「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ハイドン チェロ協奏曲第1番
Haydn: Cello Concerto No.1


ハイドンのチェロ協奏曲第1番(ハ長調Hob.VIIb-1)は、1765年〜67年にかけて作曲されたものです。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

ホーボーケン番号(Hob.番号)順
1 チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 1760-65?/1780
2 チェロ協奏曲 第2番 ニ長調 1783
3 チェロ協奏曲 第3番 ハ長調 1780?紛失
4 チェロ協奏曲 第4番 ニ長調 1772 G.B.コンスタツィ作
5 チェロ協奏曲 第5番 ハ長調 1769 ポッパー作
g1 チェロ協奏曲 ト短調 作曲年不明 紛失

と、なっており、ハイドンの真作と確認され、現存しているチェロ協奏曲は、1番と2番だけ。
で、エステルハージ侯に仕えていたチェリストのために作曲されたそうです。リトルネロ形式や単調な伴奏音形など、多くの点でバロック式の協奏曲の名残が見られます。両端楽章が、快速なソナタ形式で書かれているなど、バロックと古典派の融合を図った初期のハイドンの創作意欲が表れた作品だそうです。楽譜は長い間失われていましたが、1961年になって、プラハで筆写譜が発見されたそうな。
1番は、
1楽章 ハ長調 4/4拍子 協奏的ソナタ形式 ハイドン自身が書いたカデンツァが1作残されています。
2楽章 ヘ長調 2/4拍子 三部形式。オーボエとホルンはお休み。
3楽章 ハ長調 4/4拍子 ソナタ形式
約25分の、とても明るい、のびやかな楽曲です。

ヨーヨー・マ ホセ・ルイス・ガルシア イギリス室内管弦楽団 1979年
Yo-Yo Ma
José-Louis Garcia
English Chamber Orchestra

ばっちグー!

録音状態はとても良い。奥行きがたっぷり、明るくのびやか。チェロとは思えないほど軽やかなタッチで、瑞々しい。
カップリング:
1〜3 ハイドン チェロ協奏曲第1番(1979年)
4〜6 ハイドン チェロ協奏曲第2番(1979年)
7〜9 ボッケリーニ チェロ協奏曲変ロ長調(1982年)
   (G.482 フリードリヒ・グリュッツマッハー編)
ピンカス・ズッカーマン セント・ポール室内管弦楽団 
ハイドン チェロ協奏曲第1番

1楽章
軽やかな冒頭で、「どぉ〜 れどれみふぁっ ふぁ〜み れぇ〜ふぁみれど」「どどど(どっし) れれれ(れっど)」
「どぉ〜しど れみふぁっ ふぁ〜み れふぁふぁ〜そふぁみれ どぉ〜し」って感じで進んでいく。
オケのヴァイオリンで奏でられる主題は明るく、柔らかいフレーズで、とても明るく健康的な曲である。

繰り返しの部分で、チェロが入ってくる。ぐっと力を入れて、弓を引く部分があるのだが、音は、軋まず、枯れず〜
深い音が出ている。まろやかで、軽やか〜という、とても嬉しいバランスだ。
音の陰陽が、嫌みなく対比されており、テンポもちょうど頃合いで、穏やかだし、マさんのチェロは、フレーズに、ひょいっと乗っかってくるところが、すごい。と思う。
それに、ハイドンって、ホント、健康的で、明るく、元気だ。マさんの演奏で、一段と、軽やかで、瑞々しい、気持ちの良い楽曲だなあ〜っと感じられる。バロックの雰囲気が色濃く残っている楽曲だが、その、規則正しさが、心地よく感じられる。

また、この録音状態が、とっても良い。79年とは思えないほど、奥行きもたっぷり、艶もあり〜 オケのアンサンブルも巧い。とっても美音で〜 惚れ惚れしちゃうほど、綺麗な音で綴られている。
「れれれみ れれれみ・・・ そそそら そそそら そぉ〜」と、明るいトーンで、陽気で、軽やかなステップを踏んでいく。
マさんのチェロって、楽天的なイメージがするが、この、軽やかなボーイングは、すごい。
ソロの部分は、さほど難しいとは感じないし、バロックの名残りが感じられる曲で、技巧的には簡単そうに聞こえちゃうんだけど、このボーイングの軽やかさは、ちょっと。すごいんじゃーないだろうか。
軽いけれど、しっとり感のあるタッチで、華やかな感じもするし。
う〜ん すごいなあ。弱音で奏でていくところも、とても丁寧だし、低音の音もマイルドだし、渋みの少ない演奏だと思う。

2楽章
「れ〜みふぁそ し〜 れどしら そふぁらど れどしど し ふぁそらふぁそ みみみ〜」
オケが弦だけで奏でられるので、室内楽的な楽章となっている。
マ盤は、奥行きたっぷりの録音で、残響が柔らかく、とっても芳醇だ。艶のある、マイルドな音を響かせており、とっても穏やかで、安定感があり瑞々しい。
チェロの音は、しっとりとした、ふくよかな木質的な香りがしてくるように感じられる。特に、中間部では、翳りを帯びてくるのだが、息の深い、ゆったりとしたフレージングで、のびやかに奏でられている。
手足を伸ばして、身を任せたくなるような、ゆとりがある。

3楽章
ペコペコした音の木管が登場し、「れぇ〜 そふぁみ れっしらっ」という、速いフレーズを繰り返す。
リズミカルな主題で、弦の優しいが勢いのあるフレーズで、シャキシャキした感じで進んで行く。
「どぉ〜 そふぁみ れっしらっ」と、同じフレーズを、チェロと弦楽が奏でていく。
チェロが、「らぁ〜どみど しっら そららぁ〜」と歌い始めると、まるで、春の息吹を感じるかのような雰囲気に。
ころころ〜と、軽やかにトリルをまわしながら、素速く歌っていくのだが、この軽やかかな、スキップは、とっても巧い。
すごっ。この軽やかさは、絶品だと思う。
ピュアで、素朴なフレーズを、リズミカルに、飽きさせず、うきうき、乗せながら〜聴かせてくれる。
ちなみに、マさんの3楽章は、6分26秒とクレジットされている。

総体的には、録音が良い。オケも巧い。チェロも、軽やかで、三拍子揃っている感じ。
弓がしなって、音を出しているという感じがしないというか、(←変な表現だけど)  チェロというより、ヴァイオリンのように、コンパクトで、軽やかで、身軽な音のタッチ、音の出し方に聞こえる。う〜ん、これ、ほんとに、チェロ協奏曲なんだよねえ。と、再確認しちゃうほどなのだ。
1楽章の最初の部分に、重音の部分があるが、おおっ チェロ チェロ・・・と改めて感じるほど。
あとは、バイオリンじゃ〜ないの?と思ってしまうぐらい、タッチが素速く、軽やかで、安定した音色である。

オケもチェロも、拍感覚が少なめで、ガシガシとした音を奏でず、縦に区切られた感じがしないまま、流麗に進んでいく演奏だ。 軽やかで、重さが感じられないというか、軽やかで、素速く、それでいて、芯のある、瑞々しい音質である。
また、ハイドンの楽曲そのものが、ホント、嫌みのない楽曲なのだ。ウツウツとした梅雨時に、聴くと晴れやかで爽やかな気分に〜 まるで、空気清浄機、プラズマクラスターみたいな楽曲である。(笑)

マイスキー イギリス室内管弦楽団 1986年
Mischa Maisky
Chamber Orchestra of Europe

あちゃ〜

録音状態は良い。かなり草書体の演奏で、重みのある装飾音が入ってくる。
しかし、2楽章の歌いの良さ、3楽章のノリの良さに、つい、引き込まれる。
ライブ盤
カップリング:
1〜3 ハイドン チェロ協奏曲第1番
4〜6 ハイドン チェロ協奏曲第2番
7〜9 ハイドン ヴァイオリン協奏曲第4番(チェロにて演奏)
1楽章
「どぉ〜 しどれみ ふぁ ふぁ〜み れぇ〜ふぁみれどっ」「どどど(どっし) れれれ(れっど)」
「どぉ〜しど れみふぁっ ふぁ〜み れっらぁ〜そふぁみれ どぉ〜し」
この冒頭の転がるフレーズは、丁寧に典雅に演奏されている。
ホルンの響きはイマイチだけど、弦の艶のある音、そして、囁き歌うようなフレージングは、聴いているだけで、もう既にご馳走状態となっている。穏やかだが、まろやかに、そして、レガートがかかった甘えの旋律となっている。
で、満を持してマイスキーさんのチェロが、ぐいっと渋い音で入ってくる。
ここでは、指揮振りをしているらしいのだが、たっぷりめの歌いっぷりで、おいおい〜と思うほど、たっぷりの装飾が入ってくる。
この前、鈴木秀美さんのチェロで聴いたのだが、あらまぁ〜
全く異なるアプローチで、ちょっと、笑えてしまうほどの、とろけるような甘さを感じる演奏だ。

この楽曲は確かに宮廷のサロンのような楽曲だが、マイスキーさんの演奏は、ピンク色しているというか(笑)官能的というか、世紀末風の退廃ムードもちょっぴり感じさせるかのような、爛熟系の演奏となっている。
お尻が、ピンっと跳ね上がっている、キレのある弾む装飾音ではない。まあ、いわゆる小股の切れあがった〜というのではなく、重めのレース襞で、たっぷり系の重量級のあるフレーズに、たっぷり〜とした装飾音で、語尾がオケを、合わないで、 字余り風になっているほどの演奏だ。

2楽章
「れぃ〜みふぁそっし れどしら そふぁらど れどしど し ふぁそらふぁそ み〜みみ れどしど・・・」
室内楽のような楽章で、穏やかだが、芳醇に、たっぷりとチェロが歌いはじめる。
「れぇ〜みふぁそ し れどしらそふぁらど れどしどし ふぁそらそふぁみみ〜 れどしど・・・」と、囁くように歌い始めるのだが、やっぱり雄弁だ。
しみじみと語りかけているのだが、説得力があるというか、旋律は柔らかいが力強さがあり、情感たっぷりに迫ってくる。
この、ひたひた〜っと迫り来る情熱は、自然の発露なのだろうか。
ハイドンの2楽章で、短調になった途端に、泣き節に近いような旋律になっていくのは、ちょっと、困るんだけど・・・。
なんで、こんな風に、のめり込んで弾けるのだろう。
唖然としてしまうほどの感情移入というか、入れ込み方、歌い方で、はぇ〜っ。超強烈な個性で、びっくりしてしまった。
ハイドンなのだから、もっと、あっさり〜 さっぱり〜で 良いんですけど・・・。
まあ、超弩級の入れ込みで、ハイドンも、大笑いしてるんじゃーないかと思うんですけど、きっと演奏家は、大まじめ。
しっかりと、自分の思いをこの曲に込めて、大きく歌い上げていくのでした。

3楽章
軽やかに、「れぇ〜 そふぁみ れっしらっ」という、速いフレーズを繰り返す。
このフレーズは、弦の艶の良さがあり、ノリ感があり、弾力をもって、優美にフレージングされていく。巧いなあ。
耳のご馳走だ。
「どぉ〜 みぃ〜れれ〜 そふぁふぁ〜どら ふぁそそ らししぃ〜」と歌われると、思わず涙ぐんでしまうほど。
柔らかいし、優美だし、その旋律の優雅さに、さらっと、チェロが絡んで、さらっと歌い始める。
えっ いつ入ってきたの? と驚いてしまうほど、オケのなかに溶け込んで、歌う。
確かに、甘めの声なのだが、ここではテンポよく、さらさら〜っと、歌うし、草書体すぎるきらいはあるものの、その伸びやかさには、舌を巻いてしまう。
音は安定してないし、もっと、しっかりと足元をカッチリとして欲しいのだが、まるで、ウキウキとした気分を抑えきれないかのように、自己陶酔していくんでしょうねえ。ライブ盤ならでのテンションの高さで、情熱が止まらない。
シャキシャキとした食感ではないし、かなり、ぶっ飛ばし〜という感じなのだが、この燃え上がるところは、驚き。
この独特の感情の迸り感には、圧倒されて呑み込まれてしまう。
ラストに向けて、ますますテンポをあげて〜歌い上げていく。
あの1楽章の典雅なフレーズは、すっかり忘れ去れてしまったかのようで、とっても速い。
6分24秒というクレジットになっているのだが、まあ、感覚的にはもっと速いかも。一応、マさんのCDを取り出して、3楽章の速さを調べると、6分26秒というクレジットである。あらま〜っ、双方共に速いんだ。

総体的にマイスキーさんの演奏は、情熱的な演奏である。 マイスキー節が炸裂してて、2楽章なんぞ、すごい。
ハハハ〜 ちょっと違うでしょう。と思いつつも、完全に呑み込まれて、一緒に歌い、一緒に泣きという感じになってくる。
とっても個性的な演奏で、もっと、端正に弾いて欲しいと思っても、これは、演奏家の個性なのだと思う。
好き嫌いは、完全に分かれてしまうかもしれないが、まあ、しかし、 ハイドンのチェロ協奏曲で、これだけ、感情移入されてしまうとは思ってみませんでした。

鈴木秀美 シギスヴァルト・クイケン ラ・プラッティ・バンド 1998年
Sigiswald Kuijken
La Petite Bande

ほぉ〜良いヤン


録音状態は良い。
カップリング:
1〜3 ハイドン チェロ協奏曲第1番
4〜6 ハイドン チェロ協奏曲第2番
7〜9 ハイドン ヴァイオリン、チェロ、オーボエ、ファゴットとオーケストラのための協奏交響曲変ロ長調
チェロ:鈴木秀美 ヴァイオリン:寺神戸亮 オーボエ:パトリック・ボージロー
ファゴット:マルク・ヴァロン
ハイドン チェロ協奏曲第1番

このCDは、古楽器使用の演奏である。
1986年から2001年まで、クイケンのラ・プティット・バンドのメンバーだった、鈴木さんのソロである。
「どぉ〜 れど しどれみ ふぁっ ふぁ〜み れぇ〜ふぁみしど そっど」「どどど(どっし) れれれ(れっど)」
「どぉ〜しど れみふぁっ ふぁ〜み れ らそふぁみれ どぉ〜し」って感じで進んでいく。
結構、強いタッチで、歯切れが良い。
この前は、マさんの演奏で聴いたのだが、それは流麗だった。
CDのブックレットにあった鈴木さんとチェロの写真を拝見したら、ん? チェロにエンドピンがない。
どうやら、膝に挟んで演奏されるようである。

ハイドンって、健康的で明るいと思っていたのだが、ここで聞こえるチェロの音色は、かすれて渋い。
とっても研究された演奏なのだろうが、ワタシには、馬に念仏状態で、なんで〜 こんなに擦れた音なのだ。ピリオドは面白くない、楽しくない、もっと、明るく弾いて欲しい〜と、のたまう始末だった。
実は、ワタシ、ピリオド楽器が流行していた時は、好きではなかった。エッジの鋭い、怒りに満ちたような怖いアーノンクールさんの演奏で、いっぺんに、嫌いになっちゃったというトラウマがある。
まあ、それからは、かなり時間が経ったし、シブシブ聴いているところもあるのだが、可愛いトリル部分は、確かに渋いし、おじいちゃんの楽器みたいで〜 今、改めて聴いても、しゃがれた声だなあ。と思う。

2楽章の冒頭、「どぉ〜 れみふぁ ら どしらそふぁみそし どしらしら ふぁそらふそ み〜みみ」
と、オケが弦だけで奏でられるので、室内楽的な楽章となっているのだが、このフレーズが細切れ状態になっている。
なだらかさに欠けており、芳醇さに満ちた演奏ではないし、艶がなく、抜け落ちた音のように聞こえるのだ。
まあ、しかし、この渋い音が、このグループの良さなのだろうと、今では思う。
瑞々しい音とは、とっても言えないように思うのだが、古楽器ファンにとっては、耳のご馳走なのだろう。
で、この演奏は、おそらくチェロだけでなく、各楽器が1人体制という感じで、弦楽○重奏という感じで、演奏されているのではないかしらん〜。ブックレットには、第1ヴァイオリンで4人のお名前が掲載されているんですけどね。

3楽章は、快速バージョンで飛ばしていく。ここで6分38秒というクレジットだ。
マさんの演奏は6分26秒というクレジットになっているのだが、鈴木さんの演奏の方が、速く聞こえる。
キレが良く、リズミカルで、ガット弦が切れるんじゃ−と心配しちゃうほど、(あっ 力任せに演奏しているってわけではないだけど、かすれた音のように感じちゃうので)早口で、熱っぽく駆け抜けて行く。
1979年 ヨーヨー・マ ホセ・ルイス・ガルシア  イギリス室内管弦楽団 SC ★★★★
1986年 マイスキー ヨーロッパ室内管弦楽団   ★★★★
1998年 鈴木秀美 クイケン ラ・プラッティ・バンド DHM ★★★
所有盤を整理中です。

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