「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ショパン ピアノ協奏曲第1番
Chopin: Piano Concerto No.1


ショパンは、1810年生まれのポーランドの作曲家で、ピアノの詩人とも呼ばれており、様々な形式、美しい旋律、半音階的和声法などによってピアノの表現様式を拡大し、ピアノ音楽の新しい地平を切り開いた方です。
ピアノ協奏曲第1番ホ短調は、1830年に作曲されており、実際には2番目に作られています。

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
第1楽章 ホ短調 3/4拍子 協奏風ソナタ形式
オーケストラによってマズルカ風の第1主題とポロネーズ風の副主題、第2主題が奏された後、独奏ピアノが登場して、終始華やかに曲が展開されます。第2主題は、通常のソナタ形式とは逆に、提示部は同主調のホ長調で、再現部は平行調のト長調で演奏され、コーダで技巧上クライマックスとなります。

第2楽章 ホ長調 4/4拍子
瞑想的な弱音器を付けた弦の序奏に続いてピアノによる美しい主題が現れる。途中のアジタートの部分で盛り上がりを見せた後、ピアノのアルペジョを背景に、オーケストラが最初の主題を奏でて曲を閉じて、切れ目無く終楽章へ。

第3楽章 ホ長調 2/4拍子
短い序奏の後、ポーランドの民族舞踊の1つ「クラコヴィアク」を基にした、華やかなロンドで、オケとピアノが掛け合い、途中に民謡調のエピソードを登場させつつ、堂々たるクライマックスを築きます。コーダ部分のアルペジョは、特に高度な技術を要求されますが、最大の見せ場の一つとなっています。

今日でも、コンサートにおいて演奏されることの多い楽曲で、しみじみ〜っ、甘酸っぱい青春を思い出すという方も多いのではないでしょうか。ワタシは、この曲を聞くと、今もって、女学生なみに胸キュンっ・・・です。

ルービンシュタイン スクロヴァチェフスキ ロンドン新交響楽団 1961年
Arthur Rubinstein Stanislaw Skrowaczewski
New London Symphony Orchestra

録音状態は、リマスタリングされており、61年とは思えない。良くも悪くも、まったり系で、ショパンってイメージが染みついちゃう。
カップリング:同2番 ウォーレンステイン RCAビクター交響楽団 1958年

1楽章
もっとクールに出てくるのかと思ったが、いやいいや〜 なかなか良い録音で、まったりしている。
「ど〜ふぁ〜みふぁら どどど ふぁ〜みふぁそふぁふぁ〜み」
透明度も高いし、優しいし柔らかい。
ほほぉ。あのミスターSのスクロヴァさんがバックを務めているんだが。驚き。もっと則物的だと思っていた。
よい意味で肩すかしをくらったが、弦の刻みやピチカートも聞こえて、息づかいも長めで、テレテレはしていないが、レガートしながら品よく歌っている。盛り上げるまえの、たららら〜っと、膨らみながら伸びていく様が美しいが、全体的には、ちょっと渋い枯れた音色である。
ピアノの独奏の出だし「バ〜ン バババン バンバンバン・・・」
ペダルを長めに踏んでいるらしく、「ふぁーみふぁらどどど」の4音あたりまで、音が濁るのがイマイチなんだが。よくまわる指だな〜と感心するほど細かい襞が、いっぱい、ついた音である。

落ち着いた穏やかなテンポで、ゆったりしている。
あまり、普段ショパンを聴かないので、偉そうなことは言えないのだが・・・
ルービンシュタインさんのちょっと渋い音が、落ち着いて聴ける。
あ〜もっと甘いのは無いの?と言う方もいるとは思うけど、この時、巨匠は何歳だったのだろう。
「ど〜どーれみ ふぁふぁそー ら〜そふぁみれみ〜 れーれどらどしら らーそふぁそみ・・・」
この落ち着き払ったフレーズには、思わず息をのんでしまう。

若い希望のある華やいだ音色ではないのだが、郷愁をさそうかのような音色が印象的だ。
そりゃ 細かいフレーズ チャチャチャ・・・と高音の装飾音は、ちょっと粒立ちが悪くなっている感じはするけれど。でもご高齢の巨匠の録音なので、頭を垂れるばかりなり。
録音が残っているだけでも貴重だと思うし、この後はコメントをするのは控えたいと思う。
じっくり聴かせていただくとする。

ニキタ・マガロフ ロベルト・ベンツィ ラムルー管弦楽団 1962年
Nikita Magaloff
Roberto Benzi
Concerts Lamoureux

録音状態は、ちょっと古びている。演奏は、なんともカッチリした楷書体で驚かされるものの繊細さも感じる。繰り返して聴くと、スルメ的に味わいが出てくる。 キッパリ、端麗辛口系

1楽章
はあ〜 超ビックリ。なんとキビキビしたショパンなのだろう。まず出だしで驚かされた。
まったり流れて、大河のごとく弾かれ、甘ったるいショパンが多いのだが。
「どーふぁーみふぁら どどどっ ふぁーみふぁそふぁふぁーみっ」
ふーむ。これは、くっきり、はっきり、きっぱり口調で、幾分厳しい。録音状態は、さすがに古めかしいが、オケはよく鳴っている。まっ 録音状態のことなんかより、この口調の強さにタジタジ・・・してしまった。
テンポは速め。
ショパンと言えば、オケの部分から、レガート攻撃にあって、とろとろに酔ってしまうのだが、このオケは違う。
たいしたもので、このキッパリ口調でも、歌うところは歌っている。
「ど〜どれ〜み ふぁ〜ふぁそ ら〜そふぁみれみ〜」 はあっ 凄い落差ですね。

オケにばかり驚かされてしまったのだが、さて、マガロフのピアノは、というと。
「ふぁーみふぁらどどど・・・」 えっ? さほど強くは出てこない。オケが強すぎだったのか?
いや〜 オケと同じように、楷書体で、きっぱりした口調で弾かれている。
でも、音の弱いところは、かなり繊細に転がっていく。
指のタッチなのだが、重さがこれほど変えられるの?と驚くほど重量感が違う。
下手な抑揚が皆無に近いし、テンポも一定で、シンプルこのうえない。しかし、面白いのだ。
テンポも、ウルサイほど変える盤があるんだが、マガロフさんはあまり変えていない。
歌うところは、ホント歌ってくれる。
「ど〜どれっ〜み ふぁ〜ふぁそ ら〜そふぁみれみ〜」 
可愛いんだよねえ。ショパンって、こんな素朴なフレーズだったんだね。ホント、マガロフさんが引くと、なんとも素朴に感じる。
抑揚が少ない分、ちょっとした素振りで、可愛いとか、ほぉ〜繊細だな。と感じるのだ。
これだけ、きっぱりしていると、冷たいという印象を受けるようなものだが、これが違うんだねえ。
短いところは短いっ パンっ と短いパッセージになっているが、しかし、この短さがあるために、少しテンポを遅めにしただけで、もう効果十分なのだ。おっ まろやかになったぞ。って感じる。
ホント、これほど切れのよい、ショパンのピアノ協奏曲って存在していたんだねえ。なんとも痛快。
時々、転がり落ちるようなテンポで、チャーララ チャーララン と、間髪入れずに鳴っている。

2楽章
ふわーっと幻想的なフレーズが流れるのだが、このオケとピアノは、静謐感がある。
まろやかさというより、粒立ちの良さで、ビー玉のキラキラ感に似ている。透明度が高い。
テンポも良く、切れがある。もちろん舞曲でもないので、さすがに飛び跳ねるようなフレーズはないが、素朴に美しい。

3楽章
「れみらっ れみらっ れみらーら れみらーれ しどふぁっ」
ゴツイなあ〜と、キッパリした歯切れの良い弦の響きに、ピアノの跳ねる音が聞こえる。
ちょっと変わったシンコペーションで、マガロフさんの音は、不思議な癖がある。ところどころ、2音を速めに弾いている。へっ? トリルが変っ。
チャカチャカ チャッチャン と力強くオケが鳴ったあと、ピアノの主題が弾かれる。
速いトリルが奏でられて、小さな玉が転がり始めた感じがする。
どこか足を引きずったようなトリルで、う〜ん。唸ってしまう。
この3楽章は、癖が感じられて、違和感があるんだが。
オケが、タカタカタンタン〜 タッタターと、短いが力を感じさせる合いの手を入れる。
その後、ピアノが印象的なフレーズを弾いてくるのだが、
普通は、そみら〜 そらそどれみ〜 れどそら〜そ みふぁそ らしど しられっそどっ・・・ 
のだが、マガロフさんは、「そらそ どっ〜れっみ」に聞こえる。3連の音が、速くて巻き舌風なんですなあ。

民族舞踏風のフレーズを、何度も繰り返していく が、あまり情熱的にエネルギーを溜めるという印象は受けない。また、高いキーは、あまりクリアーではなく綺麗には聞こえない。
すごく速いパッセージを、弾いているので、気持ちは良いのだが、あまり情緒に耽溺せず、やるせなさ。とか、儚さとか、青春時代の青臭いイメージは、ほとんどしない。

かといって、平板でもなく、なんとも不思議なのだが、打楽器に近いピアノの弾き方とも感じる。
まったり系の多いショパンのなかでは、なかなか、これほど楷書体に弾かれることは少なく、貴重な体験をしたという感じ。で、どことなく古めかしいものの、かえって新鮮な感じを受けた。

タマーシュ・ヴァーシャリ イェルジ・セムコフ ベルリン・フィル 1963年
Vásáry Tamás
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)



カップリング:ショパン ピアノ協奏曲第1番(当盤)、2番(ヤノーシュ・クルカ ベルリン・フィル 65年)
録音状態は、まずまず。ピアノの硬質的な繊細さ、優美さ、間合いの良さに惹きつけられる。

1楽章
冒頭、オケのフレーズは、どっしりと、ゆったりと、幾分硬めの音質で出てくる。
特に洗練された雰囲気を持っておらず、意外と硬くて重い。
ショパンだと、柔らかいタッチが好みなんだけどなあ。この盤では、弦の刻みが、几帳面でカシカシしている。
「どぉ ふぁ〜みふぁら どどど ふぁ〜みふぁそ ふぁ ふぁみっ し〜ら そ そ〜ふぁみ み〜れどっ」
63年代の録音だったら、こんなモノかなあ。という、なんとなく硬質さを感じるのだが、どことなくオケの音像が、ぼんやりしているような感じがする。
オケの堂々した感じは、まっ ベルリン・フィルならではの格式ばった風格かなあ。
長い序奏部分のなかでも、「ふぁ ら〜し ど〜れみふぁそ らぁ〜そふぁ みれみ〜ぃ」
「れ〜れど どしら ら〜そふぁそみ〜」という女性的なフレーズに移っても、ちょっと硬いんだけど。
もっとも、出だしとはうってかわってて、イカツイ硬さが抜けきってはいる。
風格は感じるし、白黒映画の格調高さ、古風な感じがしてて、なかなかにヨサゲ。
しかし、しかしだ。肝心のヴァーシャリさんのピアノが絡んできたにも関わらず、オケが、後ろに引っ込まないのである。えっ・・・ 主役はピアノだよぉ。おいおい、オケは、後ろにひっこめ〜っ。

ピアノ前面に出ている時は良いのだが、オケが、デカイ音で絡んでくるのである。
きっとオケとピアノのバランスが悪いんだと思う。
それに、せっかく、ピアノの繊細で、ゆったりとして、揺らめくようなフレーズを奏でているのに、相変わらず、オケが硬いのである。雰囲気がぶちこわしなのだ。

例えば、ピアノが、「どどれみふぁふぁそ ら〜そふぁみれみ〜 れれどら どしら ら〜そふぁそみ〜」
「ふぁ ふぁらし ど〜れみふぁそ ら〜そふぁみ〜」と弾くところで、ホルンが絡む。
そのホルンのフレーズ「どぉ〜 そ〜し ふぁ〜そら〜 ら〜〜」と入ってくるのだが、これ、肝心のピアノの音が飛んでしまい、ホルンが大きく聞こえるのだ。
あちゃちゃ〜 エンジニアさんが悪いの?
ホルン好きなら、たまらんのだろうが。うっ ぐぐぐ。ピアノの語尾が消えてる。
まっ これは一例だが・・・。オケの低音が響くところでは、ちょっと、困ってしまうかなあ。いつも聞こえてくる音が聞こえず、変な印象を受けてしまう。
それにしても、ヴァーシャリさんのピアノって、硬質的だが、フレーズの歌い方は甘い。
抑制が効いてて、それでいて甘く歌う。ルバートの効かせ方が巧いのかなあ。結構、甘ったるいようで、甘くないのだ。甘みを抑えたアンコのようである。
燦然と輝くような、光を放つような煌めき度ではないし、キラキラしているワケではないのだけど、渋い癖に、光っているのである。
オケに埋もれてしまいそうな音だけに、余計、耳を澄ませて聴きたい欲望に駆られてしまう。
もっと、録音状態が良ければなあ〜 黒くて、渋い、燻し銀的な演奏なんだと思うんだけどなあ。

2楽章
ぐぐっ。とテンポを落として、しずかーに進む。
漆黒の闇に、細かい星くずが、浮かんでくるような魅力がある。
魅力を放出して、鷲づかみにするような、一聴して、落ちちゃうというような、そんな演奏ではない。
ぐいぐい引きこんで来るような、魅惑的な演奏ではないんだけど。
じわ〜っと、涙ぐんでしまうような魅力がある。
フレーズの間合いの優美さというのかなあ。歌い方の節回し、じんわ〜り、ホント間合いの魅力で迫ってくる演奏だ。優美だし繊細で、愛おしい。
こりゃ〜巧い。これは聴けるよなあ。
ちょっと、今風とは言い難く、メチャメチャ古風なんですけどね。それが良かったりする。
ショパンって、今風に、スマートに薄めに洗練されているのも良いけど、洗練されすぎず、厚みのあるクリスタル・グラスのように、ちょっと厚み、重みを感じるぐらいの、クリスタル調の風合いが良いのかもしれない。
適度に重量感があって、重めが良いかも。
フレーズの歌い方は、古風にゆったり、音そのものは繊細で細いけど。この重さを感じる要素は、テンポと間合いだと思う。

3楽章
冒頭のオケの弦は重くて豊か。結構、ゆったりしてて、ハイ、格調ある重量感のある箪笥のような感じ。
木製の風合いがあり、硬質感もある。結構、装飾的で、彫りが沢山施されているようなデザインの箪笥って感じですかねえ。
でも、ピアノが跳ねてくると、これがマズイのである。跳ねているのだが、リズムが均一化しておらず、なんだか酔っぱらいのような、アンバランスな跳ね具合になっている。えっ 予測不可能だ。
ピアノのルバートが、酔っぱらい風に聞こえる。
で、結果的には、オケと、ピアノが絡むところで縦糸が合わない。
どうなってるの? ライブ盤だっけ? あちゃちゃ〜 合ってない。オケとピアノが、完全にずれてる。

ヴァーシャリさんの跳ね具合が、オケとの調子悪くしてしまったのか、ピアノが、一瞬速くなったところで、ずれちゃったらしい。オケが迷ってしまったかなあ。(そりゃ迷うわ。予期せぬ出来事みたいに・・・慌てるぜ。)
まっ その後、テンポが落ちて、呟きのように優美なフレーズでは、レースのような軽やかさが感じられ、結構、綺麗なのだが・・・・

どうも、リズム感の悪さというか、テンポ設定で躓いたのか。この楽章、イマイチに終わってしまった。
オケとピアノ双方が、最後に向かって、熱く盛り上がってくるところでは、ますますピアノが、細かいフレーズを刻み、優美に踊りまわっているものの、どーも、オケは、しっくり、まとまった造形美を作り出せていない。
速めの舞曲風フレーズ、ぐっと落として泣くようなフレーズ この両面の魅力が、変わり身の速さが、とても魅力的な楽章であるのだが、ヒートアップできず、不完全燃焼で終わってしまい、後味の悪さが残る。
女性が踊りながら、すねたり、笑ったり〜 揺らめくオンナ心のようなフレーズが魅力なのに、ピアノも、良かったのに〜 終楽章は、とほほ。もったいないっ。

アラウ インバル ロンドン・フィル 1970年
Claudio Arrau
Eliahu Inbal
London Philharmonic Orchestra

録音状態は、ティンパニーが少しこもりがちだが、あとは微妙なニュアンスが伝わってくる。必ずしも透明度は高くない。 演奏は、結構まったり系。鈍重っぽいけどクラシカル。
カップリング:ショパン ピアノ協奏曲第2番

1楽章
インバルの振るオケの出だし・・・ 
「ど〜ふぁ〜みふぁらどどど ふぁ〜みふぁそふぁふぁ〜み」
「ど〜しら ら〜そふぁ ふぁ〜みれ ど〜れどら〜そ」
この冒頭の出だしは力強い。低弦が力強く、そのうえに、滑らかな響きで、ヴァイオリンがふんわりと柔らかな音色で、たっぷり歌う。
木管も地味な音色でソフトだが、管が入ると、おおっ〜と驚くほどパワーが出てくる。
この冒頭だけ聴いていると、まるで、協奏曲ではなく交響曲だと間違えそう。このオケの合奏部分は、これは聴きどころになっている。このオケは、ピアノの添え物ではない。
バ〜ン バババンバンバン・・・ アラウのピアノの一撃は重い。
左手が伴奏しつつ、右手は、パラパラパラ・・・と旋律を奏でていく。
えっ これがショパンかあ? と思うほど、力強い。
あれれ〜と驚いているうちに、甘美なメロディーに変わっていたのだが、これが、また、まったり〜っ。

「ど〜どれっ〜み ふぁ〜ふぁそ ら〜そふぁみれみ〜 れーれどら どしら ら〜〜そふぁそみ。」
「(ど)ふぁふぁ〜 ら〜しどれみふぁそら〜 (そらそらそふぁ・・・み〜 )」
「れみれっど〜しら〜 ら〜そふぁみれど み・みふぁ そそそ らそふぁみれみ・・・」
たっぷり歌った後、少し跳ねてみたり。1音目を強めのアクセントをつけてみたり。聴きどころは多い。
このニュアンスは、なかなか言葉にはでない。表現しきれん。
しかし、ピアノと共にオケが、凄い活躍しているように思う。うふふ〜 オケは、このピアノにどう乗っていくんだろ。と興味津々だったのだが、このオケは、ピアノの左手と共に動きます〜という感じがする。
バックで別のフレーズを奏でていると言うより、ピアノの左手に似たフレーズを奏で、ピアノの左手の音量サポートをしているかのようだ。(もちろん奏でているフレーズは違うんだけどね)
別の言い方をすると、あくまでも主旋律は右手のピアノパートのみ。
伴奏は、オケ+左手ピアノという感じがするのだ。
それだけ、オケが自然に動いて邪魔しないで、左手と一体化しているということだろうか。
アラウのピアノは、ゆったりなのだが、これ沁みる。
ショパンと言えば女々しいイメージなのだが、このピアノは、男気があるというか、無骨さで無表情を作っているくせに、可愛いのだ。パラパラ動く右手のトレモロが、ほんと硬いくせに綺麗なのだ。
特に、薬指と小指だと思うんだがなあ。これ立ってて気持ちが良い。
コーダにさしかかる、ブンチャチャ・・・のリズムのところも、アルペジオの部分も、品良く力強い。

2楽章
静かな弦楽のなかに、ふわーっと幻想的なフレーズが湧いてくる。
「ら〜らしら ふぁ そーどそ。ら〜らしら〜そふぁそ〜そ」  儚い夢を見ているようで、夢見心地だ。
アラウのピアノは、テンポは遅めだが、ふわっーーとしている。
そして、ピアノが途切れて、オケの弦が出てくるときの弦の音 この透明度に驚いた。
「ど〜し〜らしらそ〜みれ〜ど」 このオケの合いの手は、すげっ。これは拍手っ!
アラウさんのピアノって、優しいし暖かい。で、ちいちゃな天使がお休みになっているかのような、穏やかさがあるし。う〜ん。文句などありません。ホント、赤ちゃんが、すやすや寝ているような雰囲気がある。

3楽章
「れみらっ れみらっ れみらーら れみらーれ しどふぁっ」 
オケが短い序奏を弾いたのち、ピアノの跳ねるようなシンコペーションが聞こえてくる。
誰かさんは、いきなり恐ろしく過激に攻撃的に弾き始めたと思うが、アラウは、あくまでも平穏で落ち着いている。弾んではいるが、テンポも極端に速くならないし。ちょっと面白くないかもしれないけど。
小粒で転がっているし。穏やかだが軽快さもある。粒立ちも良く可愛い。ちょっと渋いんだけどね・・・。
ちょっとテンポあげて、あがり・くだりして〜
そこへ弦が合いの手をいれて、気分を変えて主題が変わる。
ちょっと強めアクセントをつけて、どっふぁら〜 タッ タッ タターン と、リズムを乗せている。
オケの金管も、タカタカタンタン〜 タッタターと、短いが力を感じさせる合いの手を入れる。
チャカチャカ チャッチャン と軽快で力強く明るいリズムが湧き起こる。これ良いよね。
ピアノの音も刺激を受けて、その後、ちょっと強めに変化する。
うふふ。お膳立てをしているオケかあ。トランペットの開放的な音が、普段なら、眉をしかめてしまうのだが、この楽曲では良いかもしれない。
ブンチャッチャ・・・ブンチャッチャ・・・とオケが前振りをして〜そこにピアノが主題を弾き出す。

「どみら〜 そらそどれみ〜 れどそら〜そ みふぁそ らしど しられっそどっ・・・」
↑ このフレーズは変えずに、どんどん音が変わっていく。
アラウ盤では、あまりアクの強いアクセントはつけず、テンポ良く、落ち着いて聴ける。
民族舞踏風のフレーズを、何度も繰り返していくが、その間にエネルギーがたまっていくようだ。
アラウのピアノは、どっしり系のイメージだし、それほど高い跳躍力があるわけではないが、コロコロ転がることでリズムを感じさせるし、オケの弦や金管に開放感があるので、かなり明るく感じる。
60代半ばの演奏とは感じさせない、ほろ苦い恋心。懐かしい青春の香り・・・。 アラウのピアノも良いが、ワタシ的には、このオケの黒子姿に拍手ですね。

ギャリック・オールソン イェジー・マクシミウク ポーランド放送交響楽団 1975年
Garrick Ohlsson
Jerzy Maksymiuk
Polish Radio Symphony Orchestra, Krakow

う〜ん。どうだろ

録音状態は、まずまず。ピアノは、いかにもまっとうって感じ。オケが、もう少し豊かに鳴ってくれたら〜は思うが。原盤はEMI
カップリング:
1〜3 ショパン ピアノ協奏曲第1番
4〜6 ショパン ピアノ協奏曲第2番

ピアニストのギャリック・オールソンさんは、1970年のショパンコンクールで優勝された方である。で、驚くなかれ、この時の2位は、内田光子さんなのだ。
ちなみに、歴代の覇者をちょっと調べてみたのだが〜 
1960年第6回の覇者は、ポリーニさん
1965年第7回の覇者は、アルゲリッチさん
1970年第8回の覇者は、ギャリック・オールソンさん 2位が内田光子さん
1975年第9回の覇者は、クリスティアン・ツィメルマン
1980年第10回の覇者は、 ダン・タイ・ソン この時に、ポゴレリチを巡ってアルゲリッチ姉さんが激怒し、審査員を辞めるっ!事件が勃発している。
1985年第11回の覇者は、スタニスラフ・ブーニンさんで、4位が小山実稚恵さん、5位がルイサダさん。あとは割愛。
有名なピアニストが並んでいるので、やはり驚かされるのだが、オールソンさんは、知名度はちょっとイマイチというところだろうか。

で、ショパンの1番を聴いてみたのだが、そつがない。
そつはないのだが、ぐぐーっと来るものが少ないというか。聴き慣れてしまった曲なので、もっと、何か欲しいかな。って正直思ってしまった。でも、このオールソンさん、先述したショパンコンクールだけでなく、1966年にはブゾーニ国際ピアノコンクール、68年には、モントリオール国際音楽コンクール、70年にはショパンコンクールで優勝って方なので、総なめ。
アラウさんのお弟子さんなのだ。

まったりした粘り気もないし、ツンデレ風でもないし、あーっ そんなモノをこの曲に求めてはいけないのだと思うが・・・。
タメ感は、ちょっと少なめなので、この曲を聴いて、うるっと悶えたい〜なんていう方には、ちょっとお薦めできない。
個性派ではない。きっちりとした演奏だ。適度にタメがあって、清々しい感じがする。
何度繰り返しても、多分、飽きないというか、こんなん言ったら猛烈に怒られるかもしれないのだが、レファレンスに良いように思う。淡々と弾かれているのだが、これ、もしかしたら、ものすごく正確で、すごいんじゃーないの。
3楽章のリズム感なんかも、的確というか〜 素っ気ないほどなのだけど、決まっているというか。
はあ、細かい動きも、几帳面というか律儀というか・・・というほど、正鵠を射るようなトリルが入ってきたりする。
下手にベタベタするような演奏よりも、スッキリとして、良いのかもしれない。
う〜ん これは、ワタシの耳を洗って出直し、そして、何度も聞いてみないとダメかもしれません。
だって、ピアノ協奏曲2番の方が、聴き応えがありそうだったので・・・。
また、時間を見つけて聞いてみます。
  マリア・ジョアン・ピレシュ(マリア・ジョアオ・ピリス) ジョルダン
モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団  1977年
Maria João Pires  Armin Jordan
Orchestre Philharmonique de Monte-Carlo
(Monte Carlo Opera Orchestra)

録音状態は、冒頭、オケの低音が充分に響かないが、ピアノは、クリアーに良く聞こえてくる。オケがイマイチすぎる。演奏は、ハキハキ系。カップリング:ショパン ピアノ協奏曲第2番

1楽章
この楽曲は、まず延々とオケが演奏する。
「ど〜ふぁ〜みふぁらどどど ふぁ〜みふぁそふぁふぁ〜み」
「ど〜しら ら〜そふぁ ふぁ〜みれ ど〜れどら〜そ」
このピリス・ジョルダン・モンテカルロ盤における、オケの音は、ちょっと貧相で無骨で荒ぽい。
つんけんしているというか、愛想のない紋切り調で、ど〜しら ら〜そふぁ ふぁ〜みれ。と、3つの流れるフレーズを、ちょっと投げやり的に演奏しているように聞こえる。 その後も丁寧とは、、、言い難い。
ティンパニーの音が、響かず、こもってしまっている。

この序奏部分は長く、オケだけで演奏している。ピアノは、なかなか登場しない。
ついては、オケにとっては、ここがイチバンの演奏しがいのある場所なのだ。この曲、ピアノが参加してきたら、オケは裏方に徹して、ほとんど印象に残らないっていうのに・・・。う〜ん。もちっと丁寧に演奏して欲しかったなあ。
で、ピリスの旧盤の録音状態は、まずまずなのだが、冒頭のオケのフレーズでは、低弦がこもり気味に聞こえる。重厚にまったり出てくると予想していたのだが、う〜ん。期待はずれ。
かなり聴き応えのある甘いフレーズが、弦を主体にして、管・ティンパニーがあわさって、テレテレと続くのだが、この盤には、タメがない。 全体的に、丸みがなく平べったい。
ピリスのピアノは、よく聞こえている。パラパラパラ・・・と装飾音が、きらきらして聞こえてくる。
うふふ〜 下手なオケさんとは、バイバイ〜という感じで、ピアノの音に一気に引き込まれる。
先程の無骨なオケで奏でられたフレーズが、再度、ピアノで弾かれる。
「ど〜どーれみ ふぁふぁそー ら〜そふぁみれみ〜 れーれどら」
「どしら らーそふぁそみ〜 (ど)ふぁふぁ ら〜しどれみふぁ〜」(コロコロコロ・・・ ホルン)
ピリスの音は、ちょっと硬めで渋いのだが、小粒で、1音1音が丁寧に、くっきり離れて聞こえてくる。
決してダイナミックな弾き方ではないし、レガートで、ずるずるテレテレには鳴らない。
ショパンには、ちょっと硬いのも確かだし、几帳面にすぎるかな〜とも思うが、かといって無機質でもなく、可憐で、ハキハキものを言う子ども的な雰囲気がする。

2楽章
オケの音色と、ピアノの音色が違いすぎて。う〜ん。これ困ったなあ。
違うのが判る方が良いのか、アラウ+インバルのように、ほとんど違いを感じない方が良いのか。
う〜ん。まるで、メタボ系のおっちゃんと、スリムな子どもという感じで、違和感はあるのだが。
ピリスの左手の低音は力強いタッチだ。高音域には、静謐感があり、透明度も高い。
なかなか聴かせてくれる。
アラウのような柔らかいタッチではなく、ピリスのタッチは硬質感がある。
オケは、まったりしている。そこに、ピリスのキリリ感のあるピアノが響く。

3楽章
無骨なほどの響きで、オケの序奏フレーズが鳴る。
ピリスのピアノだけを聴いていると、こびとの踊りのような雰囲気がする。
舞踏の原型がわからないので、何とも言えないが、このフレーズの転がし方が、う〜ん。独特のような。
それにしても、オケがなんとも。ホントにメタボで。嫌になる。
金管へたなのかなあ。アンサンブルが合ってないし。このテンポの遅さで、ばらけるんかぁ。
「どみら〜 そらそどれみ〜 れどそら〜そ みふぁそ らしど しられっそどっ・・・」 
この落ち着いた時のピアノのフレーズは、なんとも可愛い。(ちょっと硬いんだけど)
で、これが、楽章の最後になって熱を帯びてくると、ますますタッチが硬くなって、突きささってくるのだ。
え〜っ ちょっと待ったあ。もう少しまろやかに弾いてくれ〜っと言いたくなってきて、う〜ん。
聴き手の感情がついて行かなくなってしまった。まあ。誰かさんよりは、マシなのだが。
なんで〜 こう、エキセントリックになるのかなあ。よくわからん。

ピアノが弾んでいるのに、オケが引きずり気味で、めざすベクトルが違うのかもしれない。
オケは、最後のコーダも派手というか。下品というか。悲鳴に近い終わり方をする。
う〜ん。これは困った。なんとも言えない。オケが大雑把すぎる、の一言だろうか。最後までがっくり〜

ツィマーマン ジュリーニ ロサンジェルス・フィル 1979年
Krystian Zimerman
Carlo Maria Giulini
Los Angeles Philharmonic Orchestra

   

録音状態は良い。詩情ある瑞々しく、若さあふれる演奏で、青春っていいな〜的な、素直な発露が感じられる。
カップリング:ショパン ピアノ協奏曲第1番、第2番(80年)

1楽章
このCDは、ツィマーマンさんのデビュー間もない頃の録音である。
今は、99年の指揮振り盤の方が有名だし、名盤の誉れ高いものなのだが、このジュリーニさんと録音した盤も、若い時の爽やかな、粒立ちの良い演奏だと思う。
まあ、これ以降も、沢山のCDは出てないので〜結構、貴重なのかな。と思う。
まずは、みなさんもご存知のとおり、オーケストラだけの長い序奏部分がはじまる。細かい弦のピチカートも、しっかり聞こえてきて、硬すぎず、柔らかすぎない、緩やかなフレーズが大変気持ちよい。大袈裟に鳴ってこないところが好ましく、また、ちょっぴり、くすみのあるオケの音質だ。
中音域の木管のフレーズも、思わせぶり感があって〜 抑えた色調だし、抑えたフレーズになってて、悩ましい〜。そこに、ピアノが、まずガツンと入ってくる。
しかし、そこからの呼吸感が深めで、タメ感もあるし、間合いを取りながらも、う〜ん。粒立ちのよい、詩情豊かなフレーズが奏でられる。
あー やっぱ気持ち良い。ショパンはこうでなくっちゃ〜という感じで・・・ワタシ的には、このCDを、結構、聞き込んできてしまったし、これが基準になっちゃった感じだ。
レファレンス盤になっちゃているので、この間合いというか、爽やかな音に、改めて聴いて、惚れ惚れ〜ついつい、聞き入ってしまって、感想どころじゃないのがホンネです。

で、速いパッセージには、細かな音がいっぱい詰まっていて〜 「ん〜ッパパパ」「ん〜ッパパパ」
ジュリーニのオケも、速いんだけど、硬質感もあって、単に、たれっとしてない。歯切れのよいリズム感もあるし、ほわ〜っとした包み込まれる響きもあって、場面ごとに変わる。
意外と速い。速いのだけど〜細かい粒が放たれている感じのなかで、「られそ られふぁ らどし ら〜」「そどふぁ そぁどみ そしら そ〜」と、綺麗に昇っていく。いや〜 すげっ。
改めて聴いたんだけど、う〜 唸ってしまって、悶えてしまって終わりましたっ。やっぱ、すごっ。
この演奏を聴いてしまうと、すっかり悶えちゃう。

2楽章
オケの出だしが、淡く沈んだ思いが、柔らかく、そのくせ翳りがあって、渋い弦の響きになっている。
なーんていうか、「れぇ〜 そぉ〜」という間合いも含めて、その想いが哲学的もあり、詩情的でもあって、妙なバランス感覚に驚かされる。
そこに、ピアノの「どら〜らし ら〜ふぁ そぉ〜 ど そ」っと、入ってくる。
単に、夢見る夢子ちゃんでないところが、芯があるのを感じられるところが、巧いっていうか、他に感じられない要素のように思える。繊細なのだが、ヤワヤワでないのが凄いかなあ。
オケの木管のフレーズも、こりゃみごとにサポートされていて、よく聞こえるのだ。もちろん、ピアノのクリスタルガラス的な響きも、ひぇ〜 すげっ。なんですけどね。
「ど〜 みらそ ど みらそ ど みらそ ど みらそ ど・・・・」と、繰り返されるところなんか、もはや天国行き状態なのだ。オケの「どぉ し〜 らしら そぉ〜 み〜 れ〜」という合いの手も凄い綺麗だし、「ど らっらしら〜ふぁ〜」と続くピアノのフレーズにも、涙っ。 
一段深い響きが出てくるところは、カラダがふにゃふにゃ〜になって、悶えてしまう。
もはや、言葉は要らない。って世界である。

3楽章
この楽章は、ちょっと前につんのめっていくような嫌いがあるのだが、瑞々しい響きが飛び交うような、繊細で若い音が弾けていく。ちょっとした間合いも、可愛い。
危なっかしい感じのするところもあるのだが、オケも、とってもリズミカルだし、重さがないものの、テンポよく進む、その推進力が好ましいかなあ。と思う。若い人の喜びが、弾けているのが良くわかる。
喜びいさんでいる感じがして、溌剌としててとっても微笑ましい。
重厚なパワーというより、自然体の喜びかな。うきうき感というか、青いんだけど〜 
その点、若いって良いな〜って感じで、にんまりしてしまうものの・・・ 微笑ましい感じがするのだ。
ことさらに華やかでもないし、堂々とした恰幅の良さは無いのだが、繊細で自然体的な装飾音が煌めいており、自然なナチュラルな感性が感じられて、木漏れ日的だ。
オケの素朴な木管フレーズが色を添えているし、爽やかだ。
木綿のハンカチーフ的な(あっ 年齢がバレル)、それでいて綺麗なレースが施された襞模様を感じる。

3楽章は、もう少し、恰幅の良さのある演奏がいいかな〜とは思うが、総体的には、細めのさっぱり系だが、自然な爽やかさがあり、好ましい。瑞々しいし、リズム感の良い推進力があり、若い自然な喜びが、素直に発露しているような感じがして、ホント青春時代の微笑ましさがあって、いつにおいても、共感を得るものだと思う。それにしても2楽章は、こりゃ〜涙なしでは聴けませんねえ。
是非とも、青春時代に聴いておきたい1枚である。

  ムストネン ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 1994年
Olli Mustonen Herbert Blomstedt
San Francisco Symphony

  

録音状態はまずまず。とにかく変わった演奏で〜しばらくお蔵入りにしていたもの。改めて聴いたが。やっぱり変っ。演奏家が分析するために聴いてください。
カップリング:グリーグ ピアノ協奏曲
この楽曲は、オケの序奏部分が長く、優美に主題をフレーズを歌い、ピアノは、待ってました〜と、万全を期して、柔らかく入ってくる。ロマンティックで優美で、ソフトタッチの楽曲だ。
ムストネンさんのバックのオケは、ブロムシュテットさんが振っている。
安定した美しいフレーズが聴けると思っていたし、聴きなれた楽曲が、爽やかに耳に届くのだと思っていたのだが・・・ さにあらず。ギャフン。
結論から言うと、相当に変わった演奏で〜 最後には首が締まって、息苦しく、お蔵入りにしてしまった盤である。
ショパンのPコンを聴きたくなって、改めて、久々に取り出した盤なのだが。
グリーグを聴いて、続けて、このショパンを聴いたが、やっぱり〜 CDを聴いた最後には、肩が凝り、手足の節々が痛くなってくるような気分で、疲れちゃったデスねえ。

1楽章、まず、「ど〜ふぁ〜みふぁら どどど ふぁ〜みふぁそふぁ ふぁ〜み」 と、流れてくるのだが、オケの序奏が逞しく、ぶっとい低音が響き、荒々しい感じがする。
流れ出てくるフレーズが、ぶつ切りでギクシャクしており、チェロ以下の響きが重くのしかかっており、「し〜らそ そ〜ふぁみ みれど し〜どしそ みそふぁ〜」と、相当、口調が険しく、ぶっきらぼうだ。
キツイ弦のフレーズで、歌うような雰囲気が無いのである。
さすがに、フレーズが繰り返される部分では、ヴァイオリン、木管は、ソフトに流れてくるけれど、それでも低弦は、ぶっきらぼうに響いている。
それにしても、やたら低弦が聞こえるんだけど・・・。
で、ムストネンさんのピアノは、ロマンティックな筈のフレーズが、チョウツガイが外れたようになっている。
ためて欲しいところが速く、柔らかいレガートが、ぶつ切りになってしまう。
あのぉ〜 ショパンってロマン派なんですけど。どーして、こんな風になってしまうんですか?
なんか独特の節回しなのだ。
えっ 音が多いんじゃ? ここに、装飾音入ってたっけ?
はあ アクセント、ここにつけるのぉ?
えっ ここを速めるの? うぐ ここは、ためて欲しいよぉ〜
あぎゃ スタッカートで弾くんかい。うっそぉ〜 なだらかなレガートは、どこへ行っちゃったんだぁ。
あっさり弾かれて、拍子抜けしちゃうところと、ぐわっし。と鋭い打ち込みが入ってしまうところがあって。
へぇっ 嘘ーーーっ。
なんだか、聴いている方が、慌ててしまう始末である。
オケの方も、きっと青ざめちゃうんじゃーないかと思う。ブロムシュテットさんが、うろたえちゃうんじゃ〜ないだろうか。気の毒じゃ。と、余計な心配をしちゃった。

総体的に、やっぱ変わっていて個性的。しかし、改めて聴くと、へえ〜と気づくところも多いのは確かだ。
細部に、強いこだわりがあるんでしょうねえ。
で、オケの方も、普段、浮かび上がらない音が聞こえるし、ピアノの音も、普段なら右手のフレーズが主に聞こえるところが、パラパラと左手も同量で聞こえたり。
そこまで、1音にこだわると、フレーズの流れが壊れるとは思うのに・・・。
でも、ムストネンさんは、こだわっておられるんでしょう。
オケも、個性的に演奏できるので、パーツを再構築できて、実験的に演奏できて良いかもしれません。
特に、木管のフレーズが印象に残る演奏だったですね。へえ〜 ここでフルート、おおっ ファゴットが登場かあ。と、ピアノをそっちのけで聴いてしまった。

既成概念を、とっぱらう演奏だし、演奏家が分析して聴く分には、面白い盤かもしれません。
素人が聴くには、どーも、ギクシャク感が残ってしまい、どうしてこの節回しで演奏するのか。その必然性がワカラナイ。
普段聴くには、どうかと思うし、私的には、数多いクラシック曲のなかで、ショパンを聴こうとする際には、ある程度、求めているモノがある ので、既成概念も棄てるって言っても、う〜ん。
この楽曲のイメージが、既にやっぱ堅牢に出来ちゃってて、ダメかもしれないです。
また、所有している盤が複数ある場合、選ぶ時には、やっぱ〜 優美で、ソフトに、淡く、包まれたいな〜って思うんで、どーも取り出しづらいです。ごめんなさい。
それにしても、甘すぎず、素っ気なさすぎず、適度な風合いで良いんですけどねえ。難しいなあ。

1961年 ルービンシュタイン スクロヴァチェフスキ ロンドン新交響楽団 ★★★
1962年 マガロフ ベンツィ ラムルー管弦楽団 Ph ★★★
1963年 ヴァーシャリ セムコフ ベルリン・フィル ★★★★
1968年 アルゲリッチ アバド ロンドン交響楽団  
1970年 アラウ インバル ロンドン・フィル Ph ★★★★
1975年   ギャリック・オールソン   イェジー・マクシミウク  ポーランド放送交響楽団  EMI  ★★★ 
1977年 ピリス ジョルダン モンテカルロ国立歌劇場管 ★★
1978年 ツィマーマン ジュリーニ ロサンジェルス・フィル ★★★★★
1991年 マルク・ラフォレ バルシャイ フィルハーモニア管弦楽団 EMI  
1994年 ムストネン ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 Dec ★★
1997年 ピリス クリヴィヌ ヨーロッパ室内管弦楽団  
1998年 アルゲリッチ デュトワ モントリオール交響楽団 EMI  
1999年 ツィマーマン (指揮振り) ポーランド祝祭管弦楽団  
所有盤を整理中です。

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