるような雰囲気を持っている。
とても不思議な空気感があって、粒の立った、小さなツブツブがはじけている〜というよりも、連なっている。
ワタシは、もっと、鋼鉄の〜という形容詞なので、もっと、ハンマーで叩くみたいに押し込み型なのかと思っていたのだが、この楽曲、このフレーズごとには、確かに身のこなしが違う。(↑ 当たり前と言えばアタリマエなのかも)

しかし、オケの音は、音質が、どこか剥がれてしまっているというか、そがれてしまっているようで、かすっとしているので、ちょっともったいないかも。この可愛くて怖い情熱的な、スケルツォの楽章は、なんだか難しい。
いろんな盤を聴いてても、演奏家それぞれ、顕著に個性が出てくる楽章のような気がする。
ブラームスって、なかなかに晦渋なので、一度や二度聴いたぐらいでは・・・ もちろん、歯が立たないんですけどね。

3楽章
この楽章は、チェロが活躍しており、ホント、ピアノ協奏曲であることを一瞬忘れそうになる。
星空を見上げているかのような煌めきや、物思いに耽っているかのようなムードが醸し出される。これも、演奏家それぞれに雰囲気が異なっているのだが、ギレリス盤では、感傷的なイメージがない。
結構、淡々と弾かれており、音が、ふんわり浮くようなところ、硬く押されているところもなく、音の持つ空気感が、オケを取り巻く空気感が、少しそがれているのかもしれない。あまり、リアルではないような〜 気がするのだ。
静寂に包まれている、音のない音の世界の、レアな空気感が薄い。
甘みの感じられる楽章だが、陶酔とは、ほど遠く、さほど甘さがなく。濃厚でもなく、さっぱりしすぎて〜 ちょっと楽しさ、おもしろさが少ないかも。で、う〜ん ワタシ的には、ちょっと緊張感が途切れてしまった。
もっとチェロも歌って欲しい。そう思う。

4楽章
「らっら そっそ らぁ〜ふぁれ〜ど しっしっ どっどっ み〜れ どれふぁそ」
「らっら そっそ らぁ〜らしどみ みっみ そっそ み〜」
冒頭のフレーズは、可愛くなってはいる。音の響きが活き活きしてきて、ようやくオケもレアな音になって蘇っている。
ゆらゆら〜する主題に入ると、、木管の音色やホルンの色彩感が織り込まれて、雰囲気が変わり、移ろいやすい心情が発露してくるのだが、どこか、怪しげな風でもなく、そのまま淡々と進んでしまう。
あのぉ〜 もう少しぐらい、よろめいていただけないでしょうか・・・ と言いたくなっちゃうのだが、我関せず・・・

ブラームスって、どこか、ジクジクとメメしい。
と、ワタシだけが、思い込んでいるだけかもしれないが、その、うねっ〜としたところが、良かったりする。
しかし、この2番は、いつものブラームスとは違ってて〜 どこか青空のもと、ノビをしたくなるような、明るさや晴れやかさがあって、澄み切った空気感を持っており、朗々と歌い、おちゃめに、チャーミングなところがあってほしい楽曲だと思う。
だが、このギレリス盤を聴くと、なんだか、淡々としすぎてて〜 楽しさをあまり感じない。1楽章は良かったのだけどなあ。
楽章が進むにつれ、さっぱりしすぎた、情感の少ない、おもしろみの抜けた演奏のように感じてしまった。
う〜ん。なぜなんだろう〜 
ようやく、ワタシが、ブラームスの奥深さが解ってきたってことかしらん?

アシュケナージ ハイティンク ウィーン・フィル 1982年
Vladimir Ashkenazy Bernard Haitink
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

録音状態は、まずまず。柔らかい、ゆったりとしたブラームスで味付けは濃厚。とろける歌声と煌めき度も高いが、クネクネした女性がすり寄って迫ってきて、完全ノックアウト。

1楽章
冒頭、美しいホルンが奏でられている。「どぉ〜れぇ〜みぃ ふぁみれ みそぉ〜」(ふぁみれ み〜そ)
う〜ん。この冒頭で、優美で、柔らかい音色に接して、なんて凄いんだ〜っ。のけぞりそうになって、ノックアウトになる。柔らかく、まろやかな慈悲深い音色って言えば良いだろうか。
このホルンで、あーーっ。と絶句してしまうのだ。
硬めの引き締まったタイトな演奏とは、このアシュケナージ盤は無縁って言ってよいかも。
「どっれみ〜ふぁみれ みそ どぉっそ〜ふぁ〜(みれど) どぉっそ〜ふぁ〜(みれど)」 というフレーズでは、さすがにティンパニーが入ってくるので、硬めには鳴っているのだが。
ウィーン・フィルならではの、弦の艶やかな音が、ふわっと入ってくるので、これまた、引きこまれてしまう。

ピアノのタッチが、幾分硬めが好きな方には、えっ。なんてヤワな〜っと思われるかもしれないが・・・。
違ったアプローチのブラームスで、これはこれで、低音は柔らかくも重厚感があるので、良いかもしれないと思う。
テンポは、ゆったりである。優美さと重厚さを持ち合わせ、質感的には、厚めのカーペット、タペストリー的な感じがする。凹凸のはっきりした演奏ではなく、フレーズは柔らかく、くどさを感じさせない程度に、優美で、耽溺型、ちょっぴり退廃的な香りも漂う、 ロマン派を意識したモノとなっている。
ピアノの色彩感は、煌びやかさで、渋いブラームスというよりは、煌びやかさが勝っているかなあ。
特に、高音域で、「れ〜しっれっ れ〜しっれっ」っと、オケをバックに弾んだところが、なんとも可愛く、お星様が輝いてます。的に鳴っている。

いやいや、ホント、ごっつい、硬い厚みのあるブラームスというより、女性向きなのだが〜(笑) わらっちゃ〜いるが、笑えないほど、優美なのだ。
「そらし〜 れどし〜 らそふぁっ。」っと、ご〜ぉっ・・・と、悲劇的なフレーズが入っていくのだが、いやいやまったくもって美しすぎる。悲劇を弄んじゃーいかんよ。と言いつつも、身をよじらせて喜んでしまうような、文学的演奏なのだ。
和風に例えてしまうと、はんなりした〜粋な演奏ってことだろうか。ちょっと舞妓さんのお化粧の香りがするって感じの美しさですけどね。歌舞伎で言うと女形っぽい。
ワタシは女性なのだが、う〜ん。ワタシ的には、硬めが好きで〜 ホントは、ちょっと好みではないんですけどね。ガツンと行ってくれって思うところもあるんだわなあ。結構、スケールはデカイです。
ただ、アプローチの違いでは済ませない好みもあるので〜 なんとも言えないけど。
「どっれみ ふぁみれ みっそ〜」というフレーズが主になってて、やっぱり、このフレーズが命ってことになるだろうし、この印象が最後まで残るので・・・。
確かに、ここは、ガツン、がっつりと弾いている感じは受けるのだが、それにオケの厚みも感じるんだけど、総体的には、やっぱ〜柔らかいってことになる印象になっちゃうかなあ・・・。やっぱり、う〜ん。難しい。

2楽章
「みふぁみふぁ そっしみ〜 し〜(み〜れど) らそっ らそっ ふぁそ し〜ら らし れ〜ど」
力強く、それでも優美な香りのする楽章で、女性的な悲劇っぽい演奏になっている。
ワタシにとって、ブラームスって、無骨なオジチャンだと思っていたら、なーんか、おカマっぽいな〜って、よくワカンナイ人なのだが。アシュケナージさんの、この盤の演奏は、かなり女性的である。
オケの方も、ティンパニーと低弦の力強さは感じられるのだが、高音の弦は、やっぱ〜ひぇ〜っとするほど、女性的だ。
オケの力強さが感じられるのは、低音が入ってくるところだけで〜
総体的には、やっぱ〜かなり、なよなよっとしてて、フレーズによっては、ううっ。と呻きたくなってしまうほどの歌心があり、よよよっ。と、泣き伏したくなるほどになってしまう。
色彩的には、きらっとしているし、優美だが、それだけに悲劇的で、喜んで身を滅ぼしてしまうような、ちょっと倒錯的な匂いがする。(うっ アブナイ 笑)  まあ、素っ気ない演奏のCDを聴いているよりは、ずーっと面白いのだけど、この演奏をずーっと聴いていると、結構、疲れてしまうかも。濃厚なお酒を頂いているような、濃厚な映画を見ているみたいです。

3楽章
既に、2楽章で充分なんだけどなあ。と思いつつも、お口直し的な楽章で〜 3楽章は、室内楽的なチェロが入っていて〜 さっぱりとした薄口の音楽に替わる。
さすがにブラームス。構成が、よくおわかりなのだ。
しかし、アシュケナージ盤は、これ、またまた、とろけるような演奏で、これがアシュケナージ盤での真骨頂なんですけど。まー ホント、これでは、カラダも心も、もたないですねえ。
胸が詰まるような、ぐぐっとくるフレーズで、テンポは遅めで、これでもか〜っと言うぐらいに迫ってくるんです。
ワタシが、好きではないのぉ〜っ 好きなら好きと言って〜と、何度も、迫ってくる女性に追い立てられ、おもわず、えっ。と引いてしまうような感じなのだ。(あーっ くどい。)
あんたのデリケートさは解るんだけどなあ。ちょっと、その行動は、ヒツコイよなあ。
アシュケナージさんのピアノは、煌めきがあり、確かに美しい。暖かみがあり、穏和だ。 ポリーニさんのようなクールさが、なんだか懐かしくなるような、とろとろの、とろける濃厚な味わいで、どっぷり、耽溺型である。
そのとろとろ感は、静謐さとは違ってて、温かみのある、すり寄ってくるような猫のような感じだ。
ワタシ的には、もはや3楽章で、息も絶え絶え〜 悶絶しちゃうような演奏なのだが、これは好みの問題で、気質的には、ダメ〜 まあしかし、悶えたい人は悶えられ、完全に昇天できると思うので、行っちゃってください。

4楽章
なんとも可愛い女性に変貌してて〜 これじゃー。少女じゃん。と思うようなピアノが入ってくる。
「らっら そっそ ら〜ふぁれ〜ど しっしっどど み〜れ」
「らっら そっそ ら〜そ らしど みっみ そっそ み〜」という冒頭のフレーズは、ハイ、メチャ可愛い。
ロリコン趣味に変わったのか。と思うほどの変貌ぶり。
ただし、オケが入ってきて、「ふぁみ〜ふぁ ら〜し み〜ど し〜らぁ」と奏でられると、またまた悩殺フレー得に変わる。なんだか、ホルンが鳴ると、本能的に、クネクネ〜してしまうのである。
これは、ハイティンクさんの振っているオケなんだけどなあ。信じられないよなあ。思わず、ハイティンクさんの風采を思い出して、ぷっ。と吹き出してしまう。
アシュケナージさんに手玉に取られた、おっちゃん。という感じがするが〜 実のところ、このCDを収録した時、どうだったんでしょうねえ。

まあ、多彩なアシュケナージさんのピアノで、この4楽章は圧巻だと思う。ホント、色彩的にも豊かだし、変わり身の速さ、煌めき度、くねくね感、女性心を充分に分かり切った女形みたいなモノで、 カラダに染みついているような、表情の豊かさである。アッケにとられてしまうほど、フレーズそれぞれが表情が豊かで、濃厚で、聴いているこっちのほうが、翻弄されてしまう。 これは、参りました〜 ハイ、ヘトヘトです。ギブアップ。

ワタシ的には、バックハウスさんの硬くて不器用な、無骨さの感じる情熱的な演奏が好きだが、この濃厚な浪漫派としか、表現のしようのないアプローチは、かなり個性的な存在である。 
昨今の演奏家は、シンプルに弾くとは思うが、なんだか、素っ気ない演奏だなあ。ちょっとは、色目を使ってくれ〜と言いたくなる演奏もあるし〜 ホント困りものの楽曲なのである。
う〜ん。それにつけても、このアシュケナージ盤を、時代めかした古風な演奏だと片隅に追いやるのは、ちょっとモッタイナイかも。まあ、もっとも、ちょっと時間を空けないと・・・ 濃厚すぎて、何度も繰り返しては聴けませんけどね。
もっと、中庸的な存在の演奏CDはないのかなあ。
なんだか、このブラームスのピアノコンチェルト2番は、とっても扱いにくい女性が多い。はあ〜っ。(溜息)

 

ツィマーマン バーンスタイン ウィーン・フィル 1984年
Krystian Zimerman  Leonard Bernstein
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

倒れました。

録音状態は、ライブ盤のためか平板で、 音質に艶もなく、潤い感がない。
ピアノは、若い演奏家の、とげとげしさが、そのまま出ている。ツンツンしてて躁鬱のように落差を繰り返し、最後、ようやく開放されると思ったのだが、、開放されず。
う〜ん。そのまま楽曲を表出した演奏だとは思うが・・・。

1楽章
冒頭、ホルンが出てくる。
「どぉ〜れぇ〜みぃ〜 ふぁみれ みぃ〜そぉ〜〜」
「どぉ〜そぉ〜ふぁ〜 みれど れぇ〜」
「どぉふぁ〜そみれ〜みどし〜られぇ〜」
ブラームスのピアノ協奏曲は、やっぱ暑苦しい。やっぱ重厚で、とろり〜感があり、なんとも、まどろっこしい逡巡するような、ハッキリしない性格が表出してくる。
ライブ盤なので、ホルンのフレーズも、さほど美しくはないのだが、これに続くピアノは、カッシリと弾かれてて硬いっ。オケの方が奥に霞みがちで、ピアノは前にオンマイク的。
でも、ライブで、この楽曲だと仕方ないかな〜って思う。音質は、イマイチ良いとは言いがたいけれど、それでも84年、ツィマーマンさんの若い時の熱さが、思いっきり表れてくる。

ピアノは、ツンとした輝きがあって、硬質的。
硬い低音のピアノの響きが、思考的というか、思索型に聞こえるが、オケは、思いっきり感情が露出してて〜 うふふっ。
ピノノは理性的だが、オケは感情的で〜という感じに聞こえちゃって、なにやら面白く感じてしまったが、いやいや、フレーズによっては、そうとは限らない。
ピアノもオケも、双方共に交互に逡巡して、オツムとカラダがバラバラになりつつ、深く悩める感じがする。
ラフマニノフのように、カラダイッパイに感情を表出してくる楽曲とは違って、哲学的っぽいけれど、でも〜
そうは行かないところが、面白いところ。
うつむきがちに、深く悩む思索型だが、ごっつくて、4楽章まであるという長大な楽曲なので、聴いている方は、あー 疲れる。1楽章で、もう充分っ。

2楽章
これまた、厚ぼったい出だし。
「みふぁみふぁ そっしみ〜 し〜(み〜れど) らそっ らそっ ふぁそ し〜ら らし れ〜ど」
へっ 1楽章が終わったというのに、あっ そうか、このフレーズが2楽章の出だしだったか。
はぁ〜 まるで違う曲が始まったかのようで〜 それにしてもピアノは硬くて挑戦的。
オケは完全に添え物的に、悲劇的なフレーズで泣き節なのだが、あまり、主張してこない。
ピアノが、「どれどれ み そ し み  どれどれ みそし み〜 どれどれ・・・」と、シツコイ。
沈む 沈む 沈む〜 と思ったら、また硬めの、「みしら〜ふぁ みしら〜れ どしら〜れ どそふぁ〜」
と、挑戦的に弾かれてくる。若様が、お怒りじゃー って感じだ。
部屋に籠もって、ブツブツ 呟き、呟き、呟き〜 と思ったら、突然ドアが開いて、凄い形相で、走って出て行っちゃった〜って感じの、突き進む、直情的な感情が露出してくる。
どひゃー 感情をむき出しになって、ものすごい形相で、怒りまくったような顔で迫ってくる。
喧嘩を売ってくるみたいに、ツンツン、とんがった感じだ。
はぁ。やっぱ、ツィマーマンさんも、若い時の演奏だからか、この2楽章は、さすがに、感情の刺々しいところが、荒々しく演奏されており、躁鬱状態のように、落差が大きく演奏されている。
ふぅ〜 これは、聴いてて疲れる。
社会生活していると、これだけ、激しい性格の方は、はあ。扱いに疲れます。悶々としているかと思えば、唐突にハリネズミのように迫ってくるようで〜  おいおい、そろそろ、丸くなってくれ〜 感情は、カムフラージュしてくれ〜
(単に、ワタシが年を食っちゃっただけなのだろうが そんな台詞を吐きたくなる)
うっっー この前2楽章だけで、もうギブアップだ。はぁ〜ご勘弁を。

3楽章
「みぃ〜れ ふぁ〜み れぇ〜ど しぃ〜ら そぉ〜ど し〜ら れぇ〜 みどぉ〜 しら〜し そぉ〜」
というチェロのフレーズで始まる。
はあ。ひといき着けそうだが、それでも、息の長い、とめどもなく長いフレーズである。
しかし、あまり美しい、感情移入したフレーズとしては鳴ってこない。 もっと、雰囲気のある、ふわっとしたした感じだったら良いのに、結構、そっけない。 奥行き感の少ない、ペタンとしたオケだ。
ひとしきりチェロと、オケが喋ってしまうと、ピアノが出てくる。
「ど そ ふぁ み どらそ み れっ どっ」「らそふぁどしら ふぁっ みっ れっ」
硬質で、キラっとした、綺麗なフレーズで出てくるのかと思ったのだが、意外と、音の響きが少なめで、広がり感に乏しい。
とろみ感があるようで無いし、上に向かって嘆くかと思えば、悲劇っぽく演出くるわけでもなく、さほど、泣き節的にも感じない。ガツンっと叩きつけるわけでも、胸が詰まるような、ぐぐっとくるフレーズにもならず。
ピアノは、意外と客観的だ。直ぐに、荒々しいとんがった感情を剥き出し、挑戦的ですらある。
う〜ん。ワタシの感性が鈍ってしまったのかなあ。
音の広がり感が少ないことが、もしかしたら、思いが昇華していかない。
夢のなかのような、まどろみ感や、頭のなかの想念、ふわーっとロマンチックに、膨らんでいくようには感じないのかもしれないですねえ。フレーズはロマンチックなのに、さほど、膨らまないのだ。
平板で、幾分、素っ気なさを感じてしまう。

4楽章
ようやく、最終楽章で、可愛く変貌してくれる・・・ 筈なのだが・・・
「らっら そっそ ら〜ふぁれ〜ど しっしっどど み〜れ」
「らっら そっそ ら〜そ らしど みっみ そっそ み〜」
あらま。あまり弾んではなくれないのだ。ようやく開放感に浸れるかと思ったのに、さほど変化せず。
ブラームスお決まりパターン? ではないのかぁ。
綺麗な可愛いフレーズなんですよ。ふわっとした感覚、可愛げのある様相に少女のように振る舞ってくれるかと期待した分、なーんだか裏切られたような感じだ。
オケの方も、さほど、木管が可愛く鳴ってくれるわけでも、弦のフレーズも、えっ 意外と紋切り調。
さほど表情が豊かではないし、豊穣感や芳醇さが少ないし、ピアノも硬くて、いかつくて〜
オケも、ウィーン・フィルとは、あまり思えないです。最後で疲れたのかしらん。
「しらぁ〜し みらぁ〜そ ふぁ〜」と揺れるフレーズも、硬いっ。
まるで、カラダが硬直したかのようで、楽しさも少ない。
音質に艶がなく、少女のようなロマンも、初々しい青春時代も飛び越えて、白髪のオバサンに変化したかのようで、カスカスして、脂が抜けきったかのようで、う〜ん。 総体的には、結構、再販されて、ずーっと人気のある盤だとは思うのだが、う〜ん。 ワタシが聴いた感じでは、う〜ん。こりゃ疲れてダメですねえ。 最後、もう少し開放感があって、ルンルンに演奏してくれないと、長大で、躁鬱傾向のある、疲れる楽曲を聴き通した〜という我慢がねえ。報われない。 最後まで、我慢したかいがないデス。

カツァリス インバル フィルハーモニア管弦楽団 1989年
Cyprien Katsaris  Eliahu Inbal
Philharmonia Orchestra

ほぉ〜良いヤン


録音状態はまずまず。多少低音が籠もり気味だが、ピアノの繊細さは充分に伝わってくる。また、繊細なのだが、濃厚さもあり、熱っぽさも感じられる。
第1楽章
ホルンの柔らかいフレーズが聞こえて、ピアノがするっと入ってくる。品の良い安定したフレージングで、とても繊細だ。
ピアノも、やっぱり巧いっ。長大な協奏曲なのに、冒頭で、ピアノのソロの部分で鷲づかみにされてしまう。
ちょっとオケの低音部の音が籠もり気味だが、弦にキレ味はあるし、ホルンは巧いし、木管のフレーズは、しっかり輪郭線を描いていく。この1楽章は、どうしても音量の多いオケに耳が行くので、派手に鳴るオケに負けないように、ピアノは頑張らないとイケナイところだ。シンフォニックに響くし、オケのフレーズに聴き所が多い。特に、ホルンの音色には、釘付けになっちゃうし〜 大きく鳴らしてしまうことになるので ピアノが、ちょっぴり埋もれそうな感じなのだ。

でも、カツァリスさんのピアノは、頑張ってます。
ピアノの音量は、確かにオケに比べると勝負にならないんですが、繊細なアルペジオなんかは、しっかり聞こえてくるし、完全に埋没するのではない〜 そこは、ちゃんと隙間を空けてある。
やっぱり、聴けば聴くほど、カツァリスさんのピアノは、柔らかいのだけど、芯がしっかりしてると思う。まるで磨きあげられたような純米酒行きのお米の粒みたいだ。
また、バンバン、ガツンガツン、カツンっと指がキーに当たった感のするものではなく、そのまま硬いって悲鳴をあげるような、硬質感のある音質ではない。
う〜ん カツァリスさんのピアノの音は、巧く表現できないが、あえて言うなら、木質的なのかもしれない。この曲を聴いててふと、そう思った。
また、適度に歌ってくれるし、強弱も大きく、表情づけは、ちょっぴりロマン派の要素を含めんで濃いめ。
ラストは、負けてないよぉ〜っ、と、ごろごろ〜となっているオケに負けず、強い打音が聞こえてくる。

2楽章
熱いっ  「みふぁ みふぁ そっしっみ そぉ〜 (み〜れど〜)」
「らっそ らっそ ふぁ ふぁそ し〜ら らし れ〜ど し〜ら そ〜ふぁ・・・」
この冒頭から、他盤でも、同じように熱くなって、胸を焦がすかのような主題が奏でられていくが、カツァリス盤は、綺麗に弾んでおり、のびやかさが感じられる。
オケの方は、どちらかと言えば、ちょっと暗めで、ねばっこい感じがするのだが、そのうちに、オケが大音量化していき、スケールを大きくしていく。荘厳な和音を奏でてオケは消えていくが、ピアノが残って、ロマンティックに歌う。
でもなあ、どこか、オケが悲痛な高音域への弦があり、ヒステリックなおばさんの声のようになっているのだ。うぐっ。
熱くなっていくのはいいのだが、そんな金切り声風にならないで、もう少しは、繊細であってほしい・・・。

3楽章
チェロの旋律から始まる楽章で、ここは、カツァリスさんの腕の見せどころ、白眉的な楽章だ。
美しい旋律美が見えてくるが、ゆったりとした息づかいで、かなりロマンティックに、ためをつくってフレージングされていく。
さほど流麗ではないけれど、オケがいないため、重々しさが幾分減った感じで、中間部分では、夢見るゆめこサン風のフレーズが絡んでくる。
ここで、チェロが再度登場し、デュオのように、室内楽のように歌い始める。
いやー これ、ブラームス47歳の時の作品なのですよねえ〜と、ちょっと信じられないほどだが、このあたりのピアノは、さすが・・・。淡い音色で、チェロと絡んでいく。
透明度の高い、高潔な感じではなく、キュートというか、青春時代のまっただなかという、幾分若く、チャーミングさを持っているような感じ。決して、素っ気ない、今風の演奏とは違う。ゆったり、まったり〜。
でも、ちょっぴり若さを感じる、恥じらいと、ウツぽさも持ち合わせてて・・・(これって、もしかしたらオケの影響だろうか)ちょっぴり時代がかっているかもしれない。

4楽章
ここは、ホントに明るくて、チャーミングな女性が登場してくるような、華やぎもある楽章だ。
しかし、そこはブラームス。
ちょっと渋めの秋色が漂ってくるのだが、カツァリス盤で聴くと、秋色と言うよりは、春めいている感じがする。
「ふぁみ〜ふぁ ら〜し み〜ど し〜らぁ」と奏でられて、悩殺される盤もあったが〜 アシュケナージ盤と比べると、溶解しておらず、そこまで、とろけていない。
しっかりと、繊細なピアノは健在であり、しっかりとした佇まいを保っている。
表現は濃厚だが、厚化粧ではないし、汗でドロドロになっているわけでもなく、涼しげにポーカーフェイスっぽい雰囲気だ。
でも、決して、素っ気ないわけではない。適度に甘さがあり、また、素顔に近い素直さがある。(なんだか、いつもだと、ひねりまくり〜)
オケの方が、もう少し洗練されてて欲しいかったかもしれない。録音は、低音部が、少し籠もり気味かもしれない。
ヌケの良い、奥行き感たっぷり感のある演奏ではないが、まずまず。
弦にぴたりと焦点があたっているようで、ヴァイオリンの音は良く聞こえる。
あっ もちろん、ピアノの音が場面に寄って異なり、多彩で繊細な表現がなされている。その表現の豊かさが、とても楽しい1枚である。

ポリーニ アバド ベルリン・フィル 1995年
Maurizio Pollini Claudio Abbado
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)



録音状態は、ライブ盤のためか籠もりがちで、クリアーさに欠けている。楽章によっては八頭身のスマートな男だが、別の楽章では気怠く。う〜ん。難しい曲である。
総体的には、硬質なピアノが前に出て、バックのオケは流麗であるのだが、いかんせん、録音状態がなあ〜 イマイチなのだ。

1楽章
冒頭、美しいホルンの音色から始まり、それに寄り添うようにピアノが分散和音を奏でる。
「どぉ〜れぇ〜みぃ ふぁみれ みそぉ〜」(ふぁみれ み〜そ) 
「どぉ〜そ〜 ふぁ〜みれど れ〜そ〜」 (みれど れ〜そ)
木管が、「ふぁ〜そみれ〜みど しられ〜 み ふぁ〜それ ど〜しら〜」

う〜ん、とっても綺麗で、ホルンのふわ〜っとしたニクイほど美しいフレーズで、一気に引きこまれてしまう。ブルックナーのような、ぼんやりした雰囲気ではなく、ほどよい、ふわっとした空気感なのだ。
そこに、クリアーな響きのピアノが絡むなんて〜 う〜ん。やられてしまう。
で、ポリーニさんのピアノって、やっぱ八頭身美人で、いや、ミケランジェロ風彫刻のように、綺麗なのである。
「どっれみ〜ふぁみれ みそ どぉっそ〜ふぁ〜(みれど) どぉっそ〜ふぁ〜(みれど)」
畳みかける和音の重厚な響き。単に重くならないところが凄い。
ペダリングは、短めなのだけど、豪快だなあ。そのくせ、のびやかで、しなやかで〜快活。
重厚なのだが、重々しくならず、う〜 カンタービレ風。
あっ そうかあ。イタリア人なんだ。ポリーニさん、アバドさん2人とも・・・。

ゆったりしているが、メッチャ重厚な和音を、心地良い響きとして、オケが雄大に奏でている。
ライブ盤なので、かならずしも録音状態は良いとは言いがたいのだけど、ブラームスの渋くて、厚みのある恰幅のよい音が、かっしりとした堅牢さを感じさせつつ、ピアノは、硬めの硬質な響き、オケのフレーズは、のびやか。という異なる性質を 、ホント、良い意味でマッチングしてて、弦なんて、やっぱり艶のある柔軟なフレーズとなっているのである。
渋いだけではなく、難しいダイナミックな楽曲を、しっかり構築していく。
なんだか、気持ちのよい、フィット感。タイト感かなあ。ブラームスの独特の和音が綺麗に響いているし、柔らかい和音の良い響きに、幾分冷たい、気持ちの良いヒンヤリしたピアノの音色が、変に混じらず、乗っかってくる。
オケとピアノとのバランスが、とっても難しそうなんだけどなあ。
ポリーニさんのピアノは、オケに呑み込まれず、オケのなかの1つのパーツとして、確実に存在している。

2楽章
「みふぁ みふぁ そっしっみ そぉ〜 (み〜れど〜)
「らっそ らっそ ふぁ ふぁそ し〜ら らし れ〜ど し〜ら そ〜ふぁ・・・」ダイナミックな硬いフレーズで、切迫感を持たせて間髪入れず一気にフレーズが流れてくる。
どれどれ みそしみ どれどれ みそしみ・・・ 同じフレーズを続けてくるのだが、やっぱり、切ないような切迫感が感じられる。
スケルツォとされているが、ピアノは、止めどもなく流れ出てしまうような寂寥感というか、硬い。強ばった表情になっている。 オケが、客観的に描写して、低弦の音でピアノを支えているけれど、冷たい風が、ひゅぅ〜っと吹き込んでくるような音が出ている。
1楽章は快活なイタリア風だったのに、えっ これじゃー まるでシベリア送りじゃん。
録音状態は、あまり芳しくないのでオケの響きが、イマイチとらえきれないところが残念だけど。
ティンパニーが入ってきたら、まるで氷の世界だ。
「そらそら しっみそっし〜ーそらそら しっみっそし〜 そらそらし そらそらしっ」 
かと思ったら、一気にバロック風のフレーズに変わって、弦が転調しちゃう。う〜ん。不可思議な楽章である。ピアノの細かい難しそうなフレーズが入ってて、氷の結晶のように奏でられる。
でも、また甘いフレーズになってくるし。う〜ん。一筋縄ではいかない。
複雑なフレーズが細かに組み合わさって、低弦の重厚な響きと、氷の結晶のようなピアノ。
主題が戻ってきた時には、う〜 とどめを刺された気分になってしまう。ポリーニさんのピアノは、結晶の煌めきはあるが硬め。オケの高音域の硬いキツメの音。
情熱的とは感じるが、どうも、この畳みかける絶望の淵に立たされているような、心理的にキツイ楽章になっている。

3楽章
ハイ、あまいチェロのフレーズに変わりまして、歌曲「わが眼差しはますます浅く」に使ったと言われているフレーズが流れてくる。この楽章は、緩楽章 アンダンテで、枯れ葉が舞うような秋の風景だ。
しんみり〜 情緒的で、チェロと木管が絡み、室内楽風の穏やかなフレーズとなっている。
う〜ん。じゃ、前の楽章は、いったい何だったんだ? オセンチになりそうな、交響曲3番より、もっと、切ないっ。(泣)
また、この楽章は、チェロが大活躍しているので、ピアノ協奏曲であることを一瞬忘れそうになるが、物思いに耽っているかのような、幻想的なフレーズが入ってくる。
「どそふぁみ どらそみ れ ど  どらそふぁ どらそふぁ み れ」
「そぉ〜 そふぁらそ ふぁみれふぁみ れしど・・・」
ポリーニ盤では、呟きも巧い。間合いが、夢見るムードに包まれるが、甘ったるくなく、男の浪漫のような、どことなく切ない。 完全、すっかり耽溺型とは言わないけれど、緊張感はあるものの、まるでマーラーのアダージョのように自己陶酔できるような、みごとに倦怠ムードが入っている。 ふ〜む。ポリーニ、アバド盤で、倦怠感とは・・・。
オケの奥で、低弦が凡庸に響い、ぼわ〜っとしているため、密度の高い演奏とは言いがたい。
ピアノは前にあるが、オケの低い音が籠もりがちなので、ちょっと惜しいなあ。と思う。
う〜ん 前2楽章とは別人のような演奏だが、完全に浪漫でも、世紀末的でもなく、ちょいと中途半端な感じが否めない。

4楽章
「らっら そっそ ら〜 しっし らっら し〜」
最終楽章になって、ようやく明るめのフレーズが戻ってきたのだが、4楽章もある協奏曲なんてー
木管と弦が絡むシーンが多いが、幾分明るめだと言っても、底抜けないんだよねえ。
暗さを引きずって、弦とピアノ、木管と弦の二重奏的なフレーズとなっている。
「ふぁみ〜ふぁ ら〜し  れ〜ど〜 し〜ら〜」
無理して陽気に振る舞っているような、心の翳りが見えちゃう。もっと明るく色彩的でも良いような気がするが、ため息をついて、眉に立てジワの入っているかのような。
可愛く振る舞っていく楽章だと思うんですけどねえ。あまり軽やかにはなってくれない。
まっ いずれにしても、ピアノ協奏曲だったけ? と首を捻りそうになりながらも、オケのフレーズが、いつまでも耳の奥に残る。
ポリーニさんの2回目の録音だが〜 長大な曲で、協奏曲というより交響曲っぽいので録音状態はイマイチ、ヌケが宜しくないというのは、大いに損しちゃいますね。 それに硬いっす。

エマニュエル・アックス ハイティンク ボストン交響楽団 1997年
Emanuel Ax   Bernard Haitink
Boston Symphony Orchestra



録音状態は、まずまずだが、ちょっとマイクが遠いか。ボリュームをあげて聴きたい。繊細なのだが、ちょっと硬めでノビが足らず、色気がない気がする。
カップリング:ブラームス ピアノ協奏曲第2番、チェロ・ソナタ「雨の歌」、チェロ:ヨーヨー・マ、ピアノ:アックス
1楽章
97年のわりには、イマイチ音がクリアーじゃないような気がするが、ボリュームをあげると、ちょっと硬めの繊細な音が流れてくる。
冒頭、美しいホルンと、ピアノが分散和音を奏でる。「どぉ〜れぇ〜みぃ ふぁみれ みそぉ〜」(ふぁみれ み〜そ)  ホルンに寄り添うピアノは、硬めの引き締まった、粒立ちの良い音がする。
ただ、う〜ん。ノビがあるとか、綺麗だとか、包み込むような温かさがある。とか、一見して、引きこまれていくような魅力には薄いかなあ。
丁寧に弾きすぎているのか、やっぱ、ブラームスは、くどいな〜って思ってしまった。
「どっれみ〜ふぁみれ みそ どぉっそ〜ふぁ〜(みれど) どぉっそ〜ふぁ〜(みれど)」
うん。くどいっ。(笑)
まっ 演奏には関係ないんだけど〜 オケの強弱のつけかたとか、フレーズの膨らませたり、背を低くしてみたり、妙に引きこまれるところがある。
「みふぁそ〜しらそ らっふぁみ〜 み〜 ふぁみれみ〜 み〜 ふぁみれみ〜」
ピアノは、さほどは雄弁でないが、さっぱり系で、硬めの響きで、オケに埋没しそうになりながらも、厳しいタッチで頑張っている。
しかし、全体的に、テンポが、ゆったりめなので、フレーズ自体が重いような、ちょっぴり、くどいって感じるのかもしれない。綺麗なんですよ。タッチは、とっても〜
でも、音の置き方が重いというか、硬いというか。高音域の粒立ちは良く聞こえるんですけど〜。
う〜ん。もうちょっと、のびやかさを感じられるほどのスピードがあったら、ワタシ的にはよかったかもしれない。
「そらし〜 れどし〜 どらそ〜」って、フレーズのガツンとオケが入ってくるところは、メッチャ堅牢で、硬いっすね。ティンパニーの重々しいロールが怖いぐらい。重量級で、ガツンです。
テンポを揺らしてもよかったかもしれないんだけどなあ。あまり変えないみたいで、ピアノがキラキラと遊び心で奏でてくるようなところも、なーんか、無骨だなあ。無粋なんだよなあ。って思っちゃった。

2楽章
1楽章同様に、丁寧なタッチで、切なくなるような切迫感が無いというか、可愛くないっていうか。
太いタッチで、一筆書き風の演奏である。
「みふぁ みふぁ そっしっみ そぉ〜 (み〜れど〜)
「らっそ らっそ ふぁ ふぁそ し〜ら らし れ〜ど し〜ら そ〜ふぁ・・・」
しかし、ワンフレーズが終わると、寂しそうなフレーズに変わっており、あっ そう来るのか。と思うんだけど、んじゃー 冒頭から、もっと慎重に繊細に、色を変えてきてくれたらいいのに。と思ってしまった。
バックハウスさんの演奏だと、熱い情熱を感じたし、ポリーニさんの演奏では、氷の世界のように感じたんだけど、アックス+ハイティンクさんたちの演奏では、ちょいとストイックなのか、脚色してくれてないというか、素のまま。というか・・・。
上記の2つの演奏が、色が強いからかもしれないんだけど、どうしても比べちゃうんだもん。
じーっくり、繰り返して聴いても良いし、演奏する人が聴かれれば良いCDかも。
いい演奏だとは思うんだけど、ぐぐ〜っと来るものが少ないのだ。歌心が少ないからかなあ。
「み〜れ〜ど し〜らそ らふぁみれ〜 どぉ〜し〜ら そ〜ふぁ〜み ふぁ〜」とは、歌ってはくれるが、歌うというと、これぐらいか。 タッチの強い、コワモテのフレーズは、ハイ、頑張ってますけどね。
怖い頑固オヤジに、なんか叱られている、可愛そうな女の子をイメージしちゃったですね。で、思わず萎縮しちゃいます。

3楽章
室内楽風のチェロを主体とする弦楽のフレーズが、いっぱい詰まった楽章だが、ここは、アレックのピアノ、ハイティンクのオケは、弱音で、繊細に描いている。
でも、やっぱ、甘くて切ない女性のようなフレーズが詰まっているのに、なんか無骨なんだよなあ。
星空の瞬きのような、魅力的なフレーズが、胸にぐっとくないのでは。う〜 がっくし。
繊細で、かぼそく、かといって、重厚さもあるのに、なぜか、拍感覚が安定しすぎというか、音にノビがないような気がする。旋律の山と谷の、起伏が少ないというか、収縮自在というワケにはいかないようだ。
遅いところは、確かにメチャ遅めで、表情豊かに演奏しているのだろうが、ワタシ的には、間が持たず。
音がスコンと抜けちゃう気がする。
几帳面すぎるんだよなあ。きっと〜(と、メチャ素人考えで決めつけてしまった 笑)

4楽章
「らっら そっそ ら〜ふぁれ〜ど しっしっどど み〜れ どれふぁそ」
「らっら そっそ ら〜そ らしど みっみ そっそ み〜」という冒頭のフレーズは、メチャ可愛い。
あ〜 こんな可愛く粒立ち良く弾かれると、ころんと参っちゃうやん。
でも、なーんかオケが、無骨なままなのだ。
あっ やっぱり、怖い頑固オヤジ風なオケだなあ。歌わないよぉ。揺れるワルツのようなフレーズが、しゃちこばってて、翳りがイマイチなのだ。女心わかってないでしょ。ぶーっ。 語尾の音が伸びてくれないのは、ダメだよなあ。と、ぶつぶつ。
オケが、「ふぁみ〜ふぁ ら〜し みれ〜ど し〜」と揺れるのだが、もっと揺れて欲しい。
ブンチャッチャと、その間、ピアノが弾かれているのだが、もったいない。
高音域の、可愛い遊びが、自由に煌めきを放っているのに、まあ。オケの方にタメが少なめ。
ちょっぴり退廃的なフレーズには、なっているし、特に悪くはないんだけど。ちょっと、カラダが硬いらしい。
くねっと〜 シナを造って、色目でも投げかける女性であって欲しいのだが、色気がないことは確かです。

せっかく、ピアノの可愛らしさ、繊細さは感じるものの、オケの方が、まっ 無骨な男性的な演奏ってことですが、この楽章の終わりでは、ようやくテンポが揺れるんです。
まあ。最初は、硬めに演奏しておいて、最後の方では、シナを造ろうって魂胆なのかもしれず。 う〜ん。演出、アプローチを、微妙に変えているらしい。
んじゃ、最後は硬い女性が、そのうちに、女性らしく、しなやかに変身するってワケかあ。と、妙にへんちくりんな気持ちになるんですけど。まあ。そこまで計算されているのかどうか。わかりません。
えっ 女性的な色気なんぞ、この曲には不要だって?
う〜ん。確かにねえ。でも、翳りを感じますよん。この曲・・・。
まっ しかし、あまり、熱っぽくもなく、オケもピアノも、主導権を握って、バリバリ型に演奏しているようではないし、歌う気分にも遠いのか。または、互いに、従というタイプなのかもしれないですねぇ。

ブッフビンダー アーノンクール コンセルトヘボウ 1999年
Rudolf Buchbinder  Nikolaus Harnoncourt
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

う〜ん。どうだろ

録音状態は、まずまず。クリアとは言い難いが、演奏としては、さっぱりしていて見通しの良い演奏である。ライブ盤 2枚組BOX
カップリング:ブラームス ピアノ協奏曲第1番、2番
1楽章
ブッフビンダーさんのブラームスのピアノ協奏曲は、アーノンクール指揮のコンセルトヘボウ盤と、メータ指揮のウィーン・フィル盤があるように思う。どちらもライブ盤である。
で、この2番は、スッキリとした演奏で、スマートであり、見通しの良いものだ。1番を聴いたときには、あまりにも、スッキリしていたためブラームスらしくないなあ〜と、いささか、面食らってしまった感があり、どこか鬱々としているように聞こえた。
冒頭、ホルンとピアノが、「どぉ〜れ〜み〜 ふぁみれ みそぉ〜  どぉ〜そ〜ふぁ〜みれど れぇ〜」
2番も、ブラームスならではの分厚いオーケストレーションを、ワタシ自身、どこか嫌がりつつも期待しているところがあって、どこか、昔の録音(誰の演奏というわけではないが)のイメージが、刷り込み済みのようだ。
まあ、いずれにせよ、ワタシは、歌う演奏の方が好きなため、これは好みの問題なのかもしれない。
しかし、久しぶりに、このブッフビンダー盤を聴いたところ、ロマンティックな面は、少ないような気がするが、スッキリとした見通しの良さが、なかなか斬新だな〜と感じる。
オケのフレージングは、ゆったりとした太めの描き方ではなく、短めで、素速く変化しているし、ピアノの音は、細やかな音が聞こえてきて、ハッキリした音が、粒立ちよく立ってくる感じがする。

2楽章
「みふぁみふぁ そしみ しぃ〜(みぃ〜れど) らそぉ〜 らそぉ〜 ふぁ ふぁそ しぃ〜ら らし れぇ〜ど しぃ〜らそっ」
「みふぁみふぁ そっしみ しぃ〜 らそぉ〜 らそぉ〜ふぁ ふぁそしぃ〜ら らし れぇ〜ど・・・」
丁寧なオケとピアノの音だと思う。
あまり弾力性は感じないし、しなやかさ、優美さでもなく、反対に、厳つさや、ゴツサ、ざっくりした感覚でもない。
どう言えば良いのだろうか、歯切れのよいうフレージングだが、感情を排した雰囲気がする。
あまり親しみ感のない、肌寒い、寂しい雰囲気が漂い、うすら寒いというか〜 モノトーンというか。

3楽章
「みぃ〜れ ふぁ〜み れぇ〜ど しぃ〜ら そぉ〜ど し〜ら れぇ〜 みどぉ〜 しら〜し そぉ〜」
美しいチェロの旋律が聞こえてくる。
ただ、音量は控えめで、この楽章も寂しさがあり、豊かな美しさというものとは、ちょと縁遠いかもしれない。
豊かな実りの秋、豊穣感、胸いっぱいに膨らませた、少し甘いフレーズとは、ちょっと違う。静かで内省的、そして、ひとり静かに何をしているんだろ〜 1番のように、鬱々とした感じはしないのだが。楽天的なワタシとは、少し異にしている。厭世観みたいなモノまで感じちゃうみたいで、どうもなあ。ワタシとは、ちょっと・・・。
確かに、ピアノの細やかさ、繊細なフレージングに心をゆさぶられるが〜 とても美しいと感じる方も多いと思う。
この3楽章だけを、他盤で聞き比べても良いのかも。
なんだか、この楽章は、ワタシ的には性に合わないのかもしれない。どの演奏も美しい・・・と言わずに、ネガティブな感想をいつも書いているような気がする。

4楽章
「らっら そっそ ら〜ふぁれ〜ど しっしっどど み〜れ どれふぁそ」
「らっら そっそ ら〜そ らしど みっみ そっそ み〜」という主題は、とてもチャーミングなのだ。
でも、なーんか、楽しそうには、あまり聞こえてこないのである。
で、メランコリックな主題に変わってしまう。

ピアノもオケも、身振りの大きい、ガバッと掴んだ感じのする大柄な演奏ではなく、細やかに緻密に描かれているように思う。場面ごとに、彩りよく、複雑に細やかに変化していく。
う〜ん、これは、聞き込めば、とても楽しいのではないだろうか。いっけん、地味なのだが、意外と耳がそばだつ。
しかし、ど素人のワタシには、聴いてて楽しく感じないのである。
実は、何度も繰り返して聞いてみたのだが・・・ う〜ん。サッパリ、感情が動かない。楽しく感じないのである。
う〜ん、困ってしまった。これライブだよねえ。う〜ん。何故なだろう。音が弾んで聞こえてこないのだ。
もしかしたら、初めて聴く人より、この楽曲を何度も繰り返して聞いた人向きなのかなあ。
それか、演奏家さんが聴くには良いのかもしれない。玄人好みなのかも・・・。
1953年 バックハウス シューリヒト スイス・イタリア語放送管 Dec  
1967年 バックハウス ベーム ウィーン・フィル Dec ★★★★★
1972年 ギレリス ヨッフム ベルリン・フィル ★★★
1982年 アシュケナージ ハイティンク ウィーン・フィル Dec ★★★
1984年 ツイマーマン バーンスタイン ウィーン・フィル ★★★
1988年 グティエレス プレヴィン ロイヤル・フィル  
1989年 カツァリス インバル フィルハーモニア管弦楽団 Teldec ★★★★
1991年 ブレンデル アバド ベルリン・フィル Ph  
1993年 オピッツ C・デイヴィス バイエルン放送響  
1996年 ポリーニ アバド ベルリン・フィル ★★★
1997年 アックス ハイティンク ボストン交響楽団 SC ★★★
1998年 ブッフビンダー アーノンクール コンセルトヘボウ ★★★
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