「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲
Rachmaninov: Rapsodie sur un theme de Paganini 
(Rhapsody on a Theme of Paganini)


ラフマニノフのピアノとオーケストラのための「パガニーニの主題による狂詩曲」(作品43)は、1934年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)によると、ロシア革命の混乱で、母国を離れたラフマニノフは、帰国することもかなわず、アメリカ合衆国でピアニストとしての生活を送るようになっていました。ピアニストとしての名声を獲得する反面、作曲にはなかなか取り組めなかったそうです。

この曲は、25部からなる変奏曲形式の、ピアノを独奏楽器とする協奏的狂詩曲で、31年、夏の休暇を過ごすためにスイスのルツェルン湖畔に建てた別荘で作曲されています。初演は34年、自身のピアノ独奏、ストコフスキー指揮、フィラデルフィア管弦楽団により行われたそうです。

アシュケナージ ハイティンク フィルハーモニア管弦楽団 1986年
Vladimir Ashkenazy  Bernard Haitink
Philharmonia Orchestra of London 

録音状態は良い。軽やかであり、まったり系。
カップリング:ピアノ協奏曲第1番(コンセルトヘボウ)
他にもピアノ協奏曲第3番とカップリングされている盤もあるが、いずれも、ピアノ協奏曲(全集)2回目の録音である。

パガニーニの主題による狂詩曲は、主題と24つの変奏で構成されており、それを全部聴いて感想を述べるなんて、とってもできないんだけど〜
アシュケナージ盤は、録音状態も良いし、軽やかに華麗。
冒頭の序奏部分より、かなり楽しげに飛び跳ねて、聴いていると痛快になってくる。

パガニーニの「24のカプリース」の第24番のメロディーを主題にして、反行形、まっ いわゆる上下反対にした音で、
「らっら らどしら みっみ みそふぁみ らっら らどしら みっみっ」
「らどみふぁ みっふぁっ」
「らっ らしどれ みっみ」「らっ らしどれ みっみ」「らっ らしらそ ふぁれ」「そっ そしらそ ふぁっれっ」
「らどみふぁ みみみっ」 

なーんて感じに、主題をちょっと変えては、雰囲気の違う様相を、テンポアップして展開される曲である。
ツブツブの華麗な音であり、軽快であり、リズミカルで〜 
また、ピアノとオケが、甘く、とろけるような緩やかなフレーズが流れてくるし、そのめまぐるしい展開に酔いしれてしまえる曲でもある。
で、映画音楽にも使われるような、ムード音楽にもなりそうな変奏曲もあって、ピアノ協奏曲としても聴けるし、多様な構成にもなって、ゴージャス感もある。
第7変奏曲は、「怒りの日」がテーマになっている。「ど〜しど らしそ らら〜」 派手な装飾で、ジャジャージャジャン とバックが鳴る。
第18変奏曲は、ハイライトであり、超有名だ。
一度聴いたら忘れられない甘いメロディーで、ちなみに、現在、ワタシの携帯電話の着信メロディーになっている。
「らぁ〜ふぁそられ〜 しどれら〜 し〜らふぁらどれ〜 みしどれら〜」
でも〜 この18番目の変奏曲は、「らどしら み〜」という音が入っていないんだけどなぁ。

ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、 こんな感じになっていた。

左上がパガニーニの主題で、第18変奏曲のテーマは、左下に変型している。はあ。ミラー状態なのね。
 

このアシュケナージ盤で全曲24分7秒というクレジットになっているので、1つの変奏曲1分程度という割合になるんだけど〜 もちろん1つ1つの変奏曲は、均一ではない。
あっという間に通り過ぎる変奏曲もある。
しかし、この構成がみごとというか、演奏家も、聴いている側も、面白いのではないだろうか。
主題を分解して解説するところは、他の方に譲るとして〜 (能力がないため)

このアシュケナージ盤は、甘いフレーズは、しっかりと糖度が高い。ため息をつくような、息づかいが聞こえてきそうな間合いが、何とも言えない。 (というか、これにワタシ的には、繰り返してこの盤を聴いてしまったので、染まってしまっているため、なかなか客観的評価がしづらい)、 かといって、当然のことながら、完全にムード音楽にはなりきってない。
まあ。この点は、個人の好みに左右されてしまうところかと思います。


ルガンスキー オラモ バーミンガム市交響楽団 2004年
Nikolai Lugansky
Sakari Oramo City Of Birmingham Symphony Orchestra



録音状態は良い。さらっとスピード感をもって弾いているが、かなり情熱が伝わってくる。とても表情が豊か。
カップリング:
1〜12 パガニーニの主題による狂詩曲(2004年)
13〜22 コレッリの主題による変奏曲(2003年)
23〜34 ショパンの主題による変奏曲(2003年)
このCDには、パガニーニと、コレッリ、ショパンの主題による〜という曲が収められているもの。
ラフマニノフのピアノ協奏曲が良かったので買ったのだが、ピアノ協奏曲1番〜4番、パガニーニの主題による狂詩曲、コレッリとショパンの各主題による変奏曲が収められた3枚組BOXも発売されている。
えーっ ワタシは、バラで買ったのに・・・。(と、ちょっと不満だが)演奏は、とびっきりナイスだ。

ルガンスキーさんは、72年生まれのロシア人ピアニストで、94年、チャイコフスキー国際コンクールで(1位なしの)2位を取った方である。
もちろんテクニックは抜群だし、オケもスマートに演奏されている。
どちらかというと、端正で軽やかさも感じるが、結構パワフルで、手に汗を握るかのようなスリリングさや、情熱が感じられる演奏だ。でも語り口は、さっぱりしているという感じ。
っていうか、あまり表面には、メラメラ立ちのぼる情熱や暑苦しさは感じないのだが、じわーっと燃えている感じだ。
この曲は、24もの変奏曲が詰まっているので、表情ががらり〜っと変わるのが、魅力的な楽曲なわけで〜表情の豊かさが問われるし、実際、めまぐるしく多彩に変わっていく。爽やかな朝の雰囲気や、妖しい夜の雰囲気も演出しようと思えば、存分に演出可能な楽曲だと思う。

テクニックも当然必要だけど、聴き手にとっては、ピアノの音が、どれだけ表情を変えてくるのか〜とても興味が湧いちゃう。
ルガンスキーさんのピアノは、さっぱりしているが冴えが見えるというか、押しつけがましい表現ではないが、かなりパッションあふれる演奏で、バックのオケも熱っぽい。端正なんだけど楽しんで遊び心も、見え隠れしているし、面白い。
タメ感のある、ねちっこさのある演奏は、どうやら一昔前って感じだが、いやいや、ラフマニノフには、タメ感や粘りも必要な要素なんだよ〜とは思う。
ジャズのような崩しも必要だと思うし、軽やかだが、華やかでなくちゃーいけないし、華やかなショーの後の寂しさも感じたいしと、なかなかに聴き手の要求度も高い楽曲ではないだろうか。(えっ これは、ワタシの勝手なイメージですけど。)

録音状態にもよるのだろうが、アシュケナージ盤が暖色系の太めの音だとすれば、ルガンスキー盤は寒色系のさっぱりした音質だが、出てくる音には力があるので、そのイメージの違いにも驚かされるように思う。
また、演奏は、多彩さを充分に出しており、優美に、情熱的に、そして、華やかだけど、人知れず寂しさも、儚さも持ってて、ロマンティックなのだけど、ふわっと、浮き世離れしていながら〜 むっとする世俗感も漂わせてくるところが、すごいと思う。とても満足度の高い演奏です。
あっ 一応、説明しておくと、構成は24の変奏曲になっていますが、CDのインデックスは12に区分されています。
短い変奏部分もあるので、ズレが生じています。


パガニーニの主題による狂詩曲の構成について、ウィキペディア(Wikipedia)によると・・・

主題と24の変奏から成る。一般の変奏曲と異なり、第1変奏のあと、第2変奏の前に主題を置いている。
主題は、パガニーニのヴァイオリン曲「24の奇想曲」第24番「主題と変奏」の「主題」を用いている。
すなわち、パガニーニと同じ主題を使って別の変奏を試みているのである。イ短調。

序奏:イ短調 2/4 主題の部分の動機が3回繰り返される。
第1変奏:イ短調 2/4 オーケストラによって主題が間欠的に演奏される。
主題:イ短調 2/4 ピアノが主題を間欠的に演奏する中、ヴァイオリンが主題を演奏する。第1変奏が主題を間欠的に演奏しているため、この主題が、あたかもこの第1変奏の変奏であるかのように聞こえる。
第2変奏:イ短調 2/4 ピアノとオーケストラが役割を交代する。後半になって変奏曲らしい装飾が十分に聞かれるようになる。
第3変奏:イ短調 2/4 オーケストラが細かく動く中、ピアノがゆったりとオブリガードを演奏する。
第4変奏:イ短調 2/4 いくらか急にテンポを増す。動機を2つのパートが素早く掛け合いを行う。
第5変奏:イ短調 2/4 歯切れの良いリズムになる。
第6変奏:イ短調 2/4 同一のテンポながら、オーケストラの動きが止まり、ピアノもひとフレーズごとに動きが緩やかになる。
第7変奏:イ短調 2/4 いよいよテンポが遅くなり、グレゴリオ聖歌の「怒りの日」のテーマをピアノが演奏する。ラフマニノフが生涯にわたってこだわり続けたこのテーマは、この曲にあっては前述のパガニーニの伝説に登場する悪魔を示していると言われる。
第8変奏:イ短調 2/4 最初のテンポに戻り、下から突き上げるようなリズムがあがってくる。
第9変奏:イ短調 2/4 逆付点リズムのような3連符の鋭いリズムで「怒りの日」を変奏する。
第10変奏:イ短調 4/4 「怒りの日」の変奏。クライマックスで3/4拍子と4/4拍子が交代する変拍子となる。静まって次の変奏を迎える。
第11変奏:イ短調 3/4 ヴァイオリンとヴィオラが静かに同音を細かく反復する(トレモロ)中、ピアノが動機を幻想的に繰り返す。後半は拍子を失い、カデンツァ的に演奏される。そのピアノをハープのグリッサンドが飾る。
第12変奏:ニ短調 3/4 はじめてイ短調以外の調で奏される。「メヌエットのテンポ」とはいうもののあまりメヌエットらしさはない。後半のホルンのオブリガードが印象的。
第13変奏:ニ短調 3/4 3拍子に変えられはするものの、主題がヴァイオリンなどにより比較的はっきりと現れる。
第14変奏:ヘ長調 3/4 初めて長調が現れる。主題は鋭く角張って変奏される。
第15変奏:ヘ長調 3/4 前半はピアノだけで演奏される。ピアニスティック(ピアノ技巧的)な演奏が聞かれる。
第16変奏:変ロ短調 2/4 一転して陰鬱に動機を繰り返す。
第17変奏:変ロ短調 4/4(12/8) ピアノが低音でもぞもぞと動く中、オーケストラが動機のあとの部分を繰り返す。
第18変奏:変ニ長調 3/4 主題は別として、この曲の中で特に有名な部分である。しばしば単独で演奏される。パガニーニの主題の反行形(上下を反対にした形)[1]を、最初はピアノが独奏で演奏し、オーケストラが受け継ぐ。
第19変奏:イ短調 4/4 最初の調に戻り、夢が覚めたような印象を与える。ピアノがすばしこく上下へ動き回る。手の大きいラフマニノフならではの奇抜な演奏書法である。
第20変奏:イ短調 4/4 ヴァイオリンがもぞもぞも動き回る中、ピアノが歯切れ良く鋭い音を出す。
第21変奏:イ短調 4/4 ピアノが低音を蠢きながらときどきおどかすように高音に現れる。
第22変奏:イ短調 (4/4) ピアノが重く鋭く和音を刻む。最後はピアノのカデンツァとなって、動機を繰り返す。
第23変奏:イ短調 2/4 主題が明確に現れた後で、ピアノとオーケストラの掛け合いとなり、最後にはカデンツァ風となる。
第24変奏:ニ短調 - イ長調 ピアノが弱奏ですばやく動き回る。10度を超える難しい跳躍をスケルツァンド風に演奏する。金管楽器が「怒りの日」を短く奏した後、トゥッティ で盛り上がるが、最後はピアノが主題の断片を極めて弱く演奏して曲を閉じる。


1986年 アシュケナージ  ハイティンク フィルハーモニア管弦楽団 Dec ★★★★
2003年 ルガンスキー オラモ バーミンガム市交響楽団 ★★★★★
所有盤を整理中です。

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