「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

デュティーユ チェロ協奏曲
Dutilleux: Cello Concerto


  チョン・ミュンフン フランス放送フィルハーモニー管弦楽団 2001年
Myung-Whun Chung  Orchestre Philharmonique De Radio France
ヴァイオリン:ルノー・カピュソン Renaud Capuçon
チェロ:トゥルルス・モルク Truls Mørk

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。
カップリング:
1〜5 チェロ協奏曲「遙かなる遠い国へ」 (2001年)
6〜8 ザッハーの名による3つのストロフ (2002年)
9〜15 ヴァイオリン協奏曲「夢の樹」 (2001年)
チェロ協奏曲 「遙かなる遠い国へ」 Tout un monde lointain

アンリ・デュティユーさんは、1916年フランス生まれの作曲家で、ちょっと前までご存命だった方である。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
ラヴェル、ドビュッシー、ルーセルら、近代フランス音楽の伝統を受け継ぎつつも、メシアン、ブーレーズといった大家とは異なる路線を歩みながら独自の世界を切り拓いている。
作品の数こそ多くはないが、それぞれの完成度は高く色彩感と抒情性にあふれている。
同時代のさまざまな前衛的傾向、セリー主義や電子音響、偶然性の音楽などに対しても距離を置いていた。
・・・とある。

聴いてみて、確かに、詩情にあふれているというか、ツンツンした、とげとげしい、ゲンダイオンガクではなく、聴きやすい。
しかし、どこか、つかみきれない柔らかさがある、やんわり〜とした曲想だ。
ところどころ、パーカションの鋭い音、何の打楽器が使われているのだろう〜という響きと共に、チェロが奏でられている。
で、「遙かなる遠い国へ」というサブタイトルのあるチェロ協奏曲は、チェリストのロストロポーヴィチさんの委嘱によるものだそうだ。聴きながら、イマジネーションを膨らませようとするのだが、遠い国という言葉からイメージされるような、エスニックな楽曲ではない。これは、単に、国や地域を指すモノではないのだろう。

すーっと引き込まれる響きは、夢幻の世界に近いのだが、5楽章に区分され、それぞれ立ち位置が異なるようだ。
演奏は、切れ目なく続けて流れて行く。どこが、どう区切られているのか、最初聴くときは、わかりづらい。
第1楽章 謎
第2楽章 まなざし
第3楽章 うねり
第4楽章 鏡
第5楽章 賛歌 となっている。

ワタシには、パーカッションやオケが、自分より外の世界、世間、世情で、チェロは、自分って感じで聞こえてくる。
まあ、激しい楽想になるところもあるのだが、チェロの自分は、まわりに振り回されることなく、常に静かであり、瞑想しており、自分という世界を持っているかのようだ。
煽り気味に入ってくるオケのパーカッションに比べると、とても理知的に、節度ある響きや語りをしているように思う。
まあ、このあたりは、聴く人によって、おそらく異なる印象を持たれるかもしれないが・・・。

交響曲は2曲あり、協奏曲は、チェロとヴァイオリンがある。
今日は、1970年のチェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」を聴いたが、このCDには、ヴァイオリン協奏曲「夢の樹」が収録されているので、また、機会を設けて聴いてみたいと思う。

チョン・ミュンフン パリ・バスティーユ管弦楽団 1993年
Myung-Whun Chung  Orchestre de l'Opéra de la Bastille 
(Bastille Opera Orchestra)



録音状態は良い。色彩的に豊か。
カップリング:
1〜5 デュティユー メタボール
6〜10 ベルリオーズ 幻想交響曲
デュティユー(Dutilleux)「メタボール」Metaboles

ミュンフンさん、ミョンフンさん どちらの表記が正しいのか、ちょっとわからないが、これは、ベルリオーズの幻想交響曲と一緒になったCDである。 たった16分28秒というクレジットのある短い楽曲だが、とても斬新で、色彩的に豊かで美しい楽曲だ。うるさくなく、超現実的ではあるのだが、静かで、幻想的でありながら、しっかりとした層の厚みがあり、そのくせスマートで、スタイリッシュな音楽だと思う。

5つの楽章に分かれている。 あっ ちなみに、メタボールは、5つの変遷という意味である。

1 呪術的な Incantatoire 3分15秒
2 線的な Lineaire 3分29秒
3 怯えたような Obsessionnel 2分58秒
4 麻痺したような Torpide 2分43秒
5 燃えるような Flamboyant 3分59秒

まあ、これがどういう変遷なのか、何が、どのように変遷していく様を描いたものなのかが、ちょっと・・・。
えっ それが生命線なのでは?
そう思いつつも、卵から何かが孵化したのか、それとも人の変容を意味するのか。
作曲家は、どんなイメージの提示しようとしているのだろう。それとも、聴き手それぞれが、勝手に自分のアタマのなかで想像し、イメージしたら良いのだろうか。
ある種の変奏曲だというが、これもなあ〜 テーマがつかみきれずにいるのだが、どうやら自由に、時空間を彷徨って良いよいのではないだろうか。
メタボールは、デュティユーの有名な管弦楽曲の1つだそうだが、穏やかななかに、各楽器の彩りが華やかだ。
ミュンフンのオケは、色彩が美しく、キビキビしつつも、まろやか。
1993年 ミュンフン パリ・バスティーユ管弦楽団 ★★★★
2001年 トゥルルス・モルク ミュンフン フランス放送フィル ★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved