「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

R・シュトラウス ホルン協奏曲第1番、ヴァイオリン協奏曲
R. Strauss: Horn Concerto No.1, Violin Concerto


ここでは、R・シュトラウスのホルン協奏曲第1番曲と、ヴァイオリン協奏曲をご紹介しましょう。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

ホルン協奏曲第1番は、原題「ヴァルトホルンと管弦楽のための協奏曲」(変ホ長調 作品番号11)で、1882年から83年に作曲されています。交響詩などに着手する以前の18歳の頃の作品です。モーツァルト、メンデルスゾーン、シューマンからの影響を受けているようです。ホルン協奏曲の中でも、モーツァルトに次いで、演奏頻度の高い曲の一つとなっています。なお、第2番(AV132)は、約60年後の1942年に作曲されています。

第1番は、3つの楽章が切れ目無く演奏されます。
第1楽章 変ホ長調 4/4拍子 自由なロンド形式
第2楽章 変イ短調→ホ長調→変イ短調 8/3拍子 三部形式
第3楽章 変ホ長調 8/6拍子 約15〜19分の曲です。

R・シュトラウスのヴァイオリン協奏曲(ニ短調 作品8)は、1881年〜82年に作曲されています。彼が初めて手がけた協奏曲で、ブラームスなどの影響が感じられる初期を代表する曲ですが、演奏の機会はあまりありません。88年にはヴァイオリンソナタ(作品18)を作曲しています。
第1楽章 ニ短調 4/4拍子 協奏ソナタ形式
第2楽章 ト短調 8/3拍子 三部形式
第3楽章 ニ長調 4/2拍子 ロンド形式 約30分の曲です。

ホルン協奏曲第1番も、ヴァイオリン協奏曲も同じ頃に作曲されています。R・シュトラウスは、ミュンヘン宮廷歌劇場の首席ホルン奏者であった父親の影響もあって、若い頃から作曲を始めたそうで、学生時代の曲という感じがします。
でも、習作というのではなく、結構立派な曲で、いずれも大変ロマンティックな曲で、親しみやすい曲です。
ホルンはともかく、ワタシ的には、もう少しヴァイオリン協奏曲は、人気が出ても良いと思うのですが〜  
なぜか、一般的には、ヴァイオリン・ソナタの方が人気があるようです。ソナタはCD数があるのですが、ヴァイオリン協奏曲の方は、さっぱり〜です。

ウルフ・ヘルシャー ケンペ シュターツカペレ・ドレスデン 1975年
Ulf Hoelscher
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

まっ こんなモン

録音状態はまずまず。甘美で官能的な楽曲なのだが、多少かすれぎみで、艶のある音質ではない。R・シュトラウス管弦楽作品全集 9枚組BOX
R・シュトラウス ホルン協奏曲第1番

1楽章
あまり録音されていないので、このR・シュトラウス管弦楽作品全集に収められた演奏は、少なからず貴重かな〜と思う。75年の録音なので、さすがに、最近の録音に比べると、少し古めかしい感じもするが、まずまず録音状態は良いと思う。 演奏自体は、手堅いという印象だが、ロマンティックな楽曲で、若々しい。
ヘルシャーさんは、1942年生まれのドイツ人、ヴァイオリニストなので、30歳そこそこの演奏だ。
オケは控えめな伴奏という感じもするが、ヴァイオリンのフレーズは、歌っているし、弓がしなって動いているのが見えてくるようだ。伸びやかさも充分あるし、1楽章ラスト近くでは、ケンペさんのオケが、熱みを帯びて速めに演奏されており 、勢いを感じるものとなっている。
もう少し速いテンポで演奏してもよいだろうが、この瑞々しい感覚は、あっさり弾いちゃうと、もったいないし〜 かといって、大層な大柄な演奏にしちゃうと、はあ? なに考えてるの? アホかいなあ〜っと言われかねない。
ある程度の年齢を重ねていくと、ロマンティックすぎて弾けないかも。
即物的になっちゃうかもしれないし、じっとり、脂ぎった演奏になってしまうかもしれず、若い時は、勢いでいっちゃえるけど、考え込むと、演奏できないかもしれません・・・ こりゃ難しいかも。テクがどうのこうのではなく、素がでちゃう・・・。(笑)

2楽章
しんみりと歌われる楽章で、ちょっぴり憂鬱な表情を見せているが、若い年代にありがちな、ほろにがい甘さが感じられる。
揺れる心情が、翳りをみせ、すねた感じで表出されており、乾いた音質で描かれている。
ヴァイオリンの音色は、さほど深みをもっておらず彫りも浅め。
で、じとっとした陰翳でもない。さほど、陰翳は濃くはないので、甘さが、自然と、ふっと表に出てくるような感じで、やっぱり若いっ〜 アオイとお尻が〜と思いつつも、屈託のない笑いが、どこか羨ましいって感じだ。

3楽章
高音域で踊るフレージングで、さほど愉悦性は感じないけれど、清潔だ。繊細な音で、速いパッセージを弾き、チャーミングさも出てくる。語尾の音が、うえに向かって飛び交うさまはおもしろい。
繊細で軽やかに、癖の無い演奏で、手堅い職人風という演奏のように聞こえるが、無粋ではなく、歌謡風の旋律なので、すぐに、くちずさんで歌える感じで、木管のようにヴァイオリンが短いフレーズを繰り返して行く。
まるで、草原を歩きながら、希望に満ちあふれて、明るく口笛を吹いているかのような、そう〜 まだ幼い、可愛い少年のような演奏となっている。
ことさら、大層な演奏になっておらず、かといって、こじんまりしているわけでもなく、誠実そのもの〜という感じがする。
表現の幅、深さを、求めてくる楽曲ではないので、演奏家にとっては、挑戦しがいのない楽曲かもしれない。
やっぱり、聴いているうちに、瑞々しい20歳頃の演奏家向きなのかもしれないな〜っと思う。
もし、おじいちゃん演奏家が、この曲を取りあげて演奏すると・・・ う〜ん。さすがに、ドンビキかもしれません。キモチ悪いでしょうね。

ヘルマン・バウマン  マズア  ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 1983年
Hermann Baumann  Kurt Masur
Gewandhausorchester Leipzig
(Leipzig Gewandhaus Orchestra)

ほぉ〜良いヤン


録音状態は良い。穏やかに演奏されている。ほっこり〜
カップリング:
1〜2 R・シュトラウス ホルン協奏曲第2番
3〜5 ウェーバー ホルンとオーケストラのためのコンチェルティーノ
6〜7 R・シュトラウス ホルン協奏曲第1番
R・シュトラウス ホルン協奏曲第2番

1楽章
序奏なしで、「ふぁ〜ふぁ〜 らふぁら どぉ〜 」と、力強くホルンがいきなり出てくる。
ちょっと意表を突かれる冒頭だ。で、長いソロが続く。
うわっ 難しそうな曲である。
1番は、華やかな序奏部があるのだが、2番は最初から、ほとんど無伴奏のような雰囲気で、旋律を吹いていく。
オケは、ほぼ目立たないのだ。これは、ホルンも大変だと思うが、テクで真っ向勝負というところだろうか。
ぴよ〜んと、音の跳躍があったりする。
ひとしきりソロの部分が終わると、穏やかなオケの伴奏が登場してきて、まるで、お花畑のハイジのような雰囲気が醸し出されて、アルプスの高原地帯を思わせる。

この2番は、R・シュトラウスの晩年の作品なのだが、なんと〜 穏やかでシアワセ感にあふれた曲なのだろう。
ちっとも、おじいちゃん臭くなく、枯れてないのだ。確か1番は18歳頃の作品で、2番は、晩年の78歳頃の作品である。なんと、60年後の作品なのだ。それがねえ〜 楽曲のイメージだけで聴くと、まるで、20代そこそこに作曲されたような感じがする。 ほほぉ〜 これでは青春時代まっさかりではないか・・・。とても若々しくて微笑ましい。

バウマンさんのホルンは、ちょっと、速いパッセージは苦しそうな場面もあるが、弱音部分が柔らかい。
ちょっぴり強めに吹くところは、割れがちだが、息が長く、音が丸い。
「しそれ そしら〜」「ふぁれぇ〜〜 どらふぁどし〜 らふぁどらそ〜」と、いっけん平板なのだが、穏やかを絵に描いたように吹いていく。1楽章と2楽章は続けて演奏されており、当盤では、インデックスは分かれていない。

3楽章
「どらど ふぁらど ふぁふぁ ふぁどぉ〜ふぁぁ〜」という旋律を繰り返していく。
それが、とっても速いっ。そういう楽曲なんだろうが、速いパッセージに息を詰まらせてしまいそう。
テクニックの方は、さっぱりわからないが・・・
ああ〜無事に音を外すことなく吹けるっていうだけでも、凄いような気がする。
これだから、ど素人は困るっ。と、怒られちゃうかもしれないが、ホント、生の演奏会で聴いても、金管が登場してくるシーンは、聴き手も、結構、ドキドキするものなのだ。


一応、ここで、ウィキペディア(Wikipedia)を元に楽曲をご紹介しておくと〜
R・シュトラウス ホルン協奏曲第2番(変ホ長調 ミュラー・フォン・アゾフによる整理番号はAV132)は、1942年に作曲されている。
シュトラウスは、晩年に、管楽器を独奏楽器としたモーツァルト回帰的な協奏曲を3曲(ホルン協奏曲第2番、オーボエ協奏曲、クラリネットとファゴットのための二重小協奏曲)作曲している。
このホルン協奏曲第2番は、約20分の楽曲で、独奏ホルン、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、弦五部の編成である。

第1楽章 アレグロ 変ホ長調 4/4拍子(1楽章と2楽章は、続けて演奏される)
第2楽章 アンダンテ・コン・モート 変イ長調 8/6拍子
第3楽章 ロンド アレグロ・モルト 変ホ長調 8/6拍子
バリー・タックウェル アシュケナージ ロイヤル・フィル 1990年
Barry Tuckwell  Vladimir Ashkenazy
Royal Philharmonic Orchestra



録音状態は、まずまず。穏やかな安定した演奏。
カップリング:
R・シュトラウス ホルン協奏曲第1番、「ホルンとピアノのためのアンダンテ」、歌劇「カプリッチョ」〜終景への前奏曲〜、 「ソプラノ・ホルンとピアノのためのアルプホルン」、「ホルンとピアノのための序奏」〜主題と変奏〜、ホルン協奏曲第2番

R・シュトラウス ホルン協奏曲第1番

1楽章〜 2楽章
R・シュトラウスに、ホルン協奏曲が1番、2番と2曲あるのは知っていたのだが、ホルンの音色は好きでも、単独(ソロ)で演奏されても、う〜ん。わかるかしらんって感じなのだ。
オケのなかで、まろやかに吹かれる奥深い印象的な音色。
ブラームスやベートーヴェンの交響曲のなかで、ほっと、一息つけるフレーズとして、また、ブルックナーの交響曲やウェーバーの楽曲で、角笛風に吹かれている楽曲では、特に印象に残るんだけど。
ても、ホルン協奏曲のCDを聴く機会は無いに等しい。
ホルンの協奏曲って、ふ〜む。それも、苦手なR・シュトラウスだけど・・・。

冒頭は、全合奏で出てくるが、その直後から、ホルンが単独で吹かれる。
「ふぁらっどぉ〜 らっれどぉ〜 らふぁそ ふぁらっそ ふぁっどら ふぁっれどぉ〜 そ〜」
へえ。まるでアルプスじゃん。いっきに標高の高い別世界に飛んでいってしまう。
タックウェルさんのホルンは、素直な音色がする。
オケが、イマイチ弾んでくれなくって、なんだか、安全運転すぎて、ちょっと、まどろっこしい感じがしてしまうが。まあ。アシュケナージさんだし、ちょいとヌケがイマイチかも。
「どどぉ〜 らふぁ〜 ふぁしらそ ふぁそふぁみ〜 どふぁ〜そどら しし どれそ〜」
まっ そんなことより、ホルンだよね。ホルンって音程を決めるのって難しそうなんだけどなあ。
素朴だが、音が上に向かうところの、ふわーっとした感じがいい。タックウェルさんのホルンは、穏やかで安定している。この方、ロンドン交響楽団で活躍されていたとのこと。
「そ そ〜どぉみそ〜 そ ど みそど〜みふぁそらし〜 そっらし〜 ぱららら〜」
「そそっ そらしど〜」「み〜ど み〜ど みっみっふぁそ そ〜み そ〜み そっそらし どどどど ど〜」
「どぉ〜 そみど〜 れみふぁらしどぉ〜み〜 どふぁれ〜そ〜」
ホルンって、伸ばす音しか、あまり聴かなかったような気がするんだけど。長めの音だって、ライブだと、音を外しちゃう場面も、結構見るもんねぇ・・・ 
もしかして、弾むようなリズミカルな音型なんて、、、超むずかしんじゃー ないだろうか。

2楽章は、息の長いフレーズが続く。緩楽章で、「み〜ら〜 み〜ど〜 らみ〜 み〜れれど しらし」
あまりに息が長くて、フレーズの全容がつかみづらい。
どこで切ったら良いのぉ?ってな感じで、良く見えてこない。これはオケもホルンも同様。
「どぉ〜ど〜 ら〜ふぁ どらしど〜ど みれどふぁ〜」
「れらし し〜らそふぁ ふぁみ〜 みれど ふぁ〜そ」
「ど ど〜 ら〜ふぁ〜 どらしど〜 どみれどふぁ〜」
「ふぁしふぁそ そどし らら らら・・・」
大きく音を出してくるところは、ちょっと強いアクセントがついてて、う〜ん。それに、オケが、なんだか、てれ〜っと演奏されてて、まるでイージーリスニング風になっている。
音が長いんだよなあ。息が長すぎて、ちょっとメリハリに欠けているような気がする。

3楽章
快活な楽章で、音が弾むのだけど、オケが、、、うぐぐ。
この序奏部分、メチャ大事なところだと思うんだけど、イマイチオケのノリがよろしくない。
「どふぁら ど〜れ どっらふぁっ そ〜ふぁらそ〜 そらし〜 らしっ・・・」
まっ ホルンの速いパッセージが続くのだが、聴いてて苦しくなっちゃうこともなく、へえ〜 大変そう。と思いつつ、なかなかに楽しめちゃった。
それにしても、ホルンで3連符かあ。「ららら ら〜ら らっららっら ら〜らら ら〜」
ん? どーもリズムが違うなあ。何度か繰り返して聴いてみたが、拍の調子が取れない。
明るく開放的に、のびやかに歌ってくるのだが、「どふぁら らっれど〜 らふぁど〜 ふぁらそぉ〜」
えっ? どこで、区切りがついているの? 曖昧だなあ。
ホルンのテクは、よくわからないけれど、なかなかに陽気で、標高の高い空で、吹かれているホルンって感じがして、よい 演奏だと思う。アルプス的なのは、アルプス風情満喫できる。

で、タックウェルさんの演奏は、ケルテスとの66年の録音もある。(いずれも、レーベルはデッカ盤)
オケが、ケルテス、ロンドン交響楽団なので、アシュケナージさんの指揮よりは、もっと快活かもしれない。
いやいや〜 きっとそうに違いないっ。ケルテスさんの指揮の方が、キレがあるだろうなあ。
一応、アシュケナージ盤も、畳みかけるようにあがっていくんだけど。空気感が、ちょと、どんより気味。
ホルンは標高が高いところに位置しているのに、オケがなあ。
海抜0メートル付近って感じだ。

  ラルス=ミヒャエル・ストランスキー プレヴィン ウィーン・フィル 1996年
Lars Michael Stransky  André Previn
Wiener Philharmoniker (Vienna Philharmonic Orchestra) 



録音状態は良い。華麗なるオケと、まろやかなウィンナ・ホルンで、まるで、オペラの序曲を聴いているようだ。
カップリング:カップリング:
1〜4 R・シュトラウス オーボエ協奏曲
5〜7 R・シュトラウス ホルン協奏曲第1番
8〜9 R・シュトラウス ホルン協奏曲第2番
10〜13 R・シュトラウス 二重小協奏曲
R・シュトラウス ホルン協奏曲第1番

1楽章
冒頭の「ふぁ〜」の1音は、全合奏だが、直後からホルンが単独で吹かれる。
「ふぁらっどぉ〜 らっれどぉ〜 らふぁそ ふぁらっそ ふぁっどら ふぁっれどぉ〜 そ〜」
その後、オケが絡んでくる。「そ〜ど しぃ〜 しれっど らっそれ そっしら・・・」
ホルンの1フレーズは、アルプス的だったのに、オケが入ってくると、まるでオペラの序奏である。
オケが、ウィーン・フィルだからか、華麗なるサウンドで、舞台の幕開けのように奏でられている。
タックウェル盤は、標高の高いアルプスの高原のようだったのだが、ここでは、バラ騎士みたいだ。
こりゃ〜すごい。オケが、華麗な響きで、まろやかに旋律を歌うように奏でていく。
再び、ホルンのソロが始まる。
「どどぉ〜 らふぁ〜 ふぁしらそ ふぁそふぁみ〜 どふぁ〜そどら し〜し ど〜れそ〜」
「どどぉ〜 らふぁ〜 ふぁしらそ ふぁそふぁみ〜 そど〜しらどふぁ〜 ど〜らら らそふぁ〜み」

ラルス=ミヒャエル・ストランスキーさんのホルンは、若手のウィーン・フィルの首席だ。
ここで吹かれるウィンナ・ホルンは、柔らかい。
「 らぁ〜みどら〜 らしど ふぁ〜ど〜ふぁ〜」・・・1オクターブあがるフレーズも、楽々と吹き上がってくるし、伴奏のチェロの甘い調べが心地良い。オケの弦の音色と、巧く絡んでいる。
これぞ、協奏曲っ。
「み〜ど み〜ど みっみっふぁそ そ〜み そ〜み そっそらし どどどど ど〜」
「どぉ〜 そみど〜 れみふぁらしどぉ〜 み〜 ど〜ふぁ〜れ〜 そ〜」
ソロの部分と、オケと絡むところ、オケだけで奏でるところ。これら場面ごとの音量のバランスや、旋律の歌わせかたが、やっぱりプレヴィンさんの手腕だと思う。伴奏は、これはみごとだ。
しっかり、オケがコントロールされてているし、ホルンだけがフレーズから浮いたり、響きのなかに溶け込み、かといって、埋没することはない。
このホルンの音色が、まず柔らかく、明るいトーンである。

2楽章
弱音の緩楽章になっている。悲しいフレーズで、ホルンが途中で1オクターブあがる。
「 み〜ら〜 み〜ど〜 らみ〜 み〜れ れ〜ど しらし」
「みみ〜ら〜 み〜みど〜 し〜ら そふぁ み〜み〜」
弦がそっと寄り添うように、ホルンが奏でる悲しげなフレーズを支えている。
長音が続いていくホルンなので、小刻みに動く弱い弦の響きが、背後に聞こえるのは嬉しい。
「どぉ ど〜 ら〜ふぁ どらしど〜 ど みれどふぁ〜」
「れらし し〜らそふぁ ふぁみ〜 みれど ふぁ〜ふぁそ〜」
「どぉ ど〜 ら〜ふぁ どらしど〜 ど みれどふぁ〜」
「ふぁしふぁそ そどし らら〜ら らど〜らみ〜どれみふぁ〜そふぁみ ら〜」
ストランスキーさんのホルンは、強めに吹かれても、あくまでも柔らかい。
タックウェルさんのホルンは、かなり強めに音が出てきたのだが、ストランスキー盤は、耳に優しい。
それに、オケの弦の厚みと艶、旋律も、柔らかいけれど芯があり、フルートなどの響きが、きちんとミックスされている。やっぱ、このオケは美音だ。

3楽章
快活な楽章で、「どっど どぉ〜 どっど どぉ〜(パパパパ)」
華麗に序奏を描いて、ホルンの出だしを待っている。まるで、レッドカーペットを敷いているみたいだ。
ふふっ やっぱオペラみたい。弦が弾んでて、ワクワクしちゃう。楽しいロンドだ。
「どふぁらど〜ら れどらふぁら そ〜ふぁらそ〜 そらし〜ら どしらそふぁみれ ど〜みれど〜」
それにしても、ホルンで3連符かあ。「ららら ら〜ら らっららっら ら〜らら ら〜」
6/8拍子だと思うが、これが、リズミカルに繰り広げられていく。
最初は舞曲のように奏でられていたが、中間部では、フルートが鳥が鳴いているようなフレーズを間に入れてきて、俗世間から離れ、いっきに牧歌的な雰囲気を醸し出してくる。
このフルートが良く聞こえるのが嬉しいし、ホルンは、角笛風に鳴っている。 最後、ちょっと、指が回らない、いや、舌がもつれた?のか、ちょっと1箇所だけ音が、、、というところがあったけど、文句言いません。

華麗な面と、牧歌的な面を、行きつ戻りつして、多彩な一面を見せてくれる楽曲を、存分に聴かせていただいたと思う。ホルンももちろん巧いと思う。特に、オケが歯切れ良く、華麗に奏でられ、歌うところは、たっぷり〜 これが超嬉しい。

 

サラ・チャン サヴァリッシュ バイエルン放送交響楽団 1999年
Sarah Chang
Wolfgang Sawallisch
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)



録音状態は良い。少しヴァイオリンの線が細いようにも感じるが、十分な叙情性を持ち、明るくて、ピチピチした演奏で、屈託がないように感じる。
カップリング:R・シュトラウス ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリン・ソナタ

R・シュトラウス ヴァイオリン協奏曲

1楽章
「みぃ〜 しぃ〜み みぃ〜しぃ〜み みぃ〜 しぃ〜(らっそふぁみっ)」
「みぃ〜 みぃ〜み みぃ〜みぃ〜み みぃ〜 み〜(らっそふぁっそっ)」
冒頭こそ、ティンパニーに金管を伴って、豪快に出てくるけれど、それ以降は、フルートの音色が登場する。
で、跳躍感のある「しぃ〜 みぃ〜 しぃ〜み」と繰り返し、単純な跳躍だ。
どこが面白いというわけでもなく、 「しれふぁしぃ〜」と、単調に繰り返すものだ。しかし、もの悲しいフレージングではあるのだが、どこか、とらえどころの無い、不可思議な風のように過ぎ去っていく。
えーっ 最初だけ豪快で、まるで、とってつけたみたいな〜 あとが続かない楽曲である。まるで、チャイコフスキーのピアノ協奏曲の出始めみたいな感じという感じもするが、どこか懐かしい歌謡風フレーズが続く。 すぐに、メランコリックな調子で、陰影が深い。「れぇ〜らぁ〜れ どぉ〜らぁ〜ど しぃ〜どしら そぉ〜」

ヴァイオリンのソロ部分は、可愛い旋律で彩られている。
「れぇ〜 みそ どれ〜 どしぃ〜 れぇ〜みそ どれ〜 どしぃ〜」
「しっし そぉ〜 そっそ みぃ〜」 と、まるで少女のようなフレージングである。さほど、馬力が必要でも、テクニックが必要とも感じない。どことなく牧歌的で、のどかで、スイスの村で、少女ハイジが歌います〜♪ という感じなのだ。
多分、R・シュトラウスの作曲とは思えないだろうし、初めて聴いた方だと、チャイコフスキーの初期の作品かな〜と思うのではないだろうか。いや、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番のに近いというか〜  まっさか、あの旋律の複雑なR・シュトラウスの作品とは思えないほど、初々しいですね。

2楽章
「み どぉ〜 しぃ〜 れどぉし みぃ〜  らぁ〜 そぉ〜 ふぁれど しぃ〜 らぁ〜」
「み どぉ〜 しぃ〜 れどぉし みぃ〜  らぁ〜 そぉ〜 ふぁれど しぃ〜 らぁ〜」 「みみみぃ〜・・・」
まるで、演歌の世界ですねえ。
マッチ売りの少女が、ひとり寂しく、クリスマスの夜 雪が降るなか、マッチを売っていたのでした。そこに、一人の親父が・・・ って感じのストーリーが、ついてくるような旋律というか、劇付随音楽的な感じがする。
素朴で、お涙頂戴風ではあるが、切なくなる旋律が、童話的に、紙芝居的に繋がってくる。ストーリー仕立てが巧いなあと思う。なんとなく、イメージしやすい音楽で、ゆったりしたフレージングで、歌謡風なので、大変親しみ安い。
この楽章を聴いても、まっさかね〜 R・シュトラウスとは・・・。

3楽章
「そそらし みみふぁそ どどれどしみ しっしっふぁふぁ みれどしっ」
というような、可愛いフレーズで、爽やかに、軽やかに、芝生のうえを、細かく跳ねていくような感じの曲である。
重音で奏でている場面もあると思うのだが、特に、さほどテクニシャンでなければ弾けないという楽曲ではないように思うのですが〜 ライナーノートには、この楽章は、ソリストの技巧をかなり要する楽章でもある。と書いてありました。(苦笑)
素人の感想なので、あてにしないでください。

ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、
ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品8は、リヒャルト・シュトラウスが、1881年から1882年にかけて作曲したヴァイオリン協奏曲。演奏時間は約30分。シュトラウス唯一のヴァイオリン協奏曲であると共に、彼が初めて手がけた協奏曲。
ブラームスなどの影響が感じられる初期を代表する古典的な構成の大作であるものの、現在演奏の機会は少ない。
ヴァイオリンの師であるベンノ・ヴァルターに献呈された。
シュトラウスは少年時代より、ヴァルターに師事していたことからヴァイオリンの演奏技巧に精通しており、この曲の後にはヴァイオリンソナタ作品18を完成させている。・・・とあった。

作品8とのことなので、かなり若い頃の作品だ。で、ロマン派の要素をたっぷり含んだ甘い旋律に彩られている。
R・シュトラウスは、交響曲を書いているわけでもないし、やっぱり、テーマ性のある標題音楽の作曲家だな〜と再認識したし、まるで、少年の甘い夢を見せていただいたような気分で、ほほ笑ましい。

ケンペのR・シュトラウス全集のなかにも、ウルフ・ヘルシャーのヴァイオリンで、R・シュトラウスのヴァイオリン協奏曲が収められているのだが〜 
サラ・チャンさんの演奏は、ちょっと録音の加減なのか、ヴァイオリンの線が細い感じられる。華奢な感じで、ちょっと細すぎかな〜という感じがしちゃうが、オケの方は、確かに、さほど頑張って演奏しなきゃーという楽曲でもなく、 サポート役にまわっているとは思う。

まあ、なんだかんだっと言っても、めったに録音も演奏もされていない楽曲で、このCDは、サラ・チャンさんが19歳の時の演奏だというし、R・シュトラウスのヴァイオリン協奏曲とヴァイオリン・ソナタという珍しいカップリングである。
おまけに、サヴァリッシュさんが、協奏曲はもちろん指揮者をしているが、ヴァイオリン・ソナタでは、ピアノを弾いておられるということで、ファンの皆さんにとっては、喜ばしいCDではないかと思います。

ホルン協奏曲
1975年 ダム ケンペ シュターツカペレ・ドレスデン EMI ★★★★
1983年 バウマン マズア ゲヴァントハウス管弦楽団 Ph ★★★★
1990年 タックウェル アシュケナージ ロイヤル・フィル Dec ★★★★
1996年 ストランスキー プレヴィン ウィーン・フィル  
ヴァイオリン協奏曲
1975年 ウルフ・ヘルシャー  ケンペ シュターツカペレ・ドレスデン EMI  
1990年 サラ・チャン サヴァリッシュ バイエルン放送交響楽団 EMI ★★★★
1991年 ボリス・ベルキン アシュケナージ ベルリン放送交響楽団 Dec  
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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