「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ルトスワフスキ  管弦楽のための協奏曲
Lutoslawski
: Concerto for Orchestra


パウル・クレツキ スイス・ロマンド管弦楽団 1968年
Paul Kletzki
L'Orchestre De La Suisse Romande

これもありかっ  ← ワタシの聴き方が・・・

録音状態は良い。今まで、ちょっと、ノー天気に聴いてしまっていたかもしれない。

← 2枚組BOX オムニバス盤で、シマノフスキとルトスワフスキの楽曲が収められている。カップリングは、下記のとおり。
CD1
1〜2  シマノフスキ 交響曲第2番 ドラティ デトロイト交響楽団 1980年
3〜5  シマノフスキ 交響曲第3番「夜の歌」 ドラティ デトロイト交響楽団 1980年
6〜9  シマノフスキ ヴァイオリン協奏曲第2番 1992年
      ヴァイオリン:シャンタル・ジュイエ Chantal Juillet
       デュトワ モントリオール交響楽団
            ※ ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲とのカップリングされているCDもある。

CD2
1〜3  ルトスワフスキ 管弦楽のための協奏曲 クレツキ スイス・ロマンド管弦楽団 1968年
4     ルトスワフスキ 織り込まれた言葉(Paroles tissées) 
      テノール:ピーター・ピアーズ Peter Pears 指揮:ルトスワフスキ ロンドン・シンフォニエッタ 1972年
5       ルトスワフスキ パガニーニの主題による変奏曲(Variations sur un Theme de Paganini)
        ピアノ:ペーテル・ヤブロンスキー アシュケナージ ロイヤル・フィル 1991年
6       ルトスワフスキ 葬送音楽(Musique Funèbre) ドホナーニ クリーヴランド管弦楽団 1990年 
      ※ ショスタコーヴィチの交響曲第10番とのカップリングされているCDもある。

このルトスワフスキーの管弦楽のための協奏曲は、作曲家でもあり指揮者でもあった、パウル・クレツキさんと、スイス・ロマンド管弦楽団の演奏である。その昔、LPレコードで、ヒンデミットの画家マティスとのカップリングで収録されていたもののようだ。 録音年は、1968年と古いのだけど、しっかり、CD化されており、そんなに古く感じないものとなっている。
ちなみに、パウル・クレツキさんは、1900年生まれのポーランド人である。
ユダヤ系のために、とっても苦労されたようだ。

ウィキによると〜
ナチスが政権を掌握するとユダヤ系のためにヴァイマル共和国から離れざるを得なくなり、1933年にイタリアに行くが、ファシスト政権の反ユダヤ主義政策のためにソ連に逃れる。しかし今度は、36年にスターリンの大粛清を逃れて、スイスへの亡命を余儀なくされた。
クレツキの最も有名な作品、交響曲第3番「イン・メモリアム」は、1939年10月に作曲され、ナチスの犠牲者のための墓碑として、哀調を帯びた作品にまとめられているが、その後、作曲はやめたそうである。 アンセルメ引退後、1967年〜70年まで、スイス・ロマンド管弦楽団の音楽監督だったそうである。

ルトスワフスキも、シマノフスキも、クレツキも、同じポーランドの作曲家、指揮者という組み合わせだ。
「イントラーダ」の部分の冒頭は、金管が、ぶぉっと吐き出して、バンバンバンバン と、ティンパニーの音から始まる。
「そふぁら どしみっしぃ〜 そふぁら どしれしそふぁ みっし〜」
分厚い音で彩られているなか、弦も木管も、「そふぁら しそふぁ どしみっしぃ〜」
「しらど れし みっし〜」「れどら みどら ふぁらそ・・・」って感じの3つの音が、細切れに飛び交う。
「そし〜 みど〜 どみ〜 られ〜 ふぁら〜 れ・・・」「ふぁふぁふぁふぁ・・・ふぁふぁふぁふぁふぁ・・・・」
短いフレーズが飛びかっていくのだが、その様相は、あまりスマートとは言えず、ごろごろ〜力強く、うめくように響いている。
ティンパニーや低弦は、分厚いのだが、さほど、悲痛ではない。
様式としては、新古典というが、バロック様式を借りたゲンダイオンガクだと思う。金管も迫力があるし、聴き応えあり。
2楽章になると、かなり、ゲンダイオンガクの雰囲気がするが、いろんな木管が登場し、楽しい。
聴きやすく、楽しいが、いっときの平和が訪れ、戦争で荒れ果て、どす黒い匂いや、モノが燃えた熱が冷めきらない大地のうえを、鳥が飛び交っているような雰囲気がする。
3楽章は、金管のファンファーレが力強く奏でられるが、空虚さが感じられるものとなっている。

総体的には、シャープで、スマート、ドライな楽曲だと思っていたのだが、ちょっと、聴き方が間違っていたかもしれない。
もっと、荒んだ大地なのだ。きっと・・・。
悲痛なものを通り越して、カラダの力が抜けて、あまり、何も感じなくなっちゃった〜かのような雰囲気を、少し垣間見たような気がする。
今まで、ワタシは、スポーティで、格好のよい楽曲だと思っていた。ちょっと、ノー天気に聴いてしまっていたかもしれない。
聴いてて、 暗く悲痛な世界を描いたり、諦めや怒りを描いたりしているものではないと思うのだ。
でも、どこか、やりきれなさを孕んでいるようにも思う。
もっと、しっかり時代背景を考えて、音楽は聴かないといけないのかも。と、ちょっと反省している。

小澤征爾 シカゴ交響楽団 1970年
Seiji  Ozawa
Chicago Symphony Orchestra

   

録音状態はまずまず良い。ライブかと思うほど、熱くて勢いのある演奏だ。
ノリノリ、リアル感があって、すごい〜っ。
カップリング:ヤナーチェク「シンフォニエッタ」、ルトスワフスキ「管弦楽のための協奏曲」

ルトスワフスキさんは、ポーランドの作曲家で、ゲンダイオンガクの範疇に入る。
1913年〜1994年まで生きておられた方だし、54年に作曲された楽曲を、小澤さんは70年に録音しているわけで、結構、早い時期に、若い時に、取り上げて録音された盤である。
ジャケット写真を見ても、若いっ!

1楽章
「イントラーダ」の部分の冒頭は、重々しく、バンバンバンバン・・・というティンパニーの音に始まる。
低弦が呻くようなフレーズを吐き出してくる。
「ふぁっ そぉ〜〜 そふぁら どしみっしぃ〜」「そふぁら どしれしそふぁ みっし〜」
「そふぁら しそふぁ どしみっしぃ〜」
「しらど れし みっし〜」「れどら みどら ふぁらそ・・・」
このティンパニーは、結構、リアルで、バンバン バンバンっという余韻がすごく残っている。
録音自体も、70年とは思えないほどリアルで、熱いっ。
音が、前に前に出てくるというか、バンバン直接的に出てきており、まろやかではないが、その分、迫ってくるような圧迫感の漂うモノとなっている。
特に、金管にパワーがあって、破裂音的に金管が鳴ってくる。
録音のバランス的には、どうかとは思うけれど、しっかりと木管のフレーズも入ってくる。
で、「そそそそ・・・」と、ずーっと続く、小さく響く金属音の音が、遠くから聞こえて来る。これは、小さな鐘だと思うのだが、実演(生オケ)で聴いたことがないのでよく解らない。

フレーズは短めで、推進力があって、熱い。
音の重なりと隙間が、目が詰まっているというか、リアル感と迫力があって、聴いているうちに熱くなる。
隙間なく音が詰まっているような圧迫感があって、面白い楽曲だな〜とは、最初思っていたが。
う〜ん。実のところ、もうちょっと引いた感じの演奏の方が聞きやすい。
畳みかける金管の「た〜 たら らったぁ〜」というフレーズには、胸苦しい感じさえしちゃう。
ただ、ホント、目の前でタムタムが鳴っているような感じが面白いし、低弦のボンボンとした響きや、ドラムの音はリアルである。 総体的には、バタバタした感じは否めないんだけど、その分、生々しい。

2楽章
「夜の奇想曲とアリオーゾ」という副題の楽章で、小澤盤は、弾んで、飛んで、とっても快活である。
もう少し静謐さ、冷たさがあっても良いかもしれないが、なかなかに痛快。
鳥が鳴いているようなフレーズで、「ふぁっ みっ どっ しっ ・・・ パラパラ〜」と、飛んでいるのだが、ま〜元気なんである。
よくこんな速いテンポで、あわせられるな〜って感じで、「れしれし ふぁそらしっ ふぁら ふぁら どしら ふぁっれ れしれし ・・・ みそれど ふぁら どふぁ・・・ 」って流れていくのだ。
クラリネットもシロフォンも、大忙しの大活躍だが、決して雑なわけではないし、光の点滅のように聞こえて面白く、コミカルな感じも受ける。「ふぁ〜らそぉ〜み ふぁぁ〜 ふぁ〜らそ〜み ふぁ〜」 と歌ってくるのだが、高音域の弦が、ちょっと古風で、懐かしいフレーズが挟まってくる。
「そぉ〜 (パンパンパン) ふぁそ らっふぁ〜 そぉ〜 (パンパンパン)」
「れぇ〜 しどれっし〜 どぉ〜 (パンパンパン)」
「ふぁ〜 どふぁ れっし〜 れし どっそ〜」と、いう金管フレーズは、華やかでメチャ速い。

ところどころ、ゲンダイオンガクっぽくなく、クラシカルな感じな肌合いでも含んでいるが、ハープが鳴っているかと思ったら、タムタムも入ってくるし、劇的な展開をしてて、めまぐるしい。
教会旋律のようなフレーズが、ところどころ顔を出すが、決して嫌みなく、音のパッチワークを楽しむことができる。小澤盤は展開が速いし、軽やかだが、コミカルで深刻な雰囲気なしに、スイスイと進む。
細切れフレーズが、コミカルに弾んで、快活そのものである。

3楽章
パッサカリア、トッカータとコラール
もわ〜っとした空気のなかで、ティンパニーの響きと低い木管の音、ピアノがうごめく。
中近東のフレーズかな〜って思っていると、弦の高い引っ掻くような音が鳴っているうちに、主となるフレーズが始まってくる。
「れぇ〜〜 ふぁ み〜〜ふぁみ〜 み〜ふぁみ〜 ふぁ〜そふぁ〜ら〜ら〜し」「どれ ふぁみっ・・・」
「そらしぃ〜 どらしぃ〜 しぃ〜」

冷たい音質ではないので、聞きやすいことと、精緻さにはちょっと欠けているのかもしれないけれど、勢いがあって良いじゃん。って思う。その分、ちょっと怖さといういか、泥臭さには欠けているかもしれないが、 いろんなパッセージが詰まっている楽曲なので、彩りが豊かだし、ソロ楽器のフレージングも個性的。
どんな楽器が使われているのか、耳を傾けて聴くだけでも値打ちものだと思う。

1楽章の冒頭のパワーは、段々と淘汰されて、細切れに細分化されていくが、でも、3楽章は、「そらしっ どらしっ」というフレーズが力強く、最後にまとめてくる〜というか、力強い意志力で語られる。
最後に行くまでの、熱さ、勢いの良さは、驚いちゃう。え〜 この勢い、若い時だからかなぁ。
小澤盤は、テンポが速めで、スマートじゃないけれど、畳みかけてくる勢いがあって、吐く息が熱い。
突進力というか、瞬発力というか、そんな生ライブのような熱気があって面白い。
ひぇ〜 熱いやん。すげ〜高揚感っ。緊張感が途切れることなく、最後まで持って行かれてしまった。

この楽曲に、どんな温度を求めるのか、ちょっと難しいんだが〜 つめたーい感覚も良いし、ふわ〜とした感覚でもOKなような感じがする。
小澤盤は、かっ!と口を開いて一喝されるような怖さとか、 ぱっくり口を開けて、足元が開いている底知れぬ怖さ感は、感じないのだが、不気味さとか、軋んだ歪み感は、そこそこに感じられる。
火のついたような荒い怒濤のような勢いでは、オケが破綻してしまうだろうが、凄い推進力だ。
この時期、やっぱ、小澤さん、勢いがあったんだ〜 若いんだぁ〜と、驚いちゃいました。
ちょっぴり快活な演奏であり、あんまり難しいことを言わない、精神性なーんて言わない、ルトスワフスキの演奏で、これはこれで面白いと思う。 この勢いにやられて〜 熱さに拍手っ!

アンドリュー・デイヴィス ロイヤル・ストックホルム・フィル 1996年
Andrew Davis
Royal Stockholm Philharmonic Orchestra



録音状態は極めて良い。推進力があり、柔軟度が高く、楽しい演奏だ。
スマートで格好良く、残響が柔らかいので聞きやすい。
原盤は、フィンランディア(Finlandia)
カップリング:
1〜5 バルトーク 管弦楽のための協奏曲
6〜8 ルトスワフスキ 管弦楽のための協奏曲

1楽章
この楽章は、「イントラーダ」つまり、イントロ 導入である。
冒頭の軋みは、重くて、バンバンバンバン・・・というティンパニーの音に始まって、低弦が呻くようなフレーズを吐き出してくる。
「ふぁっ そぉ〜〜 そふぁら どしみっしぃ〜」「そふぁら どしれしそふぁ みっし〜」
う〜ん。音は採れないぐらいに半音が続く。「そふぁら しそふぁ どしみっしぃ〜」
「しらど れし みっし〜」「れどら みどら ふぁらそ・・・」って感じの3つの音が、細切れに飛び交う。
で、唐突にヴァイオリンの甲高い声が出てきて、金管と合わさる。

「そし〜 みど〜 どみ〜 られ〜 ふぁら〜 れ・・・」「ふぁふぁふぁふぁ・・・ふぁふぁふぁふぁふぁ・・・・」
まっ 音の軋み感なのだが、ところどころ和音が綺麗に合わさるところがあって、切れ切れには違いないが、なんとなく親しみやすい音が入ってくる。
弦が、パランっとかき鳴らしたり、木管の細切れ音が綺麗に入っており、リズミカルで、面白い。
金管の咆吼はまろやかに、後ろの方で、機関車のようにモクモクと音を立ててパワーアップしてくるのだが、なーんていうか、素直さで素朴感もあって、気持ちが良い。

「ふぁそ〜 しど らそ ふぁそ〜 しど れ〜 ど しそぉ〜」「しら どふぁ ふぁそ らそぉ〜」
という単純だけど、とらえどころの少ない音が入ってくる。
で、またヴァイオリンと金管がフレーズを繋ぎながら、甲高い音で入ってくる。
「しれ〜 そし〜 みそ〜 どみ〜 ふぁど ふぁ ら れ どふぁ〜みっ しぃ〜 どふぁ みそ ・・・・」

基本2音で咆吼しているのだが、タタタ チャチャチャ・・・というリズム音がバックに入っているので、とっても推進力がある。咆吼してはいるけれど、どことなく懐かしいような原始的なリズムで、 デイヴィス盤は、軋みだけではなく、ほんわか〜としていて、ギシギシした感覚の金属的な軋みではない。
金管の響きに残響があって、立体的な響きで、奥行き感のあることが、最大の特徴かもしれない。
それに、フルートなどの木管が、綺麗な煌めき度を持ちつつ、控えめに入ってくるのも心地よさを生んでいるかなあ。って思う。 「ししししし・・・ ししし〜 し〜  しどぉ〜」って高揚して、たまりかねたように堰を切って「みふぁ〜 れどぉ〜 みふぁ そぉ〜〜〜ふぁ みどぉ〜」ってフレーズが落ちてくる。

このデイヴィス盤は、ホント、柔らかい響きを持っているので、ゲンダイ音楽って言いながらも、難しさを感じさせない。
もちろん、耳に突き刺さるような、爪で黒板を引っ掻くような音はないし、短い音で構成されていて、 教会音楽のフレーズのように聞こえる。
ABAの構成になって、基本的にカッチリした定型型で、繰り返しもあって聞きやすいと思う。
まあ、これが、ルトスワフスキさんの狙いなのかも。

2楽章
夜の奇想曲とアリオーゾという副題が付いているようだが、フルートが、鳥が鳴いているようなフレーズがあって、「ふぁっ みっ どっ しっ ・・・ パラパラ〜」と、飛んでいる。
「れしれし ふぁそらしっ ふぁら ふぁら どしら ふぁっれ れしれし ・・・ みそれど ふぁら どふぁ・・・  どみどし ふぁ ふぁふぁふぁっ しらどしっ ふぁらどふぁっ・・・」
細切れ二重唱のような感じで、即興のような軽やかなフレーズが続く。

短い階段をのぼったり、降りたり、音遊びをしているような感じのなかから、教会音楽のような和音というか、民族的なフレーズというか、懐かしい和音の細切れ状態のモノが、聞こえてくる。
短く挿入されてきたりするので、 油断がならないっていう感じだが、パッチワーク的で面白い。

高らかに、金管がファンファーレのように吹かれる。
「そぉ〜 (パンパンパン) ふぁそ らっふぁ〜 そぉ〜 (パンパンパン)」
「れぇ〜 しどれっし〜 どぉ〜 (パンパンパン)」 「ふぁ〜 どふぁ れっし〜 れし どっそ〜」

アリオーゾ(アリオーソ arioso)っていう意味を調べてみると、イタリア語で「(アリアのように)歌うように」って意味らしい。
イメージだけど、これで歌ってるのかなあ。短いフレーズが、チェーンのように繋がり、聞きやすくて楽しい楽曲である。

3楽章
パッサカリア、トッカータとコラール冒頭は、もそもそしているが、低音の木管が、オリエンタル調の不可思議なフレーズを細切れに吹いているなか、低弦の「そらしっ どらしっ」という響きが聞こえてくる。
この「そらしっ どらしっ」という、ちょっとブキミな音が、主題のように、ずーっと続く。

「れぁ ふぁみ〜どしぃ ふぁ〜そ ふぁそぉ〜ら 〜 どれ ふぁみっ・・・」
「そらしぃ〜 どらしぃ〜 しぃ〜」
途中、「ばぱぁぱぁ〜〜っと、ぶっ放す金管のプラッター音もあれば、木琴の音や、ぱぱぱぱ〜っと軋みというより不協和音なんだけど、断片的に吹かれていたりする。
でも、調和のとれた、個性のぶつかり合いみたいな感じがする。
中間部分は、トッカータだろう。
「そそしそ れれみど・・・」と、わりやすい音が並んでいるが、ハハっ やっぱりゲンダイオンガクなのだ。

「パカパカパカ・・・ れどれどっ パンっ れどれどっ・・・」
コラール部分は、ゲンダイオンガク風で、一筋縄ではいかないのだが、和音は綺麗だ。
楽器の使い方が巧いというか、柔らかい金管のフレーズが入ってて、弦の通る高音の柔らかい弱音の響きが綺麗で、光の入って来る感じが良く出ている。
「しそふぁら しそふぁら しそふぁらっ・・・・」「しれどみ そしどみっ・・・」「ふぁふぁそみ ふぁふぁそみっ・・・」
フルートとピッコロの音色が流れてくるかと思ったら、また、金管。次は、弦。 次は、ティンパニーと金管って感じで、入れ替わり立ち替わりの構成となっている。
金管の力強くも、高揚感あふれたものだ。煌びやかで、燦々と降り注ぐ音の洪水となって終わる。

A・デイヴィス盤は、録音状態が極めて良い。柔らかい残響が適度に入っていて、奥行き感がたっぷりあり、透明度が高くて見通しが良い。
で、聞きやすく、いろんな楽器が活躍しているのがわかって 面白いのと、推進力があって、とても爽やかな印象が残る。
ゲンダイ音楽と言いつつ、いや、前衛音楽になるのかな。変ちくりんで、暗いのかと思いきや、 渋面の顔のような交響曲のより、ずーっと余裕があって、創作的で、楽しい要素が詰まっている。
古典的なタイトルが付いている3楽章も、もちろん面白い。総体的に、テンポ良くスマートだ。
都会的な雰囲気を持っているし、女性的というか柔軟度が高くて、スタイリッシュ。 バルトークの同じタイトルの付く楽曲よりも、むしろ、このルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲の方が、爽やかで格好良い。
少し柔らかい残響があるので、さほど直線的には聞こえないし、この演奏だと聞きやすいので、最初に聴くにはいいかも。
難しくなりそうで、敬遠されちゃうかもしれない楽曲を、間口を広げて迎え入れて貰えそうである。

もっと、硬めで力強く、シャープさが欲しいし、渋い演奏の方が良いというならば、他の盤の方がお薦めである。
でも、ワタシ的には、A・デイヴィス盤は、親しみやすく、スポーティで、楽しそうに華やかに鳴っているし、ちょっと柔らかい響きが好きという方には、この盤をお薦めしちゃうかも。
まあ、もっとも、 この曲をどう聞くのか。と言われたら、また別の次元のお話なんですけどね。

1968年 パウル・クレツキ スイス・ロマンド管弦楽団 Dec ★★★
1970年 小澤征爾 シカゴ交響楽団 EMI ★★★★
1992年 バレンボイム シカゴ交響楽団  
1996年 A・デイヴィス ロイヤル・ストックホルム・フィル Finlandia ★★★★
2005年 パーヴォ・ヤルヴィ  シンシナティ交響楽団 Telarc  
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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