「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

プロコフィエフ ピアノ協奏曲第1番
Prokofiev: Piano Concerto No.1


プロコフィエフのピアノ協奏曲第1番(作品10)は、1912年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

なんでも、プロコフィエフが、ペテルブルク音楽院に在学中だった頃の作品で、長調という音階の選択、抒情的・歌謡的な旋律の排除と、グロテスクな曲想への好み、驀進するリズムと打鍵中心のピアノ書法、曖昧な調性など、反民族主義的・反ロマン主義的性格が濃厚な作品です。
すでに、成熟期のプロコフィエフの作風を予告するもので、バルトークなどの20世紀におけるピアノ協奏曲の発想も先取りしたものとなっています。1912年には初演されおり、14年にはペテルブルク音楽院の卒業試験において、自ら演奏して、アントン・ルビンシテイン賞を受賞しているとのことです。

約15分程度の短い楽曲ですが、第1楽章と第2楽章の間に、小休止があるのを除いて、すべての楽章が間断なく連続して演奏されるので、ほとんど単一楽章のように聞こえますがが、実際には3つの楽章に分けられています。
1楽章と3楽章には、主題の明瞭な繋がりがあり、変ニ長調による雄大な主題が冒頭と終結に現れます。
2楽章は、嬰ト短調、変イ長調で、そのクライマックスは、底知れない暗さがあります。

冒頭よりインパクトのある楽曲で、今聴いても、なかなかに斬新です。スピーディで熱い演奏が多いように思います。

ベロフ マズア ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
1974年

Michel Béroff
Kurt Masur
Gewandhausorchester Leipzig
(Leipzig Gewandhaus Orchestra)

カップリング:プロコフィエフのピアノ協奏曲第1番〜5番全集と、ヘブライの主題による狂詩曲(パレナン四重奏団)、束の間の幻影がカップリングされていて2枚組である。

1楽章
メチャ熱いなあ。というのが第一印象で、すごくスピーディであっという間に、1番を駆け抜けて行ってしまう。で、気がついたら2番に突入しているという感じだ。
ちょっと、ヒスっている感じのする録音状態なので、録音で損しているような感じもするが、しかし〜
これは、聴かないと損しちゃった気分になるかも。

ピアノの音自体は、良いんだけど、直接音的に響くので、ステージにかぶりつきの感じで聞こえてくる。
まあ、反対に言うとピアノの音は、目の前で弾かれているような感じで、よく聞こえるのだ。
ドンシャリ感までは行かないけど、全体的には奥行きが深めではないし、オケの音も、ハイ、大きく入ってますねえ。
70年代の録音だし、マズア指揮とのことで、う〜ん、敬遠しようかな。と思う方は、ちょい待った〜
ワタシが持っているのは輸入盤で、リマスタリングされているみたいなんですけどねえ。
速めのピアノと、速めのオケで、タップリ鳴っているので、ワタシ的には鈍重さは、感じないです。

1番の古典交響曲と同様に、シンプルだけど、面白い曲だし、3楽章というもの単一楽章的で、構成的にも安定感があって、真ん中の第2楽章だけ緩め。両方は速めで締まっているんで〜 わずか14分ちょっとで終わってしまうのが、惜しいような気がする。

冒頭の「ふぁふぁふぁ〜 ら どれふぁそ らそふぁそ らそふぁそ らそふぁ ど」
「れどしど れどしど れどしふぁ そふぁれそ」
「そそ らそふぁ そそ らそふぁ そそらそふぁ〜 みみれど ししどしら・・・」
「られ らっら」
波打つような感じで、引きが強いですねえ。
「ん〜っらら そふぁそ」って感じで、短く引きづって、粘った感じで面白いといえば面白いし、なにせ、しゃーっと、弦が、一斉に引いている感じが面白いです。
アクセントがついてるんですねえ。
「そそ らそふぁそ〜」と 「そそ」が続いてて、ンタタ タ〜タ タ〜タぁ・・・と、短く区切ってはいるんですけど、前2つの音が、続けて鳴ってくるので、粘りを感じるんでしょうか。

しっかし、オケには、ねばりが多少あるもののピアノは、ハッキリ、シャキシャキ感じがしててみごとだよなあ。
熱いし、テンポアップしてくるし、テンパっているんじゃーと思うほど、テンションが高め。
速いけど、クールに鳴っているクライネフ キタエンコ フランクフルト放送交響楽団とは、ちょっぴりアプローチが違うように思う。
均一、均質的というよりは、ぐぐ〜っとアップしてくるところが面白い。
いったん、暗めに「ど〜れど ど〜れど ど〜ふぁそ〜」と、足を引きづったフレーズでも、ピアノは、よく鳴って入っていているので、飽きさせないし、妙に暗くないし、さっと〜弾いている。
スマートと言えばスマートなんだけど、クールな緊張感ではないし、冷たいスマートさではないのだ。
オケに負けないぐらいの音量で、別途、ピアノが入ってます的に、ピアノ音が入ってくるので、聞き分け、分析的に聴きたい人には良いかも。
「しーどし しーどし」 弦と、ミュート付きの金管だと思うけど、不気味なクセに乾いた音、弦で鳴る音、木管の「ぱっかぱ〜 ぱっかぱ〜」というような、短いフレーズで構成されているが、
雰囲気で迫るアプローチではなく、えてして、演技派的に鳴らす感じはしないけど、統一的にまとまり感があって、素直に聴けちゃう。

2楽章
「ど〜 し どぉ みれしら そぉ〜ら ふぁ〜」
「そ〜 ふぁ そ〜 しらふぁみ〜れぇ〜」
クラリネットのパラララ〜という後の響きとか、歌謡風ではあるが、夢見心地のように、可愛く響いている。
オケが、もわ〜っとした靄のように、なっているものの、しかし、妙に雑に木管が吹かれていたりして(これは、ワタシテキ感覚だが)
もっと、緊張して、しょわ〜っと底辺で、もわ〜っとした漂う感じがあってもいいんだけどなあ。
リアルなんですねえ。現実しか見えないのかあ。もっと、幻想的に演奏してくれ〜と、言いたくなるような面もあるんだが。
もっと、もっと、幻惑してくれないと面白くないんだけど。
しかし、演奏自体、雰囲気だけではなく、リアルに鳴っている音を追求したい向きには良いかも。
3楽章
これまた、クリアーに、飛び跳ねるピアノ。
オケとの合奏が、速い。 オケは、とても巧いとか、下手というレベルではないし、当然満足できるレベルだし、総体的に熱いっすねえ。
ゲヴァントハウスが、こんなに熱い、熱く演奏出来る方が、ワタシテキには驚き。
老練としたオケだというイメージがあったんだけどなあ。
ピアノの高音域の硬い、チャチャチャ チャチャチャ・・・と続いていくところが、ある意味、グサグサくるんですけど。このベロフ マズア盤は、熱い。とにかく、速くて熱いという意味では、ハイ息をのみます。
テンション高めの速めの盛り上げ方は、キタエンコさんの振るオケのように恰幅は良くないんだけど〜
鈍重でも、ださくもないですね。
ワタシテキには、ピアノで言うと、拍手もの。オケは予想外に良かったです。
クライネフ、キタエンコ盤は、オケが良かった〜という感想です。

ヴラディミール・クライネフ キタエンコ
フランクフルト放送交響楽団 1992年

Vladimir Krainev
Dmitri Kitaenko
Radio Sinfonie-orchester Frankfurt
(Frankfurt Radio Symphony Orchestra)



録音状態は良い。残響が少し多めだが、スマートに演奏されていて、よく鳴っているし恰幅が良い。
カップリング:プロコフィエフ ピアノ協奏曲第1番〜5番(全曲)

極めてクリアーな録音で、すかっとしている。
プロコフィエフが、ペテルブルグ音楽院に在学中に作曲した作品で、え〜 これ、学生時代に作曲された曲なのぉ〜と驚くほど完成度が高い。
既に、完成されているというか、プロコフィエフの作風が既に表れているというか、ピアノ協奏曲だと、第3番が有名だけど、1番だってすごく良い曲で、楽しいしバラエティにあふれている。
抒情的であり、どよ〜んとした暗さもあって、その対照的なこと。
打楽器風にピアノを使うところとか、ドライで硬めの雰囲気が良く出ている。

1楽章
「ふぁふぁふぁ〜 ら どれふぁそ らそふぁそ らそふぁそ らそふぁ ど」
「れどしど れどしど れどしふぁ そふぁれそ」
「そそ らそふぁ そそ らそふぁ そそらそふぁ〜 みみれど ししどしら・・・」
「られ らっら」
延々と続くような半音階と、硬いピアノの強いタッチに混じって、オケの音が続く。
えへへっ 音がとても取れないような半音で〜 しかし、妙に力強く印象に残り、ぐさっと射しこんで来る強さがあるフレーズだ。

弦のひきづった強い引きと、金管のたれ〜っと引きずった音。そこに、高音域のピアノの射しこむ音。
う〜ん。唸るのだなあ。この冒頭だけで・・・。
で、それが終わったと思ったら、全く違う主題が登場して、快速バージョンの音階を弾いているような旋律で、チャチャチャチャ・・・と、跳ねるピアノが、延々と流れてくる。
これも、延々と〜 しかし、また楽しげなピアノで、フレーズが続くのだ。
「どれふぁ そっそ そっそ どれふぁ そっそ そっそっ・・・」というようなフレーズで飛んでくれる。
「どれふぁ そっそ そっそ そっそ そっそ〜」が、とっても印象的だ。

「しーどし しーどし」 弦と、ミュート付きの金管だと思うけど、不気味なクセに乾いた音、弦で鳴る音、木管の「ぱっかぱ〜 ぱっかぱ〜」というような、短いフレーズで構成されている。
まるで幽霊が登場しているような気がするが、そうかと思ったら、ピアノが、ソロで弾いているのだけど、妙なフレーズだけだし。とりとめが無いようなあそびがあるのだが、そのうちに、ピアノが快速に跳ねているなか、引き続いて元の主題がオケで鳴っていたりする。

2楽章
木管がしずかーに吹かれた後、ピアノが、歌謡風の甘いフレーズを、ちょこっとだけ弾いているが〜
そのうちにオケに引き継がれて、打楽器になってしまうし。
ピアノが甘いフレーズを弾くと、オケは静まるし。
ちょっぴりグロさも感じされる、液体のなかに浮いているような静謐さが2楽章にはあるのだが、それにしても、オケは雄大に演奏されていて〜 ロマンティックといっても良いぐらい。
うむ。ちょっとオケは、大層かも。金管が雄弁で、ふわ〜っと円を描きたいように聞こえる。
また、もっと、もっと、下に沈み 沈んでいきたい意識が強いように感じられた。

3楽章
ピアノが細かい音階を弾いているようなフレーズが出てきて、
金管が、「ふぁっふぁ ふぁっふぁ ふぁっふぁ  ふぁっふぁぁ〜」
「どれふぁ みふぁ みふぁ みふぁ ふぁ〜っ ふぁ〜」
「どれふぁ タッタ たぁ〜」
「みっみ れ〜 どっど し〜」と跳ねているかと思ったら、音を変えて、タッタ た〜
ハイ、始終飛び跳ねているワケじゃないんですけど、なにせ飛んでます。
そして、楽章は、一応分かれているのだけど、続けて演奏されるので、1つの単一楽章のように思える。
最後になって、また、1楽章の冒頭が戻ってくるので、ああ〜これが3楽章か。と思う程度で、印象的な同じ主題の間に挟まれた部分が、2楽章になっているように聞こえる。
まっ 全部通しても15分程度の楽曲で、暗い印象を受ける中間の主題が2楽章となっている。
これは、CDで聴いていても面白いんだけど、生でピアノを聴いた方が、動きがわかってよいかもしれませんねえ。聴かせどころというと、飛んでいるところかなあ。
最後、金管が、「らそふぁそ らそふぁそ〜」と主題が戻ってくるんですけど、このフレーズが無ければ、まとまりも無いような雰囲気ですけど〜 主題が強い印象で彩られているので、最後、主題が登場しただけで、まとまっている感じを受けるようで〜、はあ。金管のフレーズが、とても大事です。
あとは、ピアノの高音域の強さ、不気味さを醸し出す2楽章。

クライネフ盤は、全体的にサイボーグのような硬質な音で彩られており、緩い部分が無いといっても過言じゃないのだが、それが、妙に気持ちの良い演奏で〜
弦の引きと、ピアノの音がマッチングしていないと、空中分解しちゃうのだろうが、これは、ぴたりと合っているような気がする。まあ。どの演奏で聴いても、ピタっと合っていれば気持ちが良いような曲で、合わないと、こりゃ〜ダメ 出しなんで、どうだこうだとは、言いづらいモノがありますが。
まあ、ワタシの素人な感覚では、主題のご大層さが、妙にハマリます。
というか。オケの鳴りっぷりが妙に堂々としているのに、のみこまれるというか、オケの恰幅が良さに唸った感じですかね。
ホント、雄大な感じで鳴っていて、ねじ伏せられたような感じもするが・・・そこが、妙にはまります。
あっ この曲、ピアノ協奏曲でしたねっ。(苦笑)
ピアノは、結構快速で、回転度数が自然と上がっていくところがスゴイです。オケに負けない力強さは、メチャ感じます。3番は、崩壊しそうなほど、ピアノの方が速かったんですけど〜 まあ、なんとか1番は合っているような気がするんですけど。 ちょっと怪しいかな。他の盤を聴くと、ちょっと、ピアノは、スマート過ぎるかな〜という気がしますが、楽曲の良さで、録音年は、1991年〜92年としかCDに記載が無いので、一応、92年とサイトには掲載しておきます。

キーシン アバド ベルリン・フィル 1993年
Evgeny Kissin
Claudio Abbado
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

録音状態は良い。ピアノ協奏曲というより、交響詩的なスケールの大きい演奏で、オケがダイナミックに伴奏を務めている。
カップリング:プロコフィエフ ピアノ協奏曲第1番、第3番(ライブ)

1楽章
「ふぁ ふぁ ふぁ〜ら どれふぁそ らそふぁそ らそふぁ そっそ らそふぁ どっど れどしど」
「れどしど どっど れどしど れどしふぁ そふぁれそ」
この出だしの部分で、弾む感じの場面があり、力強く硬めにアクセントをつけてくる。
テンポは、さほど速くないのだが、硬い力強さと瑞々しさが、金管が合わさると色彩的にも煌びやかだ。
アバドさんのふるオケの硬質感が、ところどころアクセントを付け、タメを取ってて気持ち良い。
適度に大見得を切ってて、ハイ、舞台を開けますよぉ〜的な雰囲気がある。

で、この序奏部分が終わると、細かく飛び跳ねてくるピアノの独奏部になっていく。
「どれふぁ そっそ そっそ どれふぁ そっそ そっそっ・・・」
「どれふぁ そっそ そっそ そっそ そっそ そっそ そっそっ・・・」
キーシンさんの細かく飛び跳ねる音は、瑞々しい音だし、煌びやかだし、オケの伴奏も細やさを持ち合わせてて、この場面だけでも結構楽しい。できあがったばかりの金平糖が、1つ1つ、滑り台を転がり落ちてくるような可愛らしさがあ り、硬い高音域のピアノの、タッタ タッタ タッタ タッタ・・・の音が跳ねて、オケの伴奏とバシっと合体してて、音符同士が、パーツのように組み合わさって、綺麗に合体してく光景を見ているよう だ。何かしら機械的ではあるのだが、一種爽快さがあって面白いし、楽しい。

2楽章
で、2楽章に入ると、「どぉ〜 しどぉ〜 みれしら そぉ〜らふぁ〜」と、朝靄の湖面のような表面をなでるような、不思議さを醸し出してて、この場面展開は見事だと思う。 柔らかい陽射しのようなクラリネットの転がるフレーズも入って広がり感を出してくる。
キーシンさんのピアノも、水の精のような可愛くて、瑞々しさを表面に出してて、間合いも綺麗に転がっていくし、冷たくも美しい粒が置かれていく。硬くてピアノの強いタッチに混じって、オケの音が続く。
オケとピアノが合体してくると、硬質感を増して、ますます輝いていくし、深い谷に誘われるような不気味さもあって、結構、スケールの大きな世界を描こうとしているようだ。

3楽章
機械的な音階を弾いているようなピアノのフレーズが出てきて、コミカルに動き回っていく。
そのうちに、「どれみ ふぁっふぁっふぁっ」と揺れが大きくなってきたところで、金管がダメ押しして、再度、ピアノが音階を弾いているようなフレーズとなる。
「どれふぁ みふぁ みふぁ みふぁ ふぁ〜っ ふぁ〜」
一見バラバラのパーツなのだが、音の自由な動きと、パーカッションの音の入り方とかは、オケの巧さが目立つかなあ。伴奏の巧さというより、世界観の描き方の大きさが、う〜ん。やっぱ巧い。
1楽章のフレーズが戻ってくるあたりのスケールの大きさや色彩感は、他盤を寄せ付けないぐらい、大きくて、やっぱり巧いよなあ〜と思う。

わずか、15分程度の楽曲なのだが、いろんな要素を含めて、最後に戻ってくる回帰性のある楽曲で、ホント、この盤を聴いていると、スケールの大きい演奏だと思う。2楽章の瑞々しくも、妖しい世界をくぐって戻ってきたような雰囲気を描いているし、ピアノ協奏曲というよりは、こりゃ交響詩的な世界のようだ。
ある意味、3つの場面、いや、それ以上を描いた組曲のようでもあり、、、
う〜ん。これは、オケによるところが大きいけれど、ピアノも主張してて、見事だと思う。
1974年 ベロフ マズア ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 EMI ★★★★
1992年 クライネフ キタエンコ フランクフルト放送交響楽団 ★★★★
1993年 キーシン アバド ベルリン・フィル ★★★★
所有盤を整理中です。

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