「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

リスト ピアノ協奏曲第2番
Liszt: Piano Concerto No.2


リストのピアノ協奏曲第2番(イ長調 S.125 R.456)は、1839年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

リスト自身が、「交響的協奏曲」という名称を与えたこともあるこのピアノ協奏曲は、ピアノと管弦楽が一体になった、いわば交響詩ともいえる性格を呈しています。とても、詩的な味わいがあり、抒情性が極めて豊かな作品になっています。
1839年に着手して9月には初稿が完成しているのですが、それ以降、補筆や改訂を行い、48年頃には交響的協奏曲という名称をつけます。でも、これも取り下げ、49年には改訂を終えているのですが、56年にまた補筆、 61年には決定稿と、かなり手を入れています。

単一楽章で、形式は、ピアノ協奏曲第1番よりも、さらに自由で、狂詩曲風の性格が浮き彫りにされています。
曲の構成は、6つに区分されています。

第1部 アダージョ・ソステヌート・アッサイ 冒頭部で夢幻的な基本主題が提示されます。
第2部 アレグロ・アジタート・アッサイ エネルギッシュな主題が2つ提示されます。
第3部 アレグロ・モデラート 優美で表情豊かな部分で、ロマンティックで美しい世界です。
第4部 アレグロ・デチーソ  ダイナミックな部分で、そこでは強烈で華々しい表現が印象深くなっているもの。
第5部 マルツィアーレ・ウン・ポコ・メノ・アレグロ 行進曲で、ソナタ形式の再現部に相当する部分です。
第6部 アレグロ・アニマート コーダに相当し、圧倒的なクライマックスに到達して結末を迎えるもの。

約20分の楽曲ですが、インパクトの強い、豪快で豪勢、圧倒されます。

  ブレンデル ハイティンク ロンドン・フィル 1972年
Alfred Brendel
Bernard Haitink London Philharmonic Orchestra

ばっちグー!

録音状態は良い。およそ70年代初頭とは思えないクリアーさ。
カップリング:
1〜4 リスト ピアノ協奏曲第2番
5〜7 リスト ピアノ協奏曲第1番
8 死の舞踏 S126/R457
「れぇ〜〜どぉ〜〜 どれどぉ そぉ〜ふぁ しぃ〜 らしれどぉ〜  しどれ らぁ〜 そ」
「れどそぉ〜ふぁ ふぁそふぁ れぇ〜どれど そぉ〜ふぁ・・・」
冒頭のクラリネットのフレーズが、とても綺麗で、「れどれどれど〜 しどれぇ〜」と、ころころ〜っと良い音が出てくる。
この冒頭だけで、もう既に悩殺されちゃうぐらい、濃密で華麗なフレーズである。
世紀末の絵画のごとく、退廃的というか、爛熟した美意識が、これでもかぁ〜式に詰まっている楽曲である。

で、かなり、ゆったり〜 オケのフレーズも見通しよい。
まあ、木管が、音をひっかけて、タメて出てくるのは、他のオケでやられると、ベタでクサイ演奏だな〜って思うのだが、何故か、この盤で聴くと、これはご愛敬だろうかと思えちゃうのである。
また、オケの方が、透明度の高い、ホント70年代の録音とは、とっても思えないほどの明瞭な、シャープな録音である。
歯切れがよく、弦をピンピンっと言わせてピチカートしている部分など、結構、計算づく〜という感じがして心地よい。
シャンシャン音が出てくるのだ。

あまり、タメ感がなく、オーバーアクションの少ない演奏というか、スッキリしていながら、かなり音の幅が広い。
ブレンデルさんの繊細で硬質感のある、繊細な音。そして、オケの透明度の高さ、木管の透き通るようなフレーズなどが感じられる場面もあれば、ゴロゴロっという低音のゴツイ、厳めしい音まで、音の表現の幅が大きい。
もちろん、聴かせどころのピアノの雪崩落ち、グリッサンドも綺麗にシャープに決まっている。

普通に弾いていると、オケに飲め込まれてしまうような、ピアノの音が、しっかりと分離されていて、オケの音量に負けてないピアノの響きがあるので、とっても、聴きやすい。
う〜ん。これは、72年の録音とは思えないほどの、クリアーで分離の良い録音テクが、すぐれているから〜とも言える。

そして、ベタベタの超ベタな楽曲かと思いきや、ブレンデル盤で聴くと、見違えるように格調高く聞こえるんだけど・・・。
国家の品格ならぬ、リストの品格、このブレンデル盤で挽回っ。って感じだろうか。
んじゃ なんで、ベタな演奏だと感じるのかと言えば、やっぱ、オケが分厚い、どてっとした音を奏でているから。
また、ピアノの打音が、えっと思うほど強烈な打音で、グリッサンドの場面でも、タメ感がねちっこいから。
やっぱ、分厚い音の響きと、タメ感が、品を落としているのだろうなあ。
このリストの楽曲は、演奏者のアプローチによって、表現の幅が、大きく異なるのではないだろうか。ブレンデル盤は、品の良い上質な感じのする演奏だったが、下町風のベタな演奏も、聴きたくなってしまった。
ど素人は、これだから困る。欲が深い・・・と言われそうだ。アハハ・・・。
コチシュ イヴァン・フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 1988年
Zoltán Kocsis
Iván Fischer
Budapesti Fesztiválzenekar (Budapest Festival Orchestra)



録音状態は極めて良い。とても硬質感のある煌めく音によって綴られ、ダイナミックに華麗に、繊細に奏でられて聴き応えあり。カップリングは、下記のとおり。
カップリング:
1〜4   リスト ピアノ協奏曲第1番
5〜10 リスト ピアノ協奏曲第2番
11〜14 ワーグナー オペラ・トランスクリプション (ローエングリン 聖堂へ向かうエルザの婚礼と行進、トリスタンとイゾルデ 前奏曲、イゾルデの愛の死、パルシファル 祝典行進曲)
ワタシが所有している盤は、ワーグナーのオペラ・トランスクリプションがカップリングされているが、ドホナーニの童話の主題による変奏曲が、カップリングされているものもある。

「れぇ〜〜 どぉ〜〜 どれどぉ そぉ〜ふぁ」
「しぃ〜 らしれどぉ〜 しどれ  らぁ〜 そ」
「れどそぉ〜ふぁ ふぁそふぁ れぇ〜どれど そぉ〜ふぁ・・・」
「らしど れぇ〜 れ〜 どれど そぉ〜」「しどし ふぁぁ〜 しどしどしぃ〜っ」

コチシュ盤は、冒頭の第1部が、ゆったり〜 しっとりと奏でられる。クラリネットのフレーズが、幻想の世界に誘われるのだが、ワタシの場合、聴く時によって、この序奏から受ける印象が変わる。
もわもわ〜としているときに聴くと、ふわーっと、自然と目の前が広がる。
ある日は、華麗なる舞台に、段々と昇って、雄弁に語り出せるような感がするし、ある日には、いきなり世界が、雪の積もった大地のような世界になったり、ある日は、清々しい高原に立ってて、さあ〜これから山に登るぞ〜って感になったり。
この曲自体が持つ、雄弁さに、気後れして、辟易する時もある。

コチシュさんの演奏は、ピアノの持つ音色の変化に驚かされつづける〜って感じだ。
打音の強さに驚かされ、音の立ってくる時の粒立ちの良さ。煌めきが存分に味わえる。まあ、なんて綺麗なんだろう。

演奏自体には、とろみのある、どんよりとした厚みのある重量級の演奏ではない。
オケもピアノも、シャキシャキした食感で、歯切れの良さと、品の良さがある。
情熱を感じる力強く、迷いのない打音が、正鵠を射るかのように決まっていく場面があったり。
粘りのある低音で、どろん どろん どろん・・・と、 繰り返すシーンでの、海底から渦巻くような、凄みのある音が広がってきたり・・・。華麗なるシーンでは、どうだ〜と見得を切っているかと思えば、まるで少女のように恥じらうし。
行進曲風のフレーズが出てくるところの威勢の良さ、 オケも、力強く、恰幅の良いものだ。

6つも場面が用意されているが、このなかにも、凝った場面が用意されており、1冊の本のようで〜 はあ、こりゃ演奏するほうも大変だわ。ころころ、人格を変えれるような役者になって、演奏しなきゃ〜って感じだ。

コチシュ盤は、録音状態も良く、正確な硬質感たっぷりの打音で、シャキシャキしたフレージングで、腰の強い音質が、とっても良い。くどくなく〜 さっぱりした感じだが、とても硬質感のある美音で綴られている。
コチシュさんの演奏は、リストならではの、音で描く場面設定ごとに、律儀なほどに雄弁に語ってくれる。
誰の曲を弾いても、ワタシはワタシ・・・という演奏家もおられるが、意外と、役者なのだ。
ワタシ的イメージだと、もっと知的に、もっとカチカチに、さっぱりと演奏しているのかと思っていたんだが、意外とノビノビ〜 役者じゃん。イメージが、とても膨らみ、品良く、美しく、とっても優美で、嬉しくなっちゃう演奏だった。

まあ、それにしても、このリストの楽曲は・・・ 呑み込まれないように、演奏家さんたちが、どれだけ舞台で活躍できるか。役者のように振る舞えるかが、勝負の分かれ目ってところだろうか。
いや〜 この曲自体が、相当、派手なだけに、かなり演じてもらわないと、聴き手も、満足できないのではないだろうか。
リストは、この曲を、「交響的協奏曲」とネーミングしたというが、う〜ん ワタシは、これは1つの舞台芸術だと思う。

1972年 ブレンデル ハイティンク ロンドン・フィル Ph ★★★★
1988年 コチシュ フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 Ph ★★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved