「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ハイドン トランペット協奏曲
Haydn:Trumpet Concerto


ハイドンのトランペット協奏曲は、ハイドンが、膨大な交響曲や弦楽四重奏曲を作曲したあと、晩年となる1796年に作られました。1800年に初演された後、忘れられてしまいましたが、1929年に楽譜が出版された後は、トランペットの主要レパートリーになっています。

で、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
この曲は、すべての音域で、半音階を演奏できるような有鍵トランペットの発明者であった友人アントン・ヴァイディンガーの依頼により作曲されたものです。
それ以前のトランペットは、ハイドンの協奏曲では、以前より低い音域の旋律も要求されているし、フンメルの協奏曲もヴァイディンガーの有鍵トランペットのために作曲されたものだそう。今日のヴァルヴ式トランペットが登場するのは、1830年代になってからです。しかし、古楽器演奏が流行しているので、オリジナルの有鍵トランペットでの演奏も見られるようになっているそうです。

3つの楽章から成り立っており、
第1楽章 Allegro 変ホ長調、きわめて簡潔な協奏的ソナタ形式
第2楽章 Andante 変イ長調
第3楽章 Allegro ロンド、フィナーレ 変ホ長調 4分の2拍子の溌剌とした曲想で、約15分程度の楽曲です。

ウイントン・マルサリス レイモンド・レッパード
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 1982年

Wynton Marsalis  Raymond Leppard
National Philharmonic Orchestra

ばっちグー!

録音状態は良い。とても明るくテンポよく、楽しげで〜 勢いがあり、直線的な、鮮やかさがあり、華麗なるパッセージのトランペットの協奏曲だ。
カップリングは、下記のとおり。
カップリング:
1〜3   ハイドン トランペット協奏曲
4〜5   モーツァルト トランペット協奏曲
6〜8   フンメル トランペット協奏曲
9〜11  ヴィヴァルディ 2つのトランペットのための協奏曲
12〜14 テレマン 3つのトランペットのための協奏曲
15    パッヘルベル 3つのトランペットと弦楽のためのカノン
16    ビバー 8つのトランペットと管弦楽のためのソナタ
(9〜16 イギリス室内管弦楽団 1987年)

普段、ハイドンは、さっぱり聴かないので、あまり馴染みがありません。
その昔、トランペットには、通常ヴァルヴがなく、唇の圧力を変えることで辛うじて自然倍音を出せるにすぎなかったそうで、これらの倍音は、高音域に寄り集まっていたので、古い時代のトランペットは、非常に高い音域の旋律を奏でるしかなかったとか。顕著な例では、ブランデンブルク協奏曲第2番だそうです。

うわぁ〜 なんて甲高い音なんだっ!と、古楽器演奏のCDを聴いていた時に、耳触りに感じていたのですが〜
こりゃ 恥ずかしい。今のモダン楽器のトランペットと違うのを吹いておられたのかもしれず・・・ ど素人コメントだったんですね。(汗)

で、有鍵トランペットって、写真で拝見する限りでは、手元から扇形に広がった蓋する器具が付いているみたい。
オーボエとかクラリネットには、楽器本体に孔があいているじゃーないですか。
で、その孔を蓋する器具が、楽器にさりげなく付いているけれど、それと同様のモノを、どうも、トランペットに取り付けてたみたいですねえ。
専門家ではないので、現在のバルブ式とどう違うのかも、さっぱりなのですが・・・
トランペットに孔を開ける? これだけで、相当にびっくりなんだけど。
ヴァイディンガーさんは、自然倍音しか出せなかったナチュラル・トランペットに4つないし5つのキーを取り付けて、半音階の演奏を可能にしたそうな。

ブックレットを読んでいると、どうやら、金管に孔を開けて、柔らかいフェルトみたいなモノで蓋していたみたいですね。
そうしちゃうと便利なのだけど、金管本来の輝かしい音が出ない・・・ってわけで、忘れられちゃったみたいですね。

マルサリスさんは、ご存知のとおり、ジャズの大御所演奏家ですが、クラシックも演奏されてて〜 おみごっと。
「ふぁ〜そ ら どふぁそら し れみふぁれ どぉ〜」 明るい楽曲で、軽快です。
昔っから、すげーっ テクっ! と、びっくりしながらお聴きしておりました。が、そういいつつも、ワタシのCD棚の隅っこに収蔵されていたんです。あー 申し訳ないっ。ようやく、陽の目を見たって感じ。(汗)
3楽章なんぞ、速いパッセージがあって、確かにねえ。
「どぉ〜ふぁ れぇ〜ふぁ みそどみふぁっ ふぁ みそどみふぁっ」
「ふぁ みふぁそみ どれふぁみ ふぁ〜っ ししらら そそふぁふぁ・・・」
ここで音を書いたら半音ってわかりませんが〜 トリルのなかに、半音が速いパッセージで入ってきます。
明るくテンポ良く、ハイドンの楽曲とは思えないほど、最近の楽曲みたいで〜 鮮やかすぎるほど鮮やかですが、なかなか楽しい愉悦性の高い演奏です。


セルゲイ・ナカリャコフ
ヘスス・ロペス=コボス ローザンヌ室内管弦楽団 1993年

Sergei Nakariakov
Jesus Lopez-Cobos (Jesús López-Cobos)
Lausanne Chamber Orchestra
(Orchestre de Chambre de Lausanne)

カップリング:
1 ジョリヴェ  トランペット、ピアノと弦楽のためのコンチェルティーノ
2〜4 トマジ トランペットとオーケストラのための協奏曲
5〜7 フンメル トランペット協奏曲 変ホ長調
8〜10 ハイドン トランペット協奏曲 変ホ長調
ピアノ: アレクサンドル・マルコヴィチ Alexander Markovich
このCDは、「ミラクル・コンチェルト 〜トランペット協奏曲集〜」とタイトルされたもの。
で、1977年生まれのナカリャコフさんの15歳頃の演奏である。
う〜ん メチャ可愛いっ。ほとんどジャケ買いって感じなのだが・・・ えへへっ。

冒頭のオケのホルンの「ふぁ〜 そぉ〜 らぁ〜」、そして、「っど ふぁそらし どぉ〜 れみふぁれど〜っ」と続いていく弦のフレージングが、とっても柔らかく、ハイドンの心地よい演奏となっている。
また、続くトランペットのソロも、とても柔らかい音質で、さらっと、自然な抑揚を加えて、控え気味にして吹かれている。 
マルサリス盤が、極彩色のように鮮やかで、煌びやかな音質だったのに比べると、ほほぉ〜っと思うほど、柔らかい。

CDのブックレットを拝読していると、キー付きトランペットは、半音の演奏が可能になりましたが、まだ機能的に充分ではなかったのか、割合単純な音階の順次進行的メロディになっています。転調してからの高音域で最高音へ上る個所、10度、14度の跳躍など、セルゲイは軽々と演奏しています。・・・と書いてあった。

トランペッターじゃないので、ワタシは操作のことなどわからないのだが、ナカリャコフさんの音は、直線的なノビではなく、フレージングが山鳴りの曲線を描いていく。音が柔らかいし、少し細身というか、旋律の膨らまし方が、とても自然で繊細な感じがする。
聴いてて疲れないし、抑揚の付け方がとっても自然なのだ。マルサリスさんのトランペットは、吹いた瞬間から、直線的に飛び出してくる感じがしたので、のけぞるほど、おおっ!っと驚かされるのだが、ナカリャコフさんの音は、ほぉ〜っと、身を乗り出して聴き始めようかなと、引き込まれる感じで、やっぱり、すごく違うな〜って思っちゃった。

2楽章は、瑞々しく、しっとりと演奏されているし、3楽章の速いパッセージは、とっても機能的だけど、繊細な感じが残っているので、やっぱり若々しく感じられる。
総体的には、独壇場という感じではなく、柔らかいローザンヌ室内管のオケの音質に合わせ、溶け込んで、トランペットの音が入っています。協奏曲とは言うものの、室内楽の演奏として聴き応えのある演奏となっています。


1982年 マルサリス レッパード ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 SC ★★★★
1993年 ナカリャコフ ロペス=コボス ローザンヌ室内管弦楽団 Tel ★★★★★
所有盤を整理中です。

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