「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

マルチヌー 2組の弦楽合奏、ピアノとティンパニーのための二重協奏曲
Martinu:
Double Concerto for 2 String Orchestras, Piano and Timpani
 


ジェームズ・コンロン フランス国立管弦楽団 1990年
James Conlon
Orchestre national de France
ピアノ:ジャン=フランソワ・エッセール(Jean=Francois Heisser)
ティンパニー:ジャン・カモジ(Jean Camosi)
エッセール ブランディス四重奏団

う〜ん。どうだろ

録音状態は良い。ティンパニーもピアノも良く聞こえて、スピード感もある。
カップリングは、下記のとおり。2枚組BOX廉価版

マルチヌーさんは、マルティヌーとも表記される、チェコの作曲家である。1890年から1959年までおられた方で、交響曲は6曲、多彩な協奏曲を30曲近く作ったという多作家だ。パリでは、ルーセルに学んだし、ストラヴィンスキー等の影響も受けたが、ナチスの侵攻によりアメリカに逃れられている。
ここでご紹介する「2組の弦楽合奏、ピアノとティンパニーのための二重協奏曲は、1938年に作曲されているので、第二次世界大戦時期にあたるわけで〜 切迫感のある曲ではある。

カップリング:
2組の弦楽合奏、ピアノとティンパニーのための二重協奏曲(全3楽章)
弦楽四重奏とオーケストラのための協奏曲(全3楽章) 
3つのリチェルカーレ(全3楽章) 
ピエロ・デ・ラ・フランチェスカのフレスコ画(全3楽章) 
シンフォニエッタ ラ・ホヤ(全3楽章) 
トッカータと2つのカンツォーナ(全3楽章)

2つの弦楽オーケストラ、ピアノとティンパニーのための協奏曲とも表記されるが、2つのオケと、ピアノとティンパニーという、ちょっと風がわりな構成の協奏曲である。
たまたま、この風変わりなオケの構成に興味があり、冒頭、聴いたときには、打楽器のリズミカルさが手伝って、楽しそうにも思えたのだが、なんの〜 やっぱり、作曲家が第二次世界大戦中、チェコからアメリカへと逃れて行かれる直前に書かれたものとのことで、切迫感が伝わってくるものとなっている。

もともと、ティンパニーはオケのなかに入っているのだが、なぜ、ティンパニーを含めて協奏曲と言うのかな〜と不思議に思っていたが、アホでした〜 弦しかいないんですよ。オケから木管、金管を引いたのが弦楽合奏です。
ってわけで、金管が咆吼するわけでもなく、弦のリズミカルな弾むフレーズに、ティンパニーの響きが締めてくれるのである。
だから、セレナーデのように穏やかではないが、声高な響きとか、つんざく叫びは聞こえてこない。

総体的には、バルトークの管弦楽のための協奏曲や、弦チェレのような雰囲気は持っているが、金管がないので、切迫感は、つまるところ、スピード感のある弦と、ところどころ、タカタンっ タカタンタンっというようなティンパニーの音が、かまびすしいかな〜というところ。
やかましいって感じではない。それにピアノが、打楽器のように入ってくるので、祭りの太鼓みたいに軽快でもある。

1楽章は、ヴァイオリンが主導権を握っており、そこに、ピアノが打楽器的存在で入ってくる。
「そっら〜 そらっ〜」 チャカチャカチャカ・・・ 「みらそらぁ どふぁ ふぁし そし ふぁら〜」って感じで、断片的。
まあまあ、全く変な音で組み合わさったものではないので、聴きやすい。
弦の音が、2重の弦楽合奏といいつつも、まあ、特別変わった雰囲気も持ち合わせておらず、緊張した、慌ただしさはあるものの、ぎーっという、軋んだ雰囲気はない。
誰かコミカルに踊っているといわれても、はあ、そうですか〜という感じだし、メタリック系の運動機能美という感じでもなく、弦の腰の柔らかい音で、弾んでいますという感じでもある。

2楽章
「みぃ(ふぁ)〜 どぉ〜 ど れぇ(し)〜 みぃ(れ)〜 どれ(し)〜 み(ふぁ)〜 みぃ〜 ふぁ〜(どろどろ〜)」
和音の響きが、ちょっと普通には無いパターンというのと、不協和音的な響きで、弦がかしいでいるという雰囲気があるが、バルトークのように、どす黒い暗黒の悲痛な叫びというところまでには、う〜ん。どうでしょ。
コンロン盤で聴く限りは、落ち込んでいかない感じがする。

ピアノが、ぼそっと弾かれていたり、弾むリズムを形成していくが、あまり主役を張れるという感じではなく、運動機能としての面白さ、打楽器的要素が前に出てくるので、切れの良さを感じ、不安で切迫感は見せるものの〜
ジャズっぽさも見え隠れして、まあ、多少、面白くは聴けると思う。
「ふぁ そぉ らぁ〜 どれみぃ〜 ふぁぁ〜」と、不安を隠しきれず、なんとなく暗く、陰鬱さも感じさせるが、一筋の希望は失っていないというか、寒々しい感じや、冷たくて、どうしようもない虚無的な雰囲気は出ていない。

フレーズというフレーズではなく、細切れになった断片が、有機的な何かを表そうという感じがせず、ごごごごぉ〜っと低音部から、なんとなく、教会フレーズのようなモノで、救済を求めるかのような上昇を描こうとするのだが、ティンパニーのドンっという音で挫折・・・。という感じ。

3楽章は、弦とピアノが、一緒になって登場してくれるし、軽快なフレーズを描き、綺麗なキラキラ感も出るし、パパッパ パパパっと弾んでいき、弦のパ〜ら パ〜ら と合いの手を入れてもらいながら、小刻みに運動を始める。
んちゃ んちゃ んちゃ〜というリズムや、機関車が動き出して走っているような、機動している雰囲気がある。
ヴァイオリンがフレーズを奏でるのではなく、リズムを作っているし、ピアノもリズムを作りながら、どころどころ、断片的にフレーズをつくる。「ふぁみれど どれみ〜 れみ ふぁ〜 っそぉ〜」
緩やかなリズムが間に挟まってくるのと。ティンパニーの高揚感 そして、「どれぇ〜 みぃ〜 みぃ〜 どれえ みぃ〜」という不協和音で締めくくられている。あれ?不協和音のくせに、案外と、綺麗にまとめるのね〜って感じで終わる。

総体的には、悲痛な感じはしないし、緩いって言われるかもしれないが、案外と聴きやすい。
最初は、もっと暗いのかと身構えていたのだが、コンロン盤では、バルトークの楽曲よりは、おとなしい。もちろん楽しい楽曲ではないが、追い込まれた窮鼠猫を噛む的な、背水の陣のような、また、闘争的でもない。
暴力的でもなく、巻き込まれそうな、恐怖感や怪しさは感じず、泣きたくなるような悲しみや虚無感もないが、ただし、逃げ惑うかのような、慌ただしさは、ひしっと感じるものとなっている。
また、他盤でも聴いたら感想は、変わるかもしれませんが・・・


1990年 コンロン フランス国立管弦楽団 ★★★★
所有盤を整理中です。

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