モーツァルトのピアノ協奏曲第20番(K.466)は、1785年に作曲されています。 ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
華やかさが求められた当時の協奏曲とはうってかわって、激しいパッションの表出的な性格を帯びており、暗く不安げな旋律、劇的な展開、厳しさと激しさの入り混じった感情が表れた作品です。
第1楽章 ニ短調 4/4拍子 協奏風ソナタ形式
チェロとコントラバスのアウフタクトで音階を上昇する音型と、ヴァイオリンとヴィオラの持続する8分音符と4分音符のシンコペーションによるF,A,D音で、第1主題が印象的に始まります。ヘ長調で、オーボエとファゴットの重奏にフルートが答え、ピアノのソロが静かに入り、ヘ長調による第2主題が、ピアノソロから管弦楽へ受け渡され、ピアノ導入部の主題と冒頭の弦の主題とが呼応する展開部を経て再現部へ。オーボエ、ファゴット、フルートによる副主題は、ヘ長調のまま、第2主題がニ短調で再現され、カデンツァを経て静かに終結します。
第2楽章 変ロ長調 2/2拍子 三部形式
フォアマン監督のモーツァルトを主人公にした映画「アマデウス」では、エンディングに使われました。他の楽章と違ってゆったりとした旋律で、中ほどのト短調の中間部の激しいピアノソロが緊張感を与えています。ベートーヴェンがこの曲を好んだのは有名です。
第3楽章 ニ短調、ニ長調 2/2拍子 ロンドソナタ形式
ピアノの分散和音のソロから始まります。ソロの後は、弦楽器でピアノの旋律を一斉に奏し、ロンドソナタ形式で遊び戯れるような無邪気なものとなりますが、曲が進むにしたがって華やかさが増し、カデンツァの後にはニ長調に転じて、壮大に曲が閉じられるものです。
モーツァルトのピアノ協奏曲で短調の作品は、この20番と24番の2曲です。確かにコンサートで聴くと、ありゃ〜暗いっ。しかし、ベートーヴェンが好んだとされだけあって、陰翳が濃く出ており、聴き応えのある作品です。 |