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メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲 第1番
Mendelssohn: Piano Concerto


メンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番(作品25)は、1831年、22歳の時の作品です。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
ピアノ協奏曲としては、ピアノと弦楽のための協奏曲イ短調(1822年)、2台のピアノのための協奏曲(ホ長調と変イ長調の2曲:1823年と24年)に次いで作曲されており、協奏曲第2番は、37年に作曲されています。

第1楽章 ト短調 短い序奏のついたソナタ形式 4/4拍子
速度表記には、con fuoco(火のように生き生きと、激しく)とあるように情熱な楽章です。
トレモロに乗って、半音階上昇進行する序奏で、ピアノがオクターブ奏法で華々しく登場します。左手も、オクターブ奏法なので音量も大きく、ダイナミックなもの。ユニゾンの音階ののちは、平行調の変ロ長調で、音階を中心にした第2主題が広がっていきます。主題再現後、切れ目なく、巧妙な転調をした後、第2楽章に入ります。

第2楽章 ホ長調 4/3拍子 三部形式
チェロ、コントラバスで提示された主題が、ピアノに受け渡されていくもので、中間はハ長調です。
主題が再現されたのち、これも、切れ目なく第3楽章へ入っていきます。

第3楽章 ト長調 4/4拍子 序奏のついたロンド形式
前楽章の同主調で、ホルンのE音が連呼され、弦楽合奏が続きます。イ短調からト長調に転調して、ピアノの華やかなアルペジォが始まります。ロンド主題の三現後、最後に、第1楽章の主題が回帰してきて、華やかに終わります。

3楽章の構成ですが、楽章間に中断がありませんし、協奏曲にはつきものの、カデンツァがありません。また、切れめなく楽章が続き、1楽章が始まるやいなや、猛烈に速いスケールで、足がもつれそうになるような感じで、音階をあがりくだりする姿は、練習曲か?と驚かされます。
いやいや、ちゃんと、ロマンティックで可愛い曲にしあがっているのです。
早熟さとこのチャーミングなところに、やっぱり、さすがぁ〜 です。約19分の小品です。

  シフ デュトワ バイエルン放送交響楽団 1982年
Andras Schiff  Charles Dutoit  Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks (Bavarian Radio Symphony Orchestra)

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。
カップリング:
1〜3 メンデルスゾーン ピアノ協奏曲第1番
4〜6 メンデルスゾーン ピアノ協奏曲第2番
7〜19 メンデルスゾーン 無言歌集より13曲(86年 曲名は下記のとおり)
ピアノ協奏曲第1番

1楽章
メンデルスゾーンの協奏曲っていえば、もちろんヴァイオリン協奏曲が有名だ。
でも、ピアノ協奏曲だって書いている。
シフ盤で聴くと、1楽章は6分54秒、2楽章は5分28秒、3楽章は6分25秒なので、18分47秒の小品である。
また、デュトワとバイエルン放送響という組み合わせだ。この組み合わせだと、エラート盤のオネゲルの交響曲全集があるが、こっちはデッカ盤である。う〜ん どういう契約になっていたんでしょうねえ。まっ、ともかく珍しいとは思う。

で、冒頭、「みぃ〜れ みぃ〜そふぁみ ふぁそらしどどれれみっ」(と、半音でのぼり)弦が合わさって、むらむら〜っと炎が立ち上ったと思ったら、み〜み ふぁそらし・・・ と、超快速で、階段をのぼっていく。
「どぉ〜ど し〜し そふぁみ どぉ〜ど しぃ〜しっ そふぁみっ」と、強い口調で始まっていく。
オケも同じように奏でられて、まるで練習曲のような感じで、火柱が立って嵐のごとく、階段をのぼりくだりしていくが〜
それは、いっときで終わる。
「どれみ そふぁれ〜」と、「れみそ そぉ〜ふぁ ふぁそら しぃ〜ら」と、急に可愛く変貌するのだ。
冒頭こそ驚かされるが、主題は、シンプルで、可愛らしさが残っており、ピュアそのもの。
主題は繰り返され、ダイナミックに奏でられるオケのなかを、ピアノが走り回っているという感じでいるが、「ふぁ〜ふぁふぁふぁ ふぁ〜っ」と、ホルンが警告音のように入ってくる。

2楽章
ピアノのソロで、「どぉ〜どど れ れぇ〜れ み みぃ〜み ど」と奏でた後、弦楽合奏のようにチェロを主とした甘い調べが待っている。この主題が、またピアノによって奏でられてる。
「ふぁ〜そら ら しら らぁ〜そ しそふぁみ ふぁられど ふぁ〜」と、すこぶるチャーミングな主題だ。
シフさんの演奏は、まるで、モーツァルトなんですけどね。
音が丸く、力強さというか、タッチが鋭くないので、1楽章は少し柔らかすぎるかもしれない。
2楽章は、少し翳りが強く、憂鬱な傾向を強めて、沈静化しちゃう。

3楽章
和音の美しいホルンの「ふぁぁ〜ふぁ ふぁぁ〜ふぁ・・・」という連呼するファンファーレから始まる。
「どぉ〜し らぁ〜そ しらそふぁみっ  どぉ〜し らぁ〜そ しらそふぁみっ」という舞踏風のフレーズとなって、跳躍していく。
シフさんのピアノは、あくまでも、まろやかだ。
右手には、いっぱい装飾音がついているが、キラキラするというような硬質感はない。
シフさんの音は、総体的に音が柔らかい。柔らかい音が、まるで木綿か麻のように、乳白色系の布のように、はためいており、立体的に響くというのではなく、どこか平面的だ。
しかし、メリハリ感は少ないものの、そんなに尖った楽曲でもないと思うし、また、陽だまりのなかの、風のそよぎのようにも感じられ、頬を優しく、さらっと撫でるかのような、穏やかで中庸の良さみたいなものを感じる。

カップリングされている無言歌は、次のとおりです。

第4巻 53-1 「海辺で」
第6巻 67-4「紡ぎ歌」
第5巻 62-1 「5月のそよ風」
第7巻 85-6 「旅人の歌」
第1巻 19-6「ヴェネツィアの舟歌 第1」
第2巻 30-4「さすらい人」
第2巻 30-6「ヴェネツィアの舟歌 第2番」

第8巻 102-5「子供の小品」
第1巻 19-1「甘い思い出」
第1巻 19-2「後悔」
第3巻 38-6「デュエット」
第6巻 67-6「子守歌」
第5巻 62-6「春の歌」



  シプリアン・カツァリス クルト・マズア ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 1987年
Cyprien Katsaris  Kurt Masur  Gewandhausorchester Leipzig
(Leipzig Gewandhaus Orchestra)

ばっちグー!


録音状態は良い。繊細なピアノと、熊のようなオケで〜
カップリング:
1〜3 メンデルスゾーン ピアノ協奏曲第1番
4〜6 メンデルスゾーン ピアノ協奏曲第2番
7〜9 メンデルスゾーン ピアノと弦楽のための協奏曲イ短調(1984年)
 ヤーノシュ・ローラ フランス・リスト室内管弦楽団
ピアノ協奏曲第1番

このCDは、カツァリスさんが、メンデルスゾーンのピアノ協奏曲3曲を弾いている。
ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、 メンデルスゾーンには、4曲のピアノ協奏曲があるらしい。

第0番 イ短調(1822年)
第1番 ト短調 Op.25 (1831年)
第2番 ニ短調 Op.40 (1837年)
第3番 ホ短調 (遺作 断片のみ 1844年)

他にも、2台のピアノのための協奏曲が、15歳で作曲したホ長調 MWV O5、17歳で作曲した変イ長調 MWV O6の2曲が、2台の独奏楽器を有する協奏曲には「ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲 ニ短調」(1823年)などがある。
まあ、メンデルスゾーンの楽曲マニアではないので〜 もう、早熟なのはわかりました。ってところだろうか。

ここでは、ピアノ協奏曲第1番をご紹介しようと思う。
さて、カツァリスさんの演奏は、ピアノは、とっても繊細なのだが、マズアさんのオケが、ごっつい〜っ。
なんぼほど、ごついねん。と、大阪弁まるだしで、驚いてしまった。
CDのブックレットを拝見していると
1831年は、イタリア帰ってきてミュンヘンで過ごしており、貧民救済の演奏会があるので、ピアノ協奏曲を作曲したらしい。この演奏会には、バイエルン国王(ルートヴィヒ1世)の列席があり、交響曲1番と、真夏の夜の夢などと共に演奏されたらしい。

1楽章は、短い劇的な序奏のあと、いっきに火がついたように、走り出すのだが、序奏からして、オケの厚みのある音が聞こえてくる。ピアノは、「どどぉ〜ど しぃ〜し そっふぁみっ み パラパラパラ〜」というパラパラした繊細な音だ。
でも、同じ主題をオケが弾くのだが、ごごぉ〜っと鳴っている。
まあ、ピアノの方も、暴風のように弾きまくり状態なので、まあ、よく似たものかもしれない。
第2主題は、「どれみ そぉ〜ふぁれ どれみ そぉ〜ふぁれ どれみ・・・ れみふぁ らそみ・・・」と、とてもチャーミングなフレーズである。
あまり展開しないで、スケールのようなフレーズが繰り返され、冒頭に戻り、金管ファンファーレが鳴った後、2楽章へなだれ込む。

カツァリスさんのピアノは、粒立ちが良いし、柔らかい。ガツンっと力一杯に叩く音でも、繊細に聞こえるのだ。
それに、1音1音が、超快速であるにもかかわらず、しっかりと聞こえてくるのだ。
一粒一粒が、ホント聞こえてくるという、怖ろしき現象を目のあたりにする。(いや、耳に届けられる。)
それなのに、ごごごぉ〜っと、砂煙を上げるかのようなオケが入ってくる。
あーっ なんて野暮ったい、力任せ傾向のあるオケなのだろう。ホント、田舎くさすぎ。まるで、熊と美しい美女が踊っている感じで、どひゃん・・・。格が違いすぎるんじゃーないだろうか。

2楽章は、特にめだったフレーズはないが、柔らかく、優しい気持ちにさせるもの。
「ふぁそら らしら ら〜 そ しらしそ ふぁらぁふぁれ どぉ〜」と、平凡だがチャーミングな旋律である。
で、ここでも、金管ファンファーレが奏でられると、次の第3楽章となる。

3楽章は、ハレの日という感じの祝祭的な雰囲気のする楽章で、ワクワクさせるもの。
「どぉ〜し らぁ〜そ しらそふぁみっ  どぉ〜し らぁ〜そ しらそふぁみっ」
舞踏風の軽やかなフレーズだ。ピアノの粒立ちの良さと、ごっつい熊のようなオケで、まあ、対比がみとごな、くっきりと違いのわかるロンド形式となっている。
カツァリスさんのピアノは、 ホント、この方のピアノは、一糸乱れず、快速であっても猛烈な勢いで燃え上がるようなテンションになっても、テンポは乱れないんですよねえ。これが凄い。また、音質は柔らかいのだが、キッチリ、クッキリした音の姿があり、う〜ん。やっぱ、見事だと思う。 軽やかだが、品があって、チャーミングなピアノで、ワタシは満足っ。
1982年 シフ デュトワ バイエルン放送交響楽団 Dec ★★★
1988年 カツァリス マズア ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 Teldec ★★★★
1997年 ティボーデ ブロムシュテット ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 Dec  
所有盤を整理中です。

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